おとといから今日にかけて西日本の広い範囲で記録的な豪雨に見舞われ、
土砂災害・洪水などで甚大な被害が出ている地域もあるとのことで、大変なことだなと。
この豪雨がどれほど異常であったか知る方法はいろいろあるかもしれないけど、
その1つとして、京都府南丹市の日吉ダムに注目して見る。
淀川は京都府・大阪府境付近で、宇治川(淀川)・桂川・木津川の3つの主な川が合流する。
宇治川は琵琶湖を水源として、天ヶ瀬ダム(宇治市)を経て合流地点に流れ着く。
木津川は上流の支川に5つのダムを有する。よっぽどダムの適地が多かったのだろうか。
一方の桂川だが洪水調整機能を有するダムは日吉ダムしか存在しない。
さらに日吉ダムは桂川中流部にあるため、そこより下流で合流する川の流量は制御できない。
合計の流量を少なく抑えようとすると、日吉ダムはかなり頑張らないといけない。
桂川流域では大雨に見舞われ、河川の流量も増えたので、7月5日午前7時ごろから日吉ダムは防災操作を開始した。
日吉ダムは最大で1258m3/sの流入があったところ、150m3/s一定まで放流量を減らしていた。
これにより相当の水位軽減効果があったのだろうが、7月6日午前4時ごろにほぼ満水位となった。
このため「異常洪水時防災操作」へ移行したとある。
これ、どういうことかというと、流入量=流出量とすることを表している。
こうなるとダムはないのと同じになってしまう。すなわち日吉ダムはこの豪雨に対して白旗を揚げたということだ。
その後、多少の貯留はしたようだが、ほぼ流入量=流出量で推移し、最大で900m3/sを放流している。
1987年の完成以来、試験放流以外で使われたことがない非常用洪水吐きを初めて使ったとのことで、事の異常さがわかる。
異常時防災操作に突入したこと自体は2013年9月の台風18号のときにもあった。
ただ、このときは流入量が減りゆく中での異常時防災操作への移行だったので何の問題もなかった。
というのも、この時点では日吉ダムより下流で合流する支川の流量も減っていたからだ。
日吉ダムが制御できるのは桂川を流れる流量の一部に過ぎない。他の川の流量が多ければ日吉ダムはがんばって絞らないといけないが、
他の川の流量が減れば、日吉ダムはそこまでがんばらなくてもよい。そういうタイミングでの異常時防災操作への移行だった。
実際、日吉ダムの異常時防災操作によって、下流の水位が上昇することは起きていない。
なお、このときの最大放流量は504m3/sだったとのこと。常用洪水吐きからの放流で対応できたようだ。
一方で今回の異常時防災操作への移行は、その後に大雨が見込まれる中での決断だった。
すなわち、下流で甚大な被害を及ぼす可能性があると認めながら、ダムが白旗を上げたわけで、本当に100年に1回に異常事態だったのだ。
ただ、結果的に言えば、桂川下流では目立った洪水被害は出ていないようだ。
日吉ダムががんばって貯留していた期間に比べると、他の支川からの流入が少なかったようで、合計としてはなんとか耐えたと。
とはいえ、危ない状態だったのは事実で、日吉ダムの異常時防災操作への移行をきっかけに避難指示も出たようだ。
この大雨により、近畿圏・中国地方のJRではかなり広い範囲で運休が続いている。
特に山陽新幹線のほぼ全線で運休が今日の午後まで続くとのことで、大きな影響が出ている。
コンサートのため福岡であったり、神戸であったり目指す人が、夜行高速バスの運休でまず打撃を受け、
さらに新幹線の運休で打撃を受け、というわけで大変混乱しているのが見て取れる。
夜行高速バスの運休はともかく、列車すら走らないではもはや飛行機しかない、なかなかとんでもない状況だ。
降水量が減っても土砂災害のリスクはまだまだありますから、仕方ないんだけどね。