基本的には車というのは四輪と二輪に大別できるわけだが、
なかなかイメージと異なるものも存在する。
道路標識で「二輪」は 大型自動二輪車・普通自動二輪車・一般原付を表す。
一般的な自転車も二輪車には違いないが標識における二輪には含まれない。
ただ、二段停止線の「二輪」は軽車両(自転車含む)・特定原付も従う。
それこそまず見ないけど、リヤカーも二段停止線の「二輪」なんですね。
それは知らんかった。
リヤカーはタイヤ2つだから二輪かもしれないが、横に2つ並ぶのは二輪車とは言わないだろう。
このため自転車以外の軽車両を四輪側に分類することを想定した仕組みがあった。
車・バイク・自転車・リヤカーのシルエットが書かれた通行止め標識である。
この4つ全てで車両と同義になる仕組みになっている。(cf. 自動車・原付って記号で書けば)
車の標識、バイクの標識は単独で使われることは比較的ある。
この2つを組み合わせたものは東京都ではわりと見る。(cf. 多摩湖周辺の自動車通行止め標識)
一方で自転車の標識とリヤカーの標識は単独で使われると言うよりは、
2つ組み合わせて軽車両通行止めの意味で使われることの方が多いように思う。
このリヤカーの通行止め標識、正直なんのためにあるのかよくわからないのだが、
車+リヤカーの通行止め標識で幅のある車を通行止めにするという用途が想定されていたらしい。
極めて稀だが、その組み合わせの標識が踏切に付けられていることがあるそう。
(それが稀なのは四輪でも「小特を除く」で部分的に通行を許すことが多いのもあるのでは)
じゃあ自転車ってのは二輪でなければいけないのかというと、
そんなことはなくて三輪、四輪の自転車というのも世の中には存在する。
もっともその多くは幅60cm・長さ190cmに収めて普通自転車の条件を満たすように作られている。
こうなると自転車通行可の歩道でも走ることが出来るので便利である。
なお、2020年までは普通自転車の条件は「二輪または三輪」となっていたが、
2020年に「四輪以下」となったことで、四輪の普通自転車が認められるようになった。
実用上無意味というのもあるだろうが五輪以上の自転車は普通自転車になり得ない。
とはいえ、自転車として存在することは出来て、3輪自転車+リヤカーも自転車には違いない。
もっともこれは普通自転車ではないし、自転車道の通行はできない。
普通自転車でないということは「自転車を除く」の除外対象でもない。
それは自転車というよりリヤカーなのではという感じもするけど、従うのは自転車のシルエットの通行止め標識である。
次に原付なのだが、道路運送車両法上の原動機付自転車の区分はかなり複雑である。
まず、排気量50cc以下・定格出力0.6kW以下の原付一種の場合だが、
ほとんどのものは道路運送車両法上の原付になるが、道路交通法上の扱いは複雑である。
- 普通自転車サイズ(幅60cm・長さ190cm以下)の電動車で条件を満たす場合(車輪数不問) → 特定原付
- 排気量20cc以下・定格出力0.25kW以下(車輪数不問) → 一般原付
- 実用上存在しないと思われる(以後、20cc超・0.25kW超の条件は省略)
- 二輪 → 一般原付
- 二輪に限っては排気量125cc以下で最大出力4kWに制限した車も含む
- 三輪以上で輪距50cm超 → 普通自動車(ミニカー)
- 三輪で輪距50cm以下の車
- 車室がない or 側面が開放された車室がある → 一般原付
- 側面が閉じた車室がある → 普通自動車(ミニカー)
- 四輪以上で輪距50cm以下の車
- 車室のある車 → 普通自動車(ミニカー)
- 車室がない車 → 一般原付
普通自転車は「四輪以下」の条件があるけど、特定原付は車輪数不問なんですよね。
といっても実用上は二輪・三輪・四輪のいずれかでしょうけど。
あと、幅60cmという制限からすると輪距もそこそこに収まるでしょう。
それ以外は二輪なら明らかに一般原付でよいが、三輪以上はとても複雑である。
輪距50cm以下・車室無し という条件を満たすと、四輪でも一般原付になるんですね。
四輪なのに標識上では「二輪」に含まれることになる。昔はそういう車もあったらしい。
ただ、二輪の一般原付と同じ取り回しにならない部分もあり、それが押し歩き。
三輪以上の一般原付は歩道の押し歩きが認められず、軽車両として車道を押す必要がある。
一方の特定原付は車輪数によらず歩道の押し歩きが認められる。
一般原付の要件の輪距50cm以下と、特定原付の要件の幅60cm以下では意味が違うが、
実態は似たようなものではないか、というか一般原付の要件の方が厳しい気もする。
排気量50cc超125cc以下・定格出力0.6kW超2.4kW以下のレンジに入ると事情が一転する。
このレンジは二輪車に限って原付二種として扱われるためである。
ただ、実は三輪車で原付二種というのもあるんですよね。
それが特定二輪車の条件を満たす三輪車で、バイクと同じく車体を傾けて運転する車ですね。
この条件にあたる車は二輪車の保安基準で作るので、三輪でも原付二種になりうるらしい。
側車付きだと原付二種にならないと書かれているけどね。
道路交通法上は原付二種は普通自動二輪車に該当する。
運転免許は小型限定でよいので少し楽だが、四輪の運転免許に付帯し、ペーパーテスト+講習の原付免許に比べると手間はかかる。
普通は排気量50cc超・定格出力0.6kW超の三輪以上の車は軽自動車になるんですよ。
二輪は125cc以下・2.4kW以下は原付二種に該当するので、
そこを超えたところで軽自動車に該当する。
この軽自動車というのは道路運送車両法上の区分なので、運転免許にはあまり関係はない。
この軽自動車というのは検査対象と検査対象外に分かれるのだが、
基本的には検査対象外軽自動車は二輪の軽自動車を指す。
三輪以上の軽自動車は検査対象ということになる。
が、そういう車は今はほとんどなく、多くは側車付きの二輪車として扱われている。
- 二輪(125cc超250cc以下、電動の場合は2.4kW超すべて)
→ 二輪の軽自動車, 普通自動二輪車 - 三輪
- 側車を外して二輪で走れる車(125cc超250cc以下)
→ 側車付きの二輪の軽自動車, 普通自動二輪車 - 特定二輪車の条件を満たす車(125cc超250cc以下)
→ 側車付きの二輪の軽自動車, 普通自動二輪車 - 側面が開放された二輪で走れない車(125cc超250cc以下)
→ 側車付きの二輪の軽自動車, 普通自動車 - 側面まで囲われた車室のある車(660cc以下、電動は法令上は上限なし)
→三輪の軽自動車(検査対象), 普通自動車 - 四輪以上(660cc以下、電動は法令上は上限なし)
→ 四輪の軽自動車, 普通自動車
三輪車の多くは道路運送車両法上は側車付きの二輪車なので、二輪のナンバープレートを付けているのが多い。
完全に囲われた車室を持つと四輪と同じになるんだけどね。
一方で道路交通法上の扱いは二輪扱いと四輪扱いが混在している。
とはいえ、このグループは原付と違って、四輪以上で二輪扱いになることはない。
原付一種はミニカーに該当すると軽自動車税の額も変わるので、
ここはちゃんと切り分ける必要があって、ナンバープレートも水色のを付けることが多い。
四輪以上でも一般原付・特定原付になる車は存在する一方、
三輪でもミニカーに該当し、道路交通法上は普通自動車になるものもあり、
規制や免許という面では大違いということになる。
50cc超・0.6kW超では四輪以上で二輪扱いというのは生じ得ないが、
三輪は境界部ということで二輪か四輪か混在する部分がある。
なんでこんな話を書いたかというと、特定原付+リヤカーは法令上想定されているとみて、
気になって調べたら電動キックボードにリヤカーを付けている人がいて、
もっともそのキックボードは原付二種タイプのものなのだけど。
それを見て、リヤカー部分を切り離せないように一体化して1台の車として各種の要件を満たした場合、
そういう車はどういう扱いになるんだろうと気になったわけである。
特定原付は車輪数の規定がないので範囲に入ればなんでもOK。
一般原付も輪距50cm以下で車室がなければ何輪でもOKになる。
原付二種はタイヤが3つ以上ある時点で原則的に非該当。
軽自動車は三輪は側車付き二輪に該当する可能性があるが、四輪以上は可能性がない。
これが答えだったようである。
タイヤが4つある「二輪」ってなんだよという気はしますけどね。
確かにほとんど存在しないが、一応はあるんですね。