東京高速道路を続ける口実

東京高速道路というのが銀座周辺を走っていたが、この土曜でほぼ廃止となった。

一般的には観光用の有料道路で使われることが多い一般自動車道の制度を、

都市高速でかつ通行料無料で適用しているという珍しい道路だった。

もっとも多くの場合は首都高速との連続利用だっただろうから、無料で走っていた人は限られそうだが。

首都高速のネットワークの中では東京高速道路株式会社の路線ということでKK線と呼ばれていた。


廃止になる理由は都心環状線の日本橋上空を走る区間を地下化することと関係している。

地下化されるのは都心環状線の神田橋(八重洲線接続)~江戸橋(上野線・向島線接続)の区間だが、

この際、神田橋からの地下区間は向島線のみにつながる構造となる。

となると、神田橋から来た車は従来の都心環状線の汐留方面に行けなくなる。

神田橋~汐留は八重洲線とKK線で往来することも可能だが、

ビルの上を走るKK線は大型車が利用できないため都心環状線の代替には不適。

このため、八重洲線の西銀座(KK線接続)と都心環状線の京橋付近を結ぶ地下式の道路を作り、

これで大型車含めて神田橋~汐留を往来できるようにするというわけである。


明言はされていないのだが、おそらくこれにより八重洲線は都心環状線(C1)の一部となる。

地下化される日本橋区間は案内上は6号向島線の一部となり、

神田橋JCTは都心環状線(三宅橋方面)と向島線を接続するという扱いになるはず。

江戸橋~京橋の都心環状線は案内上は1号上野線の一部となり、

江戸橋JCTは向島線と上野線(京橋方面)を接続するという扱いになるのかな。

そして京橋JCTで都心環状線(汐留方面)と上野線が接続されるとなると。


ところで東京高速道路の自動車道事業は全廃されたわけではないという話がある。

というのも発表資料のタイトルも「東京高速道路(KK線)の廃止(東銀座出口を除く)」となっている。

どういうことかというと、京橋JCTで分岐した先にあるKK線はほぼ廃止だが、

京橋JCT直近にある東銀座出口だけは存続することになっている。

京橋JCT付近にある白魚橋乗継所を境に東京高速道路の営業区間となり、

東銀座出口まではごく短いが、東京高速道路所有の新京橋ビルの上を走る区間には違いない。

ゆえに東京高速道路の自動車道事業はわずかだけど残るという話である。

もっとも今後は東銀座出口は都心環状線の出口として案内されるだろうから、

KK線の名前を見ることは無くなるというのは事実である。


冒頭にも書いたように東京高速道路は一般自動車道としては珍しい無料道路だったが、

ビルの上を走る道路で、かつビルの賃貸料で経営が成り立っているためである。

それもこれも銀座周辺の一等地に土地を持っているからということになるが、

これらは汐留川や京橋川を埋め立てることで生み出された土地である。

都市高速という公共性のある目的のために埋立が認められたわけである。

(ちなみに汐留川は中央区と千代田区の区界にあたり、ビルの所在は現在も確定していない)

ビルを所有する名目として自動車道事業を行っているというのが実情だったわけである。


ところが今回、東京都から八重洲線に都心環状線の機能を持たせるため、

KK線との接続を切ってしまうという提案をされてしまったわけである。

こうなるとビルを経営する理由もなくなってしまうわけだが、

「歩行者中心の公共的空間」に転換するということで東京高速道路の事業は存続する。

どうしても遊歩道が必要なエリアとも思えないのだけど、そういう口実がなければ存在できないビルなのである。

将来的には道路・ビルの老朽化への対応が必要だっただろうけど、

今回、道路を廃止しながらもビルの存続が認められたのは渡りに綱だったかもしれない。


日本橋区間の首都高速の地下化事業は僕はかなり懐疑的である。

というのも地下化されるのは日本橋川上空を走る区間のうち、神田橋~江戸橋のごくわずかのためである。

この地下化事業は日本橋付近の景観改善という目的が大きいとされている。

でも、ここしか改善されないんですよ。そのためには大がかりすぎないかと。

ただし、この事業には首都高速の老朽化対策という側面もある。

この事業に合わせて京橋~汐留の築地川区間の大規模改築も行われる。

また、向島線の江戸橋JCT~箱崎JCTの距離が短いことにより、

都心環状線に渋滞が伸びてしまうという問題が生じているのだが、

先ほど書いたように都心環状線・向島線の分岐点が神田橋JCTに動くので、

これにより都心環状線の渋滞緩和が見込まれているというのもある。

新しい都心環状線は急カーブが多くなりそうで、安全に走れるのかという懸念もあるが。

八重洲線は長期通行止めで改築するのでそこはなんとかするんでしょう。

グリーンアローズの道をバイクで走る

東京駅から新豊洲・有明方面に行くのに晴海通りのバス、都05-2系統が便利である。

すさまじい混雑なので、有明まで乗るなら東16系統の方が結局早いのだが。

この都05-2系統は「グリーンアローズ」という愛称があり放送でも流れる。

グリーンアローズは晴海通りのバスに都市新バスシステムを導入した際に命名されたもので、

都03, 都04, 都05の3系統があることから、この命名は 三本の矢の故事から来たという定説がある。

都05は従来からの晴海発着便が都05-1、東京ビッグサイト発着が都05-2と枝番で分かれた。

都04は東京駅~豊海水産埠頭と通勤バスっぽい目的地だが、1日を通じて本数は多い。

問題は都03である。四谷駅~晴海五丁目だが、1時間1本程度と本数は少なく、単独区間の利用は多くないという。


三本の矢の1本は折れかけだとか言われているが、元は都03がメイン系統である。

その歴史は路面電車の時代にさかのぼり、新宿駅~月島(現:勝どき駅付近)を結ぶ電車だった。

これを継承したバスが銀71系統で当時はたいへん利用者が多かったという。

そのため都市新バスシステムの名目でバスサービスの高度化が図られた。

このオマケで2系統くっついてきたというのが実情だという。これが1988年のこと。

当時は大江戸線の建設途上だったが、2000年に環状部が完成した際、

都営バスの路線にも大きく手が入り、都03は新宿駅~四谷駅を短縮した。

(この区間の地下鉄が出来たわけではないが、勝どき駅の開業などの影響も考えたのだろう)

ところがこれにより利用者が激減、本数も減っていって今はこの有様。


ここまでが前置きである。今回、この都03系統のルートをなぞって四谷から晴海通りを走り、

そのまま直進、新豊洲駅・有明周辺にバイクで走ってみたわけである。

このエリアは観劇を中心に用事があるが、特に帰りの往来に困っている。

さっきも書いたように都05-2系統は便利なルートだが、混雑が激しい。

夜はこの系統に限らないがバスの本数が減るので、そもそも不便な上にそもそも乗れないリスクがある。

電車を使えばよいが、利便性が高い豊洲駅や国際展示場駅まで歩くと遠く、そこからも乗換など不便である。

そこで四谷からズドンとバイクで行けばいいじゃないかと考えたわけである。

四谷なのは家との往来が便利で、東京駅のような巨大駅ではないからである。


というわけで最寄り駅でバイクを畳んで電車に乗って四ツ谷駅で下車。

(なぜかJRの駅名には「ツ」が入るが、バス停は四谷駅、周辺の町名も四谷である)

エレベーターはあるが妙に遅い。人数も乗れないので混雑する。

エレベータを上がって改札を出て、麹町口の方を見るとエレベータがないので、

じゃあ反対かと見てみるとタクシーが見える。なんと改札と同じ平面に車寄せがある。

というわけでここでバイクを組み立てて出発である。

駅の目の前は国道20号線「新宿通り」で、自転車専用通行帯もあり上々の滑り出し。

半蔵門交差点で内堀通りにぶつかるが、文字通り皇居のお堀に沿った道路である。

左矢印・右矢印の信号を分けて出すので、どうやって二段階右折するのかと思ったら、

ちゃんと歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」と付いていた。これに従えばいいですね。

この先も左矢印信号を使う交差点にいくつか遭遇したが、だいたいは歩行者用の信号に「歩行者・自転車専用」を付けていた。

このあたりは絶景で、というのもお堀がすごく深いのである。歩行者も多かったが花見かな。


往路は概ね道なりに進めばよいが、しばらくは難しい道が続く。

三宅坂交差点は急カーブ注意とあり、下り坂とカーブの組み合わせなので事故が多いのだろう。

特定原付じゃそんな速度は出ませんけど、注意しながら走っていた。

国会前交差点、往路はどうってことなかったが、帰りが大変だった。

この交差点は銀座方面から来ると一番左が左折可の左折レーンになっている。

四谷に向かうにはここで右折するが、左折レーンから直進して右折する。

左折可なのであまり減速せずに車が突っ込んでくるので、大変難しい。

大阪の梅新東交差点の左折レーン2本よりはマシだけど、ここもけっこうハードである。

JRを越えると銀座の繁華街に突入するが、ここは第一通行帯を走るのが大変。

なぜかというとタクシーが多いからである。タクシーは乗降のために車線変更をしますからね。


築地あたりに来るとこのあたり落ち着いてきて、

少し古めかしい勝鬨橋を渡ると、埋立地にビルが乱立するようになってくる。

晴海大橋はかなり高いところを通るので歩くと大変である。

都05-2系統の本数の少なさと混雑の懸念から、晴海大橋を渡って晴海三丁目まで歩いて、都05-1系統を拾うことがあるが、

そこで大変なのが晴海大橋で、そこさえ乗りきれば楽なんだけどね。

そこをバイクだと20km/hは保って走っているのでそこは楽ですね。

渡りきると新豊洲変電所の円筒形のビルが見える。


今回、バイクでこのあたりに走ってきたのはバイクを停められそうな場所を探すという目的もあった。

まず、新豊洲周辺だが、歩道にバイクや自転車を停めているものの多いこと。

そんな中で駐輪場を備えているのが「チームラボプラネッツ TOKYO」である。

敷地の一角にラックを並べて自転車の駐輪場としている。

うちのバイクは入るけど、一般的なバイクは停められないでしょうね。

新豊洲一帯はバイクは全然ダメだなぁと思って見ていた。


木遣り橋を渡って、有明アリーナ、中にはジムや店舗利用者用の駐輪場はあるらしいが、

とても冷やかしでは近づけないような警備員配置である。

そのまま直進して かえつ学園西交差点で左折して都橋住宅前バス停付近の有明親水海浜公園の入口へ。

入口付近に駐輪場とかあるのかなと思ったが特にないよう。

公園の注意書きにはオートバイ乗り入れ禁止とある一方、園路に自転車に向けた歩行者優先の標示がある。

ということは園路は自転車が自走することは想定しているのか?

ただ、園路に駐輪スペースっぽいのは見えないんだよなぁ。

この辺は一時的に自転車を停めるだけでも難しそうですね。


引き返して有明ガーデン、自転車で来る人も多く、通路を押し歩きして駐輪場へ行くものは多い。

5時間無料と書いてあるが、休日はゲート開放されていて完全に無料みたい。

ただ、注意書きに明確に「バイクについては、バイク駐車場をご利用ください」とある。

このバイク駐車場というのが厄介である。

確かに有明ガーデンにはバイクの駐車場がある。しかし、料金体系が四輪と全く同じなのである。

大型のバイクであれば四輪と同じ料金で駐車できるだけよいかもしれないが、

原付でもこうなんですよね。というわけで困った話である。

とはいえクレジットカード持ちなら4時間無料など、定価に興味がない人なら気にせず使うんだろうが。


さらに先に直進すると、有明テニスの森公園があるが、バイクが停まっている一角が。

自転車の駐輪場に「原付・小型車はこちらをご利用ください」なんてある。

有明テニスの森公園の駐車場はテニスをする人向けのものである。

テニスを観戦する人や、有明コロシアムの観戦・観劇者の利用は想定していない。

四輪は有料だが、バイクは出入口のゲートをすり抜けて利用するようで、無料みたいですね。

自転車は歩道から押し歩きで入る想定だが、どっちから入っても原付は自転車のところに停められるようだ。


有明テニスの森駅の下には自転車の駐輪場はあるが、自転車だけである。

橋の前で左折すると有明アーバンスポーツパークがある。

ここは駐輪場が線で区切っただけで、一部は明確に「バイク駐輪場」とある。

有明アーバンスポーツパークはオリンピック時の施設を移設集約したもので、

例えば、地元の堀米雄斗選手が滑って金メダルを獲得したスケートボード場が利用できるわけである。

「livedoor URBAN SPORTS PARK」と書いてあって、livedoor!? と驚いたが、

間違えなくポータルサイトのlivedoorである。2022年にLINEから譲渡されて別会社になってたらしい。


周辺を散策してみると、運河沿いの有明親水海浜公園が有明アリーナ付近まで通じていることに気づく。

テニスの森駅からアリーナへ向かう人を公園経由で向かうように誘導しているようで、そのような人の流れもみられた。

もしかするとアリーナからの帰り道の運用も変わってるのかも。

有明親水海浜公園としては有明GYM-EX隣接地の広場を整備しているようだった。

何かオブジェがあるなと思ったら、パラリンピックのマークで、

このあたりはオリンピック・パラリンピックのシンボルエリアとして整備されるのだろう。


有明北橋を渡ると豊洲市場、市場隣接地には「千客万来」という施設がある。

千客万来には歩道に隣接した自転車の駐輪場があったが、歩道に放置されてる自転車も多い。

新豊洲駅周辺しかり、このあたりもあまりバイクは想定していないようだ。


この一帯は住宅・オフィスとして利用されている土地が多い。

有明アリーナが冷やかしでは近づけないような物々しい状態なのも、

隣接地がマンションということで、来場者がそちらに向かわないように誘導する必要があるためである。

公共駐輪場はバイクを停められるものはない。新豊洲駅・市場前駅に至っては公共駐輪場自体がない。

基本的には徒歩圏の駅を使う想定で、自転車はともかく、バイクで遠方から来る想定はないのだろう。

そんな中では珍しくも有明ガーデンは規模の大きな商業施設である。

ただ、原付クラスのバイクにとってはあまりに見合ってないんだよなぁ。


このあたりの結果を踏まえて今後のことも考えようと思う。

バイクを運ぶのは大変だが、バイクでズドンと走れるのは気分がよい。

土地柄、帰り道にふらっと車を停めて食事や買い物は難しいのは残念ですけどね。

MELF抵抗はなにものか

MELF抵抗というのがある。

メルフ抵抗器の理解:建設、アプリケーション、および利点 (ICコンポーネント)

見たことありますかね。あまりなじみはないかも。

中学校の授業でリード抵抗ははんだ付けしたことあるよという人は多いだろうし、

四角いチップ抵抗は一般的な電子機器のプリント板上に多く実装されている。

MELF抵抗はある種の製品では広く使われているそうだが、一般的かというとなんとも。


MELF抵抗はリード抵抗のリードを取って だるま のようにしたもので、

構造的にはリード抵抗同様でありながら面実装部品であるところに特色がある。

密度という面ではリード抵抗と大差なさそうではあるけど、

他の面実装部品と同様に実装できるという点でメリットがある。

両面に実装できるからこの点ではリード抵抗よりも高密度かもしれない。


リード抵抗あるいはMELF抵抗がチップ抵抗より優れている点は耐久性ということになる。

電力定格という点では大きなチップ抵抗と大差ないところはある。

3.5mm×1.4mmのMELF抵抗の代表的な定格は0.25W、

3.2mm×1.6mmのチップ抵抗の代表的な定格は0.25W、同じですね。

(ちなみに現代ではよく使われる1.0mm×0.5mmの抵抗の定格は0.1W)

ただ、円筒形で熱が逃がしやすいとか構造的な差もあり、

静電気などで短時間に過大な入力が入ったときに切れにくいことは事実である。

温度係数もMELF抵抗の方が小さい傾向にある。

チップ抵抗でも適切なものを選べば要件は満たせると思うのだけど、

MELF抵抗はそもそもの性能がいい傾向にあることは確かなようだ。


ただ、うちの職場ではMELF抵抗は使ってはいけないルールがある。

なぜかというと、MELF抵抗のはんだ付けはいろいろ問題があるからである。

円筒形の部品ということは転がりそうだなと思うし、

実際、手ではんだ付けするときのハードルとしてはそこが大きい。

部品が大きいので熱容量が大きく、暖まりにくいのも難しい点だという。

もちろん製造時には自動実装機で乗せて、加熱してはんだをリフローさせることで付けることになる。

転がらないように接着剤でつけてからリフローに流すのは当然である。

とはいえ、円筒形の部品はチップ部品より動きやすいのは確かで、

MELF抵抗は電極からズレたり立ったりする問題が多いようである。

このため原則使わないというルールになっているという。

チップ抵抗で条件を満たせない場合はリード抵抗で対応しているのではないか。


ところが今回、試作品にはMELF抵抗が大量に載っているのである。

変だなぁと思うかも知れないが、製造場所が違うので、その都合らしい。

その中で0Ω抵抗を実装するポイントがいくつもある。

どうも評価の内容に応じて付けたり外したりするらしい。

僕が使う用途ではほぼ全部ショートでいいんだけど。

そのための0Ω抵抗だが、結局はチップ抵抗を使っているのが実情である。

さっきも書いたようにMELF抵抗は転がったり、暖まりにくいなど手はんだには手間である。

0Ωってことは両端をショートできればなんでもいいわけで、

それならうちの職場に多数転がっているチップの0Ω抵抗でいいじゃないかと。

そう言われて0Ω抵抗を必要箇所に取り付けていた。


もっともうちの職場でのチップ抵抗の主流は1005サイズか1608サイズ、

これではMELF抵抗のパッドに届かないので、もう1つ大きな2012サイズ(2.0mm×1.2mm)のものが必要である。

そんなんあるんかいと思ったけど、それなりにバリエーションはあって、

もちろんその中には0Ωはありましたね。

最近は2012サイズの抵抗って使ってるのかね?

(チップ部品ではコンデンサは耐圧のこともあり、微細化が進む中でも岩みたいなサイズのものをよく見るが)

このぐらいのサイズだとはんだ付けしやすくていいですけどね。

といいつつ、MELF抵抗が立ち並ぶ中ではんだ付けするとはんだごての先を入れにくくて、

一応は付いているけど……みたいな微妙な付き方になってしまったのもある。


MELF抵抗が大量に並んでいる基板ってのは異様ですね。

リード部品がたくさん並んでいる基板ともまた違った感じですね。

ある種の製品の基板が社内では部品密度がやたらと高いということで「白っぽい」と言われたことはあるが。

(部品が載っているとプリント板のレジストの色が覆い隠されるので白っぽく見えるらしい)

まぁそれに類する話ですかね。

第二種住居地域とは

東京・渋谷区(といっても新宿駅の少し南だが)の山野ホールで予定されていたイベントが急きょ会場変更になり、

一体なにがあったのかと言われていたが、どうも劇場として不適格な施設だったらしい。

山野ホール、今後イベントなどの貸し出しを行わず 「第2種住居地域」で劇場使用不可  (産経新聞)

これは専門学校の付帯施設で外部への貸出を広く行っていたのだが、

当初は避難経路の問題だと言われていて、これは改修の余地があったかもしれないが、

そもそもこの場所は第二種住居地域で劇場が立地できない地域だったと。


第二種住居地域という字面からすると住居の立地のための用途地域に見えるが、

実際のところ、この用途地域はオフィスの立地に適したものである。

用途地域による建築物の用途制限の概要(pdf) (東京都)

第一種住居地域(一住)の用途として認められているものを見ると、

住宅、3000m2以下の店舗・事務所・ホテル・運動施設、小規模で環境悪化のおそれが少ない工場など、

というわけで住宅と中程度の規模の店舗・事務所に利用できる。

住宅地に隣接した幹線道路沿いの地域に使われることが多い印象がある。

第二種住居地域(二住)は事務所の面積制限がなくなり、10000m2までの店舗・カラオケ・パチンコ屋なども立地できる。

全ての事務所が立地可能という点がオフィスに適していると書いた理由である。

店舗もそれなりの規模のものまで立地可能である。

運動施設の制限も外れるので運動公園に適用されることも多い。

準住居地域(準住)というのもあり、これはさらに車庫・倉庫の制限がなくなるもので、

ロードサイドで使われることの多い用途地域になっている。


一住・二住・準住は「住居の環境を守るための地域」ということで、

それ自体が住宅地とも限らず、住宅地に隣接したエリアに適用されることも多い。

二住は事務所の面積制限はなくなり、店舗の面積制限もかなり緩いが、

典型的な商業地に使われる商業地域(商業)と比較すると、

劇場・ナイトクラブや接待飲食店の立地ができないという差がある。

これらの施設は住宅地の環境悪化の原因になりやすいと考えられているためである。

その割にはパチンコ屋(10000m2以下)はいいんだなと思うんだけど。


というわけで、この観点では確かに山野ホールは問題のある施設である。

専門学校内のホールという本来の目的であればどうってことはないが、

劇場として多くの人が出入りするのは問題じゃないかと。

でも、劇場といっても巨大な映画館とはまた違うわけですよね。

オフィスは無制限、そこそこ規模のある店舗やパチンコ屋も立地可能、

そういう地域で厳しく制限を受けるような施設なのかなという疑問はあった。


なかなか用途地域というのは字面ではわからない部分も多い。

第一種中高層住居専用地域(一中高)について表を見てみると、

立地できる施設として大学・高専・専修学校や病院というのがある。

このため大学や病院の立地を目的とした 一中高 というのはけっこうある。

どこが「住居専用」なんだと思うけど、大学や病院、付帯する寮などが立地できる最低限ということで選ばれている。


商業地の用途地域としては商業の他に、近隣商業地域(近商)もある。

商業と近商の最大の差は接待飲食店などの立地が可能か否かである。

なので商業というのは繁華街のコアエリアだけに設定されることが多い。

パチンコ屋、劇場などは商業・近商ともに立地可能である。

近商から劇場と10000m2超の店舗などを除いたものが二住とも言える。

この観点で住宅地内の商店街を二住にしているところもあった。

地区計画で運動施設やパチンコ屋の制限を加えると、住宅地内の商店街に適すると考えたようである。

「住居の環境を守るための地域」という特徴が合っていたわけですね。


逆に緩すぎるのが準工業地域(準工)である。

住宅地が準工に塗られていて、町工場の立地を想定したものだった。

これ自体は準工の典型的なイメージ通りだが、

事務所・店舗・ホテル・運動施設・カラオケ・パチンコ屋・劇場などが無制限に建てられ、

接待飲食店も立地可能(個室付浴場等だけは除かれているが)となっている。

とはいえ、町工場の立地を想定した地域にそういうのが並ぶのは不適当と、

地区計画で一定の制限を設けていることも多い。

逆に住居系の用途地域に地区計画や特別用途地区で制限緩和して工場を立地可能にすることもあるらしく、

特定の地場産業の工場は立地可能としていることがしばしばあるそう。


二住に劇場が立地できないことを理にかなった規制とみるか、他の規制に対してやや厳しいとみるか。

実際、二住に地区計画で劇場の立地を可能としているところもあるみたいですね。

公共施設が集中する地区にホールを設置するとかそういう意図ですね。

あと、二住は運動公園に適用されることも多いが、客席は観覧場として劇場同様に立地できないのが原則である。

ただ、建築審査会の同意を得て立地していることが多いようである。

そこにどれだけの必然性があるかという話でしょうけどね。

山野ホールにそのような必然性は認められないというのはそうなんでしょうが。

でも同種の公共施設なら地区計画などで認められていることも多いんですよとは書いておく。

並ばない万博とは

4月になってFamiPay翌月払いの締め日もまたいだことだし、

万博の前売りチケットを購入した。

1つは4月の連休前まで使える開幕券、こちらは奈良行きの用事に合わせて行くということで日程も固めている。

もう1つは前期券ということで7月下旬までの前半期間に使えるもので、

こちらは7月中旬に取得予定の夏休みに使うことを考えている。

いずれも比較的安く4000円と5000円である。


というわけで開幕券の1枚は早速来場日を決めて予約した。

平日とは言え、朝一番の9時台の東ゲート(夢洲駅または駐輪場)は混雑気味。

朝は中央線も大変でしょうし10時台でもいいかと。

この来場時刻の予約は中央線の混雑対策という側面がかなり強い。

西ゲートは各地からのバスと駐車場だが、バスは桜島駅発着以外は予約制だし、

桜島駅発着便にしても朝の夢洲行きは時間帯を切って予約するようになっている。

駐車場も来場時刻を決めて予約する仕組みのようである。

夢洲に直接乗り付けられる自転車・特定原付以外は連絡バスのこともありまからね。


これだけでも一手間という感じはあるが、もう1つ考えないといけなかったのが「7日前抽選」である。

55年前の千里丘陵では「人類の辛抱と長蛇」と揶揄され大行列を成したわけだが、

今回のスローガンは「並ばない万博」ということでパビリオン・イベントの予約制がある。

来場予約制も電車・バス・入場口での混雑回避のための策である。


このパビリオン・イベントの予約、やらなくてもそれなりに楽しめるとは思う。

大半の国のパビリオンはそもそも予約できないし、

予約できるパビリオンもおそらく空いている時間を狙えば自由入場になりそうではある。

ただ、人気のあるパビリオンについては予約必須になるであろうと思う。

長い行列を成すパビリオンというのはないだろうというのが想定である。

とはいえ、これも事前予約が必須かというとそうとも言えない。

というか、事前予約をあれもこれも詰め込むのはできないのである。


どういうことかというと、事前予約は2ヶ月前抽選・7日前抽選・空き枠先着予約の3つがある。

ポイントはこの3つの予約でそれぞれ1つの予約だけが取れることである。

おそらく2ヶ月前から来場予約して2ヶ月前抽選に申し込むのは、

よっぽどこのイベントに行きたいという人に限られると思う。

さすがに8日前には計画が決まっている人も多いだろうから、

多くは7日前抽選と3日前から始まる空き枠先着予約で2つの予約を取れると言える。

じゃあ2つしか予約制のイベント・パビリオンは見られないのか? いや、そうではない。


それが当日登録である。これは来場後にイベント・パビリオンの予約が出来る。

これは来場後に会場内の端末で予約することも出来るので、万博IDの登録をしていなくてもよい。

当然、万博IDで登録している人なら自分の端末で予約することも出来る。

この予約なのだが、当日登録で取得した予約を消化するまでは追加の予約ができない。

予約を取ってから予約を消化するまでの間、事前予約のパビリオン・イベントがあればよいが、

それがない場合は予約不要なパビリオンなどを楽しむことになる。


すなわち並ばない万博というのは、人気パビリオンに行列している間、

空いている各国パビリオンなどを楽しめるということである。

実際、そううまくいくのかわからない部分もあるのだが、

状況を見ながら予約制の運用を調整していくと思うので、そこそこうまくいくのではないか。

まぁ予約不要のパビリオンだけでも楽しめるとは思いますけどね。


今回はけっこう慌ただしい万博行きになりそうだが、

夏休みに行くときには、17時以降利用できる夜間券(3700円)と組み合わせて、

足かけ2日で楽しむのもよいかもねなんてことも考えてはいる。

ただ、気がかりな話もあって、それが大阪の宿の逼迫である。

近年、大阪ではホテルの開業ラッシュである。

それは万博も見越してのことだが、フタを開けてみれば万博前からすでに逼迫しているという。

遅い時間まで万博を楽しむには近所に宿を取ってこそである。

でも、それが難しいとなると困ってしまうわけである。

今回は諸事情あり大阪で宿を取ることはそもそも考えなかったが、実際取ろうとするとどうなんでしょうね。

小中学校の夏休み前ならそんなに混まない気はするんだけど、どうでしょうか。

押しボタン式は黄色点滅がよいか

今日は休暇を取っていて、買い物のためにバイクで往来していたときに、そういえばと思いだした話があった。

それが押しボタン式信号の普段の信号機の表示である。

歩行者用信号は赤信号なのはともかく、幹線道路側の信号が問題である。

東京都では青信号なのだが、地域によっては黄色点滅信号になっている。

奈良県内ではこの黄色点滅信号の押しボタン式信号を多く見た。


歩行者用の信号との関係で言えば青信号の方が正確ではあるのだが、

押しボタン式の信号機が置かれる地点は細い道路との交差点であることが多い。

この場合、細い道路には止まれ標識を付けて対応することが多い。

もう最近はあまり見なくなったけど、黄色点滅と赤点滅の組み合わせがあって、

赤点滅は一時停止して進めるということで、止まれ標識と同義である。

一方の黄色点滅は他の交通に注意して進めるということになる。


黄色点滅信号も青信号も進めるという点では意味は同じである。

特に減速は必要ないし、押しボタン式信号の場合は横断歩道を渡る歩行者がいることも考えなくてよい。

(横断歩道に信号機がある場合は、横断歩道標識や◇の標示はない)

ただ、通常の青信号を直進する場合、交差する向きの車は来ないのが普通である。

ところが交差する道路が止まれ標識になっている押しボタン式信号の場合、

交差する道路から一時停止の後、出てくる車があるかもしれないのである。

そこに注意が必要ですよという点では黄色点滅が適していると考えるわけである。


交差する道路も信号制御してしまうのがよいという考えもある。

押しボタン式信号とセットで感応式信号を導入している地域もある。

鳥取で湖山池周辺を走っていた時、二段階右折で全然信号変わらんなぁ、

と思ったら感応式信号で近くに二輪車用ボタンがあったので押しに行ったなんて話もあった。

歩行者用の信号には「押ボタン式」って書いてあるのに、車用の信号には何も書いてないのはいかがなものか。

そうそう、感応式だとバイク・自転車は反応しにくいですよね。

だいたいは専用のボタンか、歩行者用のボタンを押せるようになっている。


家の近くに夜間は押しボタン式信号という横断歩道がある。

ここも細い道路との交差点で、自転車・バイクで往来するのによく使う。

普段は幹線道路側は青信号を出している。

細い道路には止まれ標識だけがあるので、一時停止して車が途切れたところで出る。

歩行者用の信号は特に見なくてよい。

もしもこの信号に「歩行者・自転車専用」の標識が付いていたら自転車・特定原付は従う必要があるが、

押しボタン式の信号でそれはあまりないのでは……と思ったがそういや近所にあったわ。

(昼間に二段階右折する自転車を想定して付けているとみられる)

もっとも歩行者用信号に従って横断する歩行者が優先なのは言うまでもない。


なんでこんな話を書いたのかというと、押しボタン式信号で車の青信号に従って走ってたら、

2連続で交差する向きの交通に注意しなければならない場面に遭遇したと。

1つは細い道路から出て反対に横断する自転車で、これはルール通りである。

自転車でも押しボタンを押して渡ってよいが「自転車・歩行者専用」でなければ必須ではない。

もう1つは無謀にも押しボタンを押さずに渡る歩行者である。

実はけっこういるらしくて、特に黄色点滅信号との組み合わせだとやられがちだと。

(さっきも書いたように押しボタン式信号の場合は横断歩道に歩行者が渡ることは想定しなくてよいのだが)

ただ、ここでは車側は青信号なわけで無謀と言わざるを得ない。

見える範囲には自転車みたいなバイクしかいないから行けると思ったのかも知れないけど。

轢くわけにもいかないから、減速して渡りきるのを見てから通ったけど。


ところでこのタイプの信号というのは二段階右折するのがけっこう怖い。

さっきも書いたように帰り道に幹線道路から右折することが多い。

そもそも二段階右折というのは道路交通法上の定義ではこうである。

特定小型原動機付自転車等(=軽車両+特定原付)は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

道路の左端に沿って右折することを二段階右折と呼んでるんですね。

なので、信号のない交差点で二段階右折するというのは、交差点をL字に走ることを言う。

特に方向を変える地点で一時停止するのは必須ではないはず。

信号のない交差点だと小回り右折する自転車も多いけど、それではダメなんですよ。

まだ中央を通るぐらいならよくて、右側にはみ出してショートカットするのも珍しくないけど。


信号のある交差点の場合、右ウインカーを出して青信号で直進して、

ウインカーを消して方向を変えて、青信号を待って直進するという走りになる。

ところがこの交差点は車用の信号は幹線道路側にしかない。

なので、青信号で直進して方向を変えた後に従う信号はない。

ゆえに車が途切れたところを見計らって幹線道路を横断することになる。

幹線道路を横断するのが怖ければ、歩行者用の信号を変えて、歩行者として押して渡ればよいが。


二段階右折のときに従うべき信号がないというのは稀にある。

さすがに一般原付が二段階右折になるようなところではないと思うが。

T字路だとだいたいは歩行者用信号に「歩行者・自転車専用」を付けて対応している。

特定原付が「歩行者・自転車専用」を付けた歩行者用信号に従うルールがあるのはそのためではないか。

標識が付いてなくても、渡れそうになければだいたい歩行者用信号見てますね。

ただ、従うべき信号がなければ、優先道路の車を妨害しないタイミングで自由に通ってよいことになる。

幹線道路には青信号が出ていても、それはそれでよいのである。

問題は幹線道路を走る車がそこを意識しているかという話なのだが。

そこを意識してもらうには黄色点滅の方がいいんですけどね。

海の森公園の開園

昨日・今日とさいたまスーパーアリーナにお出かけ。

THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!! 2

この話はまた改めて。今日はその前に寄り道をしていた。

それはこの週末に開園を迎えた海の森公園である。


なんと東京都は太っ腹で、この開園イベントに合わせて無料の送迎バスが出ている。

海の森公園の開園までは徒歩・自転車・原付での往来手段がなかったし、

今もあるかと言われると微妙なのだが、一応東京ゲートブリッジの歩道部は通り抜けられるようになった。

ただ、終日使えるわけではなく、夜間と月1回の閉鎖日は使えないなどの制限がある。

東京テレポート駅からの路線バスはあるが、今回は徒歩での来園用に無料バスを用意してくれたと。

しかも東京テレポート駅だけでなく新木場駅からも送迎バスが出るということで、

前後の往来に便利な新木場駅からのバスを使うことに。

観光バスでトランクを開けているからなんだろうと思ったら、ベビーカーを積むからだった。

まぁやっぱり子供連れが多いですよね。


前にも書いたが新木場駅は「夢の島」に接していて、そこから渡る若洲もゴミの島、

東京ゲートブリッジは下に船が通るのですさまじい高さである。

これは歩いて渡るの大変だなと思ったが、よく考えたら前後はエレベータだった。

海の森公園のある中央防波堤内側埋立地は埋立完了済みなのだが、

土砂リサイクルの施設があったり、埋立地の名残は多々感じる。

そんなわけで門の前で降ろされて、入口でトートバッグを配っていたが、

それとあわせてオリエンテーリングということでスタンプ集めると何かもらえるらしい。

せっかくなのでこれに沿って園内を回ってみよう。


海の森公園といえばオリンピックの総合馬術でクロスカントリーの会場になっている。

そのことを示す表示は園内のいくつかの箇所に置かれていた。

かつてのコースの多くは帯状の空地として残されている。

一部は園路、一部は広場のようになっている。

園内には池が2つあり、池の中にも障害物が置かれていたが、今はアシが生えて往時の姿はなかなかわからない。

ただ、そり体験として滑っている斜面と池の障害物がつながってたんだろうなとか、想像できる部分はある。

なかなか起伏のある公園で、高台からの見晴らしはよいが、歩くと大変である。


海の森公園にいると飛行機の轟音がよく聞こえる。

羽田空港から東向きに離陸して東京湾上空で高度を上げて北に向かうルートがこの付近を通っている。

市街地を避けて高度を上げられるルートとして海の森上空が活用されている。

まぁ仕方ないですよね。でもこんなところで馬術競技やってたのか。

パッと見た感じでは外国航空会社の飛行機が多く、今の羽田空港は国際線の便数が多いことを実感する。


ステージではイベントも行われ、なかなかの盛況のようだった。

キッチンカーもいたがすさまじい行列だった。

新木場駅で出る前にサンドイッチを買ってベンチに座って食べていたのだが、

何か買えるとは思いつつも事前に用意しておいて正解だったな。

新木場駅のファミリーマートのサンドイッチ、ほぼ枯れてたけど。


多くの来場者が来て踏み荒らされたか、早くも芝生はボロボロ。

明日以降は来園者はぐっと減るでしょうけど。

なかなかアクセスが課題ですよね。自家用車ならいいけど。

海の森は歩道に自転車走行部分があるなど、自転車の走行環境もそこそこ整備されているが、

現在は自転車で往来できるルートは東京ゲートブリッジの歩道部の押し歩きのみである。

さっきも書いたように時間帯の制限はあるんですけどね。

本当は有明方面とつながるといいんだけど、まだそうはなっていない。

(海の森トンネルに歩道部が存在することは確かだが未開通)


いろいろな用途は考えてるのだろうけど、果たしてどう活用されるか。

いずれにせよ長い期間を経てやっと開園を迎えたのは大きな話なのでは。

路線価で見る県都

都道府県庁所在地というのは大概において都道府県における最大都市である。

ただ、そこに疑問符が付く所在地があることも事実である。

三重県の津と四日市、山口県の山口と下関のように、商業的な中心となる都市が他にあるとか、

滋賀県の大津だと京都に近すぎて意義が疑われているとか。

県の中央にある郡山への県庁移転の請願がたびたび出る福島県なんていうのもある。


このあたりの尺度として各都道府県の最高路線価が参考になると見た。

都道府県データランキング/最高路線価

だいたいは県庁所在地の代表駅の周辺である。

当然そうではないところもあるけど。というか東京都がそうである。

その理屈で言えば新宿駅周辺あたりになりそうだが、実際は銀座中央通りである。

(時刻表では新宿と東京の両駅に中心駅のマークが付いている)

とはいえ東京であることに違いはないので、これは特に問題ない。


都道府県庁所在地に最高路線価が存在しないところは下記の通りである。

  • 千葉県: 船橋市(JR船橋駅・京成船橋駅の間)
  • 群馬県: 高崎市(高崎駅西口周辺)
  • 三重県: 四日市市(近鉄四日市駅西側)
  • 滋賀県: 草津市(草津駅東口周辺)
  • 福島県: 郡山市(郡山駅西口周辺)
  • 茨城県: つくば市(つくば駅周辺=つくばセンター)
  • 山口県: 下関市(下関駅東口周辺)

さっき書いたようなところはいずれも書かれている。


船橋とつくばについては東京に近いという事情もある。

すなわち県の代表都市というよりは東京の衛星都市としての評価である。

もっとも船橋は昔から物資の集積点として商業が発展した経緯があるし、

つくば市は今でこそ鉄道が通じるが近年までなく、独自の都市圏を構成している。

とはいえ、つくば市がが最高路線価地点になったのはTX開業で東京の郊外としての評価が高まったで、

2015年に逆転するまでは水戸が県内最高路線価だった。

関東信越国税局/平成27年分の税務署別最高路線価 (国税庁)

今ではかなり差が付いて、つくばが330千円、水戸が220千円となっている。


群馬県の高崎は前橋の隣なので、位置的にはそんなに差はない。

同じことは埼玉県にも言えて、最高路線価は大宮区の大宮駅西口周辺なのだが、

同じ さいたま市内とはいえ県庁があるのは浦和区で、元々は別の市だった。

県庁はともかく、市役所は浦和区から大宮区(さいたま新都心)に移転するのが決まってるんですよね。

群馬の話に戻ると、前橋と高崎は都市雇用圏の面ではともに前橋都市圏の中心都市に位置づけられる。

前橋は城下町、そして製糸業の町として栄え、現在は役所の町であり工業都市である。

一方の高崎は宿場町として栄え、現在の高崎駅はまさに県の玄関口である。

商業都市としての評価から高崎がもっとも地価が高いという評価になる。

とはいえ、ともに1つの都市圏の中心都市なので、分業関係とみてよいかと。


あとはだいたい県庁所在地の都市が不甲斐ないということでよいかと。

とはいえ、それぞれ県庁が置かれるだけの理由がある都市である。

大津は京都に近いのは気になるが、滋賀県はど真ん中に琵琶湖というのがある。

この琵琶湖の舟運の拠点こそが大津である。だから県庁が置かれたと。

現代においても県内からまんべんなく利便性が高いのは大津ではないか。

少なくとも彦根では湖西からの交通の便が悪くて仕方ないだろう。

そうはいうものの、大津は琵琶湖と府県界の山々に挟まれて狭いわけで、

湖南地域(大津市も含む)の拠点は草津になったという話なんだろうな。

その草津も京都の衛星都市に過ぎないわけですけどね。


三重県の津と、山口県の山口は城下町としての歴史がほぼ全てだろう。

三重県の命名は三重郡、すなわち四日市に県庁があった時代のものだが、

その前には津に県庁があり、ごく短期間四日市に県庁が置かれるも、

度会県(松阪付近より南の伊勢と志摩・東紀州)との合併前に概ね県の中央になる津に戻された経緯がある。

津の伝統的な中心市街地であるはずの大門のすさまじい衰退は印象的である。

三重県の県庁所在地と対岸の展示場


山口も中心市街地で書店が事実上皆無になったという衝撃的なニュースがありましたが。

山口市中心商店街の老舗書店が75年の歴史に幕…「文榮堂本店」~消えゆくまちの書店~ (山口放送)

この文榮堂は山口県官報販売所なのだが、官報を売っていた本店が閉店になってしまったと。

山口大学前店で官報の販売は続けているので官報が買えなくなったわけではないが。

山口駅の みどりの窓口が廃止された(みどりの券売機プラス はある)とか衰退を感じるニュースは多い。

もっとも山口市の実質的な代表駅は新山口駅(かつての小郡駅)ではという話もあるのだけど。

かといって下関というのも、北九州の対岸という側面も強いわけである。

下関が県内最大都市なのは疑いはないし、それはそれで立派なんだけど。


福島県の福島も大きな城下町だったからということになるし、現在も大都市ではある。

ただ、それ以上に郡山の方が大きな都市であることは確かである。

でも、これもそんなに歴史が長い話ではない。

郡山の発展は明治にできた安積用水による農地開拓によるところが大きいからである。

広大な福島県の中心にある大都市なんだから、ここが県庁所在地にふさわしいと思うが、

これはいかにも現代的な発想であり、かつてはそうではなかったわけである。


鳥取県の鳥取、青森県の青森あたりもどうなのかな?

とおもったけど、さすがに県庁所在地の地価は高いようである。

鳥取税務署管内の最高路線価が97千円、米子税務署管内が85千円、

青森税務署管内の最高路線価が155千円、八戸税務署管内が105千円と。


行政の中心と商業の中心が一致しないこと自体はそんなに変な話でもないが、

まぁちょっと気になるところはありますよね。

実態は26話構成の最終話

昨日、「BanG Dream! Ave Mujica」のアニメ最終話が放送された。

バンドリのアニメの最終回ってだいたいライブ回だよねとは言われていたが、

ほぼ全編がライブで、しかもCMをすっ飛ばすという。

オープニング、エンディングも当然省いていると考えれば、どれだけ詰め込んだか。

そして驚いたのはMyGO!!!!!とAve Mujicaで半々ぐらいだったということである。


確かにこのシリーズはタイトルにAve Mujicaと入っているようにAve Mujicaの話ではある。

しかし、実態としては2023年に放送された「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」と一体をなす作品である。

覆面ガールズバンドその2

冒頭はMyGOの話というよりCRYCHICの話だった。

これはMyGOの前史であるとともにAve Mujicaの前史でもある。

それゆえ両シリーズあわせて26話の最終話という意味合いが強かったのだろう。


Ave Mujicaは精神科病院みたいなアニメだったなという印象が強い。

実際、ある種の精神疾患を意識してキャラクタを描いている部分はあって、

それを乗り越えるすべとしてAve Mujicaというバンドが存在する実情はある。

果たして13話で収束するのかとは途中から疑われていたが、

いろいろな説明を投げ捨てて完結させたところがあるのは否めない。

とはいえ、本筋として重要な部分はちゃんと描いたということでいいかと。


It’s MyGOとAve Mujicaのアニメの続編の制作も決まったようで、

たいへん好評を博したという理解でよいのではないかと思う。

一体どういう続編になるのか想像できない部分はあるが。


バンドリのアニメということで言えば、

2017年に放送された「BanG Dream!」はもっぱらPoppin’Partyの話だった。

これはこれで1つの完結した話とみてよいかと。

その後、2019年~2020年で放送された2nd Season, 3rd Seasonは実態として一体で、

これはPoppin’Party, Roselia, RAISE A SUILENとAfterglow, Pastel*Pallete, ハロー、ハッピーワールド!の6バンドの話で、

全体としてはリアルバンドとして存在している3つのバンドの話が多いが、

いずれにせよ6バンドの話が全て並行して進む形だった。

そうはいっても主人公は明確にPoppin’Partyなのだが。

その穴を埋めるという形で劇場版「BanG Dream! Episode of Roselia」の2部作が存在していて、

これは2nd Season, 3rd Seasonとその先の話をRoseliaの視点で描いたものである。

そして劇場版「BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!」はこれらの総まとめということでよいのかなと。


これに続くストーリーがIt’s MyGOかというと、その間も存在していて、

それが2話構成の「BanG Dream! Morfonication」である。

この2話だけ孤立している感はかなりあるのだけど。

Morfonicaは3rd Seasonのアニメの終わりの頃にMVが公開されて始動、

ただ、キャラクタがアニメに登場するという点では ぽっぴん’どりーむ からである。

とはいえこの話はPoppin’Partyの話がメインなのでMorfonicaの話はあまりなくて、

何らかアニメで描きたいということで作られたのがMorfonicationだろうとは思う。

この当時は知られてなかったのだが、実はCRYCHICはMorfonicaに着想を得て作られたバンドで、

それがMyGOとAve Mujicaにつながっているとすれば、その前史という側面もある。

この前、ガルパ8周年記念ということでMorfonicationのアニメが無料配信されたが、

MyGOやAve Mujicaを通してMorfonicaを知った人に向けたものだろう。


という経緯を考えて見ると、バンドリのアニメは大きく3世代あって、

第1世代がもっぱらPoppin’Partyを描いた2017年に放送されたTVアニメで、

第2世代が概ねガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)のゲームに準拠した話で、

これは2nd Season~ぽっぴん’どりーむ で足かけ4年にわたる展開だった。

第3世代がIt’s MyGOとAve Mujicaということでよいのだと思うが、

実際にはMorfonicationもこちらに含むべきなのだろう。

当初はどちらかというと第2世代の続きと思われていた気はするけど。

携帯電話で3.9Gなんて言われていたLTEがそのまま4Gになってしまったような話か。


バンドリもこの前の2月で10周年だと言っていた。

といっても2015年2月時点では愛美さんが1人でバンドの立ち上げを発表したぐらい。

実態としてバンドリ初めてのバンドであるPoppin’Partyの成立はもう少し先で、

5人揃ったのは同年10月のことで、実質的なデビューには1年ぐらい要している。

この裏ではキャラクタの裏付けとなる小説が作られたり(現在の設定とは結構異なる)、

ガルパのゲーム制作が動き出したりしていたわけだけどね。

ガルパのゲーム制作時に決まったことというのが現在のバンドリを形成している。

元はバックバンドだったRAISE A SUILENのキャラクタ化とかは後付けだけど。

そこが一段落してMorfonica以降は明確に新展開だったということなんだろうな。

もっともMorfonicaはもう5年経って、ガルパでもだいぶ溶け込んでる状態だが。

アメリカ国内の自動車生産に打撃か

以前、アメリカが全ての国からの輸入品の関税を引き上げることは、WTOの最恵国待遇ルールの面から問題があるという話を書いた。

全ての国に等しく高い関税を課すのは最恵国待遇に反しない気もするが、

これは逆にFTAとの兼ね合いで問題になってくる。(略)

関税が「事実上のすべての貿易について廃止」されているはずなのに、

そこに例外なく関税を掛けるというのは当然FTAからの逸脱であり、

こうなってくると最恵国待遇の例外にあたらないという話になってくるのである。

(最恵国待遇とはなにか)

でも、やはり自動車に25%の関税をかけるというのは実行されるようである。

米自動車関税は「強烈」 値上げや生産見直しも―日系メーカー (JIJI.COM)


日本の自動車産業への影響を懸念する声がよく紹介されるが、

相対的に見ればこれは影響が少ない方と言える。

割合的には国内向けやアメリカ以外の外国向けの車の方がはるかに多いからである。

むしろ問題はアメリカの近国のメキシコやカナダ、そしてアメリカ国内での自動車生産である。


日本メーカーはアメリカでの自動車生産も行っているが、

アメリカ向けの車をメキシコやカナダで生産することも多く行っている。

日本メーカーが追加で負うことになる関税負担としては、

日本からアメリカよりも、近国からアメリカの方が大きいのだという。

メキシコ・カナダの自動車産業への影響は日本とは比べものにならないぐらい大きいことは容易にわかる。


当然、この施策はアメリカ国内での自動車生産を促すためのものだが、

アメリカで生産するために部品を外国から輸入することは多いが、

この部品も順次、25%の関税の対象になっていくという。

国内のサプライヤーから調達できればよいが、そうもいかない部品は多いだろう。

部品の生産もアメリカ国内に誘致したいという意図があるのはわかるが、すぐにはどうにもならない。

関税面では輸入車に比べて国産車は有利であると考えがちだが、

国産車であっても部品の関税の影響はそれなりにあること。

そもそもアメリカ国内の生産体制は国内のニーズに応えられる状態ではなく、

アメリカ国内の人件費は高く、結局は割に合わないという判断もある。


それなら日本国内で効率的に生産した方が、関税を払っても結局安いという判断はありうる。

アメリカ国内の自動車市場がしぼむことの影響はあるだろうが、

結局はどこで生産しても関税の影響を避けることは実質不可能である。

この関税がずっと維持されるのかもよくわからない。

(トランプ大統領は恒久的な措置とは言っているけど)

そういう状況では現在の生産体制で選びうる手段の中で選ぶのではないか。


前も書いたけど、関税の引き上げだけでどうにかなる話ではなく、

それにあわせた国内産業の振興策があってこそなんとかなるものである。

まさにそれがUSスチールのことで、確かに競争面では以前より有利になったが、

かといって老朽化した製鉄所の生産性を高める体力はなかったのである。

そこに着目して日本製鉄が買収して投資をするのだというと、

大統領裁定で阻止されてしまうというわけのわからないことも起きている。

今回の自動車の件は、部品も含めたサプライチェーン全体の発展を目指すものだ、

という点では理解できる面はあるが、それこそ一朝一夕では済まない話である。

国産車の生産に不便を来すようではサプライチェーンの発展もない話である。

結局はダメな気がするんですけどね。