投げ抹消みたいな作戦はあるか

職場であるソフトウェアのライセンスが総枠として○人分あるが、

このライセンスを誰に割り当てるかというのは変更可能であると。

ちなみに少し前まではよくあるフローティングライセンスだった。

同時に使えるのは○人というやつですね。

機動的に再割りあてできれば変わらない気もするが、そこは制約があって、

それはライセンスの割当を解除された人は○日間再割当できないというものである。


これ聞いて「プロ野球の出場選手登録みたいですね」と言ったが、参考にしたのかもしれない。

NPBの出場選手登録は1軍の公式戦に出られる選手を登録するもの。

NPBでは出場選手登録から抹消されると10日間は再登録できない。

投手は連日試合で投げると消耗が激しいのである程度間隔を空ける。

NPBでは先発投手は典型的に中6日とかで登板するから、

一度抹消すると10日再登録できないルールから試合に出ない日だけ抹消するということは難しい。


というわけでこのソフトウェアを日常的に使う人には常にライセンスを付与しておかないといけない。

フローティングライセンスであれば例えば1本を8人が毎日1時間ずつ使うことができるが、

ライセンス再割りあてに制限を付けると、このケースは8人分のライセンスが必須である。


ただ、こういう話を聞くと思い出すのが「投げ抹消」である。

10日間は再登録できないということは、10日間以上間隔を空けるつもりがあれば都度抹消してもかまわないということ。

投げてすぐに抹消されるから「投げ抹消」と言われていると。

故障明けなど間隔を空けながら使って行きたい投手に適用されるのが通例で、

抹消されている間は別の選手を登録できるため戦術の幅が広がる。

「投げ抹消」によりチャンスを得る選手もいるでしょうからね。


ライセンスも割り当てて、ソフトを使っては解除、

というのを繰り返せばライセンスの有効活用という点では意味があるかも知れない。

ただ1日で済む用事かというのもわからない話ではある。

とはいえ、ライセンスが不足したらライセンスを再割りあてとするよりは機動性が高そうではある。

ただ、そういう使い方は出来ない? という疑惑もあるのだが。


ところでNPBでは投げ抹消なんてこともできてしまうが、

MLBでは公式戦に出場できる26人枠から外すのは様々制約があり、そう頻繁にできるものではない。

NPBは10日間再登録できないというペナルティだけなので、

2軍との選手入れ換えはかなり機動的にできる。

この結果、NPBではめったになくて、MLBではしばしば発生するのが野手登板だという。

MLBでは大差が付いている場合、延長戦を除いて野手登板を認めないルールがある。

そういうルールが必要なぐらいには投手のリソースを節約したいんですね。

NPBでは抹消すれば代わりの投手を登録することは容易である。

だから、よっぽどのことがない限り、大差だろうが投手登録の選手が投げるわけである。

都道の支線だらけ

以前、西東京市内、伏見通りの西東京東伏見トンネルのことを書いている。

自転車は公園を走らされる?

トンネルは軽車両通行止めのため、歩行者・自転車は公園内を通る必要があるという話。

先日、この伏見通りを含む都市計画道路 調布保谷線を見ていると、都道の支線だらけであることに気づいた。


調布保谷線は 調布市・稲城市境にかかる多摩川原橋 から 西東京市北町の新座市境までの都市計画道路である。

稲城市内に入ると 南多摩尾根幹線 という名前に変わっているよう。

調布保谷線は一応全線完成しているのかな?

土地柄、自転車の通行が多いため、歩道を生垣などで区切って自転車走行部分を設定している区間が多い。

特定原付には使いにくいが、普通自転車にとっては便利である。


都市計画道路としての名前はあるが、これ以外に1本の名前として言う名前はあまりない。

管理上の区分もけっこう複雑なようである。

大半の区間は都道に指定されているのだが、一本の都道ではない。

じゃあ2本とか3本かと思うがもっと細切れである。

  • 多摩川原橋~下石原(国道20号線交差): 都道19号町田調布線(鶴川街道)
  • 下石原~塚(連雀通り交差): 都道12号調布田無線(武蔵境通り)
  • 塚~関前一丁目(井ノ頭通り交差): 都道12号調布田無線の支線(新武蔵境通り)
  • 関前一丁目~関前三丁目(五日市街道交差): 都道7号線杉並あきる野線の支線(新武蔵境通り)
  • 関前三丁目~関前橋(西東京市境): 武蔵野市道(通り名なし)
  • 関前橋~東伏見(青梅街道交差): 都道7号杉並あきる野線の支線(伏見通り)
  • 東伏見~保谷庁舎前: 都道233号東大泉田無線の支線(伏見通り)
  • 保谷庁舎前~終点: 都道234号前沢保谷線の支線(伏見通り)

なんじゃこりゃ。


これ見てみると変だなと思うのが都道7号線の支線が2回出てきていることである。

一般的にはこの都道は五日市街道として知られている。

ただ、この道路やたらと支線が多いらしく、井ノ頭通りの環八通りより西もこの都道の支線扱いである。

関前一丁目~関前三丁目は本線と支線を結ぶ区間である。

さらに千川用水に沿って五日市街道~青梅街道を結ぶ支線もある。

関前橋~東伏見はこの支線と青梅街道を短絡する区間ともとれる。

ただ、この間の関前三丁目~関前橋は都道指定されてないのよね。

昔の航空写真を見ると、ここだけ早い段階で拡幅されていたので別立てだったのかも。


都道12号調布田無線はその名の通り田無と調布を結んでいる。

この道路は全体的には武蔵境通りと呼ばれている。

武蔵境駅周辺の商店街を抜けていて、自動車での走破は難しそうだと思ったら、

どうも商店街の部分は都道が途切れているよう。

これも昔の航空写真を見るとわかったのだが、下石原~塚は昔からの武蔵境通りの拡幅、

塚~関前一丁目は鉄道の高架事業合わせで新設された道路で、

駅周辺のバイパスとして作られた一方、従来の武蔵境通りを直接代替するものではないので、

管理上は都道の支線、愛称路線名は新武蔵境通りとなったようだ。


都道233号東大泉田無線の本線は大泉学園駅付近から青梅街道に向かっており、

保谷庁舎前交差点で伏見通りと交差している。

だから東伏見~保谷庁舎前は青梅街道との接続を強化する支線という位置づけなのだろう。

都道234号前沢保谷線の本線は西武池袋線のアンダーパス(西東京下保谷トンネル)付近で交差する。

もともとあった本線の踏切の代わりということなのかなと思う。

現在は一旦伏見通りに入らないと走破できないということである。

この都合により、池袋線の南側で本線~伏見通りを繋ぐ区間も支線になってるらしい。

むしろ本線が何なのかという感もあるが。


バイパスが整備されて旧道が廃止(移管含む)となるケースもあるが、

直接的に代替するバイパスではないとなかなかそうもいかない。

新武蔵境通りは確かにそうだなと思った。

一方で支線が錯綜してるのはやはりおかしいだろうという気もする。

そういや昔こんな話も書きましたね。

国道の番号がおかしいぞ

第二阪奈有料道路と堺泉北有料道路をNEXCO管理に移管する方便として、

それぞれ国道163号線、国道26号線に指定するということが行われたが違和感があるねと。


いろいろ方便はあるんだと思いますけどね。

とはいえ、新しい幹線道路のために新しい国道・都道府県道を設定するということは稀でしょうかね。

かといってここまで支線だらけにするかとは思ったが、

けっこうそういうもんなんでしょうかね。

オマーンの飛び地の理由

ホルムズ海峡の一方はイラン、もう一方はオマーンとは聞いていたが、

地図を見るとオマーンとホルムズ海峡はちょっとズレているような。

よく見てみるとホルムズ海峡部分はオマーンの飛び地らしい。


飛び地が生じる要因として最も多いのが封建領主の領地に由来するもの。

日本でも廃藩置県直後は府県の飛び地だらけで、順次整理していったことが知られている。

このオマーンの飛び地、ムサンダム特別行政区もそのようなものである。

元々オマーンというのはホルムズ海峡両岸、アフリカのタンザニアあたりまでの海岸線に沿って支配していたそう。

マスカットというのはその時代から王宮が置かれていた都市らしい。

ただ、アフリカ側が分裂して、アラビア半島側も衰退していく中で、

現在のアラブ首長国連邦(UAE)にあたる地域などが離脱していった。

でも、現在のムサンダム特別行政区はマスカットの王の直轄地だったから残ったらしい。

もともとつながっていた真ん中が抜けて飛び地になるのもよくある話ですね。


元々海岸に沿って支配をしていたこともあり、かつては内陸部の国境は曖昧なものだったらしい。

このため国境管理もなく、UAEとつながっていたんじゃないかな。

今は厳密な国境管理が行われているようだが、例外はある。

ムサンダム特別行政区にはUAEに囲まれた飛び地、マダというのがある。

ここはオマーン領ではあるのだが、事実上はUAE扱いとなっているよう。

さらに面倒なことに、この中にはUAEの飛び地もあるという。

なんでこんなことに……と思うも、UAEの地図を見るとそういうこともあるのかもなという感想を受ける。

アラブ首長国連邦の首長国 (Wikipedia)

UAEは7の首長国から構成される。アブダビ首長国とドバイ首長国が有名だが。

アブダビ首長国が圧倒的に広く、ドバイ首長国もそこそこ広い。

で、他の首長国は大概飛び地が多いんですね。そういうものらしい。


厳密な国境管理はあるものの、基本的に両国間の往来は活発なようである。

アルアイン(UAE)とブライミ(オマーン)など市街地の中に引かれた国境もあり、

国境管理もなく行き来できた時代もあったが、現在は多数の検問所が設けられている。


さて、ホルムズ海峡の一方はオマーンという状況で、イランが海峡を事実上封鎖し、通行料を徴収しているという話も。

そんなことできるんかいという中で、2隻の日本関係船が海峡を通過していった。

商船三井系のタンカー、2隻目のホルムズ海峡通過 インドへ航行中 (朝日新聞デジタル)

最初に通過したSOHAR LNG、これはオマーン側を通過している。

ホルムズ海峡を通過する通常のルートに近いルート取りである。

実はこの船、オマーンの会社との共同保有の船で、オマーン関係船として通過した側面が強いようだ。

続いて通過したGREEN SANVI、こちらはララク島付近を通り、イラン側に大きく回り込んでいる。

このララク島付近のことを「料金所」と言う人もいるらしい。

果たして通行料を払ったのかはわからないが、この船はインド籍で目的地もインドらしい。


よくわからないところはあるが、イランとしてはオマーンと協調して通行料の徴収をしたいらしく、

そこにオマーンが合意しているのかはよくわからないが、

オマーン関係船が通るのは構わないというような確認があったのかもしれない。

果たして今後どう動くのかはわからないが、ちょっとずつ動きがありそうではある。

政令指定の麻薬

日本の薬物規制の中心になっているのが「麻薬及び向精神薬取締法」の麻薬だが、

麻薬の中には医療用医薬品として使われるものもある。

中には家庭麻薬として同じ成分でも濃度により麻薬の規制から外れるものもある。

それを家庭麻薬という


ニコニコ動画に医療用の麻薬について紹介する動画を上げている人がいた。

いわし@超ビビリ/医療用麻薬 徹底解説 (ニコニコ動画)

麻薬のうち医療用に使用されるのは11成分だそう。

麻薬として法律に列挙されているのは76成分、そのうち1/7ほど?

気になって法律を見てみると、フェンタニルが見つからないじゃないか。

なんで? と思って調べると、この一覧にはこういうものがある。

前各号に掲げる物と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用がある物であつて、政令で定めるもの

この中にフェンタニルも入っているわけですね。

「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」を見ると確かにあった。

フェンタニルはモルヒネと類似する働きをする成分なので、モルヒネと同種と政令で定めるのは妥当そう。


政令指定の麻薬というと「危険ドラッグ」と言われる新しい薬の印象があったが、

医療用に使われる物でも比較的歴史の浅いものはそういう扱いの場合があるんですね。

医療用途で重要な薬なら機を見て法律にも書いた方がよさそうだが、

モルヒネなど法律に書かれた麻薬と扱いは全く同じなので問題はない。

なお、現在政令指定の麻薬は157成分あるので、合計233成分中、医療用途で使われるのは11成分となる。


医療用麻薬の用途は、痛み止め・咳止め・手術中の麻酔 でほぼ収まるようだ。

咳止めの用途では「家庭麻薬」に該当する範囲のコデイン類が使われることも多い。

手術中の麻酔は病院内で閉じる話なので、患者が意識することは少ない。

となれば、医療用麻薬=痛み止めというのが大方の理解である。

それもほとんどはがん患者への処方だという。


元々の意味としては麻薬=ケシ(アヘン)から派生した成分だったのだろう。

アヘンそのものの規制は あへん法 という別の法律によるが。

医療用麻薬のうち、ケタミン以外はアヘンの派生成分またはそれと類似する働きを持つものと言えそう。

医療用麻薬は全てアヘンの派生成分、またはそれと類似した働きを持つよう合成されたものと言える。

ここに2023年の法改正で大麻の種子・成熟した茎以外と麻薬成分のTHCが正式に加わった。

大麻が麻薬になる


もっともこれらの似つかない成分も政令指定の麻薬には多くあるが。

医療用麻薬のうちケタミン(政令指定の麻薬)は位置づけが違うように思う。

国際的な規制の枠組みでも麻酔薬としての重要性から規制対象外で、

日本でも2007年までは麻薬扱いではなかったが、乱用が問題となり追加されたと。

医療用としては手術中の麻酔が全てで、レミフェンタニルなどの麻薬とも並ぶもの。

ただし、これは人間向けの話で、動物用としてはケタミンが圧倒的だったそう。

このため獣医師など、新たに麻薬施用者・麻薬研究者になることを迫られたものは多かったよう。

広く普及しているが目的外に流出したときの危険が大きいからこそ、麻薬にしたと言えますが。


以前、こんな話を紹介した。

日本では覚醒剤の医療目的での処方は制度上可能だが極めて厳しい。

(コンサータは歴史を繰り返している?)

麻薬の中にも別格とされる成分があり、それがヘロインである。

わざわざ麻薬及び向精神薬取締法にも「ジアセチルモルヒネ」として他の麻薬と区別して書かれている部分がしばしばある。

世界的には医療用に使われることもあるらしいが、かなり危険な薬である。

当然のことながら日本では医療用に使われることはない。

おそらくヘロインが日本では一番厳しい制限を受ける薬物なんだろうな。

次いで覚醒剤、医療用の処方は名目上可能だがほぼ使い物にならない。

他の麻薬は妥当な用途があればという話だが、妥当性が見いだせない成分が大半なのは冒頭に書いたとおり。

シートを転記するか新しく作るか

年度初めということでいろいろあるのだけど、

その中で組織変更に応じてワークシートを変更する作業をしていた。

新しい組織図を見ながら、旧組織のシートから新組織のシートにコピーしていくと。

ほとんど変わらず左から右に動かすのも多いといえばそうだが。


おととい、席替えしては人が増えてむさ苦しいという話を書いたが、

このシートに部署ごと引っ越してきた人も記入する必要がある。

もともとこの部署でも同様のシートを持っていたはずなので、

同様に転記しようかなと思って調べたのだが……

どうも、毎年度新しいシートを作るという運用でやっているらしい。

確認したらそれで正しいようなので、なにも書いていないシートだけ用意して、

あとは部署メンバーで書いてねということで話をしておいた。


確かに毎年度シートを作り直すのが手間がかからないのかもな、

と思う一方、このシートへの記入時には上司が確認する必要がある。

転記だと転記する手間はかかるが、1人の作業で済む話である。

組織変更の影響範囲が小さければシートはほぼ流用できる。

やはり転記する対応は妥当そうな気がする。


ちなみに昔はこの情報を管理するシステムがあったのだが、

様々な事情があって、ワークシートに記載する方法に改められた経緯がある。

そもそも組織ごとにシートを作るというのがイマイチでは?

という話はあるのだが、全体的には簡略化できるという判断なのだろう。


このシートには記載した時点の上司の名前も記載されているのだが、

相次ぐ管理職の引き抜きで、上司の名前も目まぐるしく変わっている。

この部分も転記しているので、転記後のシートを見るとそのことを実感する。

だいたいは部内含めて社内にいる名前なんですけどね。

こういうことを感じるのは転記する方法だからこそですね。


他にも新年度対応の作業とか、3月末で一区切りとする作業とか、

そういうのが立て込んで本質的な作業が進まなくて困ったけど、

とりあえずはある程度片付いてきたかなと。

やることが多いといっても、僕より忙しい人の方が多いからね。

なぜ土地収用を使いたいか

成田空港のB滑走路延長、C滑走路新設の事業について、

B滑走路延長のための用地確保はできそうなのだが、C滑走路の用地が予定より遅れているとのこと。

以前紹介したのだが、成田空港ではセミオープンパラレル方式による滑走路増設を進めている。

誘導路が代替滑走路となり離陸用滑走路となる

B滑走路は当初計画エリアの南側の地権者からの用地取得が進まず、北側にシフトして延長、

ただ単に北側にシフトすると地上走行が長くなってしまう。

そこで南側にC滑走路を作り、風向きにより離着陸を使い分け地上走行を短くする。

さらに2本の滑走路をセミオープンパラレルの条件を満たすように作ると、

離陸と着陸を同時に出来るため空港の処理能力を高めることもできる。


ただ、C滑走路は明らかに新規に取得する用地が広域である。

なかなか大変だろうなと思っていたが、やはり大変らしい。

B滑走路も含めた事業全体での用地確保率は88.4%、

それなりとは言えるが、難しい土地ばかり残っているのだろう。

そこで土地収用に向けてまずは事業認定の手続きに入ろうという話らしい。

一見大したことない話だが、成田空港となれば大きな話である。


ところで用地買収が難航している要因としてはこう書かれている。

「親族間で土地の相続問題が解決していない」「取得の条件で折り合わない」「機能強化の趣旨に賛同しない」

3つ目の理由はともかく、あとの問題は収用で大きく進む可能性が高い。

収用の手続きは所有者の全部または一部が不明(所有者不明土地)、

遺産分割の協議が整わない場合、土地境界に争いがある場合でも進められる。

資料によれば土地収用のうち4割ほどはそんなケースらしい。

また、土地収用に当たっては収用委員会での審理が行われる。

損失補償について中立な立場で検討するのが収用委員会の役目で、

その結果をもって双方合意に至る和解というケースもけっこうあるよう。


ところで土地収用にはまず事業認定が必要だと書いたのだが、

都市計画施設については事業認定があるという扱いになる。

典型的には都市計画道路ですね。他の都市計画施設でもよいが。

成田空港は都市計画施設ではないから認定から必要だが、

理屈の上では空港を都市計画施設として決定することもできて、

調べたら調布飛行場は都市計画空港らしい。全国的にも珍しいよう。


地元からも土地収用を活用して、早期の滑走路増設を望む声はあったようだ。

用地確保に困難が生じているケースのうち、どの程度かわからないが、

土地収用の活用で円満解決するケースもそれなりなのだろう。

とはいえ、成田空港と土地収用には悲惨な歴史もある。


成田空港が用地確保に苦心した空港であるというのは知られているが、

初期には用地収用を多く活用し、それでも立ち退かない土地に行政代執行を適用した。

その中では警察官3人が集団暴行で死亡している。

そんなこんなで開港を迎えて、B滑走路などの拡張事業を進める中で、

土地収用を進めるのに不可欠な千葉県収用委員会の会長が襲撃、

これにより収用委員会の委員を務める人がいなくなってしまった。

最終的に用地収用の取り下げが行われ、1994年以降は対立は解消に向かって行ったとされている。


2002年にB滑走路が2180mで暫定運用開始したのもこの成果で、

2009年の2500mへの延長、現在計画中の3500mへの延長につながっている。

ただ、屈曲した誘導路など、いかにも合意に至らない地権者の存在を示すものもある。

しかし、これまでの経緯もあり、ここに土地収用を適用しなかったわけですね。

一見どうかと思う話だが、ここには相当な理由があったんですね。


土地収用の事業認定が出ることで交渉が進む部分もあるだろうし、

土地収用を効果的に使うことで円満解決に至ることも大いに期待できる。

でも、かえって強硬化する地権者も出てくるのかも知れない。

制度上はそれを強制的に収用することはできるが、

それが原因で争いを引き起こすのは本望ではないだろう。

となればその土地を外した計画とかも考えるのかもしれない。


余談だが、所有者不明土地については地域福利増進事業のために利用できる制度ができた。

土地収用は用地を買収してしまう制度だが、こちらは土地を借りる制度である。

裁定で定められた補償金を供託することで、原則10年、要件を満たせば20年の使用権が認められる。

収用に比べると認められる事業の範囲が広く、集会所、購買施設、発電施設なんていうのもある。

ただ、この制度、まだ思うようには活用されていないようだ。

数少ない活用事例も防災広場・公園などの空地化を目的としたものである。


活用できていない背景には様々な要因があるのだが、

そもそも前提として所有者が不明であるということがある。

手を尽くしても所有者が見あたらない土地というのはそう多くないのである。

見つかった所有者と交渉して土地を借りたり、売却・寄付してもらえれば、これはこれでよいが、

所有者が交渉に応じないとか、所有者数が多く交渉が成り立たないケースはどうにもならない。

土地収用は交渉に応じないなら裁定で決まった補償で買収できる。

でも、それより範囲が広い制度なので、そこまでの強硬措置は執れない。

けっこう期待されてる制度なんですけどね。難しいんですね。

PFIの使われ方

組織変更の対応で引越をやっていた。

といっても僕はすぐ近くの机に動くだけでほとんど変化はないが。

フロア内の人口は純増で、なかなかむさ苦しい職場である。


公共施設の整備・運営手法にPFIというのがある。

Private Finance Initiative ということで民間資金の活用ということですね。

民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)(内閣府)

これ、一体どんな風に活用されているのかというのが気になった。


形態として多いのがBTO方式である。

Build-Transfer-Operate ということで、所有権は行政が持つ一方、

その建設と維持管理という部分を民間企業に委ねる形である。

既存施設の改修に適用する場合は RO方式(Rihabilitate-Operate)となる。

その中でも件数が多いのが庁舎・官舎といった不動産の整備・管理のよう。

所有権こそ行政だが、民間が建てたビルを行政が借りる形に近い。

民間企業のノウハウが多い分野で、大きなリスクが生じにくいのも理由なのだろう。


ところでコンセッションと呼ばれる形態もある。

コンセッションというのは日本語で言えば公共施設等運営事業となるよう。

行政が所有する施設の運営権を民間企業に与えて、行政はその対価を得るという仕組みである。

この特徴から使用料収入で運営費が賄えることが前提となる。

現状、導入事例が多いのが空港ですね。

元々民間企業がやっていたターミナルビルの運営と統合することを目論んでいる。


有明アリーナがコンセッション方式だというので、どういう経緯か調べた。

有明アリーナは建設時点では東京都が自ら発注していた。

言うまでもなくオリンピック合わせの新設の体育施設の1つである。

多くの施設は使用料だけで採算が取れないことということで、

指定管理者制度で民間企業に管理を委ねる形態を取っている。

ただ、有明アリーナだけはコンセッション方式が適用可能と判断し、

公募を行った結果、電通を代表者とするコンソーシアムが運営権を得ることとなり、

その対価は年3.85億円+業績連動分となっている。

東京都はこれにより整備費の一部を賄うことができているというわけ。


整備段階から関与しているとBTO形式でいいんですけどね。

というのが愛知国際アリーナ(IGアリーナ)である。

ここは建設費400億円の想定に対して、愛知県は200億円しか払わない。

その代わり、使用料を運営者の収入としてよいということである。

「BTコンセッション方式」とか書かれているけど、全体的にはBTO方式のような気がする。


変わり種としてはパシフィコ横浜ノースがあって、BTO方式とコンセッション方式が併用されている。

どういうこと? と思うのだが、この施設はかなり複雑である。

まず、パシフィコ横浜ノースには会議・展示施設は横浜市の施設だが、併設するホテルはそうではない。

これを一括して建設・管理する必要があり、竹中工務店らによるコンソーシアムが組まれた。

一方で既存のパシフィコ横浜と一体的に運用できなくては意味がないので、

この部分の運営は(株)横浜国際平和展示場に委ねる他なかった。

そこはコンセッション方式で同社に運営権を売却する形にしている。

同社は使用料を得る一方、運営権の対価を横浜市に支払う形となる。


ちなみにパシフィコ横浜の既存部分もPFIが採用された施設である。

ここは土地は横浜市所有、国立大ホールは国が建設したが、

他の施設は横浜国際平和展示場が建設・所有するという形になっている。

もっとも横浜国際平和展示場という会社は横浜市・神奈川県が多くを出資する会社である。

実態としては行政が民間を巻き込んで作った会社である。

民間企業が主体的に経営するわけではないから許された形式と言えそう。


なんでこんな話を書いたかってこんなニュースを見たから。

千葉マリンスタジアム移転、イオンモールが事業参画 集客効果狙う (日本経済新聞)

千葉マリンスタジアムは幕張メッセ駐車場の場所に新築移転する計画が進んでいる。

ここにイオンモールが参画するという話である。

イオンモールは言うまでもなくショッピングモールの経営を主にしているが、

住宅・オフィス・物流施設など複合させた施設にも取り組んでいる。

道路を挟んだ向かいにはイオンモール幕張新都心がすでにあるため、

ショッピングモールとスタジアムの一体的な経営を目論んでいるよう。


現時点で確定しているのは、公園施設として設置され、スタジアム自体は千葉市所有となること。

そして当然のことながら、これは千葉ロッテマリーンズの本拠地として使われること。

球団経営を考えると売店なども一体経営したいはずである。

あと野球場としての運営実務は球団に任せる方がよさそうではある。

どこまでイオンモールが関与するのかというのは気になるところである。

いずれかのPFI手法は活用されるのだろうが、果たしてどういう形になるのか。

タッチ決済が使えないのはどこ?

昨日、東京で都営地下鉄の駅に”Tap to ride service Get connected!”という貼り紙があった。

クレジットカードのタッチ決済での乗車システムが11社で接続されたことを表す貼り紙である。


さて、これを見てどこで使えて、どこで使えないかわかるものだろうか。

まず、社章が並んでいるのだが「小田急箱根」ってなんやねんと。

これは箱根登山電車のことである。2024年に小田急グループ内の再編によりこの社名になった。

他は地元の人ならわかるだろうが、特に外国から来たらなんでこんなに会社が? となりそう。

下には概略路線図が書かれているが、一部駅のみ対応の区間がマーキングされている。

西武がかなり広域にこの表示がされているのが目立つ。


正直さっぱりわからん。

というわけで一体関東圏ではどこがクレジットカードのタッチ決済で乗れるのかという話。

そもそも関東圏でタッチ決済に対応しているのは11社だけではない。

この11社は直通運転などで改札内でつながっているため、Q-moveのシステム上は1社として扱われているよう。

関東地区「クレカ乗車」鉄道利用による履歴表示ご案内 (pdf) (Q-move)

これに当てはまらない路線としては 江ノ電・つくばエクスプレス・湘南モノレール・横浜市営地下鉄・ゆりかもめ がある。

つくばエクスプレス以外は鉄軌道全線全駅に導入している。


会社単位で利用できないのはこれ以外ということになる。

Suica・PASMO導入社と比べると大手ではなんといってもJR東日本、京成、北総、

東京都内では東京モノレール、りんかい線、多摩都市モノレール、

千葉県では千葉都市モノレール、東葉高速鉄道、舞浜リゾートライン、

埼玉県では埼玉高速鉄道、ニューシャトル、秩父鉄道、

神奈川県では横浜シーサイドライン、伊豆箱根鉄道(大雄山線)といったところ。

かなりイメージはしやすくなったと思うが、導入社でも全線全駅で使えるわけではない。


現状、穴がすぐに目立つのが西武で、特に新宿線で未導入駅が多い。

ただ、これは過渡的な物で今年9月末には多摩川線と秩父方面の途中駅以外には導入され、

来年3月には全線全駅に導入となる予定である。

もう1つ未導入路線が多いのが東武である。

基本的には地下鉄直通区間に導入し、浅草・押上~久喜・南栗橋、池袋~小川町は全駅に導入、

ただ、そこから外れた途端に全然なくて、野田線・亀戸線・大師線も外れている。

観光客の利用が見込める日光方面は飛び飛びの導入、あと伊勢崎線も太田まで主要駅に導入されている。

東京都交通局も地下鉄は全線全駅に入っているが、日暮里・舎人ライナーと荒川線は未導入である。


細かい穴としては中野駅というのがある。

中野駅は東京メトロ東西線の駅だが、全改札をJRが管理している。

この都合、タッチ決済対応は出口のみとなっている。なんだそれは。

他社管理駅で導入が遅れるというのはけっこうみられる現象だが、

出口は対応して、入口は対応しないというのは珍しい対応である。


逆にタッチ決済のみ対応なのが、箱根ロープウェイ・海賊船というのがある。

これは理由があってタッチ決済で乗車すると自動的に1日乗車券扱い(往復と同額)になるため。

タッチ決済は1日分とりまとめて精算する仕組みなので好都合だったと。

似たような話で高尾山ケーブルカーもタッチ決済はきっぷ購入なしに乗車できる。

導入当初、京王とケーブルカーを往復利用すると自動的に高尾山きっぷ相当の運賃に調整される仕組みがあったが、

現在は廃止されている。条件が複雑だったのかもしれない。


関西ではタッチ決済導入範囲を示した路線図が近鉄のWebサイトにある。

タッチ決済乗車サービスのご案内 (近鉄)

神鉄がかなり飛び飛びの導入で、南海は一部の利用の少ない駅・路線を外している。

大手ではJR・京阪が未導入で、あと目立つのが京都市営地下鉄である。

ただ、京都市は2027年度にタッチ決済を導入する方向で進めているそう。

京阪もそうだが、叡電・嵐電と京都方面が弱い傾向は続きそう。

導入開始が少し早かったこともあり、関東圏よりは抜けが少ない印象。


ただ、これもまだ発展途上だなと思うところはあって、

それが六甲山方面で、六甲ケーブル、六甲有馬ロープウエー、まやビューライン、六甲山上バスと、

これならタッチ決済で困らないだろうと思わせておいて、

実は六甲ケーブル下や摩耶ケーブル下を発着する市バスが対応していないのである。

次のターゲットにあるとは思いたいところですけどね。


    こういう問題を引き起こしている原因は従来のICカードとクレジットカードでプラットフォーマーが違うことでしょうね。

    先日のヨーロッパ出張時、クレジットカードで電車・バスに乗っていたが、

    従来からのプリペイドカードも同じ機械で受け付けるし、

    今後はおそらくクラウド管理型のプリペイドカードに移行していくという話が書かれていた。

    クレジットカード・デビットカードが利用できない人への代替策という側面が強いようだが。


    日本においてもICカードをクラウド管理にしていきたい話は出ている。

    ただ、現状のSuica他のシステムを維持しながら建て増すのは難しかったのだろう。

    PiTaPaとは親和性がありそうだが……それぐらいである。

    とはいえクレジットカードで全てできるということにはならないだろう。

    プリペイドカードの需要はあるし、クレジットカードは小児運賃を扱えない。

    ポストペイ方式としてもPiTaPaキッズカードのような専用トークンが必要だろう。


    JR九州を除けばクレジットカードでの乗車には消極的で、

    それがゆえに他のプラットフォーマーの登場を許したとも言えるが、

    南海など別立てでも導入を急いだ会社が多かったわけですよね。

    このあたりは鉄道会社の多い日本だからこそなのかもしれない。

    ただ、最終的にはJRを巻き込めないとどうにもなりませんからね。

    最終的に目指す姿はそんなに変わらない気がするが、どういう段階を踏むかは課題が多いのではないか。


    あと、外から来た人には些細な問題かもしれないが、

    関東圏では1円単位運賃があるが、クレジットカードの場合は10円単位になる。

    Q-moveが1円単位を処理できないのが原因なのかもしれないが、

    ICカード乗車券以外の運賃ということで規定上、10円単位なのかもしれない。

    そもそも1円単位運賃を延々と続けているのもどうかと思う話だが。

    韓国の「宝物」ってなんだ?

    今日は東京国立博物館へ。上野公園は花見客でひどい混雑だった。

    お目当ては毎年恒例の春の特集展示「博物館でお花見を」だけど、

    結局目を引いたのはそれとは別の「韓国美術の玉手箱」だった。

    主に韓国の国立中央博物館から借りてきたコレクションらしい。


    その展示物に「宝物」と書かれた物があった。

    宝物? 韓国の文化財保護制度によるものか。

    そういえば韓国にも「国宝」ってのがあったよなと。

    それより重要度が低いものというと日本の重要文化財相当?

    そのようにとりあえず推測したが、どうも正解のようだ。


    近年までは韓国でも文化財という言葉を使っていたようだが、

    現在は国家遺産という言い方になっているらしい。

    文化財という言い方は日本統治下で導入された言葉で、

    世界遺産との整合性から遺産という言い方に改めようとなったそう。

    韓国では時々こういう言い換えが行われている印象はある。

    とはいえ、依然として日本の制度とよく似た制度である。

    国家遺産の種類 (国家遺産庁)

    宝物の指定対象が建造物・美術工芸品・文書・考古資料であること。

    その宝物のうち「人類文化の見地からその価値が高く、類例のごく少ないもの」を国宝とすること。

    まさに日本の重要文化財・国宝と同じものである。


    かつては国宝・宝物には指定順に番号が振られていた。

    それで「国宝第○号」みたいな言い方もよくされていたのだが、

    これがいろいろ論争を生んだので、現在は番号は廃止されている。

    そもそも制度創設時にまとめて登録されたものの登録順というのはあまり意味がないのだが。


    韓国でも遺産としての価値を持つには50年伝承される必要があるという考えがあるよう。

    実際にほぼ50年で登録されている遺産があるのかはわからないけど。

    50年に満たない遺産候補を登録する制度として「国家予備文化遺産」というのが2024年に導入されたよう。

    最初に登録されたのは金大中氏のノーベル平和賞受賞関係の資料などだったそう。

    金大中氏のノーベル賞を「予備文化遺産」に (聯合ニュース)


    それとは別に宝物より緩やかな保護制度として「国家登録文化遺産」がある。

    これは日本の登録有形文化財に似た制度で、現状変更に対する制限が緩い。

    建造物の指定が多いが、それ以外の有形遺産も登録可能だという。

    科学史・技術史に関わる資料もしばしばあるようで、金星(LG)のテレビ・冷蔵庫・洗濯機なんてものあるよう。

    日本だと条件を満たせば重要文化財に指定しているが、ハードルは高い印象である。


    今回の展示でも仏教美術というのが多かったのだが、

    韓国の宝物も仏教関係のものが相当多いようですね。

    今の韓国にとってはどうなんだろう? という疑問はあるのだけど、

    国内外の評価がしっかりしているのは仏教ということになるんだろう。

    AnimeJapanの会場になるインテックス大阪

    今週末は東京ビッグサイトでAnimeJapanが行われているのだが、

    その中で来年・再来年についてはインテックス大阪での開催になるという告知があったそう。

    東京での開催に代えて大阪での開催になるということで大きな話である。

    背景には東京ビッグサイトで大規模改修工事が行われていることがある。

    来年・再来年は1~2月に全館閉鎖の工事があり、その直後の3月に会場確保するのが難しいということのようだ。


    東京ビッグサイトがここで大規模改修工事を行うのは有明GYM-EXの存在もある。

    有明GYM-EXはオリンピックの体操競技のために作られた仮設施設の転用である。

    仮設とはいうが立派なもので、展示場への転用を見込んだものである。

    これがあるうちに大規模改修を終わらせておきたいということですね。

    ただ、そうはいっても巨大なビッグサイトの代替には不足するが。


    そこで出てくるのがインテックス大阪なのはAnimaJapanは非常に大規模なイベントだからなのだろう。

    今回では東展示場(閉鎖中の1~3ホールを除く)と南展示場を全て使っている。

    これが全て入るのは日本には幕張メッセとインテックス大阪の2つぐらいしかない。

    この2択で大阪になったのだろう。


    ただ、インテックス大阪といえばボロい展示場という印象が強い。

    G20サミットの会場になった6号館を除いて1985年に作られている。

    老朽化は課題である一方、夢洲のIRには展示場も設けられる。

    ただしIRの展示場は当初2万m2、現在のインテックス大阪を全て代替出来るものではない。

    このためインテックス大阪を単純に潰すという選択肢はない。

    いろいろ検討されたようだが、1~3号館は大規模改修、4・5号館を改築の方向で固まったようだ。

    26年度に基本計画策定/4・5号館建て替えインテックス大阪改修/大阪市 (建設通信新聞)

    早速3号館は2027年度の丸一年休館して大規模改修が行われる。


    インテックス大阪は数字の上では稼働率はあまり高くないが、需要に応え切れていない一面もあるよう。

    国際見本市会場(インテックス大阪)に関するお知らせ (大阪市)

    この下に「改修方針等の検討業務委託」というのがある。

    インテックス大阪の現状分析、将来展望、3・4号館の改修方針案が記載されている。


    IRの展示場とインテックス大阪の役割分担はどう考えるべきか。

    IRは国際会議や世界レベルの展示会を中心に行うことになる一方、

    インテックス大阪はIRに収まらない大規模な展示会はともかく、

    製造業など地場産業に寄与する展示会を多く行うことになるだろうと。

    確かにそういうのはIRでやる意味はあまりないのかもしれない。

    中程度の規模の展示会では両にらみはあるかもしれないが、共存共栄は可能という見立てのようだ。


    さっきインテックス大阪は数字上の稼働率はあまり高くないのに、展示会などのオファーを一部断る状況になっている。

    どうしてなのかというと面積の多くを占める6号館の構造による部分が大きいよう。

    インテックス大阪の展示面積の半分近くが6号館が占める。

    6号館は2層構造で面積を稼いでいるが、そもそもこれが使いにくい。

    さらに大規模イベントでなければ使いにくいという事情もある。

    1ゾーンが1万m2、これ以上小分けすることが出来ない。

    さらに上層のC・Dゾーンを分けて使うことも実務上難しいそう。

    搬入車が入れるルートがCゾーンしかないためである。

    (Dゾーン側は屋上駐車場の入退路と重なっているためらしい)

    C・Dゾーンを一括設営するなら問題はないが、それだけで2万m2である。

    6号館なら使えますよと提案されても、なかなかマッチしないのだという。


    4・5号館はいずれもインテックス大阪では稼働率の高い館である。

    それを改築するとなれば相当長期の閉鎖となるのは欠点である。

    ただ、改築によるポテンシャルの高さから選ばれているようである。

    4号館Bゾーンの上部には国際会議場があるが、これはIRとの分担を考えれば不要な施設。

    その分、展示場に付帯する会議室やオープンスペースの充実に充てた方が良い。

    おそらく1~3号館をIR開業までに改修、IR開業後に4・5号館を改築するということだろう。

    6号館をいかに使い倒すかが改修・改築期間を乗り切るための重要ポイントなのだろう。


    なおIRの展示場は2045年頃に6万m2への拡大が計画されている。

    6号館の利便性の低さを考えれば、この時点でインテックス大阪を上回るといってもよいだろう。

    その先にもなにか意義のある施設とするためには4・5号館の改築で、

    特に6号館を含めた機能強化を実現する必要があるということだろう。

    一案にはバスロータリーを6号館の隣接地に移すというのがあるよう。

    インテックス大阪に行くのに朝潮橋駅などからのバスが使われていた名残だが、

    コスモスクエア駅~6号館前というようなシャトルバスを設定すれば、

    6号館が奥まったところにあるというデメリットが打ち消せるかもと。


    ちなみに厳密に言えばインテックス大阪で開催するのはAnimeJapanのパブリックデイである。

    AnimeJapanは土・日をパブリックデイとしてファン向けのイベントをした後、

    今年だとビッグサイトの会議棟に場所を移して、月・火とビジネスデイが行われる。

    来年の日程もパブリックデイ→ビジネスデイと連日の開催ではあるが、

    ビジネスデイは会場調整中、おそらく大阪都心でやるんじゃないか。

    全く別日に東京開催というのもあるかもと思ったのだが、連日なら大阪でしょうね。


    AnimeJapanほど大規模なイベントではなかなかないとは思うが、

    関東圏の会場が確保できず別地域にシフトというのは他にもある話らしい。

    大阪開催を決断することは大きなことだったと思うが、

    AnimeJapan自体が国際的なイベントと銘打っていること、

    万博に前後して国際交流の活性化に取り組んでいることなど考えた結果なのだろう。

    しかし、多くの来場が見込まれるということは、すべからずコスモスクエアから歩けということだよな。

    国際展示場駅~東京ビッグサイトもそれなりにあるが、さらに遠いですからね。

    コスモスクエアまではそんなに悪くはないのですが。