ビジターチームのファン向けの座席

昨日、サッカーワールドカップのスタジアムの話を書いた後、

昔に書いた野球場についての記事を掘りだして、そういえば今はどうなんだろうと。

座席の売り方もいろいろではあるが


この記事では特に広島東洋カープのことを書いている。

ご存じの通り、広島カープは大変絶好調で、ファンも多いとのこと。

そうすると内野自由席も含めて売り切れで大変という話がある。

ただ、その一方でビジターチームのファンがビジターパフォーマンス席を埋められるほど来ないという話もある。(略)

単に空席があるだけなら仕方ないのだが、この問題が根深いのは、完売なのに空席が見受けられることがあるという話。

これってどういうことって、カープファンがチケットを買って、場内に入っては立ち見しているという話らしい。

ビジターパフォーマンス席が余る問題と、内野自由席が存在する問題。

今はどうなったんだろうと調べてみた。


まず、ビジターパフォーマンス席はこれを書いた翌年2018年から「3塁側パフォーマンス席」が設定されることとなった。

ビジターパフォーマンス席は阪神ファンの来場状況に合わせて用意したと言われており、

ほとんどの試合では埋まらないため、このような形にしたようである。

なお、阪神戦でも3塁側パフォーマンス席の設定はあるようで、この場合は阪神ファンが座ることも多いようである。

(カープの応援をしてもよいが、ビジターチームの応援をしてもよいため)

もう1つの疑問だった内野自由席だが、こちらは一部が内野2階指定席に改められた。

原因は新型コロナウイルス騒動で管理の都合、全席指定化したようである。

その後、一部が自由席に戻されたということらしい。なぜ戻したのかはよくわからないけど。


ビジターチームのファン向けの席をどれだけ用意するかという話で、

広島カープはビジター向けの席が需要に対して多いことが問題だった。

この逆にビジターの需要が旺盛なんだけど……という話。

阪神ファン大暴走で…今秋にもビジター応援席から「締め出し」か (日刊サイゾー)

阪神戦でのビジター応援席の縮小を考えている? という話。

どこのチームとは書いていないが、条件的には横浜ベイスターズか?


横浜スタジアムは1塁側がBAY SIDE、3塁側がSTAR SIDEとなっている。

両チームのファンのすみわけとしてはこんな感じで考えているよう。

  • BAY SIDE
    • 内野指定席・ウイング席 : 基本的にベイスターズファン向け
    • ホーム外野指定席 : ベイスターズファン向け
  • STAR SIDE
    • DB応援内野指定席 : ベイスターズファン向け
    • 内野指定席・ウイング席 : 両チーム混在
    • ビジター外野指定席 : ビジターチームのファン向け
    • ホーム外野指定席(試合により設定) : ベイスターズファン向け

BAY SIDEの内野・ウイング席については明示的なルールはないが、ベイスターズファンで埋まるというのが一般的な考えである。

一方のSTAR SIDEは外野席は明示的にホームかビジターか区切っている。

内野席・ウイング席は混在が基本だが、一部を「DB応援」と付けて明示的にベイスターズファン向けとしている。


現状、阪神戦ではSTAR SIDEの外野席はすべてビジター向けらしいが、

これの変更を考えているのでは? ということである。

これによりベイスターズファン向けの席が多く確保されるようになると。

最近は地元のベイスターズファンも多く、十分埋まるのではないか。

と、地元のファンが来場しやすくする仕組みとしては効果があるかもしれない。


ただ、そううまくいくとは思えないところもある。

なぜならばタイガースファンの需要がとても強いためである。

阪神タイガースは全国的にファンの多いチームである。

特に東京・横浜では3チームのビジターゲームが行われるため観戦機会も多い。

このため関東圏のタイガースファンは相当多いと言われている。

最近では優勝に向けて独走態勢ということもあり特に需要旺盛である。

このため阪神戦ではビジター向けの席が早々に売り切れ間近になっている中、

ホーム向けの席はまだずいぶん余裕があるという状況が珍しくない。


これによりホームチームのファン向けの席を留保しているという見方もあるが、

タイガースファンの無秩序な流入を招けばトラブルの元である。

ビジター向けの席を削減するのってそっちの方が心配ですけどね。


ちなみに阪神タイガースの本拠地、甲子園球場のビジター向けの席は極狭い。

レフト外野席の一角に「レフトビジター専用応援席」がある。

ライト外野席は「阪神タイガース専用応援席」と明示がある一方、

ビジター専用応戦席以外のレフト外野席にはそのような記載がないので、

両チーム混在の位置づけだが、実態はほぼタイガースファンで埋まるという。

3塁アルプス席は比較的ビジターチームのファンがいるというが、

基本的にはタイガースファンが多い中に混ざる形だという。


そんなわけでビジターチームのファンの扱いはところによりいろいろである。

システム的には広島のビジターパフォーマンス席が一番悪い気がして、

なぜかというと、この席から観戦すると死角がけっこう大きいらしいから。

しかし、ここ以外を選ぶとカープファンに囲まれてしまう状況なので、それでもここを選ばざるを得ないのが実情だと。

ここも甲子園と同じでホームのファンが圧倒的に多いがゆえの話ではある。