先日、A4の紙を1枚送ろうと思ったことがあったのだが、
あまり形式張ったものでもないし、前々から気になってたミニレターを試してみた。
ミニレターというのは正式には郵便書簡というものだ。
前、うっかり簡易書簡と書いてしまったが、それは昔の名前だ。
ミニレターと言い方の方が役割が明確でわかりやすいかと思う。
日本郵便のミニレターの説明はこの通りである。
郵便書簡(ミニレター)
はがきの3倍のスペースを持った封筒兼用の便せんです。
表面には、はがきと同じように料額印面が印刷してあります。写真、メモ等で薄い物は同封することができます。
※重さが25gを超えると定形外郵便物の料金が適用となりますのでご注意ください。この場合、定形サイズの封筒のご利用をお勧めいたします。
この説明を見ただけでどんなものかピンとくる人がいるわけないよなぁ。
下に実物の写真があるが、片面は完全に便箋になっている。
便箋を三つ折りにして、それを封筒に仕立てて送るような形になっている。
全てが便箋の面と、その裏面の1/3を便箋として使うことができる。
これが「はがきの3倍のスペースを持った封筒兼用の便せんです」の指す意味だ。
最大の特色はなんといっても60円という値段だろう。
はがきの料金は50円と安いが、書けるスペースはあまり広くないし、封をすることができない。
普通に封筒に便箋を入れて送ると80円するが、
ミニレターを使えば はがき より10円高いだけの60円で便箋1枚ぐらい書いて封をして送ることが出来る。
というのが本来の意図。ただし、実際には文字を書いて送るために使われていることはさほどないだろう。
かつて郵便書簡は中に何も入れることが出来ず、便箋の機能しか果たすことが出来なかった。
その上、定形郵便と同じ値段だというのだから、さっぱり使われることがなかったのだという。
それが変わったのは1981年のことで、定形25g以下の値段が50円から60円に値上げされたとき、
郵便書簡は50円に据え置きされた上に、25gを超えなければ紙片などを同封できるようになった。
それ以来、定形郵便より安い封筒として注目を浴びることとなり、現在ではほぼこの用途でしか使われていないのではないだろうか。
実際、弟がAmazonマーケットプレイスで送料込みで非常に安い値段でメモリカードだかを買ったとき、ミニレターを使って送られてきたのだが、
切り開いても中にはなにも書いてなかった。ただ、25g以下を60円で送る封筒として使われているようだった。
さて、最初の話に戻るが、A4の紙を送るわけだが、ただ紙ペラを送りつけるだけではなく、添え状を付けたい。
普通ならなんか書いた紙切れでも入れて送ればいいわけだが、
ミニレターは便箋として使うことができるんだから、そこに書いてから封筒にして紙ペラを入れればちょうどいい。
というかおそらくミニレターに紙片などを入れられますよというのは本来はそういうことを意図していたんじゃないかな。
「写真、メモ等」とあることからして、手紙に写真を付けて送るとか、そういうことを想定してたんだろうなということが読み取れる。
そういう意味からすれば意図したとおりの使い方と言えるような言えないような……
最寄りの無集配のなんてことない郵便局で、「ミニレター1枚ください」と言うと、バックヤードに取りに行った。
そしたらまもなく出てきた。ちゃんと常備してあるようだが、切手箱には入れてなかったらしい。
さて、まずは便箋として書き込む。罫線が入っているので書きやすい。
縦書きで書くのを意図しているような気もするが、横書きでもなにも問題は無い。
とやかく書いて、裏面の宛名面に宛先を書いて、たたんだとき裏面に来るところに差出人を書く。
縦書きで書いたが、ミニレターは横向けで使うのは難しそうだ。
そして送るA4の紙を入れてたたみ込むわけだが、ミニレターのサイズはたたんだとき 92mm×164mm と、長4を短くしたような形をしてるので、
A4の紙を送るためには短辺を3つ折り、長辺を2つ折りとまでしないと入らなかった。
たたんで、長辺をのり付けして、上下の短辺をのり付けして完成となる。
受け取った方はキリトリ線に沿って3辺にハサミを入れると便箋が現れるという寸法だ。
ただ、ミニレターというのは多くの人にとってはなじみのないものだし、何の予備知識も無く受け取っても戸惑うだろう。
ミニレターの開き方とか裏面に書いといてくれればいいんだけどなぁ。
実際のところ、そんなことも知らずに普通の封筒のように1辺を切ったり破って開けて、
封入された中身を取り出してそれで満足してる人が大半だろう。弟もそうだったし。
これはミニレターの難点のような気がするな。開き方を知らないと開封事故にもなりかねんし。
実際にミニレターを使ってみての感想だが、プリンターに対応してるとは思えない形状ゆえに用途が限られるなと思った。
たたんで封筒にしてからプリンターに入れて宛名を印刷するぐらいはできるかもしれないが……
弟が受け取ったミニレターは宛名はシールで印刷したのを貼り付けていたが、まぁそれが無難かも知れんね。
単純に封筒として使う場合はなんとか対応できそうだが、便箋としてはプリンター対応させることは困難だろう。
手書きでつらつら書いて送る分には、ゆとりはあるし、封をして送れるし、なかなか面白いと思ったんだけど、
そういう手紙を出す人って今はさほど多くないわけで、コンピュータで対応しがたいというのは大きなデメリットだと思った。
ミニレターでコンピュータで書いた文書を送るとなれば、ミニレターは封筒として使い、印刷した紙を封入するのが妥当だろう。
そこで、よくよく考えてみると、圧着はがき はミニレターの当初目指したところを実現するものなんだよね。
面積をかせぐことができて、外から見える面以外は開かない限り見られないという点では封書に通じるところがある。
ただ、かなりの大量送付でないと圧着ハガキを適用するのは難しいので、個人ではまず選択肢として上がることはないが。
ミニレターがはがき+10円とはいえ、圧着ハガキさえ作れればハガキの値段なんだから、手軽に使えるならそっちに流れるわな。
もともとミニレターは大量送付に向かないけど、大量送付に対応させるニーズもなかったわけだ。
そんなわけで、現在ではミニレターの当初のコンセプトの意義はさほどないと言ってよいのではないだろうか。
手書きで手紙を楽しむ人が使っていればよいが、今もそんなことやってる人は便箋を封筒に入れて楽しんでそうだ。
そうして安価な封筒としてだけ使われるミニレターばかりが今日も郵便ネットワークを細々と流れているのだろう。
ちなみに国際郵便版のミニレターとして航空書簡(Aérogramme)というものがある。
世界中90円均一ということで、第1地帯であれば定形25gと変わらないが、第3地帯だと130円するところが90円で済むのでメリットがある。
ただ、最近までは一切の物の同封が許されてなかった。
2006年にUPUの規則変更で紙片の封入が許されるようになったそうで、アマチュア無線の人とかは使ってるのかな?
ただし、便箋の面は罫線が入ってないそうなので、便箋としてはちょっとという気もする。