南関東で雪が降ったのが月曜の夜のこと。
火曜の朝はまだ雪がだいぶ積もっていたが、夕方にはそこそこ溶けていた。
今朝もまだ残っているところはあったが、日中にかなり溶けたようだ。
それでも日陰に一部残っており、道の端に寄せられている。
今回、高速道路で立ち往生を防ぐために事前に通行止めにする対策が広範になされた。
近畿圏だと名神高速道路で通行止めをして、新名神ルートを優先する。
新名神ルートも東名阪自動車道と並行する四日市~亀山は東名阪を優先する。
と、雪対策が容易なルートを除雪を徹底して通すという対策をしている。
ただし、昨年1月には新名神まで立ち往生が発生する事態も起きているが、
基本的にはこの方針で東西のルートを維持する対応をしている。
一方、今回は関東平野の各方面で影響が発生することが避けられないと、
どの方面も広範囲に通行止めにしてしまうという対策が取られた。
ただ、今回の雪はその後の除雪にかなりの時間を費やすこととなった。
特に首都高速は今日の夕方まで丸2日通行止めが続く区間も出た。
高架橋では雪が溶けにくいこと、路肩が狭いことが課題だったようだ。
路肩の狭さもあって、手作業での除排雪を行う部分が多かったらしい。
以前、紹介したことがあるが、除雪というのは道の脇に雪を除けることである。
除雪後には道路脇に雪山ができてしまい、安全面に問題がある。
このため除雪された雪を運び出す排雪という作業が行われることがある。
しかし、排雪は大きな労力がかかる作業のため、そう頻繁にはできない。
交差点付近では安全面から比較的多く行われるものの、
幹線道路では年数回、それ以外の道路では年1回できればよいところ。
それでなんとかやっているのは道幅に余裕を持たせているからである。
すなわち関東圏で同じようなことが起きても雪を除けておく場所がないと。
もちろん積雪もたかが知れており、気温が上がれば解けていくので、
一般道ではそこまで深刻な状況は起きていない。
しかし、高架橋は雪は解けにくく、都市高速の道幅はギリギリ、
こうなると排雪をしないと間に合わないわけである。
そんな大げさなと思ったけど、実際そういう状況になっていたのだ。
雪が積もっても、解けるまで放置しておけるなら何も問題はない。
でも、都市では交通の妨げになったり、建物が壊れたり問題が起きると。
地域によっては消雪溝や消雪パイプで雪を水にして雨同様に排水できるが、
札幌ではそうもいかないので雪は雪として置いておくしかない。
道幅を広くするなどの対策はしているけれど、200万都市では容易なことではない。
都市ほど雪を置いておける場所がないという問題は、首都高速にもあったという話だった。
ところで高架橋といえば、高速道路もそうだが、新幹線も多いですよね。
上越新幹線、東北新幹線(主に青森県内)では散水で対策している。水で雪を溶かすわけですね。
あと、ちょっと性質は違うのだが、東海道新幹線の関ヶ原区間でも散水をしている。
これは雪が舞い上がるのを防ぐ対策なので、ちょっと違うのだが。
東北新幹線(八戸以南)、北陸新幹線(主に長野県内)では貯雪ということで、
線路部分をかさ上げして、高架橋の中に雪を貯めるスペースを作る対策をしている。
雪は降るが比較的少ないので置いておこうという対策ですね。
高速道路では雪捨てに困る高架橋だが、新幹線ではむしろ好都合だと。
ただ、貯雪にも限度はある。
北陸新幹線の糸魚川~金沢では貯雪に加えて、高架橋の下に雪を捨てるという対策が採用されている。
ただ、市街地など下に捨てられないところもあるので、そこは融雪パネルを付けて対応しているよう。
北海道新幹線では下に穴が開いた高架橋にして、勝手に雪が落ちるようにしていると。
さすがにそれはなかなか使える地域が限られてしまうな。
というわけで雪対策は様々だが、雪を置いておけるということの重要性を改めて確認した。
いろいろあったけど正常化してよかった。