自転車の見た目で歩道は決して走れない

ドコモバイクシェア、各地にある赤い自転車ですが、

特定原付のレンタルの実証実験を開始するらしい。

ドコモ・バイクシェアの新型モビリティ、歩道禁止と免許必須にするねらいとは (ケータイWatch)

かなり自転車っぽい見た目だな。


特定小型原動機付自転車はサイズ規定が普通自転車と同じ。

ということは自転車にモーターを積めばよいとは誰もが考えること。

もちろん電動キックボードを想定してできた制度なのでキックボード形が多いが、

もう1つ多いタイプが自転車形であり、僕が使っているのもそんな車である。

とはいえ、自転車にしてはちょっと不思議な見た目であるのも事実。

ドコモバイクシェアが導入すると言っている車両はそれよりかなり自転車っぽい。

車を置くポートを従来の自転車と共通化するために寸法を合わせたのかな。

異質な要素はハンドルの両側に付けられた最高速度表示灯 兼 ウインカーぐらいか。

後ろから見れば尾灯・ナンバープレートもありますけど。


で、実はこの車は歩道モードがないんですよ。

わざわざ6km/hでちんたら歩道を走るメリットはほとんどないので、それでもいいかなとは思いますが。

YADEAは最初は電動キックボード形の特定原付を作っていて、

このときは歩道モードがあったようである。

ところが、後に発売したオフロードバイク形のものと、発売予定の自転車形のものは歩道モードを積んでいない。

やっぱりいらんなと思ったのかも知れない。押し歩きでもいいからな。


ただ、車道自転車通行不可というのも一部にはあって、

そうすると歩道を走らざるを得ないということがあるので、ないよりはあったほうがよい機能でもある。

あとなぜか夢洲の万博会場に乗り付けられるのは特例特定原付となっていて、

歩道モードのない車は駐車できないらしい。(なんで?)

メーカーの説明には「なお、歩行者の方の安全を考慮し、歩道走行が可能となる特例モード(時速6km/h)を搭載する予定はございません。」となっているが、

本来は歩道モードは歩行者と共存した場合の安全を考えての機能なのでおかしな説明ではある。


ただ、一方でこの車が歩道を走っていてはおかしいという説明はしやすく、

発表会で展示されていた車には「STOP歩道ライダー」「この車両は歩道走行できません」というシールが貼られている。

とはいえ、そもそもがかなり自転車っぽい見た目の車なので、

電動キックボードより見分けが付きにくいという見方もあるかもしれない。

結局使えない機能だと思うので歩道モードがないのがそんなに悪いとは思わないけど、ちょっと変な説明だなとは思いますね。


あと利用者には当面は自動車運転免許の所持を求めるとのことで、

少なくとも一般原付のルールは知っていることが担保されているわけである。

ところで小型特殊自動車だけの運転免許でもいいんですかね。そんな人ほぼおらんやろというのはさておき。

運転免許があっても自転車に正しく乗らない大人はなんぼでもいるわけで、

運転免許だけあっても仕方ないとは思うんだけど。

一般原付に近いと思われるのもそれはそれで問題だし……

利用者への教育が1つ重要な課題として認識されているのはよいことでしょうが。


あと課題はこの車を何と呼ぶかということである。

シェアサイクルの大手にはHELLO CYCLINGもいて、

この会社も一部エリアで特定原付のレンタルを行っている。

ここも自転車形なのだが、これを「電動サイクル」という呼び方をしている。

製造元のglafitも特定原付タイプは電動サイクルって言ってますね。

一般原付と自転車をモビチェンできる車は電動バイクって言ってるので、

それよりは自転車に近いという意図でこう言ってるんだろうかね。

ドコモバイクシェアの車を製造するYADEAでも通販サイトの区分は

「電動キックボード」「電動サイクル(自転車型特定原付)」となっているので、

電動サイクルって言い方が一般的になるのかなという気配はある。


どうやって社会の理解を得るかというところを熟慮しているのは見えるが、

本質的な効果があるかはなんとも言いがたいところはある。

LUUPの電動キックボードがあれこれ言われるのも、

同社のステーション配置を含む営業戦略によるところがありそうで、

電動キックボードだから悪いというより、自転車で起こることが電動キックボードで起きているというだけに思える。

自転車形という形状の違いも含めて、そことは決別してやっていきたい思いは感じつつも果たしてどうなるだろうか。


電動キックボードのための制度という側面の強かった特定原付だが、

大手のプラットフォーマーが自転車形の車両を採用したり、

高齢者講習に嫌気が差した人向けか三輪・四輪タイプの車も発表されつつある。

それでも意外に出ないのがスクーター形の車なんだよなぁ。

以前も書いたのだが、制度的に似ている台湾の微型電動二輪車(旧:電動自行車)はスクーター形が多いんですよね。

確かにスクーターというのはエンジンの上に座るからあの構造なので、電動であればあの形である必要はないのだが。