今年から大井の3歳ダート三冠が始まるが、その1冠目、羽田盃に向けた前哨戦がスタート、
ブルーバードカップはJRA勢3頭が1~3位を独占する有様。
なお、ブルーバードカップはJRA勢は羽田盃の優先出走権対象ではなく、
ここで賞金加算することで、この後の前哨戦に出やすくなる仕組みである。
地方所属馬は1着ならば羽田盃の優先出走権があるのだが、該当馬なし。
で、このレースで4着だった佐賀所属のウルトラノホシは、那須の地方競馬教養センターへ向かったという。
ウルトラノホシ(佐賀) 出走拠点として地方競馬教養センターに入厩 (地方競馬全国協会)
地方競馬教養センターは地方競馬(ばんえい競馬を除く)の騎手・厩務員の養成機関である。
ただ、研修以外の役目もいくつか持っている。
1つは外国と行き来する馬のための検疫厩舎の役目である。
地方所属馬が外国に遠征する場合にしばしば使われている。
外国馬が地方競馬の国際競走(東京大賞典など)に出走する場合に使われる想定はある。
なお、JRAでは競馬学校と三木ホースランドパークにこの役目を持たせている。
もう1つが育成牧場としての外部業者への貸出である。
詳しくは後で書くけど、ここから競馬場に輸送してレースに出ることもある。
元々騎手・厩務員の養成に必要なので馬はいるんですけど、
それに留まらず現役の競走馬が調教することも可能な施設があるんですね。
ウルトラノホシがここを利用できるのは、今年から始まった新制度によるもので、
とりあえずの対象は3歳馬に限られているとのこと。
ダート3冠とその前哨戦は南関東に集中している実情を踏まえたものだろう。
これを利用して雲取賞への転戦を予定しているようである。
NAR(地方競馬全国協会)がこのような制度を用意したことは大きなことである。
日本では主催者が用意した施設で調教を行ってレースに出走させることになっている。
レースの何日前までにトレーニングセンター・競馬場に入るのが原則である。
このような仕組みを内厩制という。アメリカや香港も同様の仕組みだね。
一方で世界的に見れば、私有の調教場からレースに出走させるところもあり、
アイルランドのクールモアはバリードイル調教場を私有している。
もしもトレーニングセンター・競馬場に入らなければならない規定がなければ、
遠征先の適当な育成牧場を拠点に転戦することも可能だったかもしれない。
でも、それは日本の制度では許されてないんですね。
というわけで、これまで地方所属馬は所属場から毎度輸送しての遠征が求められたと。
一方、JRAでは美浦所属馬が西日本のレースへの出走のため栗東滞在することがしばしばある。
このことを俗に「栗東留学」という。逆も制度上は可能だがあまり聞かない。
栗東留学がしばしば行われるのは、美浦~阪神・小倉の輸送が大変なのと、設備面のことがあるよう。
期間は限られるが小倉競馬場に滞在して佐賀、函館競馬場に滞在して門別に転戦も可能である。
JRAの全国ネットワークは地方開催のダートグレード競走でも役立つときがある。
NARの制度として、地方競馬教養センターへの滞在を認めたということは、
所属する競馬場・トレーニングセンターにいるのと同等の扱いを受けるはずである。
あるかはわからないけど、ここからJRAのレースへの出走も可能なのでは?
厩務員などの出張対応などの課題はあるが、大きなことである。
今まではどうあがいてもできなかったわけだから。
ところで地方競馬では内厩制の例外として認定厩舎という制度がある。
門別と南関東で導入されており、育成牧場の認定された馬房から直前輸送でレースに出ることができる。
地方競馬教養センターには大井・川崎の2厩舎の認定馬房があるらしい。
調教データを提出することで直前輸送で南関東のレースに出走できる。
ただし、JRAはこの制度を認めていないようだ。
この外厩制度を利用して調整されたコスモバルクが中央で大活躍(中央出走の場合は10日前までに所属競馬場に入厩することが条件)、03~04年にかけて中央3連勝で弥生賞を制し、皐月賞でも2着している。
なお、門別所属のコスモバルクは2004年のジャパンカップ→有馬記念の転戦時、大井競馬場に滞在している。
地方競馬主催者間でこのような協力が行われるのは珍しかったとか。
今は3歳馬だけが対象だけど、古馬でも利用できるといいですよね。
ダートグレード競走の地方馬充実はNARとしても期待しているでしょうし、
これがその先駆けとなる取り組みになればいいですね。
ところでウルトラノホシはブルーバードカップ4着だったが、
これで賞金200万円、そして地方馬最先着で1000万円を獲得している。
えっ、地方馬最先着でそんなにもらえるのって。
最先着といっても4着以内に入らないといけないんですけどね。
そんなにもらえるなら遠征する価値あるよね。
ダート3冠に向けたJRA勢の動きは微妙なところはある。
なにしろいくら賞金があっても優先出走権を取らないと出られないからである。
単純に考えればJBC2歳優駿と全日本2歳優駿を勝ったフォーエバーヤングが有力だが、
サウジダービーの招待を受けており、アメリカ三冠も登録したということで、
出走権が得られればケンタッキーダービーへ行きたいのではないか。
でも、帰国して東京ダービーというのはないとも言えない。
JBC2歳優駿の2着、サンライズジパングは中途半端に賞金加算して困り、
芝のホープフルステークスで3着、今日の若駒ステークスで勝って賞金加算。
本当はダートで走りたそうだが、出走が容易なのは皐月賞。
なのでダービーまでは芝で行こうかと考えているよう。どうなるかね。
ブルーバードカップを勝ったアンモシエラは牝馬である。
牡馬と混ざって三冠路線を目指すかの選択を迫られている。
関東オークスには希望すれば確実に出走できるだろうからなおさら。
雲取賞はJRA勢にも優先出走権が与えられるレースで、
イーグルノワール(兵庫チャンピオンシップ優勝・全日本2歳優駿2着)と、
アマンテビアンコ(カトレアステークス優勝)が向かう予定だという。
羽田盃に向けてレース間隔もよいので、わかりやすく有力馬が揃いそう。
果たしてどんな結果が待ってるんだろうか。