腕時計が夏時間を知る

土曜にホテルを出ようとしたときに腕時計を見ると「DST」という表示が出ていた。

電波時計は外国でも電波を拾うらしく、それで時間合わせしたときに付いたらしい。


DSTとはDaylight saving time、夏時間ってやつですね。

ヨーロッパや北アメリカでは広く導入されていますね。一方で日本を含むアジアでは見られない。

以後、説明を簡単にするためにヨーロッパの概ね中心であるフランス・パリを例にとって説明するが、

本来はUTC+1、すなわち日本と8時間の時差があるのだが、夏時間の期間はUTC+2で1時間縮まる。

テレビ会議での打ち合わせには助かるが、別にそのために夏時間を導入しているわけではない。


本来の目的は「Daylight saving」である。太陽が出ている時間を有効活用するための施策である。

ちょうど今は夏至に近いですが、夏至でパリの日の出は5:47、日の入りは21:59となっている。

夏時間を適用しなければ1時間早まり日の出4:47、日の入り20:59だったはずである。

仕事を終えるのを17時とすると、太陽が沈むまで夏時間非適用だと4時間だったところが、5時間に延びる。

これにより太陽が出ている時間を有効に使える。そしてこれが省エネになるとされていたのである。

照明にかかる電力が節約できてたんですね。


でも、夏時間にしなくても日没まで4時間あるんだから、もういいだろという感もある。

夏時間のスタートは3月最終日曜、今年の夏時間初日は日の出7:32、日の入り20:20である。

冬時間のスタートは10月最終日曜、今年の夏時間最終日は日の出8:27、日の入り18:43である。

夏時間のスタートはともかく、終わりの頃はものすごく日の出が遅くなっている。

冬至だと日の出8:41、日の入り16:57である。夏時間の最終日は冬至のような日の出の遅さなんですね。

そこまでして日没を遅くしたいか? という話である。


現代の日本では省エネに逆効果であることはほぼ間違いなくて、空調のエネルギーがかさむからである。

夏に暑い時間に家に帰ってきたら冷房でエネルギーを大量消費してしまう。

仕事や会社が始まる朝は少し涼しくなるが、夜もそんなに冷えないのでわずかな差である。

昔は家のエネルギー消費といえば照明が大きかったんですよ。

今でもヨーロッパだと夏に冷房を必要としない地域は多いのかもしれない。

ところが日本は夏は暑いのでとにかく空調のエネルギー消費が激しい。


どちらかというとヨーロッパにおける課題は夏時間切り替え時の不都合なのだろう。

この夏時間の切り替わり時期は睡眠が不規則になったり、交通事故が増えたり課題が大きい。

さらにコンピュータシステムの複雑化という現代的な課題もある。

このため夏時間の廃止に向けた議論が行われているらしいのだが、なかなか進んでないとか。

夏時間の廃止は、冬時間に戻さないという形で実施する可能性もある。

こうすると本来UTC+1の地域はUTC+2のタイムゾーンに移ることになる。

グリニッジ天文台を擁するイギリスがUTC+1になるのはどうにも不気味である。


でも謎が解けてよかった。

というのもこの時計、地域を選ぶことで容易にタイムゾーンの切替ができるのだが、

ヨーロッパの地域を選んだのに夏時間にならないので変だなと思っていたのである。

夏時間に対応してないわけはないと思っていたのだが、日付で勝手に判別してくれるわけではないと。

電波を受信すれば切り替わるが、それができない場合は特殊な操作をすれば切り替えられたらしい。

これを知らなくて1時間違う地域を選んでいたのだが、電波を受信したらこちらの夏時間に動いてしまい、

結果的には1時間ずれになってしまったので、本来の地域に戻したということである。

ずっと当地で使っていれば何も問題ないんでしょうけどね。いやはや知らないもんだなぁ。