他社の乗務員にお任せの区間

阪神なんば線の難波~桜川は阪神の営業区間だが必ず近鉄の乗務員が担当するとか、

北陸新幹線の長野~上越妙高はJR東日本の営業区間だが、JR西日本の乗務員が担当するとか、

会社の境界と乗務員交代地点が少しズレていることがある。

難波~桜川は回送列車の都合で近鉄のシステムで作られていること、

北陸新幹線は乗務員交代を全列車停車の長野に統一したことが理由である。

珍しいといえば珍しいのだが、他にもちょこちょこあるらしい。


そんな中で変わり種が神戸市営地下鉄北神線(新神戸~谷上)である。

この区間は神戸電鉄の乗務員が担当している。

市営地下鉄と神鉄は直通運転してるわけではないのだが、ここは神鉄の乗務員が来るのである。

一見意味不明だが、ここには北神線の歴史的な経緯がある。


そもそも北神線は北神急行電鉄という別会社の路線だった。

神鉄の谷上~神戸都心の短絡ルートとして作られたのだが、運賃が高いのが課題だった。

神鉄とその大株主である阪急電鉄が出資して作った会社で、

民間企業の事業として六甲山地をぶち抜くトンネルを作ったわけで、

建設費が高くて、それに見合った運賃を徴収すると相当高かったのである。

とはいえ、これでは債務負担が重すぎるということで神戸市は支援に乗り出し、

神戸市が出資する神戸高速鉄道に鉄道施設を移管、補助金を活用して負担軽減を図った。

ただ、運賃が高いという問題は相変わらずで、神戸市は北神線を市営地下鉄の路線に組み込むことにした。

元々、新神戸から先は西神・山手線と直通運転をしていたのである。

北区の住宅団地の活性化などを目論んだものだと言われている。

かくして北神急行電鉄はなくなり、市営地下鉄に組み込まれたのだった。


で、こうなると元々北神急行電鉄で働いていた人をどうするかというのがあったが、

これは設立母体である神戸電鉄に移籍することとなった。

その上で、神戸市は北神線区間の乗務を神戸電鉄に委託することになったわけである。

結局のところ、交代相手が北神の制服から神鉄の制服に変わっただけで、従来と同じことをすればよいと。

ちなみに谷上駅はもともと北神の管理駅だったそうだが、神鉄に移管されている。

元々神鉄の駅に近かったけど、北神急行の本社が谷上駅にあるのでその都合だったらしい。


実は神戸市内にはもう1つ、他の会社にお任せの区間がある。

それが阪神神戸高速線の高速神戸~西代である。厳密には新開地~西代というべきか。

かつての神戸高速は阪急・阪神・山陽・神鉄の4社がともに乗り入れ、

共通の運賃表を使い、駅業務はトンネル会社と言われた神戸高速鉄道に委託するという形態をとっていた。

4社の境界はきわめて曖昧で、阪急・阪神は乗務員ごと山陽に乗り入れ、山陽は乗務員ごと阪急・阪神に乗り入れることもあった。

この形態が2010年に見直され、山陽はこの区間の鉄道事業から撤退、

阪神三宮~西代は阪神、阪急三宮~新開地は阪急、湊川~新開地は神鉄の営業区間となった。

境界駅以外の駅業務は阪神が来ない花隈駅を除いて阪神に移管している。

ただし共通の運賃表を使う部分は変わっておらず、実態としてそんなに変わった気はしないが。


そんなほぼ阪神になった神戸高速なのだが、阪神と山陽の間では直通特急の運行が行われ、

会社を超えても終点まで乗務員が乗り通すというのはさすがに見合わないと、

直通特急の乗務員交代は高速神戸で行うと取り決められた。

当初は須磨浦公園発着の阪神特急などは従来通りに阪神乗務員が担当していたが、

こちらも高速神戸での乗務員交代を行うようになった。

このため高速神戸~西代は阪神の営業区間でありながら、山陽の乗務員が担当するのが基本となっている。

わずかに新開地発着の阪神電車があって、これは全区間阪神の乗務員が担当するが1駅の差である。

逆に山陽からの阪神三宮・阪急三宮発着便は全部山陽の乗務員が担当する。

(阪神三宮発着便は阪神線内の回送が必要だが、これも山陽の乗務員がやっているそう)


「ほぼ」自社の乗務員が担当しないということでは、

あいの風とやま鉄道の泊~市振みたいなのもありますけどね。

ここは大半がえちごトキめき鉄道のディーゼルカーによる運行で、

1日1往復、あいの風とやま鉄道の電車が乗務員ごと糸魚川まで乗り入れているので、

これだけ自社の車両・乗務員がやってくると、そういうのはある。

ただわずかでも乗り入れるとなると、それに応じた訓練が必要なわけで、

全く乗り入れないということのメリットはそこそこあるのも事実。

阪神・山陽が原則として高速神戸での乗務員交代を行うようにしたのもそんな話じゃないんかな。

北神線の運行委託は神鉄への経営支援という説もありますけどね。

アーモンドアイがウマ娘になるまで

「ウマ娘 プリティーダービー」は「ぱかライブTV」として定期的にインターネット配信番組をやっているけど、

そこに「???役」という出演者がいて、これは誰だと。

この中で発表されるウマ娘と関係があるんだろうけど……


答えは「アーモンドアイ」「ラッキーライラック」「グランアレグリア」だった。

とうとうアーモンドアイが……なんだけど、実は前から結構匂わせていたところはあって、

知る限りでは、その起点はデアリングタクトがウマ娘に登場したあたりから始まる。


ウマ娘にとってデアリングタクトはTVアニメで主人公にもなったスペシャルウィークのひ孫という縁がある。

スペシャルウィークのひ孫だから

当時はまだ現役だったんですよね。

なんでわざわざスペシャルウィークのひ孫でデアリングタクト……というのはこう推測していた。

これは子に2頭ぐらいいるんですよ。ブエナビスタとシーザリオですね。

特にブエナビスタはそれらしいウマ娘の絵がゲームリリース前に出たことがある。

ただ、おそらくこの2頭についてはオーナーの承諾が得られなかったとみられる。

今にしてみればどっちもウマ娘になってるんですけどね。

そこまで織り込み済みだったのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。


2024年からスタートしたメインストーリー第2部では、

2005年の牝馬三冠を分け合ったラインクラフト、シーザリオ、エアメサイアや、同世代のデアリングハートが登場した。

デアリングタクトの祖母代にあたる2頭(父の母がシーザリオ、母の母がデアリングハート)がともにモチーフになっている。

この中で三冠馬3頭そろい踏みの2020年のジャパンカップを思わせる話があった。

見ての通り、この世代にはデアリングタクトの祖母が2頭ともいたわけだが、

他にもいて、それが後に発表されたフサイチパンドラである。

これ、知ってる人ならすぐわかるけど、アーモンドアイのお母さんですよ。


ところで当初、ブエナビスタとシーザリオが難しいのでは?

と言われていたのはどちらもクラブの馬だからというのはある。

まぁデアリングタクトもそうなんだけど、ノルマンディーだし……みたいな反応だった。

ただ、最近ではクラブ所有馬がモチーフになることも増えている。

これもウマ娘の開発チームが丁寧にやってきたからというのもあるのだろう。

そんな中で、昨年11月にブラストワンピースがウマ娘になることが発表された。

シルクレーシングといえば、アーモンドアイだよなと。

あと、ブラストワンピースはアーモンドアイと同じ世代なんですよね。


そんなわけで包囲網は敷かれていたわけで、満を持しての登場なのだが、

それと同時に発表されたのが同世代でラッキーライラック、

その1年後の牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスとカレンブーケドールである。

まさかこれ全部揃うとは思ってなかったなぁ。すごいことですよ。

4周年のキービジュアルにはアーモンドアイを中心にこのあたり中心に描かれている。

(なぜかラッキーライラックだけは描かれてないんだけど)


戦績を見てみるとわかるのだが、

ラッキーライラックというのは2歳チャンピオンとして挑んだ牝馬三冠でアーモンドアイにかなわなかった馬である。

その後はエリザベス女王杯2勝、大阪杯と活躍しているが、牝馬三冠以来はアーモンドアイと走ることがなかった。

では、アーモンドアイは敵なしだったのかというとそんなことはなく、

安田記念を2度走って敗れているが、2020年に2着に敗れたときの勝ち馬こそがグランアレグリアである。

あと、2019年に香港遠征を断念した後に出た有馬記念はボロ負けである。


今回発表されたウマ娘のモチーフになった馬が活躍した時代というのは、

さっき挙げた牝馬がいろんな路線に散らばって活躍していたので、涙を呑んだ牡馬も多かったわけである。

そんな牡馬の1頭がブラストワンピースなんでしょうけど。

それがゆえに同じレースで大激突ということもなかなかなかった。

牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスが3頭揃ったことはない。

グランアレグリアは桜花賞を勝った後にNHKマイルカップに向かい、

ラヴズオンリーユーは忘れな草賞からのオークス制覇のためである。

ちなみに桜花賞→NHKマイルカップの転戦はラインクラフトもやっており、

この意味でラインクラフトのストーリーは後につながるものだったんですね。


レース選びに苦心したのがラヴズオンリーユーで、

オークス後なかなか勝てない中で5歳に京都記念を勝ってから、

ドバイ→香港→札幌→デルマー→香港と転戦してG1 3勝という快挙である。

勝てなかったけど……というのがカレンブーケドールで、

牝馬三冠でいずれも2着に敗れてから重賞をいろいろ走ったが、

牝馬ながらに挑んだ2021年の天皇賞(春)で3着は印象深い結果である。

異例づくめの天皇賞(春)

このあたりの苦悩も順次描かれるのかな。


ここまで揃うのもモチーフとなった馬の馬主などの理解もあってのことだが、

よくよく考えて見ればカレンブーケドール以外は全部クラブ馬じゃないか。

やっぱりそういう時代なんですかね。

スペシャルウィークの時代とは全然違うか。

ほぼ村民がいない村立定時制高校の謎

けっこう衝撃的なニュースだったんだけど。

村の生徒は1人だけ、大半の高校生が越境通学の「奈良県立山辺高校山添分校」存廃決断のリミット迫る (読売新聞)

山添村立の昼間定時制高校「奈良県立山辺高校山添分校」だが、今年3月末に存廃を決めなければならない状況にあるという。

そもそも村立の昼間定時制高校ってなんだよって話はともかくとして、

衝撃的だったのは全校生徒32人のうち村内出身者は1人だけということである。

ちなみに32人というのは4学年合計の数字である。うーん。


いろいろ意味不明な言葉が並んでいたと思う。

定時制高校というと仕事終わりに通う想定の夜間定時制がよく知られているが、

昼間に通う定時制高校もあって、これは農繁期休暇を長く取ることが目的である。

家業の農業をやりながら学校に通うことを目的としているものの、

必ずしも農家とも限らないので、インターンシップ期間と考えるべきかもしれない。

このため全日制高校に比べると授業時間が少なく、4年制が基本となっている。

(山添分校はどうか知らないけど通信教育と組み合わせて3年で卒業するコースがある学校もある)


この学校の生徒は三重県の伊賀地域(伊賀市・名張市)からの通学者が多くを占めている。

分校のWebサイトに出身中学校リストが載っていたが、

県内が4人、うち1人が山添中学校出身、大和高原地域の出身者はあと1人かな、

これに対して伊賀地域出身が27人と圧倒的な割合である。

村外との往来のための運行しているコミュニティバスの利用者のうち相当割合が伊賀地域からの通学者だという。

果たしてこれは村立高校としてどうなんだという話は当然あるわけである。


そしてこの学校のおかしな点が「奈良県立」の山辺高校に「山添村立」の山添分校があることで、

これがまさに存廃が問題になっている大きな要因である。

2016年に文部科学省と奈良県教育委員会が是正を求めたわけである。

この問題に対する解は簡単で山辺高校の分校であることをやめてしまえばよいことである。

実は奈良県には同様の形態の分校が存在して、それが五條高校賀名生分校である。

五條市立(元は西吉野村立)の分校だったが、2021年に五條市立西吉野農業高校という独立した高校になった

この再編に向けてか従来存在した家庭科を廃止して、農業科のみの高校となっている。

西吉野地区は全国的に知られる柿の産地で、果樹農業の後継者育成に果たす役割が大きいということで、

独立に向けて寄宿舎の整備、全国募集の開始などの投資を行っている。

全校生徒60人なのでやっぱり小さい学校なんですけどね。


正直なところ山添分校はそこまでの特色のある学校でもない。

確かに山添村周辺の大和高原地域では山辺高校ぐらいしか高校はないので、

この点では貴重な学校とは言えるのだが、それでも村民が全然いないのである。

なぜかというと奈良県と三重県の取り決めにより伊賀地域の県立高校に進学できるためである。

奈良県と三重県は長く県境を接するが、だいたい奈良県側は辺境の地である。

奈良市月ヶ瀬・山添村・曽爾村・御杖村からは伊賀地域の指定された高校

下北山村からは熊野市内の高校に進学することが可能となっている。

実際、山添村の高校生の多くは名張市内の高校に通っているという。

一方で三重県側から奈良県の高校に進学することができる取り決めもあり、

その1つが伊賀地域から山添分校への進学である。

もう1つは二次募集に限り名張市から奈良県立の指定された高校を受験できるものだが、

二次募集限りと考えれば、山添分校への進学が奈良県側の譲歩のほとんどである。


山添分校がなくなったとしても、奈良県から三重県立の高校への進学を拒むのは現実的ではないでしょう。

山添分校がなくなっても奈良県側が二次募集限り受け入れる部分は一応は残ってるわけだし。

ただ、この協定がスムーズに締結された背景に山添分校の存在は一定あったんだろうと想像する部分はある。

というのも最近、京都府南山城村・笠置町から伊賀市内の県立高校に進学できる協定が拡充されたそうなのだが、

これは三重県側が一方的に受け入れる協定なので府県同士の協定ではなく、

三重県と相楽東部広域連合(笠置中学校の設置者)との協定になっている。

なので、山添分校は広い意味で村民の学びの機会を拡大しているのは必ずしも間違えてないのではないかと。


小さな村立高校が存続している背景には、市町村立の定時制高校の教員の給与は都道府県が負担するルールもある。

県費負担教職員制度 (文部科学省)

指定都市を除き、市町村立の小中学校の教員は都道府県から雇われている。

この制度は本来は全日制高校には適用されないが、定時制高校には適用される。

すなわち山添分校の教員は奈良県職員ということである。

県立の山辺高校に村立の分校が付いているのはおかしいと書いたが、

教員はどっちも奈良県から雇われているのである。この点ではそこまで変な組織とも言えない。

このことは独立した高校になっても何ら変わらないわけである。

ただ、山添分校には校長室もないし、独立した高校になると従来かからなかった費用がいろいろかかる。

山添村は人口3000人弱の小さな村である。実態として村民がほとんど通わない高校に見合う投資なのか。

ここに大きな悩みがあるようで、結論を引き延ばしてきたのが実情のようだ。


さっきも書いたようにこの学校は広い意味で村民の学びの機会を拡大していると言えるし、

主に伊賀地域ということにはなるが、実際に学びの選択肢を増やしていると言える。

村外からの進学は僅かながらに村の交流人口を増やすものでもあると言える。

ただ、一方でこの学校が重要かと言われるととても難しい。

奈良県にとってみれば全日制高校の充実は問題が無いという立場だろうし、

三重県にとってみれば山添分校に進学できることはそもそも重要ではない。

伊賀地域にとっても地域内に一通りの高校はある状態で山添分校をバックアップする必要性には乏しい。

山添村が必要と考えるなら、奈良県は教員を雇うし、伊賀地域からも通うけど、

山添村がいらないと判断すれば、それでもかまわないということである。


長期的に考えれば校舎の改修とかも考えないといけないんでしょうけどね。

そこを乗り越えてまで存続できる学校かというとかなり疑問はある。

そもそも山添村というのは名阪国道が貫通する村であり、

村内・村外(多くは伊賀地域)の工場などで働く人が多いのである。

奈良県の辺境の山村というイメージよりは都市的ではないかと思う。

そこに農業科と家政科の昼間定時制高校なんて時代錯誤も甚だしい。

でも、それが村のアイデンティティなんだと言われれば否定はしませんよ。

自転車の見た目で歩道は決して走れない

ドコモバイクシェア、各地にある赤い自転車ですが、

特定原付のレンタルの実証実験を開始するらしい。

ドコモ・バイクシェアの新型モビリティ、歩道禁止と免許必須にするねらいとは (ケータイWatch)

かなり自転車っぽい見た目だな。


特定小型原動機付自転車はサイズ規定が普通自転車と同じ。

ということは自転車にモーターを積めばよいとは誰もが考えること。

もちろん電動キックボードを想定してできた制度なのでキックボード形が多いが、

もう1つ多いタイプが自転車形であり、僕が使っているのもそんな車である。

とはいえ、自転車にしてはちょっと不思議な見た目であるのも事実。

ドコモバイクシェアが導入すると言っている車両はそれよりかなり自転車っぽい。

車を置くポートを従来の自転車と共通化するために寸法を合わせたのかな。

異質な要素はハンドルの両側に付けられた最高速度表示灯 兼 ウインカーぐらいか。

後ろから見れば尾灯・ナンバープレートもありますけど。


で、実はこの車は歩道モードがないんですよ。

わざわざ6km/hでちんたら歩道を走るメリットはほとんどないので、それでもいいかなとは思いますが。

YADEAは最初は電動キックボード形の特定原付を作っていて、

このときは歩道モードがあったようである。

ところが、後に発売したオフロードバイク形のものと、発売予定の自転車形のものは歩道モードを積んでいない。

やっぱりいらんなと思ったのかも知れない。押し歩きでもいいからな。


ただ、車道自転車通行不可というのも一部にはあって、

そうすると歩道を走らざるを得ないということがあるので、ないよりはあったほうがよい機能でもある。

あとなぜか夢洲の万博会場に乗り付けられるのは特例特定原付となっていて、

歩道モードのない車は駐車できないらしい。(なんで?)

メーカーの説明には「なお、歩行者の方の安全を考慮し、歩道走行が可能となる特例モード(時速6km/h)を搭載する予定はございません。」となっているが、

本来は歩道モードは歩行者と共存した場合の安全を考えての機能なのでおかしな説明ではある。


ただ、一方でこの車が歩道を走っていてはおかしいという説明はしやすく、

発表会で展示されていた車には「STOP歩道ライダー」「この車両は歩道走行できません」というシールが貼られている。

とはいえ、そもそもがかなり自転車っぽい見た目の車なので、

電動キックボードより見分けが付きにくいという見方もあるかもしれない。

結局使えない機能だと思うので歩道モードがないのがそんなに悪いとは思わないけど、ちょっと変な説明だなとは思いますね。


あと利用者には当面は自動車運転免許の所持を求めるとのことで、

少なくとも一般原付のルールは知っていることが担保されているわけである。

ところで小型特殊自動車だけの運転免許でもいいんですかね。そんな人ほぼおらんやろというのはさておき。

運転免許があっても自転車に正しく乗らない大人はなんぼでもいるわけで、

運転免許だけあっても仕方ないとは思うんだけど。

一般原付に近いと思われるのもそれはそれで問題だし……

利用者への教育が1つ重要な課題として認識されているのはよいことでしょうが。


あと課題はこの車を何と呼ぶかということである。

シェアサイクルの大手にはHELLO CYCLINGもいて、

この会社も一部エリアで特定原付のレンタルを行っている。

ここも自転車形なのだが、これを「電動サイクル」という呼び方をしている。

製造元のglafitも特定原付タイプは電動サイクルって言ってますね。

一般原付と自転車をモビチェンできる車は電動バイクって言ってるので、

それよりは自転車に近いという意図でこう言ってるんだろうかね。

ドコモバイクシェアの車を製造するYADEAでも通販サイトの区分は

「電動キックボード」「電動サイクル(自転車型特定原付)」となっているので、

電動サイクルって言い方が一般的になるのかなという気配はある。


どうやって社会の理解を得るかというところを熟慮しているのは見えるが、

本質的な効果があるかはなんとも言いがたいところはある。

LUUPの電動キックボードがあれこれ言われるのも、

同社のステーション配置を含む営業戦略によるところがありそうで、

電動キックボードだから悪いというより、自転車で起こることが電動キックボードで起きているというだけに思える。

自転車形という形状の違いも含めて、そことは決別してやっていきたい思いは感じつつも果たしてどうなるだろうか。


電動キックボードのための制度という側面の強かった特定原付だが、

大手のプラットフォーマーが自転車形の車両を採用したり、

高齢者講習に嫌気が差した人向けか三輪・四輪タイプの車も発表されつつある。

それでも意外に出ないのがスクーター形の車なんだよなぁ。

以前も書いたのだが、制度的に似ている台湾の微型電動二輪車(旧:電動自行車)はスクーター形が多いんですよね。

確かにスクーターというのはエンジンの上に座るからあの構造なので、電動であればあの形である必要はないのだが。

元ドコモ払いのd払いの罠

d払いのネット決済でdポイントとクレジットカードを併用しようと思ったら、

どうにも選べなくて、なんでだ、なんでだと悩むハメに。


答えは元ドコモ払いの加盟店だったというものだった。

「ドコモ払い」のサービスを「d払い」に統合 (NTTドコモ)

この注釈にこんな記載がある。

「ドコモ払い」加盟店につきましては「d払い」統合後も、従来通り「d払い」のお支払い方法として「dカード®払い」「クレジットカード払い」をご利用いただけません。

すなわち、電話料金合算かd払い残高ということになる。

もっとも全額dポイントで払うことも多く、この場合はd払い残高で0円決済するという扱いで、

このケースが多かったのが実情ではあるが。


問題はこのことは特にd払いという表記からわからないことである。

そんな話Blogに書いたことあったような気もするけど、

確認したら書いていたのはAmazonのd払いのことだけだった。

d払いというよりドコモ払いでは?

d払いなのに電話番号がない人は使えなくて、電話料金合算払いしかできないということで、

それもはやドコモ払いじゃないかと書いた話である。

昔からこれは「d払い」と書いてあったのでひどい話なのだが。

現在もこの状況は変わっていない。


いろいろ経緯はあるのだろうけど、d払い周りの表記の複雑さはいろいろ言われている話で、

こういうのもどうにかならんのかね。

いろいろ考えたのだが、大半はdポイント充当できることも考えて、

不足分はd払い残高で払うことにしてd払いを使ったのだった。

不足額は僅かだがd払いに1000円チャージしなければならないのが煩わしい。

まぁなにがしか使う機会はあるだろうということで。

グラフィックボードの電源コネクタが融ける

NVIDIAの新しいグラフィックボードが発売されて秋葉原では一騒動、

なんて話はあったが、そんな最新鋭のグラフィックボードで問題となっているのが、

補助電源コネクタが融けるという話である。

NVIDIA RTX 5090の電源コネクターに溶損報告、設計上の課題が浮上  (Reinforz Insight)


高性能GPUは電力消費が著しい。

FeForce RTX 5090の消費電力575Wとなっている。

当たり前なのだが、これはPCI Expressのコネクタからは供給できなくて、

別途補助電源を引く必要がある。(これはある程度以上のグラフィックボードでは普通のこと)

そこで12V-2×6という規格の補助電源が使われているのだが、

これの上限が600Wなのでほぼフルに使う状況になっている。

というか、この規格自体がNVIDIAのハイエンド機に合わせているのが実情では?

大電力を供給する中で、コネクタの溶融などの問題が生じているらしい。


なぜこういうことが起こるかというと、複数の端子に電流を分散させることで容量を稼いでいる中、

特定の端子に電流が集中するということが起こっているからだとみられる。

前身となった12VHPWRと比べると偏りが起きにくくなるよう改善されているらしいのだが、

複数端子に分けて流すという構造自体は根本的には同じである。

端子当たりの電流が大きいと、端子の偏りが致命傷になりやすいのはその通りだろう。


ケーブルや端子の抵抗値の差に起因する問題なのか、

電源装置側の問題なのか、グラフィックボードの問題なのか。

ただ、単純に束ねただけだと電流は均等に流れないのはその通り。

大概の場合は不均等でもそれなりに分散できれば問題ないのだろうが、

均等に流れても1本あたり8Aぐらいの大電流が流れるわけで、

そんなに余裕があるわけではないのだろう。

均等に流れるように調整を行う機構が他にもあるかもしれないが、うまくいかないケースがあるのも実情らしい。


太い1対のケーブルを古典的なネジ端子で取り付けるようにすればよいのでは?

なんて考えてしまうけど、それはいろいろ難しいのだろうし、

ネジ端子も緩みなどの問題があるので、やはり容易な話ではない。

れでも不十分な接触のまま動かしてしまう可能性は減るだろうし、

端子間の不均衡が生じるという根本的な問題は回避できるから意味はありそうだが。

こういうのはコンピュータの内部では現実的な話ではないんでしょうけど。


現状、一番効き目がありそうなのは外部からコネクタの過熱を検出する方法である。

ASRockらしいこだわりを盛り込んだ電源ユニットが国内初披露。一部の製品は12月13日に販売開始 (4gamer.net)

ASRockが電源ユニットを発売するのは初めてなのかな。

今まで電源ユニットの接続先のマザーボード、グラフィックボードを作ってきたメーカーとして、

供給元の信頼性向上が必要と考えての参入のようだ。

その中で12V-2×6コネクタの信頼性向上策として、

ASRockは,この12V-2×6コネクタを用いたケーブルも汎用品を使うのではなく,新たに設計したという。ケーブルとコネクタ部分の色を変えることで,正しく接続できているか分かりやすくなった。加えて,ケーブル内に温度センサーを組み込むことで,ケーブルが加熱しすぎたときに電源ユニットの動作を止めて大きな事故を防ぐ機能も備えている。ケーブルの素材にも高耐久なものを使用したそうだ。

とのことで、致命傷は避けられるのではないかとのこと。


しかしさっきネジ端子の話を書いたけど、

600Wを12V×50Aで供給するってなると、ケーブルは8sqぐらい必要で、

ネジ端子だとM5ネジの端子台を使うような世界らしい。

電気工事の世界ではこれぐらいのサイズを使うところもあるだろうけど、

PCの中ではおおよそ見ないようなサイズのケーブルと端子になる。

このレベルになると12Vでの電源供給が見合っていないのは?

という指摘もなるほどと思うが、じゃあAC電源を受けられるようにすると、

これはもはやグラフィックボードとは言えないサイズになってしまいそう。

もっとも近年はグラフィックボードのためにPCのサイズが大きくなる事情もある。

それならもはやグラフィックユニットという筐体が別置きになっても……

とも考えてしまうが、マザーボードとPCI Expressで接続する必要があるので、

いくら巨大になってもグラフィックボードはその上に乗っかる子ボードであることは変わらないんだよね。

夢洲に見える水面の意味

東京港の埋立地の話を書いたが、埋立地といえば気になるのが大阪の夢洲のこと。

ここで万博が行われるとか、統合リゾート(IR)が作られると言われて見せられた航空写真は水面も見えて、

果たしてこの埋立地は完成しているのだろうか? と気になってしまう。

実際のところ、夢洲というのはとても複雑な埋立地である。


夢洲と言われて大阪オリンピック構想が思い浮かぶ人は果たしてどれぐらいいるのか。

2008年のオリンピック招致に大阪市が立候補したとき、舞洲がメイン会場、隣接する夢洲が選手村になるという話だった。

ところがオリンピック招致は失敗してしまった。

とりあえずは舞洲スポーツアイランドの施設はアマチュア中心に活用され、

夢洲の東側はスーパー中枢港湾の指定もあり、大規模なコンテナターミナルとなったのだった。

オリンピック合わせで準備していたインフラのうち、夢咲トンネルはコンテナターミナルとの関連もあり比較的早期に開通した。

道路・鉄道を併設しているが、当初は道路のみの開通である。


そんなこんなでオリンピックが頓挫した夢洲の埋立はのんびりと進められていた。

夢洲は西側1/4ぐらいが廃棄物の埋立地、残りが土砂の埋立地である。

ちなみに舞洲も西側1/5ほどが廃棄物の埋立地で残りが土の埋立地である。

廃棄物の埋立地としての名前は夢洲・舞洲あわせて北港処分地である。

すでに舞洲に相当する北地区は1986年に埋立が完了しているが、

夢洲に相当する南地区の埋立は現在も続いており、埋立進捗は90%(2024年12月)とのこと。

埋立処分実績(北港処分地) (大阪広域環境施設組合)

一方の土の埋立地としての夢洲だが、こちらはほぼ埋立完了である。

万博合わせで埋立を完成させた部分はあるが、元々ほぼ土は入っていたということである。

ただ、制度上未完成の部分も残されていて……というのは後で紹介する。


さて、オリンピックで選手村になると思っていた一帯は埋立を完成させないままだったが、

転機が訪れたのは大阪に統合リゾートを誘致するという話が出てきた2014年頃である。

未利用でまとまった土地が確保できる夢洲はまさに好都合だった。

さらにIRのまちびらきに合わせて国際博覧会を誘致しようということになり、

夢洲は国際観光拠点という役目が明確になったわけである。

これに伴ってオリンピック構想の頃の計画がいろいろ復活してきて、

夢咲トンネルの鉄道部がOsakaMetro中央線として開通したり、夢舞大橋の歩道部が開通したり……

万博合わせのインフラ整備に見えるものも多くは昔からの計画というのが実情である。


さて、夢洲の土地利用だが、すでにコンテナターミナルや倉庫として活用されている一帯を除くと、

中央部の国際観光拠点としての整備は1期・2期・3期と分けて行われ、

1期はすでにIRの整備が決定している。

2期は万博会場の中心となるパビリオンワールドで、万博後の用途について公募が行われたという話があった。

3期は万博会場のウォーターワールドと呼ばれるエリアと思われる。

ウォーターワールドは名前の通り、水面が見えている部分である。

ここは制度上は埋立が未完成になっているが、後で書く通りほぼ完成である。

西側はグリーンテラスゾーンとして整備が行われることになっているが、

先ほど書いたようにここはまだ現役の廃棄物処分場でもある。

暫定利用として2013年から一部に太陽光発電施設が設置されている。

それ以外の一部が万博会場のグリーンワールドとして利用される。

広場や駐車場を中心とした利用で建物は少ないが、一部には建物がある。

そこで工事しているときにメタンガスでの爆発事故があったんですね。


現在も夢洲の航空写真で見える水面にはいくつかのタイプがある。

廃棄物の埋立地で見える水面は埋立が未完の部分と排水処理施設の部分がある。

廃棄物系の埋立地の南端に当たる部分に三角形の池が見えるが、

実はこれは排水処理施設である。ここで埋立地から出る水を排水基準を満たすように処理している。

かつての舞洲でもこのような池を使って排水処理をしていて、

昔の航空写真を見ると、南西の一角(現在は太陽の広場になっているあたり)にもそんなのがあった。

埋立完了後も排水処理が続くうちはこの池は残るとみられる。


次に浚渫土系の埋立地だが、こちらも南東に池がある。

これは沈殿池らしく、土の埋立地から出る雨水と廃棄物の埋立地で排水処理施設を経た水が集まる。

この沈殿池なのだが、鳥のすみかになっているという事情もあり、

将来的にもこのエリアは水辺として残すことが期待されているのではないかと思う。

そこに隣接して水面が続き、万博会場のウォーターワールドが構成されている。

先ほど書いたが、ここは国際観光拠点としての3期にあたり、埋立地としては未完成のエリアである。

というのも、夢洲内の工事をする中でヒ素などを含む土砂が出てきて、処分をどうするか問題となり、

埋立地として未完なのをよいことに、夢洲内の汚染土処理に使うことになったのである。

薬剤などで処理をして置くので安全面では問題ないとのことである。

夢洲内の開発が進む中でどの程度埋まるかはわからないが、

水鳥のすみかとして重要であることは認識されているので、

最終的にも水面が残って完成となるというのが見立てでである。


グリーンテラスエリアは暫定的には太陽光発電で活用されるが、

あくまでも将来的な計画は緑地化である。

ただ埋立地としての役目はまだ続くのでかなり先のことである。

実際のところよくわからないのは舞洲もそうなんだよね。

廃棄物の埋立地部分は舞洲緑道という細長い緑地はあるが、恒久的な施設はその程度。

未利用地は太陽の広場などのイベント広場としての活用されているが、

他もグランピング施設、サーキット、ソフトボール場、太陽光発電、駐車場など、いかにも暫定利用っぽい。


なお、舞洲自体はプロスポーツの拠点として活用されている。

舞洲アリーナはBリーグの大阪エヴェッサが練習・試合に利用するようになり、

オリックスバファローズは2軍本拠地となる球場を新設、屋内練習場なども整備した。

セレッソ大阪は天然芝2面・人工芝1面のフィールドを整備して練習拠点としている。

舞洲スポーツアイランドというのもよくわからないと思われていたが、意外に成功した感がある。


万博はともかく、IRは大阪にとって重要なことである。

大阪にはグランキューブ大阪、インテックス大阪、大阪城ホールなど、

国際会議・展示会・大規模イベントのための施設は一通りあるが、規模や利便性の面で課題がある。

夢洲では国際会議場・展示場・高級ホテルを一体で整備することで、

従来では誘致できなかったような国際会議・展示会などの誘致が可能となる。

エンターテイメントという観点でもいろいろ考えられており、

IRの計画には劇場も含まれているし、万博跡地の2期計画ではアリーナなどの整備が入りそうである。

特にインテックス大阪なんてIR開業後は再整備という話もあるんじゃないかと思うが、

総じて大阪で様々なイベントができるようになり、大阪・関西の国際交流が活発になるはずである。

で、その原資というのは大半がIR内のカジノでの収入ということで、

本当にそんなに儲かるのか? とは疑問に思っているところはあるものの、

これは事業者が約束している内容ので、そこはやってくれるということだろう。

そんなことやるのにちょうどいい島があったってのはラッキーだったって話。

廃棄物の埋立地ってこんなの

今年3月28日に海の森公園がオープンする。

海の森というと2021年の東京オリンピックで馬術競技(総合馬術クロスカントリー)の舞台となったのが印象的である。

昔から海の森とは言われていたけど、ここが正式に海の森という町名になったのは2020年、

中央防波堤埋立地一帯の境界争いが決着してからのことである。

ちなみに大田区に属することになった一角は令和島という町名が付いている。


埋立地にもいろいろなタイプがある。

埋立地ってゴミを埋めてるんじゃないの? と思うかも知れないが、

実のところ、割合として多いのは浚渫土の埋立地である。

東京港の埋立地というと、13号地(台場・青海・東八潮)や10号地(有明)がよく知られているが、

あれは全部浚渫土を中心とした土の埋立地なんですね。

埋まっているのは土なので、その後は多様な使い方ができて、

オフィス・住宅・倉庫・港湾施設といった建物が多く建ち並んでいる。


中央防波堤一帯の埋立地でさえ、西半分は浚渫土を中心とした埋立地で、

廃棄物主体の埋立地というのは東半分に限られている状況である。

このうちすでに埋立が完了した中央防波堤内側埋立地の東に作られた公園が海の森公園で、

一般向けの開園前にオリンピック会場として使われたという経緯がある。

西側の江東区海の森1~2丁目と大田区令和島の区域は港湾施設や倉庫として利用されている。


廃棄物の埋立地というのはその後の用途が相当限られてしまう。

中央防波堤一帯の前に使っていた廃棄物の埋立地は15号地(若洲)である。

ここも西半分は浚渫土系で、東半分が廃棄物系となっている。

ここは若洲海浜公園として大半がゴルフ場になっている。

そのさらにその前に使われていた埋立地が14号地のうち夢の島の区域である。

夢の島という名前は聞いたことがあったのだが、実は14号地にはもう1つ町名があって、

それが新木場である。文字通り貯木場を中心とした木材業者の町である。

14号地の浚渫土系の埋立地は新木場、廃棄物系の埋立地が夢の島となっているわけである。

夢の島は埋立後に夢の島公園として整備され、当初は交通の便もあまりよくなかったが、

後に新木場駅(有楽町線・京葉線)が開業し、駅至近の公園となっている。


では、そのさらに前の埋立地は? というと、8号地(潮見)の一角である。

あれ? でもここって埋立地跡らしい公園もないよなぁ。

そこには廃棄物処分の在り方が移り変わってきたことがある。

限りある処分場(ごみ埋立ての歴史)(東京都)

潮見一帯で埋立を行っていた1955年頃までは、ゴミを積んでは火を付ける野焼きが行われていた。

なかなか信じられないことだが、そんな処分方法が存在したのである。

ところがこれは煙や粉じんなど周辺への影響が大きく取りやめになった。

とはいえ、このような方式だったので、跡地は比較的普通に使えたらしく、

当時の埋立地とみられるあたりにオフィスなどが建ち並んでいる。


続いて夢の島一帯での埋立だが、これは生ごみ含めてそのまま積んでいた。

減容できないことも問題だったが、ハエやネズミが大量発生し大変な問題となった。

地図を見てもわかるが既存の市街地にもわりと近いので大きな問題だったと。

これではどうにもならないと重油を撒いて火を付ける「焦土作戦」が行われたり……

減容もできないので短命で1957~1967年と10年ほどで埋立が終わってしまったという。

仕方ない事情はあったにせよ、散々な埋立地である。

その代替の埋立地が若洲一帯で、当初は新夢の島と呼ばれていたらしい。

ここもかなり短命で1965年~1974年の10年ほどで終わってしまった。


実のところ、その次の埋立地である中央防波堤内側埋立地、

現在の海の森公園の埋立の頃もまだそんな状況が続いていたらしい。

ただ、焼却施設の整備もだんだん進んでいき、生ごみを直接埋めることは減っていった。

現在の中央防波堤外側埋立地・新海面処分場は焼却灰中心の埋立地になり、

今後50年ぐらいは使えるんじゃないかと言われている。


埋立地を長く使うための工夫だと思うが、海の森公園は山のようになっている。

海の森リーフレット (pdf) (東京都)

海風を和らげるように斜面に植樹し、その中に昆虫・鳥など多様な生き物が暮らせるようにと考えられている。

当然、人のレクリエーションの場としても有用である。

この一帯の埋立終了は1987年、しばらくはメタンガスが発生したり安定しないが、

将来的な公園化に向けて、建設発生土や堆肥などを積み上げて、

2007~2015年に植樹が行われ、オリンピックにも振り回された感はあるが、

やっと都市公園としてオープンするに至ったという状況のようである。


ところで海の森一帯へ向かう道路には、歩行者・軽車両・一般原付通行止めの規制がかかっている。

そもそも海の森公園は開園していないので公園に行くというニーズはないが、

港湾施設や倉庫へ行くというニーズはないとは言えない。

現在は自動車でなければいけないが、東京テレポート駅からのバスは存在する。

ただ、実は有明との間にある海の森トンネル、若洲との間にある東京ゲートブリッジには歩道が存在する。

すでに東京ゲートブリッジの歩道部は見学施設として昼間に限り開放されていて、

若洲側から出て若洲側に戻ることだけはできるようになっている。


海の森公園のオープン後はこれらのルートも開放されるのでは? と思うけど、まだ定かでない部分が多い。

東京都港湾局の資料を見ると、自転車走行環境整備の計画がある区間にはなっている。

港湾局自転車通行空間整備計画 (東京都)

なんとなくトンネル・長大橋区間は押し歩きになりそうな気はしますね。

ただ、一般原付まで押し歩きなのか? というとここはよくわからなくて、

一般原付の本線通行止めの規制が外れるということもありうる話である。

まだいろいろ時間はかかりそうですけど、将来的には有明-海の森-若洲-夢の島と公園同士を結ぶ回遊ルートに発展するんじゃないかと。

最恵国待遇とはなにか

アメリカのトランプ大統領、基本的に言うことがおかしいのだが……

トランプ大統領 カナダ メキシコ 中国に関税 報復措置や反発も (NHK)

トランプ大統領 輸入の鉄鋼製品とアルミに25%関税 日本も対象 (NHK)

実はこれどちらもWTOのルールにとって大きな問題がある話なのだ。

というわけで自由貿易に関わる世界のルールを勉強してみた。


関税及び貿易に関する一般協定、略称のGATTなら聞いたことがあるかもしれない。

WTOより長い歴史のある協定で、GATTが発展してWTOという組織になったという経緯があるよう。

関税及び貿易に関する一般協定 (外務省)

日本語版だってとても読めたような協定ではないけど、いくつか重要なルールをかいつまんで説明する。

第1条のタイトルが「一般的最恵国待遇」となっているが、

これはWTO加盟国はWTO加盟国との貿易に対して最恵国待遇を与えないといけないというルールである。

いずれかの締約国が他国の原産の産品又は他国に仕向けられる産品に対して許与する利益、特典、特権又は免除は、他のすべての締約国の領域の原産の同種の産品又はそれらの領域に仕向けられる同種の産品に対して、即時かつ無条件に許与しなければならない

全てのWTO加盟国に最も有利な条件を与えること(最恵国待遇)というのは、

全てのWTO加盟国に同じ条件を適用するということである。

条文を読んだらまさにそういうことが書かれていますね。


あれ? でも特定国からの輸入に対して安い関税率が適用されることってあるよね。

確かにこの考えで言えば、WTO加盟国からの関税率と、非加盟国の関税率の2つしか存在しないはず。

でも、実際には他にもいくつかの関税率が存在するんですね。

GATTの36条にはこんな文言が書かれている。

多くの低開発締約国が限られた範囲の一次産品の輸出に引き続き依存しているので、これらの産品の世界市場への進出のための一層有利な条件であつて受諾可能なものを可能な最大限度において設けることが必要であり

発展途上国に対して優遇措置が必要であるというようなことを言っていると。

この目的のため、発展途上国に有利な税率を適用すると、それ以外の国に対する最恵国待遇を満たせなくなるので、

1979年にGATTの会合で「異なるかつ一層有利な待遇並びに相互主義及び. 開発途上国のより十分な参加に関する決定」が行われ、

発展途上国に有利な税率を適用する制度(GSP)が公認されるに至った。

ちなみに2019年まで中国・メキシコ・タイ・ブラジル・マレーシアなんて国もGSPの適用対象だった。

日本の制度上、GSPからの卒業要件が意外と厳しく、ここまでかかってしまったらしい。


で、もう1つ重要な例外措置があって、それが自由貿易地域(FTA)ですね。

これはGATT 24条に定められているのだが、

自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則(略)がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃止されている二以上の関税地域の集団をいう。

最恵国待遇の枠組みの外で、関税が「事実上のすべての貿易について廃止」することは認められているということである。

この「事実上のすべての貿易について廃止」というのはいろいろ論点があるようだが、

分野の偏りなく85%以上の関税をせいぜい10年ぐらいで撤廃することを指すものだと言われている。

ちなみに最近は貿易に限定しない経済連携に関わる協定だということで経済連携協定(EPA)と書かれることも多い。


日本にとってはCPTPPとRCEPが代表的なものである。

CPTPPはアメリカ抜きのTPPということで、2018年に発効している。

RCEPはASEAN+5(日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド)医で締結された協定で2020年に発効している。

日本とASEANとは2008年にEPAが締結されており、中国・韓国とのEPAという意義が大きい。

あと、日本とEU・スイス・イギリスの間でもEPAが結ばれている。

この結果、日本の貿易額のうち79%が関税が「事実上のすべての貿易について」廃止された状態になっている。

原産地規則もあるのでこれらの国からの輸入品全てが無税に近いかというと、

なかなかそうもいかないが、RCEPやCPTPPのような多国間の協定になったことで、

国を超えたサプライチェーンをカバーしやすくなり、FTAの活用はより進んでいるとのこと。


で、冒頭の話に戻るのだけど、

まず特定の国に対して高い関税を掛けるというのは、最恵国待遇に真っ向から反する行為である。

セーフガード措置やアンチダンピング措置というのはあるけど、

トランプ大統領の言っていることはこういう話ではないので、WTO加盟国としてはあり得ないことである。

これはわかりやすい話だと思う。


もう1つ、日本を含む全世界からの鉄鋼・アルミに高い関税を課すというもの。

全ての国に等しく高い関税を課すのは最恵国待遇に反しない気もするが、

これは逆にFTAとの兼ね合いで問題になってくる。

実は日本とアメリカの間では日米貿易協定というFTAが結ばれているのだ。

まぁこの協定がFTAなのかというのは議論がある話なのだが、

さっきも書いたように特定の国への関税を引き下げる手段というのはGSPとFTAの2つで、

日本とアメリカの間で選びうるのは当然FTAしかないわけである。

で、関税が「事実上のすべての貿易について廃止」されているはずなのに、

そこに例外なく関税を掛けるというのは当然FTAからの逸脱であり、

こうなってくると最恵国待遇の例外にあたらないという話になってくるのである。


もちろんこれらはWTO加盟国に課しているルールであって、

アメリカがWTOから脱退すればその限りではなく、実際そういう検討もなされているようである。

ただ、こうなってくるとアメリカはWTO加盟国からの最恵国待遇が受けられなくなる。

一応、WTO非加盟国というのは存在して、そのための税率も存在していて、

日本では赤道ギニア、エリトリア、アンドラ、北朝鮮、南スーダンからの輸入品に適用されている。


日本とアメリカに限った話を言えば、アメリカがWTOから脱退したとしても、

WTO非加盟国の関税が適用されることはとりあえずはない。

なぜならば日米貿易協定が存在するからである。

WTO非加盟国でも協定などで最恵国待遇を適用するとなっている国があり、

ブータン、バチカン、ナウル、イラク、イランなどが該当する。

すでに日本に最恵国待遇を適用されている場合は、日本も最恵国待遇を適用するというポリシーのようだ。

で、WTOとは別に協定が結ばれているというのもありまして、

日本としてはアメリカに対してWTO加盟国に対する約束に加えて、

協定で約束した関税撤廃などを行うと約束しているわけである。

なので、アメリカがWTOから脱退しただけならば、日本はアメリカに最恵国待遇を適用しなければならない。

逆もしかりでアメリカは日本に対して最恵国待遇を適用しなければならないのですが。


実のところ、GATTの最恵国待遇に関わるルールは本当にそうなのか?

というところに様々疑問符が付くところはあるのが実情である。

さっき日米貿易協定はFTAなのかというのは議論がある話と書いたが、

実はアメリカ側の関税撤廃率は実質6割程度だと言われている。

日米貿易協定、関税撤廃率低く 米のTPP復帰につなげるか (産経新聞)

そもそも日本とアメリカの間ではTPPがすでに存在している。

TPPはかなり高い水準のFTAであり、お互いこのレベルならよいと考えていたわけである。

ところが前のトランプ政権のときにTPPは凍結され、とりあえずはアメリカ抜きのCPTPPが発効することとなった。

日本としてはアメリカにTPPに戻ってきなさいという立場でいるわけだが、

当のアメリカにその気がないので、じゃあ二国間で可能なところからやりましょうと。

そのために結ばれた協定が日米貿易協定で、将来的にはTPPレベルの関税撤廃を実現しましょうという建前はある。

ただ、実態として自動車関係の関税撤廃の見込みが立っていないので、

これが実現しないままだと関税撤廃率は6割ぐらいになってしまいますよと。

この件については日本の国会でもかなり問題となったそうなのだが、

どうしてもアメリカをTPPにつなぎ止めておきたい意向もあり、成立した経緯がある。


実態はどうなのかと突き止めるといろいろあるんですけど、

こんな具合にいろいろな言い訳を活用しているのが実情である。

そんな中、GATTに反することを公然と言う大統領の国ってどうなのよと。

日米貿易協定のFTAとしての趣旨を踏まえれば、日本からの輸入品に関税を掛けるのはおかしいでしょと反論するのは当然のことである。


日本で暮らしていると自由貿易の恩恵は様々感じるところである。

日本のメーカーが外国で生産し、日本を含む全世界の輸出しているのはその典型で、

そこで使われる部品というのは日本産の部品というのもけっこうある。

日本はどうしてもエネルギーや農畜産品など外国からの輸入に頼る部分が多く、

円滑に輸入するために様々な措置がとられているところである。

小麦、砂糖、乳製品など国産農家の保護も必要だけど、国内では需要が賄えない品目はいろいろあって、

そこはいろいろ調整をしているわけだが、それでも自由貿易には叶わんわけである。

経済版「2プラス2」新設へ 米保護主義対抗で連携―日英 (JIJI.COM)

今や、世界の自由貿易の盟主は日本とイギリスだってよ。


もちろんアメリカにしても国内産業のバランスというのは重要な話で、

その観点で関税などで外国からの輸入品の制約がかかることは仕方ない部分はあるけど、

それに見合った国内産業の振興策があるのかというと、ここは疑問はある。

鉄鋼の関税が上がったところで、USスチールは老朽化する製鉄所の生産性を高める体力がなく、

そこで日本製鉄が買収して投資をしようとしたのはよい方である。

いろいろ現実が見えてない気はしますけどね。

volatileを忘れたら

マイコンの割り込み機能のデバッグをどうやってやろうかと相談を受けて、

こういうコードを書けば、正しく入っているか確認出来るんじゃないの、

なんてアドバイスをして、実際にやり始めたら、割り込みが止まらなくなって、

しかもデバッグコードの挿入の仕方によって変わると言う。


で、どうにも不可解だというので、ビルド結果を比較してみると、

割り込み要因を消すためのレジスタ書き込みが消えていた。

コンパイラの最適化でコードが消されてしまったわけである。

ん? ということはもしかしてと、ヘッダファイルを確認すると、

レジスタの定義にvolatileを付け忘れていたのだった。

#define FOO_REGS (*((volatile FOO_REGS_T*)FOO_REGS_BASE))

このvolatileが抜けていたというわけ。わりと初歩的なミスである。


ただ、もしかするとレジスタの仕様によってはこの問題は露呈しなかったかもしれない。

この割り込み要因レジスタは’1’が書き込まれたら’0’にクリアするという仕様である。

すなわち、割り込みが入ってきてレジスタをリードして、

その値が0x18であれば、bit3とbit4に対応する割り込み要因があるということで、

それに応じた処理を行うわけだが、処理が完了したら要因を消す必要がある。

その消去方法はbit3とbit4に1を書き込む、すなわち0x18をライトするということになる。

そんな処理をCで書くとこんなことになる。

void INT_FOO_Handler(void){
   unsigned int intr_read;
   intr_read = FOO_REGS.INTR;
   if(intr_read == 0){ return; }
   FOO_REGS.INTR = intr_read;
   if(intr_read & 0x00000001){
     ....

割り込みコントローラの仕様ですでにレジスタの値が0なのに、

割り込みが入る可能性があるので、それを避ける処理が最初に入っているが、

レジスタから読んだ値を書くという処理が存在するのは見ての通りである。


で、読んだ値を同じところに書き込むという操作は一般的なメモリであれば冗長な操作である。

このため最適化で消されてしまったというわけである。

もしも、これが0を書けば割り込み要因がクリアされるという仕様ならば、

intr_read = FOO_REGS.INTR;
if(intr_read == 0){ return; }
FOO_REGS.INTR = 0;

というわけで、一般的なメモリであっても意味のある操作ということで、

最適化で消去されることなく残ったのではないかと思う。


volatile修飾子の意味はvolatileの付いた処理同士の順番を入れ換えないことで、

上の例の場合は intr_read = FOO_REGS.INTR; をした後で、

必ず FOO_REGS.INTR = intr_read; を実施するということになる。

もしも FOO_REGS.INTR = intr_read; が冗長と考えても消してはいけないと。

それ以外の処理との順序関係は定かではないところがあるが、

だいたいは書いた通りに実行されるのではないかと思う。


ハードウェアのレジスタはだいたいvolatileを付けないとまずいが、

処理中に書き換わってしまう可能性がある変数をポーリングする場合にも使われますね。

その書き換わる可能性のある変数を厳密に考えると、あれもこれもvolatileとなって、

1行にvolatileの付いた変数が複数出てくることも生じて、

順序関係が不定になるけど、それでよいのかとコンパイラの警告が出てくると。

それはそれでどうなのかと思うけど。


レジスタは’1’が書き込まれたら’0’にクリアするという仕様は僕がリクエストしたものである。

既存レジスタでも一部にこんな仕様のレジスタが存在して、

それを持ち出して、こんな風にしてくれるとありがたいと伝えたわけである。

0を書いてクリアする例を見て気付いたかも知れないが、

万が一、リードしてから0をライトするまでの間に別の割り込み要因が立つと、

それまでまとめて消してしまう可能性もなしとは言えない。

なので、確認した割り込み要因だけ狙って消せた方がよくて、

‘1’をライトすると’0’にクリアするという操作は読んだ値を書くということでコード的にもわかりやすい。

というわけでこの方法を採用したのだが、コンパイラには無意味な操作に見えてしまったようだ。


こんな教科書的なミスをしてしまうことがあるんだなと。

この部分をコーディングしたのは他の人で、あまり細かくは見てなかったのだが、

言われてみれば確かに……という内容だった。

人の振り見て我が振り直せ、というわけで自分が書いた同様のコードを点検してみたが、

さすがにちゃんとvolatile付けてましたね。さすがにそんなミスはしない。