Amazonでの売買は難しい

昨日、Amazonで買った本に「FNSKU」というAmazon管理用のバーコードが振られていた話を書いた。

Amazon専用のバーコードだな

調べたら、実は思っていた以上に複雑な事情があるらしい。


Amazonでは原則としてEANコードでの商品管理を行うが、

Amazon以外の出品者がマーケットプレイスでそれをやることには良い点も悪い点もあるという。

マーケットプレイスでFBAというAmazon倉庫からの発送サービスを使う場合で、

EANコードだけでの商品管理を行う方法を「混合在庫」というらしい。

なぜ「混合」なのかというと、複数の出品者が同じEANコードの商品を納入すると混ぜこぜで管理されるから。

必ずしも実際に購入した出品者が納入した商品が届くとは限らないということである。


それはおかしいだろと思うわけだし、実際これがトラブルの元になることもしばしばあるという。

Amazonでは偽物がしばしば流通しているという。これはマーケットプレイスで偽物が出品されているということですが。

ここで「混合在庫」を使うと、他の人が納入した偽物と混在してしまうことがあると。

偽物だと、顧客の不満にもつながるし、返品されたら売上は取り消されてしまう。

このことからマーケットプレイスではEANコードでの管理には課題があるという。


この問題を回避するためには FNSKUで商品を管理してもらうようにすればよいと。

FNSKUは出品者毎に異なるので、他の出品者が納入した商品と混在する心配はなくなる。

メーカーがAmazonマーケットプレイスを利用して直接販売するというのはわりとよく見られる。(昨日書いた本もそう)

そのメーカー以外にその商品を売る業者がなければ、EANコードでの管理で問題ないのだが、

マーケットプレイスには他の出品者も同じ商品を出すことができ、これを混合在庫にされてしまうと、

メーカー以外の出品者(正規商流ではなく偽造品の可能性もありうる)が納入した商品が混在してしまいかねない。

実はけっこう怖い話で、EANコードを付与できるメーカーでも、Amazonマーケットプレイスでの直販にはFNSKUを振る方が安全らしい。


とはいえ、これも別の意味で偽造品との戦いがある。

それが「返品すり替え」などと言われる話で、購入した商品を偽造品にすり替えて返品すると。

Amazonは返品に寛容であることが知られているが、マーケットプレイスの商品の返品は相当にいい加減らしく、

返品理由に応じて、返品されてきた商品の確認を行うという部分がきちんと行われていないと。

このことから不良品として返品されてきたものが偽造品……というかガラクタだったとか、

さらには未開封として返品された商品はそのまま再度在庫になり他の購入者に渡るらしく、

この結果として自分が納入したのは正規品なのに、偽造品が他の人に渡ってしまうなんていうことがあるとか。


この問題を回避するためには、FBAを使わず自己発送にすればよいわけだ。

なるほど。確かにAmazonマーケットプレイスでも中古本は自己発送になっていることが多いが、

これは価格帯の問題もあるんだろうけど、返品はシビアに対応する必要があるというのもあるだろう。

一方で自社で配送インフラを持たないメーカーがAmazonからの発送を使いたいというのはあるわけで、

リスクを軽減した上でAmazonをうまく使うということになるんでしょうね。


ところで、Amazonでは商品ジャンルによってEANコードなしの商品が出品できるか否かがあるらしいんですけど、

本はISBN・EANコードのない商品は原則として出品できないんですって。

じゃあ、FNSKUのバーコードが印字された本というのはおかしいんじゃないかと。

調べたら独自ブランドの「おもちゃ」として出品されていたらしい。

これならばFNSKUだけでの出品が可能なのだが、それは厳密にはルール違反のような……

まぁようわからんですけど。


売る方にとって難しいというのもあるけど、買う方にとってもAmazonは難しいという話である。

もちろんAmazonにもいいところはあるけど、いろいろリスクはありますからね。

結局は信用できる店が一貫して手がけているのがよいということで、

音楽ソフトならジョーシン(PayPayモール経由でよく注文する)だし、電子機器ならビックカメラだとか、

このあたりは人によっていろいろだと思うけど、そういうところに落ち着くのかなと。

一方でAmazon専売とかそれに近い商品もけっこうあるのは事実で、その点では逃れられない存在でもある。

悪いところばかりではないからこそ悩ましいんですよね。

Amazon専用のバーコードだな

Amazon専売の本があって、Prime会員の権利を行使してお急ぎ便で注文した。

興味はあったが、高いしなぁと躊躇していたんだけど。


というわけで届いた本を開封しようとすると不思議なバーコードが。

一般的な本には2段の書籍JANコードが印字されている。

定期刊行物以外の本ならばISBNを取得するのが通常だからね。

(厳密に言うと、ISBNの取得と書籍JANコードの使用は別々の申請が必要で、別々に費用がかかる)

一方で、一般流通が想定されない本では通常のJANコードが付与されることもある。

本のバーコードはISBNとも限らない

Amazon Primeの試用を利用するきっかけになった、直販かAmazon限りの本はそうだった。

お急ぎ便なら旅行前に間に合う

発売元はまっとうな出版社なんだから、それならISBN振れよと思ったけど。


本の最終ページに印字されたバーコードは 「X000X……」というアルファベット・数字9桁のバーコード。

Amazonの商品管理用のバーコードだろうことはわかるけど、なんなんだろうね?

調べたところ「FNSKU」というものらしい。

Amazonで取り扱う商品でEANコード(JANコード)がない商品の管理に使われる物で、

例え、EANコードがある商品でもセット売りなど、EANコードで管理できないものにも使われる。

同時に購入した商品で1つの袋に同じ商品2つが入っていて、外袋にバーコードが貼られていたが、

確かにこれも同じフォーマットのようだった。Amazonではわりとありふれたものなんですね。


最初からFNSKUが印字された本というのはかなり珍しい存在だと思う。

まぁAmazon専売ならISBNもEANコードもいらないのはそうだろうけど、

Amazon以外の商流で売るのには全く何の役にも立たないバーコードで、

AmazonはEANコードでの商品管理が原則みたいだから、他商流があるならEANコードを取得するのが本来のこと。

さらに言えば、本ならばISBNによる方が本来の姿であるのだけど。


そういえばバーコードといえばこんな話もありましたね。

インストアコードだし、そもそもバーコードを読まない

製造小売業であるユニクロが莫大な商品を管理するためにインストアコードを使ってるって話。

この前、トップバリュの衣料品でもインストアコードを使ってるの見て、これもイオングループでしか売らないからいいのかね。

これらはEANコードの中に留保されたインストアコードの領域を使ってるが、

別にEANコードにこだわる必要が無いわけで、アルファベットが混ざっていて明確に違うと区別できるFNSKUはそれはそれでよいと思う。

案外そういうのは見ないと思ったが、郵便局がQRコードで商品管理しているのを思い出した。

(日本郵便もコンビニなどでの販売用にレターパックにJANコードを振ってたりするけど、社内ではその横のQRコードを読んでる)

もちろん読み取り装置が対応できるのが前提ですが。

食堂でワクチン接種

夏休み明けの今日は出勤していたが、これはワクチン接種合わせである。

他に出勤してやることあるかと思ったのだが、予想以上になかった。


いろいろ混乱を起こしている新型コロナウイルスワクチンの職域接種、

わりと早い段階で動き出していたのか、3週間前から接種がスタートしていた。

部署ごとに予約開始のタイミングを分散させていたらしく、

夏休み直前に予約開始となったので、夏休み明けに1回目接種を行うように予約した。

ちょうど市からも接種券が届いていたので、これを持参すればスムーズですね。


ところで、この職域接種の案内に勤怠上の取扱について「既報の通り」となっていて、どういうこっちゃと。

「既報の通り」というのはワクチン接種に必要な時間は特別休暇とするという内容。

この特別休暇は全日・半日・時間単位いずれでもよいらしい。

平日に医療機関などで接種するなら半日特別休暇だなとか思ってたけど。(残り半日は在宅勤務だな)

職場で接種するなら、勤務時間中に接種すると思い込んでたのだが、

例年職場で実施しているインフルエンザの予防接種は勤務時間外に接種することとなっている。

過去に1回、職場でインフルエンザの予防接種を受けたことがあるのだが、30分中抜けして、その分残業して埋め合わせた覚えがある。


これが新型コロナウイルスのワクチンの場合は、これが特別休暇になるので穴埋めが不要だと。

時間単位特別休暇の制度を使って、ワクチン接種の時間を特別休暇として登録すればいいわけですね。

ただ「時間単位」なんですよね。だから1時間で登録するわけだけど、実際の接種はそこまではかからないだろうと。

実際のところ40分ぐらいでしたかね。それでも1時間で登録してるけど、職場戻って仕事しないのも変な話だし。

接種会場は本社に設けられ、自分含めて本社勤務の人は多くはこうだと思う。

ただ、本社周辺の他の事業所で勤務している人も対象ではあり、その場合は出張して接種に行くことができる。

(厳密に言えば出張ではないけど、部署の経費で交通費を精算するようにというのは出張そのものだろう)

この場合は半日休暇あるいは全日休暇で出張して接種にいくこともあると思う。

実際そういう人がどれぐらいいるのかは知らないけど。


ワクチン接種会場は長らく休みが続いている食堂、

持参する問診票はすでに一部の記入事項が記載された問診票をダウンロードして記載することになっている。

体温はあらかじめ測っておくようにということで、職場の体温計で測った数字を書いておいた。

(本来は出勤前に自宅で測っておくべきだったのを忘れていて、職場で測ったというのが真相なのだけど)

受付で本人確認があるが、社内だからIDカード(首からさげてる)を見せればOKなのは楽ですね。

医師2人、接種ブースも2つだが、ここは1ブースに2人のスタッフがいた。(2人とも看護師だったかなぁ)

2人いたのは薬液充填などの都合もあるのかもしれないが、接種も2人がかりなんですよね。

筋肉注射する部位を露出させるために、服の袖を押さえたり、絆創膏など渡したり。

この辺、日本の予防接種では一般的な皮下注射より手間がかかってるのかもしれない。

世界的には筋肉注射が一般的だし、今回は外国での方法をそのまま適用したので筋肉注射で、それはそれで好ましいと思うのだけど、

接種の手間という点ではどうなんだろうね? 慣れてないだけなのかな。


接種したところは少し腫れたようになってるけど、それはインフルエンザの予防接種でもそうだしなぁ。

局所反応は皮下注射より筋肉注射の方が少ないと聞いたが、どんなもんなんですかね。

まぁ他にもいろいろ副反応は聞かれるところだが、この辺は個人差も大きいですからね。


というわけで4週間後にも同様にもう1回接種ですね。

4週間後の月曜は休日だから、火曜にしておいた。

この時期は日常的に出勤してそうな気もしたが、果たしてどうなることやら。

3Dセキュア非対応ではね

バニラVisaギフトカードの話を書きましたが。

旅行先でも日曜のファミリーマートに行きたい理由

昨日「Bilibili Macro Link Star-Phase 2021」の有料視聴チケットを、

買うためにニコニコポイントを購入しようとしたら、バニラVisaギフトカードが使えなかった。

原因は3Dセキュア非対応のため。どうにも回避策がなく、普通にセゾンカードで買った。


本題の前に、そもそもこのイベントはなんだったのかという話を。

Bilibiliは中国の動画サイト、まぁ端的に言えば日本のニコニコ動画のパクリですね。

日本のインターネット文化の影響を受けながら、中国のインターネット文化を涵養していった動画サイトで、

日本のアニメなどの中国での配信を担うなど、日本との関係は深い。

このことから、Bilibiliのライブイベントでは、Bilibiliゆかりの歌手だけでなく、

日本からも歌手を招待しており、それが「Bilibili Macro Link Star-Phase」(BML-SP)らしい。

ところが、今年は日本から招待しようにも渡航が困難ですから、ここは日本特設会場からの生中継となった。

このため今年のBML-SPについては「大型ライブビューイングイベント」なんて書き方をされることも。

中国向けとはいえ、根本的に日本の歌手が出演するわけだから、日本でのファンも見たいはず。

Bilibiliでの有料配信はあるが、日本から中国の有料コンテンツを買えないので、日本のニコニコ生放送を併用することになったと。


で、3Dセキュアが使えなかったから買えなかったという話なんですけど、

ニコニコポイントの購入方法はニコニコのクレジットカード決済以外にもいくつかあり、

クレジットカードを間接的に使える決済方法としては、楽天ペイ・WebMoney・BitCash がある。

(Apple Pay対応のデバイスがあればApple Payもいけるかも)

このうち楽天ペイは過去にバニラVisaギフトカードを消化するのに使ったことがあるので、

いけるかな? とやってみたのだが、どうもニコニコの意向で3Dセキュアが要求されるらしい。

楽天ペイの加盟店が決められるんですね。というわけでNG。

WebMoneyもBitCashもクレジットカードからのチャージは3Dセキュアが必要らしい。


これについてはニコニコ側の問題というよりは、カード側の問題であり、

3Dセキュアを使う方が好ましいに決まってるんだから、それに対応できないカードが悪いと断言できる。

とはいえ、プリペイドカードでは3Dセキュア非対応のものが多いのも実情である。

というわけで、自分が持っているカードを一通り調べてみた。


バーチャルカードも含めたらいろいろあるけど、

実際に3Dセキュアを使ったのはセゾンカード、ファミマTカード、三井住友カードぐらいなんですよね。

(ファミマTカードはFamiPay、三井住友カードも他の電子マネーへの登録絡みなので、純粋で通販で使ったのはセゾンカードだけ?)

それぞれNetアンサーとかインターネットサービスのログインパスワードを入れればいいんですけど。

ビューカード・イオンカード・KIPSカード(三菱UFJ銀行)・J-WESTカードはいずれもOKのようだ。

というわけで、本来のクレジットカードは全てOK。

デビットカードはスルガ銀行から発行されているが、これもちゃんと対応してますね。


問題のプリペイドカードである。

バニラVisaギフトカードは対応してないと書いたが、他にもバーチャルカードがいろいろある。

Visa LINE Payプリペイドカードはパスワード登録すれば3Dセキュア対応可能のようだ。

メルペイバーチャルカード(これはプリペイドというよりクレジットカードだが)は非対応とのこと。

TOYOTA Wallet(先日ダマされて作ってしまった)は3Dセキュア対応可能で、これは登録時のパスワードを使うらしい。

思ってたよりいけるんだな。


バニラVisaギフトカードは会員登録制度がないのは3Dセキュア対応の課題と考えられるが、

インターネットで利用する前にSMS認証を行うことや、3DセキュアにSMS認証を使うカードもあるらしいことを考えれば、

SMS認証により3Dセキュア対応するというのは1つの方法だと思う。

問題はそのためのシステムに投資をする価値があるかという話だが。

なお、3Dセキュアはカード会社が低リスクと判断した場合はパスワードを聞かないというのもできる。

(実験したら、パスワード認証なしに決済完了してしまって戸惑ったのだが、こういう場合もある)

そもそもプリペイドカードはリスクが低いとも言えるわけで(残高に限りがある)、そういう3Dセキュア対応もできるんじゃないか。


というわけで、せっせと買ったバニラVisaギフトカードも思ったように使えなかった。これは残念ですね。

調べてみると、デジタルコンテンツの決済ではわりと3Dセキュアを要求するのが多いようで、

これは名義人と配送先の照合が意味を持たないというような事情もあるのかなと。


ところでバニラVisaギフトカードをAmazonで使ったときに気づいたけど、

ここは3Dセキュアの認証を要しないどころか、セキュリティコードも入力させないんですね。

インターネットの加盟店では珍しいというか、それでいいのか?

保存しているカード情報を使う時に、カード番号を再入力させることはあるが、カード番号さえわかればOKなことに違いはない。

まぁチャージバックのリスクを負うのはAmazonであり、それを受け入れているなら何も言うことはないのだが、

あんまりこう言うのは見ないから不思議だなと思った。

重点措置は不十分だが緊急事態宣言で十分か?

昨日、帰宅して休暇にもかかわらずリモートアクセスで会社にアクセスしたのは、

緊急事態宣言が出るということでなにかあるかということを確認するためだったが、

弁当販売が休みになることはわかったが、週明けの出勤予定のことには特に連絡がなく。

(もともと出勤者は絞るようにと言われていたのだから、変わらなくても不思議はないのだが)

とりあえず昼食は持って行かないといけないらしい。しゃあないなぁ。


そんなこんなで案の定、東京都では緊急事態宣言が出たのだった。

遅いぐらいだと思いましたがね。

この決断の背景には2つのことがあって、1つは東京都からの原則酒類提供停止の要請。

都、重点措置でも「酒提供の停止、原則化を」 国に要望 (朝日新聞デジタル)

都道府県はまん延防止等重点措置の場合、酒類の提供停止を要請することができる。

これは東京都の判断で可能であるものの、周辺地域と不整合があると「越境飲み」の問題が生じる。

実は南関東の4都県でも微妙にルールが違い、これが混乱を起こしているという背景もあったようだ。

これ自体は緊急事態宣言を提案したわけではないが、東京都で酒類提供停止を徹底するには緊急事態宣言が必要であろうと。

もう1つは専門家から緊急事態宣言の提案があったこと。

4度目の宣言、ためらった政府 専門家が突きつけたノー (朝日新聞デジタル)

実は5月に緊急事態宣言の対象区域に北海道・岡山県・広島県を加えたわけだが、

当初はまん延防止等重点措置で提案したら、分科会から拒否された結果、緊急事態宣言になったという話がある。

緊急事態宣言、追加へ 北海道・岡山・広島 分科会が当初案了承せず、政府一転 (朝日新聞デジタル)

東京都は明らかにステージ4に再到達していたわけだし、この状態で緊急事態宣言を出さないのは無理があると政府も認めたということである。

ワクチンで重症化が防げることに期待した人もいたらしいが、50代を中心に重症患者が増えている実情もある。


かくして、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置への切り替え時に言っていたとおり、

東京都がステージ4の状態にあるということで、オリンピックは無観客での開催となることになった。

(南関東以外はその限りではないが、北海道・福島県は無観客化、茨城県は学校団体のみを提案して反映されている)

こういう口実を作るための緊急事態宣言解除だったのではないかと思っていたのだが、

無観客化に消極的な大臣が多かったらしいことが伝わっており、本当にステージ4を脱した状態を維持できると思っていたのだろうか?

本当に観客を入れるつもりなら、開幕まではステージ3以下という体裁をなんとしても作るべきだったわけで、

そのための手段を失わせる緊急事態宣言解除というのが信じられない判断だが。

同時進行的に多くの競技が行われ単一の会場の動員数は関係なく、全国広域から観客が集まることから無観客にしたという説明は、

専門家からの提言そのものであり、最初からこれを受け入れておけば、それですんなり収まったのにと思うよね。


ここまでは予定通りという感じもするが、問題は効果的な対策ができるかどうかである。

というのも、早々にステージ4に到達した要因はどう考えても「緊急事態宣言の」効果が不十分だったことによるからだ。

実は6月に入る頃から酒類提供停止の要請を公然と無視する店が増えていたという話があり、

確かにその概ね2週間後ぐらいから感染者数の報告が増加傾向に転じている。

そもそも緊急事態宣言が出た4月下旬時点では、イベントの無観客化・映画館や大型商業施設の休業要請も出ていたが、

連休明けには無観客化要請が外れ(制度的に十分な補償ができないという背景もあったらしい)、

映画館や商業施設の休業要請が外れて都心部の人出が増えても、感染者の減少傾向は続いた。

蔓延度を決めるのはほとんど酒であるということを証明してしまったわけである。


そうして思い出すのはまん延防止等重点措置下の浦安市にコンサートのために出かけた時のことである。

浦安の円形劇場で雑誌のイベント

このとき「飲食店などに寄らず直帰しましょう」という呼びかけがされていた。

これはいろいろなイベントで行われるようになった呼びかけだと言うが、

この業界にとってみれば、会場内の感染症対策とは無関係に人流を減らすという名目で一律無観客化の要請が出たわけで、

後に振り返ればそこまでやらなくてよかったよねとは思うものの、当時の大阪府の状況の悪さは知っての通りで、

大阪府はもちろん、その周辺や同様に悪化傾向にあった東京都も同じような懸念はあり、対策を出し惜しみできなかった事情もある。

ここから学んだのは、イベントが感染拡大に寄与するということに反論するには、

うちの客は酒盛りしないから感染拡大にはほぼ寄与しないとする必要があり、これはこのような呼びかけにつながったとみられる。

こんなところからもわかるが、飲食業はもはや守ってもらえない業種になってしまったのである。

もちろんこんなことは言いたくないだろうけど、自分たちの身を守るには仕方ないことである。


酒類提供停止というのがほぼ全てとなった緊急事態宣言だが、課題は実効性である。

緊急事態宣言が出ていれば休業命令に従わない店に過料を科すことができ、実際に過料決定も行われたようである。

しかし、過料覚悟で営業する店が一定あることも事実であり、ここの打開策が難しい。

実際のところ、要請に従っている店が大半だと思うが、要請に従わない店が客をかっさらっているのを見て不平を募らせるなど問題が多い。

本来は業界として連帯して対策に取り組んで欲しいところなのだが、実際のところ、そのような気概も乏しい。

「外食崩壊」の危機 酒提供で業界分断化も (日本食糧新聞)

18団体が連帯したところで網羅度はそんなに高いとは思えないが、言うのは規制緩和ばかりでは無理があるだろう。


「感染対策を徹底している店の認証制度による制限緩和」というのはもっともに見えるが、これも難しいと思う。

実はこれの先進事例があって、それが山梨県の「やまなしグリーンゾーン認証」である。

認証に当たっては行政の検査が必要で、逸脱があれば剥奪される。対策費用には県からの補助もあるんだとか。

実は今年3月頃まではかなりうまくいっていて、集団感染を起こすような事例はわずかだったらしい。

ところが今年3月以降はいくつかの集団感染が報告され、要件の見直しが行われたが、すぐには適合できず、

その間に山梨県内での感染状況が悪化するなど、一時期難しい状況になっていた。

より蔓延度が高く、客が酒盛りを求めがちな東京都では、困難なんじゃないか。


営業時間の短縮で収まらなくなった理由は昼飲みであり、まん延防止等重点措置の段階で酒類提供停止をする理由は越境飲みである。

これは飲食業がリスクを正しく認識できず、正しい対策ができなかった結果だろうと。

客の責任もあるが、客を正しく導くのも業界としての責務だろう。

イベントでの直行直帰の呼びかけもそうだし、振り返ればGoToトラベルのときに出た「新しい旅のエチケット」もそうですよね。

非常にリスクが高いにもかかわらず、ここが徹底できていないことは課題が大きい。

この結果、酒類提供停止という平易なルールに落ち着いたわけだが、これを公然と無視する店が多いのが問題である。

飲食業界に期待できないと、酒販業者に国税庁から要請を出したものの、酒の購入自体は迂回手段もある。

協力金が早期にわたるようにという話も、今公然と要請を無視する業者にとってどれぐらい効くか。


というわけで、非常に難しい状況に追い込まれてしまったなと思う。

ワクチンの効果に期待するにも、高齢者に次いで50代を最優先で接種しても3ヶ月ぐらいはかかるだろう。

さらなる変異株の脅威だって現実的な懸念である。

そんな中で酒盛りさえなんとかできれば、他の業種の影響はある程度抑えられる可能性が見えている。

なので、なんとしても酒類提供停止を徹底して欲しいのだが、この実効性が不十分だったので緊急事態宣言に至ったということである。


どうしたらいいんだろうなと思う。

あと、もう1つの課題が地域を越えた感染拡大の懸念がより高まっていることである。

ロック・イン・ジャパン・フェス開催断念 中止要請受け (朝日新聞デジタル)

茨城県ひたちなか市で予定されていた音楽フェスが、地元医師会から受け取った要請を受けて、中止を決断したという話である。

そもそもなんで医師会がこういうことを言ったのかという経緯をたどると、夏の屋外でのフェスということで、

熱中症での搬送も多く、一方で熱中症と新型コロナウイルスが症状が似ていて困るという話がもとよりあった。

こんなこともあって地元医師会に目を付けられてしまい、イベントが地域医療に与える影響を検討して要請を出したとみられる。

この要請は必ずしも中止を迫ったものではないが、主催者の検討の結果、中止に至ったようである。

主催者の説明も悪いのだが、今後も地域医療機関との協力体勢を維持するためには、これが最善という判断だったんじゃないだろうか。


この中で会場外でのリスクについて言及されていたが、酒類提供停止が長引いているだけに、現実的な懸念になってるのかなと思う。

東京から川崎に行った程度の越境で酒盛りは難しい。(もっとも神奈川県は原則提供停止に例外を設ける予定らしいが)

ところが茨城県まで行ってしまえば、それは現状の茨城県の蔓延状況などから飲食店の営業には制限がないはず。

ここで客や関係者が自らを律することができればよいのだが、そこまで行儀はよくないと思ったのだろう。

まぁ実際のところ、蔓延度の低い地域で油断していたら飛び火して集団感染なんていうのは今までなんども起きていて、

これまで類似するイベントで大丈夫だったとしても、変異株に酒類提供停止で対抗したという状況の変化は軽視できない。

このあたりはオリンピックで無観客化など要望した北海道・福島県・茨城県にも通ずるところはあると思う。


とりあえず、この先のオリンピック開幕合わせの4連休からお盆休みにかけて、

人々の警戒を促すという効果は期待してもいいんだと思う。

ただ、それだけで本当に効果があればこんなことにはなっていないわけだし……

緊急事態宣言の出口は見通せなくなったなと思う。今までも課題は多かったがなおさら厳しくなった。

ウイルスの変異の恐ろしさかなぁ。

京都で工芸に触れてから帰る

7泊8日という長い旅行だったが帰ってきた。

結局のところ、今日の午前中は曇りぐらいで、

全体にして見れば、どうにも困るほどの雨はおとといぐらいの話だったようだ。

播但線が止まったのは痛かったが、それを言えば中国地方なんて交通網ズタズタの状態が続いてるからね。


というわけで最終日は京都国立近代美術館に行って、見て、帰るだけという感じ。

宿が河原町三条だったので、三条通を歩いて行き来していた。

この点で狙った立地ではあったのだが、河原町から東山までだと電車で言えば2駅間、

わざわざ電車に乗るのはアホらしいが、そんなに近いわけでもない、微妙な距離感である。


今回の旅行が7泊8日と長くなった要因の1つがこれで、

今日から「モダンクラフトクロニクル」という特別展が始まるのに合わせたのだった。

これがすさまじい展覧会で、1階までがっつり展示物を並べて、3階へ至る階段の踊り場みたいなところにも少し展示物を置くほど。

この展覧会のテーマはタイトルの通り「近代工芸」ということなのだが、

実は京都に国立近代美術館の分館ができたのは工芸に注力した美術館が必要という理由があって、、

今回の展示物でも古い物には「国立近代美術館(東京)から管理換」なんて表記が見られるのはその経緯を表しているとも言える。

今も東京国立近代美術館は工芸作品の収集・展示をやっているけど、その主なところは金沢の国立工芸館に移っている。

しかし、それをさかのぼれば、京都分館に工芸と京都の芸術を注力させるということをやってるんですね。


全体としては焼き物が多いんですけど、布物も予想以上に多かったですね。

普段は展示方法の都合なんかもあってあまり多く展示できないけど、ここぞとばかりに出してきた感じか。

ところで工芸というのは実用品の芸術というところが本来の意味だったと思う。

実用品としての皿に意匠性を持たせた結果、芸術としての意味を持つというのが本来のところで、

それがこれは皿として実用する気はないだろうけど、皿としての体裁はあるとか、わりと古い時代はそこは重視されていたと思う。

ただ、展示物を見ると、比較的新しい時代のものは、機能を持たず鑑賞するだけが目的の工芸作品が多く展示されている印象だった。

これって工芸? と思ったことはあったが、工芸的手法を使っているということは工芸なのだと理解している。

そうしてみると奥深いなと思う。もちろん実用品としてもおもしろそうな作品もありますけどね。


なんてわけで、思った以上に楽しめた。これはここまで関西滞在を引き延ばした意味がありましたね。

河原町三条へ戻ってきて、昼食を食べて、宿に預けていた荷物を回収して、河原町通のバスで京都駅へ。

新幹線こだま号に乗り込んで帰ってきたが、山陽新幹線方面からくる列車は遅れてましたね。

その遅れた列車との関係で4分遅れで出て、この先の通過待ちとかで遅れが広がるかと思ったが、

結局は定刻での到着で、ここら辺は東海道新幹線の繊細さを感じましたね。

(実際のところ、こだま号は車両性能をフルに使う前提ではないわけで、調整余地はあったんだろう)


帰ったら旅先から自分宛に送った郵便がいくつも届いていた。

これだけの長旅なら本人より先に着いちゃうのも仕方ない。あと1通は明日かな。

白鷺城から中之島

今朝の姫路は小雨が降ったり降らなかったり。

まぁ午前中はまだ交通網は混乱していたようだけど、散策する分には問題はない。


というわけでやってきたのは姫路城ですね。

ここに来るのは2回目。かつて高専専攻科時代に研修旅行で来たが、当時は工事中だった。

工事が完成してきれいになった姫路城が再公開されたのは2015年の頃。

確かこの頃に新幹線の姫路駅を使ったときに、駅から白い姫路城が見えたことを覚えている。

それで今日、大手前通りを歩いて姫路城に歩きながら思ったのは、あの頃よりだいぶ黒くなった? ってこと。


姫路城の白さは漆喰をふんだんに使っていることがあり、特に瓦の間を漆喰で埋めているのは特徴的で、

このことから完成直後の姫路城は壁も屋根も白い不思議な城で、これが白鷺城の別名につながっていることはよくわかった。

そこから6年ほど経って姫路城を見ると、当時ほどの白さはない。

そういえば、今回の修理では白さを保つために漆喰に防カビが行われたが、永続的なものではない。

よく観察してみると、風雨に直接晒される部分は黒ずんでいるが、ひさしの下などはまだまだ白いことがわかる。

また天守閣の周囲の建物は修理時期が少しずれているのか、防カビ効果かとても白いものもある。

修理直後ほど白くて驚くことはないけど、直接風雨に晒されない部分は壁含めてまだまだきれいですね。


天守閣が守りの拠点なのは言うまでもないことだが、中はひたすら武器庫である。

上がっても、武器を置いておくところと、外を見たり攻撃したりするものがひたすら続いている。

ところで、姫路城は「昭和の大修理」を経験しているが、天守閣は建造以来初めての解体修理が実施されたという。

これはとてつもない大がかりな工事だったのだが、なぜこんなことをしたのだろうか。

そのことは天守閣の中でも説明されてたのだが、心柱が傾くなどの問題が起きていたらしく、

これらを根本的に解決できるのは解体修理ということになったのだろう。


ところで姫路城の入場料金は1000円なのだが、好古園とのセット券は1050円と50円しか変わらない。

なんだこれ? と思ったのだが、城1000円+好古園310円の2割引だとこの金額になるんだそうで。

そんなわけで、好古園も見学していたのだが、この時期の庭園は緑が鮮やかである。

塀で仕切られた不思議な庭園だが、もともと武家屋敷の跡地を生かして作られた庭園なんだそうで。

(このことから庭園ではない部分がドラマの撮影などで使われることがあるらしい)


姫路から神戸(三宮)まで新快速で、阪神電車に乗り換えて大阪の福島で降りる。

なんで福島なんだって国立国際美術館に行くからだよ。

写真の特別展だと思っていたら、なんと特別展2本立てというびっくりなことになってた。

年間スケジュールが狂ったのを帳尻合わせした結果なんだろうか。

もちろんどっちも見たのだが、写真と「ヴィデオ彫刻」!? なんとも不思議な体験だった。

モニターなど映像を埋め込んだ立体物ってことですね。(立体物はなんでも彫刻に分類されることがしばしば)

コレクション展がお休みだったのは残念だったけど、こういう体験もよかったんじゃないか。


その後、京阪電車で京都へ向かって宿に入った。

明日で旅行は最終日。昼頃には出るので、長かった関西滞在ももうすぐ終わり。

雨の竹田城跡

朝起きて、雨の音がざあざあしている。

曇り~小雨ぐらいだと思ったんだけどなぁと、兵庫県の天気を見ると、昼頃には小降りになるようだ。

それならそんなに問題ないかと、朝食を取りに行き、有馬温泉を出ることに。


電車に乗ってやってきたのは三田駅、案外こっち方面への通勤・通学も多いらしい。

ここから、こうのとり号で福知山まで乗る。

こうのとり号といえば、かつては北近畿号というあんまりな名前だった。

コウノトリは但馬ゆかりの鳥で、兵庫県の鳥でもある。いかにも兵庫県を走る特急列車らしい。

ところがこの列車、大阪を出て尼崎から城崎温泉まで兵庫県内をひたすら走るのかと言えば、

この中間にある福知山というところは京都府なのである。ここら辺の府県界をあまり深く考えてもよくないけど。


福知山は本当の目的地ではなく、途中下車して昼食を買って、普通列車に乗り換える。

それで到着したのは和田山駅、この駅は特急停車駅だが、播但線への乗換待ちが長すぎるので、

それで乗換待ちが少なくなるように普通に乗り換えたと。ローカル線あるあるですね。

それでも20分待ちなんでけっこう長かったんですが。

その播但線で長い1駅間を走って竹田駅で降りる。ここから竹田城跡を見学しにいこうと。


それにしても雨が弱まる気配がない。どうも移動中に天気予報が変わって雨が続くらしい。

山陰では豪雨でひどいことになっているので、当然兵庫県も影響を受けているのだが……

とはいえ、竹田城跡へのルートはちゃんと整備されているしいけるだろうと行くことに。

竹田城は山城、ということで城跡へ至る道は登山道である。

徒歩40分ぐらいとあったが、急な階段で結局は30分かかった。

料金所で「よく上がってきましたね」と、ここぐらいしか屋根がないとのことで、ここで昼食を食べて、

そこから竹田城跡を散策したが、巨大な山城だなと思った。

城って平時は役所としての役割も多いわけだけど、南側は比較的広い土地が取られている。

雲海の中を浮かぶ「天空の城」の姿が知られる竹田城跡、もはや雨雲の中で眺めは散々だったが、

そのスケール感は実際に歩いてこそ感じられるものである。


帰りはトイレに寄ったら車道で降りるはめに。まぁ車とはまったくあわなかったけど。

こうして竹田駅に戻ってきたらびしょびしょで、コインロッカーに入れておいた荷物から着替えを出し、

着替えてそれなりにはなったが、これは宿で洗濯しないとなと。

(親元でギリギリまで洗濯して、特になんともなければ帰宅まで洗濯を先送りできる公算だった)

そんな具合に30分ちょっとの待ち時間を過ごし、寺前行き(姫路方面)の汽車に乗り込んだ。

列車に乗り込んでしばらく行くと運転士が「寺前から先、福崎付近で大雨のため徐行運転をしています」とのこと。

この播但線という路線は、寺前駅を境に姫路側が電車、和田山側が汽車になっている。

阪神・淡路大震災のときに迂回路として重宝された播但線・加古川線の2路線はその後、電化プロジェクトが動き、

加古川線は全区間が電化されたのだが、播但線はトンネルの都合、途中までの電化に留まった。

微妙な感じはするが、この寺前駅がちょうど播磨と但馬の境目付近なので、分断も一理あるかも知れない。

さらに寺前駅に進むと「大雨のため運転見合わせになりました」と。うーん。


とりあえず寺前駅にはたどり着いたが、動くんだろうかと、停車している電車で待ったのだが……

結果としてはこの電車は動かなかった。今日はもう運休にしてしまったのだ。

まぁ仕方ないなと思ったが、こんな微妙なところでどうしたものか。

困っていたら、同じ電車で待っていた人に声を掛けられた。タクシーに相乗りしないかと。

確かにそれしか手はないなとタクシーで姫路まで飛ばしたが、折半でもけっこうな金額だった。

こればかりは仕方ないんだけど、ちょっと痛い出費である。


これ、竹田駅出るときに気づいてたら、引き返して、竹田~姫路を新大阪経由で迂回にしたような気がするけど、

これは迂回分の運賃は取られないと思うけど、迂回乗車の特急券は自己負担のはず。

そう考えると折半のタクシー代とあまり変わらなかったかも知れないなとも思う。

リカバリー方法はいろいろあったが、どの方法もそれなりには金がかかるわけですよね。


そんなわけでもともと曇り~小雨と思っていたらこんなことになってしまった。

タクシー代という予定外の出費を除けば、あまり大きな問題はなかったとも言えるが。

ちなみに明日の播但線は午前中は終日運休だそうで。まぁ安全確認に時間がかかるから仕方ないね。

明日は姫路~神戸~大阪~京都と移動するが、まぁここはなんなり移動できるでしょう。

明日こそ小雨のはず。

六甲山上から六甲山を突き抜ける

今日は有馬温泉から六甲山へ向かう。

実は有馬温泉から六甲山へはロープウェイがある。これがポイントだったんですね。

そんなわけでロープウェイ乗り場へ行くのだが、そこまでの道がひたすら上り坂。

温泉街を出て、歩道もない道をひたすら上がっていく。(幸いにして車の通行は少ない)

この立地で「有馬温泉駅」というのもなぁと思った。近いと言えば近いんですが。


きっぷを買ってロープウェイに乗り込む。客は自分1人、車掌と2人で行く。

途中までは有馬温泉から市街地が広がる姿を見ながら上っていく。

こうして見てみると、六甲山地の向こう側というのはものすごい市街地が広がっていると気づく。

ただ、ある程度上ってしまうと、そこからはひたすら森の中を進む。西には姫路あたりが見えてるらしい。

山越え谷越えのロープウェイだった。

「今日はもやがなくてよかったですね。ひどい日だと脇にある木すら見えないほどの濃霧ですから」

天気の心配をしていたが、思っていたよりも眺めが楽しめてよかった。


さて、六甲山頂駅に到着、どうも話によると六甲山地の最高峰はここではないらしい。

ただ、公共交通で来られる最高峰はここということで、それでこういう駅名らしい。

このときは海側は霧がかかっていてよく見えなかったが、後に晴れたようでこちらの景色も楽しめた。

周辺の地図を見ると人工スキー場「六甲山スノーパーク」がある。そんな立地である。

六甲山上はバスが運行しており、特にロープウェイ六甲山頂駅~ケーブルカー六甲山上駅のバスは20分間隔という。

フリーきっぷを持っていたので便利に使っていた。こういうところは徒歩だと怖いことも多いからね。


というわけで六甲山での主な目的地である、六甲高山植物園にやってきた。

双眼鏡片手にいろいろ観察してたけど、マニアックな注力分野として食虫植物があるらしい。

説明にこうやって虫を捕らえますと書いてあるから、観察していると、花に虫が落ちる穴があったり。

うーん、怖いなぁ。食虫植物というのが栄養に乏しいところにあるもので、高山もその1つだってことですね。

今の時期はアジサイの仲間がいろいろ見頃、これは普通に美しい。そんなこんなで楽しんでいた。


さて、いろいろ寄り道をしつつ、六甲山の最終目的地はケーブルカーの六甲山上駅、

ここの展望台からは海側が一望できる。もうすっかり晴れて、ある程度遠くまで見通せるようになっていた。

目の前にはポートアイランドと六甲アイランドがよく見える。

双眼鏡で西に目を向けると、ほっそりした高いビルが。すぐにはわからなかったが、他の建物との位置関係からあべのハルカスであるとわかった。

東に目を向けると、神戸市街、ハーバーランドなどみえるが、須磨浦で途切れて、陸地が見える。

これは明石あたり? と思ったが、よく見てみると高い塔が。明石海峡大橋ですね。ということはその左は淡路島。

「100万ドルの夜景」とも言われる六甲山からの夜景、夜はピカピカしてるんだろうが、昼は昼でよい。

ところでここまでロープウェイのロープや鉄塔がいくつか見えていたのだが、

実はかつてはケーブルカーの六甲山上駅と有馬温泉方面のロープウェイの六甲山頂駅を結ぶロープウェイがあったらしい。

現在はバスで移動できる区間だし、実際それで問題なかったんだろう。景色はよかっただろうが。

ケーブルカーの駅に隣接して古ぼけたロープウェイの駅が見えるが、これがその名残である。


さて、ここから六甲ケーブルで降りる。ロープウェイは昨年購入の新車と言っていたが、こっちはレトロである。

実際、このケーブルカーの設備は相当古いんだそうで、ちょっと怖い音をさせながら走って行く。

ケーブルカーからの眺めも期待したが、木々が多すぎますね。

ケーブルカーを降りれば市バスで阪急六甲駅へ。このバスは山肌に貼り付いた神戸大学へのアクセス路線としても知られる。

六甲駅の近くで高校生が大挙して乗ってきたが、この人たちは六甲駅で降りないで先に行く。

一方で山の上の方から乗ってきた人は大半が六甲駅で降りるので交錯することになる。

こうして六甲山とは比べものにならないぐらい賑わしい街へ降りてきた。


って有馬温泉側に降りなかったんかいって。

そうなんです。実は六甲・有馬片道乗車券という、通り抜け用(六甲山上バスは乗り放題)のきっぷだったんです。

でも宿は有馬温泉だから戻らないといけないのだが、ここで少し変わったルートを使う。

それが「さくらやまなみバス」という西宮市のコミュニティバスである。


昨日、バスで有馬温泉に到着してバス停を見ていたら「さくらやまなみバス」とあってびっくりした。

そもそも、このバスは盤滝トンネルを使って西宮市南部と北部(山口町)を結ぶバスである。

西宮市といえば、甲子園球場や西宮神社など、比較的海に近い地域から、山に貼り付いた地域のイメージが強いと思うが、

実は六甲山地を越えた向こうがわもあって、ここを結ぶ道路もある。

かつてはつづら折りの道しかなかったそうだが、トンネルを掘ってできたのが「西宮北有料道路」だった。

西宮の北へ至る道路ということか。ゆえにこの道路はトンネルの両側とも西宮市である。

この西宮北有料道路は多くの人に利用され、市内移動だけでなく、中国道の渋滞を逃れるのに使った人もいるかもしれない。

想定以上の利用から少し前倒しして無料化されたので、今は有料道路ではなくなっている。

で、この道路を使って西宮市を南北に結ぶバスこそが「さくらやまなみバス」だったんですね。


でも、なんでそのバスが有馬温泉(神戸市北区)にいたんだろう?

実は西宮市にとってみれば神戸市北区有馬町は西宮市に少し食い込むような形になっていて、

有馬温泉に寄ってもそんなに遠回りにはならないし、あとなんやかんや市内も通るのである。

なので1時間1~2本のバスのおよそ半分が有馬温泉経由、半分は真っ直ぐ金仙寺経由で走る。

路線図見てもよくわからない感じがするのだが、時刻表を見てみるとわかる。

西宮市内の移動用であるとともに、有馬温泉へのレジャー利用も少し想定していると。


ただ、基本的には西宮市の生活路線なので、有馬温泉へのアクセスに便利な時間に走ってるとは必ずしも言えない。

実際、昨日の大阪発・有馬着の時間だとちょうどいいバスがなかった。

時間さえ合えば、難波~阪神西宮(西宮戎バス停)~有馬温泉が安くて早くてよかったと思うんだけどね。

地図で見ると、なるほど確かに近いというルートなので、使えればそれは便利でしょうよ。


というわけで六甲山を越えて、六甲山地を突き抜けて帰ってきたわけですね。

明日は有馬温泉を離れて全く別の方向へ向かう。思っていたより厳しい移動になりそうだ。

天気は……曇りから小雨ぐらいですかね。これならよさそうですね。

難波から有馬温泉

今日は半ば移動日という感じだった。

というのも、今日まで親元で2泊して、今日から有馬温泉で2泊するから。

その間にさほど行くところもなく、でも何もしないのももったいないし。

というところで映画鑑賞に行くことにした。わざわざ大阪まで行って見ることに意味は無いが。


そんなわけでやってきたのは なんばパークスシネマ である。

初めて来たんですけどね。迷いそうになりながらたどりついた。

この映画館ってもともと松竹と東映が道頓堀で営業してた映画館が集約移転した経緯があったそうで、

「月イチ歌舞伎」だって、歌舞伎の映画の宣伝が貼ってあった。(歌舞伎の興行は松竹がほぼ独占)

それにしてもちょっとくたびれた感じがするのはなんでだろうな。

2007年開業だから、すごい新しいわけではないけど。


映画鑑賞して、パークスで昼食を食べる。

平日なら映画の半券を見せればなにか特典があるとのことで、僕が入った店では単純に値引きだった。

平日だけってのがケチくさいと思ったけど、恩恵は大きかった。


さて、ここから有馬温泉に行くのに、確か大阪からバスが出てたよなと昨日調べると、

なんとOCATからバスが出ていること、そして予約制であることがわかった。

JRバスなので高速バスネットでサクッと予約しておいて、OCATへ向かった。

バスがやってくるも乗客は自分1人、どうも三宮経由らしい。

三宮経由ってことは四国方面のバスでおなじみの道を走って三宮へ。

その三宮でも乗客がなく(普段は数人乗ってくるものらしい)、新神戸トンネルを経て有馬温泉へ。

大阪からの直行バスに乗った割には……というルートだったが、JRバスのメインは三宮~有馬温泉らしく、そのオマケですね。


それで予約していた宿に到着して、食事付きだったので夕食・朝食の時間を2泊分確認された。

結局のところ、夕食も朝食も弁当で、まさに「巣ごもりプラン」。でも、それが一番安心だよねと。

それにしても有馬温泉で食事付きのプランで宿泊するというとけっこうしそうなものだが、えらく安かった。

部屋に定価表が置いてあって、平日ならばもともとリーズナブルな価格設定だと思ったが、

その価格のさらに4割引ぐらいで、素泊まりならともかく食事付きですからね。

それで客も少ないんだから、商売としてはかなり苦しそうなところだが。

まぁ温泉に浸かってゆったりできるのはうれしいのだけどね。


そんなこんなで2泊するわけだが、明日は有馬温泉起点で観光に出かける。

天気は心配だったのだが、明日は曇りの予報ですね。

これならなんとかなるかな。