日本で有料道路といえばほとんどが高速道路であり自動車専用道路である。
しかし、高速道路ネットワークから外れている道路の中には自動車専用道路ではないところもある。
排気量125cc以下のバイク、ミニカー、自転車、歩行者と。
生活道路としての意義からこれらの一部または全てを認める道路はいろいろある。
排気量50cc超125cc以下のバイクとミニカーの通行を認めている例として新神戸トンネルを紹介したことがある。
新神戸トンネルは 歩行者通行止め、自転車・軽車両通行止め、二輪車通行止め+「原付」の3枚の標識が付けられている。
(小型特殊自動車は自動車だが)
あるいは排気量50cc以下のバイクも認める場合もある。
その場合は歩行者通行止め + 自転車・軽車両通行止め の標識でよい。
これは高架橋やアンダーパスによく付けられている組み合わせだが。
と、バイクの場合は車道を通行できるようにするのが通常である。
一方の自転車だが、特段の規制なく車道通行できる有料道路もけっこうある。
ただ、自転車が通行できる有料道路の場合、歩行者も通行可能であり、
その場合は歩道に「自転車歩道通行可」を付けていることがほとんどで、
こうなると普通自転車は車道も歩道も選択可能ということになる。
このような道路としては、さいたま市の新見沼大橋有料道路や、滋賀県の琵琶湖大橋有料道路がある。
新見沼大橋は自転車も原付と同じ通行料(20円)がかかるので、
車道通行ならば料金所ブースに、歩道通行ならば歩道に設けられた料金箱に投入することになる。
琵琶湖大橋は自転車は通行料がかからないので、歩道通行の場合は何もなく、
車道通行の場合は料金所ブースを通るが料金は払わず通れるはず。
とはいえ、安全面の問題もあり、自動車と自転車の走行場所を分けている有料道路もいくつかある。
調べた限りではこんなところが該当しそう。
- 京奈和自動車道 城陽~田辺北(新木津川橋) : 原付道・自転車道・歩道
- しまなみ海道の新尾道大橋以外の架橋部※: 原付道・自転車歩行者道など
- 関門国道トンネル : 歩道(50cc以下の原付・自転車は押し歩き)
- 猿投グリーンロード(愛知県)※ : 歩道(自転車走行可)
- 衣浦トンネル(愛知県)※ : 歩道(自転車は押し歩き)
- 鳥飼仁和寺大橋(大阪府)※ : 自転車歩行者道?
- 女神大橋(長崎県)※ : 歩道(自転車走行可)
- 一ツ葉有料道路(宮崎県): 歩道(自転車走行可)
※を付けたのは自転車の通行料が現在無料の道路である。
逆に言うと他は10円とか20円とか徴収する料金箱が置いてあるんだが。
上2つは高速道路ネットワークに組み込まれていることもあり、
排気量125cc以下のバイクは車道とは別のところを走行する。
しまなみ海道は区間によるのだが専用の「原付道」を備えている場合もある。
しまなみ海道では歩行者・自転車混在が多いが、新木津川橋は原付・自転車・歩行者が全部分離されている。
もっとも新木津川橋は2017年の城陽IC改築まではバイクは本線を通行していたのだが。
他はストリートビューで見た限りは自転車の歩道走行ですね。
自転車歩行者専用の標識に「自転車通行可」など付けてあるからね。
鳥飼仁和寺大橋は「自転車歩行者専用」の標識のみなので、
しまなみ海道の自転車歩行者道と同じような扱いかもしれない。
あと、地下トンネルの関門国道トンネルと衣浦トンネルは押し歩きですね。
押し歩きなら直感的には歩行者と同じ扱いで無料になりそうだが、
関門国道トンネルは押し歩きのために20円徴収されるという。
さて、今回、自転車が走行できる有料道路の話を書いたのは、特定原付の扱いが気になったから。
特定原付は通行規制においては自転車と同じ扱いを受ける部分が多い。
自転車・軽車両通行止め とあれば特定原付も走行できないわけである。
ただ、まるっきり同じでない部分があり、それが歩道通行である。
普通自転車の歩道通行が認められていても、特定原付は原則歩道通行できず、
6km/h以下に制限した歩道モード(特例特定原付)でしか走行できない。
その観点でここまで挙げてきた例を考えて見ると。
新見沼大橋や琵琶湖大橋のように車道の自転車通行が可能な道路では、
特定原付は車道通行すればよい。原動機付自転車としての料金になるだろう。
新木津川橋やしまなみ海道については自転車の走行場所を走行することになる。
特定原付は自転車道を走行可能なので、自転車道のある新木津川橋は全く問題ないし、
しまなみ海道は歩行者と自転車が混在する区間が多いが、歩道という扱いではない。
自転車歩行者道 (本四高速)
自転車の走行場所を原付の料金で利用するようにと記載されている。
しかし、歩道の自転車通行を前提として車道の自転車通行を禁止している場合、
特定原付はどこも走行できないことになる。
歩道モードにできるなら6km/hでちんたら走る手はあるが、それもできなければ押し歩きしか手段がない。
そんな歩行者との交錯が問題になるとは思えない道路なのだけど。
元々押し歩きで利用するトンネルなら他の自転車と同じで、これはよいが。
なぜかこの車両は走行できないということはしばしば発生する。
例えば新木津川橋、城陽ICの改築時に車道を自動車専用化する代わりに原付道を整備したが、
元々は車道を通行できていたミニカーが渡れなくなってしまった。
自転車・軽車両以外の車で自動車専用道路を通行できないのは排気量125cc以下のバイクだけではないのだ。
そういう車はあまり多くないので問題にはならないが。
特定原付もそういう話で、従来から普通自転車以外の自転車は網羅できていなかった。
ただ、普通自転車以外の自転車というのは限定的な存在である。
特定原付もまだ稀な存在だが、今後は自転車・一般原付並みに使われる可能性もある。
歩道と自転車道を分けられれば、それが好ましいとは思う。
自転車道は特定原付や普通自転車に該当しない自転車の多くも利用できる。
自転車道を走れる自転車って?
あとは一般原付同様に車道通行でよいとするなら、自転車・軽車両通行止め に「特定原付を除く」とする方法も考えられる。
こういうのも今後増えてくるかもしれない。
ちなみに しまなみ海道 では普通自転車以外を少し意識した標識があり、
- 原付・自転車・歩行者混在 : 車両通行止め+「125cc以下の二輪・自転車・タンデム車を除く」
- 原付道 : 通行止 + 「125cc以下の二輪を除く」
- 自転車歩行者道 : 車両通行止め+「自転車・タンデム車を除く」
「自転車・タンデム車」は普通自転車と特定原付、そして普通自転車に該当しない自転車のうちタンデム車となる。
2010年にタンデム車の走行を認めてから、タンデム車の表記を加えたっぽい。
自転車道を走行できて普通自転車に当てはまらない自転車としては、
タンデム車と幅60cm超のマウンテンバイクがだいたいだと思うが、
このうちタンデム車の方はカバーしている形である。
有料道路を例に出したものの、それ以外でもこういう問題は多々あるんじゃないか。
どういう形になるんだろうな。
自転車道ができれば一番うれしいが、現実には難しいだろう。