少し異質なバイクのナンバープレート

昨日、自動車のナンバープレートの話を書いたが、

我々がナンバープレートと呼ぶ物は制度上3つに分かれている。

  • 自動車登録番号標 (軽自動車・バイク以外の自動車)
  • 車両番号標 (軽自動車・排気量125cc超のバイク)
  • 課税標識 (排気量125cc以下のバイク、ミニカー、小型特殊自動車に市町村が発行)

厳密ではないところもあるが、だいたいこんな感じ。

課税標識は市町村が発行する物なので、全国で統一された形式は無い。

あと、小型特殊自動車では公道走行を前提としない車両で取り付けられることが多いのも特徴である。

道路を走行するのに必要なものではなく、課税対象を識別するのが目的のため。


では、自動車登録番号標と車両番号標は何が違うのか? という話だが、

三輪以上の軽自動車の車両番号標と自動車登録番号標はほとんど同じものである。

上段に地名・分類番号(現在は3桁)、下段にひらがな・個別番号(4桁)が並んでいる。

ただ、自動車登録番号標にはネジに封印がなされて、勝手に脱着できないルールがある。

そういうルールがなく、簡易に脱着可能なものが車両番号標ということらしい。

この背景には車両所有者に課せられた義務の違いもあって、

  • 軽自動車・バイク以外の自動車 → 登録
  • 三輪以上の軽自動車・二輪の小型自動車(排気量250cc超) → 検査
  • 二輪の軽自動車(排気量125cc超250cc以下) → 届出

といっても、「登録」も「検査」も一般には「車検」と一緒くたにされ、やることはほぼ同じなんですけどね。

歴史的に軽自動車は全て車検対象外だったことがあって、後から三輪以上は検査を受けろというルールになったので、こういう用語の違いがあるんだろうけど。


ナンバープレートのサイズは大板・中板・小板の3種類があるが、

大板・中板は形式は同じで、単純に大きさの違いですね。

大型自動車・特定中型自動車は大板、それ以外の三輪以上の軽自動車・自動車には中板が使われる。

問題は小板である。これは現在はバイクに適用されるが、明らかに見た目が違う。

ナンバープレートについて -ナンバープレートの種別と分類番号等- (大阪府自家用自動車連合協会)

  • 検査対象外軽自動車(排気量125cc超250cc以下のバイク)
     上段に分類番号(1桁)・地名・ひらがな、下段に個別番号(4桁)
  • 二輪の小型自動車(排気量250cc超のバイク)
     上段に地名・(地域によりアルファベット)・ひらがな、下段に個別番号(4桁)
  • 1974年までに新規登録された検査対象軽自動車(三輪以上の軽自動車)
     上段に分類番号(2桁)・地名・ひらがな、下段に個別番号(4桁)

最後のやつはかなりレアである。

なぜならば1975年以降に新規登録された三輪以上の軽自動車は現在と同じ中板の黄色いナンバープレートを付けていて、

なおかつ1973年までは三輪以上の軽自動車も検査対象外だったから。

(もっとも1973年までに登録された三輪以上の軽自動車も1974年以降は検査対象)

この過渡期に発行されたナンバープレートか、あるいは1974年までに初回登録された車が住所変更などでナンバー変更が必要になったときだけ発生すると。

もっとも、この2つの違いは分類番号が1桁か2桁かということだけですが。

現在も発行が続くのはナンバープレートの取り付け穴が小板用しかないことへの配慮らしい。


この中で異質なのが、二輪の小型自動車のナンバープレートで、これは分類番号が無いんですね。

他は分類番号が1桁・2桁・3桁という違いや、ナンバープレートの文字の並びは違うが、地名・分類番号・ひらがな・個別番号で構成されることは同じである。

しかし、分類番号がなくて、他の桁数が同じだと早く枯渇してしまう。

そこで、「多摩C あ」のように地名とひらがなの間にアルファベットが入っていることがある。

「多摩C」という地名のように見えるが、ひらがな部分の拡張という位置づけらしい。

最近は「足立L」というのが発生してるらしい。「足立」「足立C」を使い切ったため。


二輪の軽自動車も分類番号が1桁なので枯渇に弱そうに見えるが……

もともと「1」が二輪、「3」が三輪、「6」が四輪貨物、「8」が四輪乗用だった。

上に書いた事情で3・6・8は新規発行が止まっている。

隙間を空けているのは枯渇対策で、実際「1」が枯渇した地域では「2」が二輪用に使われている。

他の数字が新規に使われることはないので「4」など使うのは問題ないだろうし、

小板には2桁の分類番号も書けるので、それでも不足すれば「1□」など使うのかも。

(2桁時代の貨物自動車の分類番号と被りそうだが、形状が違う上に「11」以外はほぼ未使用なので問題はなさそうだが)


というわけで、制度上の呼び名の違い、形状の違いというのはあるものの、

排気量250cc超のバイク以外のナンバープレートを除けばほぼ同じと言えそうだ。

なぜ、ここだけ全然違う形式になったのかはよくわからないんだけどね。

台数は多くないと思ったのかも知れないが、結局は「多摩C」「足立L」みたいなのが発生しているわけで、ちょっと甘い気はしますがね。

同じバイクでも125cc超250cc以下に分類番号があるのは、軽自動車の番号体系に従っているということである。


ところでここまで「三輪以上の軽自動車」という言葉がしばしば出てきた。

現在の制度では三輪と四輪はナンバープレートや検査のシステムは同じであると。

ところが街中で三輪自動車を見ても、黄色いナンバープレートを付けてるのはないんですよね。

実は現在日本で使われている三輪自動車というのは、この4タイプのいずれかにあたることが大半のためである。

  • 排気量50cc以下で車室がなく輪距500mm以下の三輪以上の車 → 原動機付自転車(二輪扱い)
  • 排気量50cc以下で上に該当しない三輪以上の車 → ミニカー(原動機付自転車の一種)
  • 排気量50cc超250cc以下で車室がない三輪車 → 二輪の軽自動車(側車付)
  • 排気量250cc超で車室がない三輪車 → 二輪の小型自動車(側車付)

ミニカーのことは知ってたけど、これは排気量50cc相当までなんですよね。

だから三輪以上でこれを超過すると、原動機付自転車のサイズ・出力に収まっても、黄色いナンバープレートを付ける軽自動車になると思い込んでいた。

(超小型モビリティはここをカバーする制度である)

ちなみにミニカーは普通自動車免許が必要で、道路上では四輪の自動車と同じ扱いである。


しかし、車室を設けないなどの条件を満たせば、側車付二輪車ということでバイク扱いになるんですね。

一方で運転免許としては、四輪の運転免許になるケースが多い。

  • 排気量50cc超の三輪車で車体を傾けて走行するタイプ(特定二輪車)
    → 普通自動二輪または大型自動二輪(排気量による)の運転免許が必要
  • 排気量50cc超で2輪駆動または2輪操舵の三輪車(特定二輪車以外)
    → 普通自動車の運転免許が必要
  • 上記以外(側車を切り離せる排気量50cc超のバイク)
    → 普通自動二輪または大型自動二輪(排気量による)の運転免許が必要

バイクのように転けない車で操縦性が四輪車に近い物は四輪扱いだと。

排気量250cc以下であれば二輪の軽自動車にあたり、検査対象外となり、維持費は安上がりとなる。

(定期的な点検はするにしても車検対象外だと費用は安上がり)

確か、市内で見た三輪車はこのタイプだったはず。


このタイプの三輪車はコンパクトで安上がりで、かつ荷物の運搬や同乗者を乗せるのに便利なのが魅力だが、問題は車室を設けられないこと。

すなわち側面は開いてないといけないんですよね。屋根は付けてもいいけど。

ヘルメットの着用義務はないけど、こういう構造の車でヘルメット無しで安全に運転できるかというと、これはまた別の問題がある。

だからといって車室を設けると、四輪の軽自動車と何も変わらなくなる。

このため排気量50cc超で車室のある三輪車というのは日本で新規に作られることは皆無なわけですね。

このあたりが超小型モビリティで何か変わるか? という話だけど、どうでしょうね?