新型コロナウイルスについて、こんな話が話題になってたんですが。
中川氏は感染拡大とトラベル事業との関連性を問われ、「『Go To トラベル』自体から感染者が急増したというエビデンス(根拠)はなかなかはっきりしないが、きっかけになったことは間違いないと私は思っている。感染者が増えたタイミングを考えると関与は十分しているだろう」と話した。
根拠もないことをむやみに言うんじゃないという非難もあったが、
場合によっては、そういう予想でもって動かないといけないこともあるかもしれない。
GoToトラベルキャンペーンは、先月末までにのべ4000万人ほどの利用があったそうである。
その中で、昨日時点の累積で利用者では感染者155人、登録宿泊施設の従業員では感染者144人だったそうである。
利用実績に対してとても少ないことがわかる。
もちろん、判明した分のみということではあるが、診断直近で旅行していて、宿泊施設に連絡が入らないのも想像しがたい。
それだって、直近で旅行していたって、その旅行が原因であるということは断定できないぐらいである。
ということからすると、本キャンペーンにより感染が拡大したと単純に言うことはできないわけである。
でも、何か関係してるんじゃないか? という予想は確かにあって、
ここで言っているのは診断を受けた人が何人、という話で、ずっと無症状だった感染者が拡大した分はどうやってもわからない。
そういうリスクもできるだけ軽減するように「新しい旅のエチケット」の励行を呼びかけているわけである。
「新しい旅のエチケット」と「新しい旅のルール」 (GoToトラベル)
ただ、これを徹底すれば大丈夫というわけではなく、リスクは残存しているわけである。
だから、全くの無関係だとも言えないけど、やはりそこを結びつける根拠には乏しい。
やはり、どの地域も実態としては地域内で感染拡大している方がよっぽど多いから。
これも地域性はあるが、東京都だと感染経路が判明した分では家庭内・職場・学校・介護施設などの生活に密接な場所が多い。
こちらの感染拡大を抑止する方が優先度が高いということは、専門家も認めるところだと思う。
もちろん、あれこれと対策をするならば根拠をもって効果的な対策ができるとよいのですが、
それでは間に合わないことというのもあって、そうすると見切り発車でやらないといけないこともある。
3~4月に、いろいろな施設が休業要請が出て、その中には根拠に乏しいのではと言われたものもあった。
その1つが学校で、学校の休校は大変に影響が大きく非難は多かった。
当時、学校を介した感染拡大はあまり問題になっていなかったし、10代以下は軽症で済むことが大半だったのもある。
ところが、学校が再開していった6月以降には「学校クラスタ」がいくつか明らかになっている。
特に部活動での感染拡大が大きかったようで、いろいろ手を打っていったのだった。
もう1つ、カラオケも長期間にわたって制限が続いた業種だった。
3~4月頃にはカラオケが感染拡大の原因になる明確な根拠はなかったにもかかわらず、長期にわたって制限が続いた。
厳しいんじゃないかと思ったが、6月頃には北海道では昼のカラオケ店での感染拡大が問題となった。
すなわち、歌を歌う→飛沫が飛びやすい→感染拡大が起きやすい という想定は必ずしも間違いではなかったわけである。
一方で、歌うときも歌わないときもマスク着用することで、感染抑止効果があることもデータから明らかになり、
利用時間を短く抑えることとあわせて、感染リスクを軽減する方法が見えてきたわけである。
どちらも根拠は乏しかったが、間違いではなかったので、こういう予想も当たることはある。
問題は、どれぐらい急を要すかという話である。
3~4月頃はとにかく急速に感染拡大を食い止めなければまずいということで、広範囲に対策を打って、
そこでは学校の休校だとかで影響がとても大きかったわけだが、潜伏期間を考えれば急速に効果は出た。
一方で、様子見できるだけの余裕があるなら、データを見ながら段階的に対策を打っていく方が納得感はあって、
学校にしても、カラオケにしても、クラスタが明るみになってからは、そのデータを分析するなど様子見しながら、
根拠を持ってリスク軽減ができるようになってきた。
では、現在はGoToトラベルキャンペーンにより、人々の往来が増えたことについて、
様子見してもよいのか、それとも早急に人々の往来を細らせて対策しなければならないのか?
とりあえずは、最初に引用したとおり、明確な根拠はないのもあるから様子見かなという感じだと思う。
おそらく大半の地域はしばらくは様子見することは可能だが、唯一心配なのが北海道である。
現に北海道では、住民や訪問者に対して下記の要請が出ている。
集中対策期間における追加対策について (pdf) (北海道)
札幌市内では感染リスクが回避できない場合の不要不急の外出を控えること。市外との不要不急の往来を控えること。
札幌市以外の北海道内では、札幌市との不要不急の往来を控えることが要請されている。
その他、道内全域に対して、飲酒を伴う場面の感染リスク回避が要請されている。
なにが感染拡大防止に効果があるんだというと、東京都での経験からすれば、人々が勝手に夜の街を回避することである。
「緊急事態宣言中に似ている」北海道だけ落ちる売り上げ (朝日新聞デジタル)
札幌では休業要請地域内外問わず飲食店の利用が低迷しているということである。
行政としては、夜に飲食店を利用するな、酒を飲むな、ということは強く言えない。
でも、住民は自主的にそういうリスクを回避するので、結果として客は来ないということである。
おそらく、この効果は時間が経つと大なり小なり見えてくるのではないかと思う。
ただし、それが医療体制の維持にとって十分な効果であるかは別問題だけど。
GoToトラベルキャンペーンがあろうがなかろうが、人々の往来を止めることは難しい。
一方で、これまでの実績から、どのような行動がリスクが高いかというのは明らかになってきている。
往来の必要性、感染拡大状況から、どの程度のリスクまでが許容できるかということを考えなければならない。
GoToトラベルキャンペーンの利用者が、感染リスク軽減に必ずしも無頓着であるということはないと思う。
利用者数に対して感染者の報告が少ないのは、偶然でもないし、報告漏れでもないでしょう。
じゃあ、それでもいいんじゃないかと思いますが、今後の状況次第かなと。