WBC、日本はベネズエラとの準々決勝に敗れて敗退。
ちょうど帰国後に試合の後半をラジオで聞いていたが苦しい試合だった。
日本側にとってみれば直前にケガなどで辞退した選手がいた影響もあったのかもしれないが、
ベネズエラの日本選手の研究がうまくハマった結果でもあるようで、
これは勝者をたたえるべきところなのだろう。
そのベネズエラは決勝進出を果たし、果たして世界一なるかと。
この試合結果にも影響したかもしれないのがABS(Automated Ball-Strike System)である。
ABSというと今シーズンからMLBではチャレンジ方式で採用が決まっている。
といってもWBC自体はABSは採用されていないのだが。
ボール・ストライクの判定は球審の一存で決まるところである。
ただ、人間が判定するのでどうしても判定にはばらつきもある。
観戦しているファンにとっても「これがボール?」「これがストライク?」と疑問を持つこともある。
そこでロボット審判の導入はできないかということが考えられたと。
ところがこれがなかなか容易なことではなかったのである。
ルールに忠実に実装すると人間の審判の出す結果との差異が大きかったのである。
ABSの本格導入の先陣を切ったのが韓国のKBOリーグである。
KBOでは球審の判定への不満が相当大きかったようで、
とにかくロボット審判が必要だという声が大きかったようだ。
KBOでは2024年からストライクゾーンの判定は全てABSが行う。
ABSの判定結果が審判に音声で伝えられ、これをコールする形である。
(導入初期にこのコールを間違えて審判が解雇される事件が起きている)
ともかく、KBOリーグの選手にとってはABSによる判定が当たり前になっており、
昨年11月の侍ジャパンシリーズ・K-BASEBALL SERIESの日韓戦では、
国際ルールに従った球審による判定と普段のABS判定の乖離を感じる場面がしばしばあったことが報じられた。
MLBでは今シーズンからチャレンジ方式のABSが導入される。
これは普段は球審が目視判定するが、打者・捕手・投手の「チャレンジ」によりABSによる判定を行う仕組みである。
ヘルメットやキャップを叩く動作をするとチャレンジの意思表示になるという。
チャレンジは1試合1チーム最大2回(延長戦の場合+1回)まで失敗が許されている。
これまでの試行では平均成功率は50%ほどとか。
KBOとは異なりチャレンジ方式になったのは、人間の感覚との乖離が受け入れられなかったからのようだ。
その中で打者・捕手・投手との乖離がある場面のみABSを適用するとなったと。
さっきも書いたようにWBCではABSは採用されていない。
ただ、WBCはMLBの審判員が多く入っている。(NPBなど他国の審判員も参加してるが)
どれぐらい多いかというとアメリカ戦でも平然とアメリカ人の審判員が入るほど。
(さすがにそれは国際大会としておかしくね? と言われているが)
そのMLBの球審はABSでチャレンジされうる立場である。
というわけでABSとの乖離を小さくする努力をしなければならない。
名目上はWBCのストライクゾーンの考えはNPBなどと同様ではある。
今シーズンからのMLBだって名目上は変わっていない。
ただ、MLBの審判員は実運用としてABSの判定に合わせるようにしている。
結果としてWBC含めてABSの影響を受けてしまっているわけである。
こうなると日本野球にABSは導入されるのかというのが気になるが、
日本ではハードルが高いのではないか? というのが大方の見方である。
いろいろ見解はあるのだが、一番大きいのはアマチュア野球との整合性である。
ABSは設備面や事前の身長測定など、準備が難しく、WBCでは採用に至らなかった。
現状は選手や球場もおおかた固定されたプロ野球向けの方式である。
国によって野球の事情も様々、そんな中で日本はプロ野球もアマチュア野球も盛んである。
これまでもプロ・アマ双方のルールは整合を取るように努めてきたのですぐには難しいのではないかと。
ただ、アマチュアこそ審判員の技量の面でABSが欲しそうだが。
アマチュアでも国内トップレベルの大会、
例えば高校野球の都道府県大会とか、都市対抗野球の予選とか、
そういうところにABSが導入できるようになれば一気に事情は変わるかもしれない。
そこまでくると国際大会でもという話になるのかもしれない。
果たしてそれはいつなのかという話だが、そのためにNPBで試行導入される展開はあるのかも。