機関車はやめて牽引車を買う

日本で列車と言えば大半は電車、一部にディーゼルカー、

でも大昔には機関車が客車を引っ張る列車もそれなりにあった。

貨物列車は基本的には機関車が貨車を引くんですけど、

旅客列車では観光列車かそれに限りなく近い列車で残る程度である。

世界的にも機関車+客車から電車・ディーゼルカーへの置き換えの方向ではある。

ただ、低コストであるなどの理由で一定程度残っている地域が多いらしい。


日本で客車列車がほとんど走らなくなったことには、

  • 高頻度に運行される通勤路線が多いこと (高頻度運転には不向き)
  • 省力化が求められたこと (機関車は折り返しの手間が多い)
  • 冷房の付いた客車がなかったこと
  • 貨物列車の運行が別会社になったこと
  • 寝台列車は比較的最後まで残ったが、新幹線・飛行機に代替されたこと

冷房を付けるぐらいなら、省力化して増発できる電車・ディーゼルカーを買うわと。


それでもJR貨物以外のJR各社は機関車を細々と維持してきた。

営業列車ではほとんど使わないが、回送列車や工事・除雪などの作業に使ってきた。

しかし、そうして維持してきた機関車も削減する流れが来ているようだ。

新型砕石輸送気動車および事業用電車の量産車新造について(pdf) (JR東日本)

代替として作る車両が2つ書いてある。

1つがGV-E197系電気式気動車、これは砕石輸送用のディーゼルカーである。

すでにディーゼルカーのレール輸送車を購入しており、この2つを合わせて工事用途で使われる機関車を代替出来るという算段らしい。

もう1つがE493系電車、これは牽引用電車ということで車両の回送や車庫内の入換作業で使われる機関車を代替するという。

もっともGV-E197系は砕石輸送用と言いつつ、牽引車部分だけを外して回送・入換作業に使えるようである。


これは少し前の話なのですが、JR西日本がキヤ143形気動車という除雪用ディーゼルカーを購入している。

新型ラッセル車両の投入について (JR西日本)

従来は除雪車というのは機関車にアタッチメントを付けて対応していた。

この除雪用ディーゼルカーはアタッチメントを切り離せるようになっている。

今のところ、試運転や展示を除けば、除雪以外の用途で使われたことはないと思うが、構想としてはあるらしい。


というわけでこれらの車両を導入することで、JR旅客各社の機関車は代替されていく方向である。

ちなみにJR東海はレール輸送車の購入により、機関車を全廃している。

もっとも、これらの車両は構造的には機関車に近い一面もある。

JR東日本が購入するE493系電車の目的は車両を牽引すること。

車両を牽引する鉄道車両を機関車というのではないのか?

特にJR西日本の購入したキヤ143形というのは、構造的にはほぼ機関車という話がある。

除雪車両として求められる性能を考えれば、そうならざるを得ないと。


しかし、あくまでも機関車ではないという。

運転方法を営業運転に使っている電車・ディーゼルカーに合わせていることが大きい。

すなわち営業運転で使わなくなった機関車を工事・回送・除雪などの用途で細々と使うとなると、そのための訓練が必要になる。

しかし、運転方法が普段使っている車両に似ていれば、特別な訓練は不要である。

その代わり、従来の機関車とそのまま同じ用途で使えるわけではない。

でもJR旅客各社にとって機関車を使う用途は限定されているのだから、そこに対応できれば問題ないのだ。

むしろ、その限定的な用途での利便性が高まればうれしいわけですよね。


なお、JR以外の私鉄・公営交通ではもうだいぶ前から機関車を持っていないことが多い。

貨物輸送がある会社は別なんですけどね。でも、それこそ本当に少ないので。

工事や除雪では保線用の機械(列車が走らない時間帯のみ使える)で対応したり、

車両の牽引ではそもそも自走で足りたり、営業用の車両に引かせたり。

ただ、意外なところで機関車を持っているところがあって、それが東京都である。

こんなレア車両があるのか……! 都営地下鉄を走る「赤い電気機関車」の謎 (ねとらぼ)

大江戸線の車両を浅草線の車庫に運んで点検するために使われる特殊な車両である。

しかし、これはシステム的には機関車というより牽引用電車でしょうね。


冒頭で「観光列車かそれに限りなく近い列車で残る程度」と書いたが、

それも蒸気機関車の保存活動に関連するものが多いのではないか。

蒸気機関車を営業運転で使うとなれば、それは必然的に客車列車である。

また蒸気機関車の回送にディーゼル機関車・電気機関車を使うことも多い。

例えば、横川→高崎で「SLぐんま よこかわ」が運行されているが、

実はその反対向きは「ELぐんま よこかわ」という電気機関車で引く列車である。

これは横川駅には転車台がないので蒸気機関車の方向転換ができない。

そのため横川→高崎の向きに蒸気機関車をセットして、蒸気機関車ごと電気機関車で引っ張っていく方式をとっている。

まぁ回送列車みたいなもんだが、これはこれで貴重な列車である。

その他、蒸気機関車のメンテナンス中に回送用のディーゼル機関車・電気機関車を使った観光列車が運転される例は各地で見られる。


それ以外の観光列車というと、トロッコ列車が多いですね。

京都鉄道博物館に行くと、蒸気機関車が保存されている傍らディーゼル機関車がいるが、

これは蒸気機関車の保存活動用でもあるのだが、嵯峨野トロッコ列車で使うという目的もあるという。梅小路が拠点なんですね。

冬を除いては概ね週6日(紅葉の時期は毎日)、保津峡沿いを観光客を乗せて走っている。

今やこれがもっとも乗りやすい客車列車では? (乗ったことないけど)


ただ、これらの目的で使っている機関車も老朽化してくるとやり方を考えなければならない。

JR西日本が買ったキヤ143形は試運転ではSLやまぐち号の客車(cf. 蒸気機関車が引くもの)を引いている。

蒸気機関車の回送あるいは代役としての牽引車というのも出てくるかも知れない。

特にJR西日本の除雪用ディーゼルカーは冬以外はこれといった使い道もないので、そういう目的は好都合に思えるところもある。


なお、JR九州はJR旅客各社の中で唯一、JRになってから機関車を買って現在も保有している。

クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の牽引用として買ったのがはじまりだが、

それとは別に買ったらしい。用途は不明だが、SL人吉(本来の運行ルートは被災して長期不通だがルート変更して運行は続いている)に関連する用途かも。

JR貨物の機関車と同型のものをカスタマイズしている。

実は、JR東日本も寝台特急の牽引用の機関車を買ったことがあったが、北斗星の廃止後に同型なのをよいことにJR貨物に売却している。

この当時はJR東日本が一部の貨物列車の運行を受託していたので、それで貨物を引く姿もしばしば見られたらしい。

ただ、寝台特急もなくなり、一転機関車を手放す方向に転換した。

このたび代替に必要な車両が揃うことになったと。

もっとも蒸気機関車の保存活動用など、ここにある車両では代替しがたいものもある。

機関車を大きく減らすことは確かだが、全廃とも単純には言えないと思う。

大型車の駐車マスを増やしたい

先日、東名ハイウェイバスで東京~名古屋を移動したが、

最初の休憩場所、足柄サービスエリアのバス駐車場所が前と違うことに気づいた。

大型車の駐車スペース確保のために駐車マスを再編した結果らしい。

その結果、従来よりトイレが少し遠くなって、今までの感覚でのんびりしてたのか小走りで戻る羽目になるひとがぽつぽついた。


最近では深夜帯にサービスエリア・パーキングエリアに大型車が溢れることが問題となっている。

休憩時間の確保が厳格になったこと。深夜割引の活用という背景がある。

その対策として大型車を多く駐車できるように拡充が進められている。

といっても土地が限られている中でできる対応というのは駐車マスの書換である。

休憩施設における大型車駐車マス拡充の取組みについて ~2021年度は大型車マスを約910台拡充、2022年度から2024年度までの3か年で大型車マス約1,500台の拡充を計画、うち2022年度までに約600台の拡充に着手予定~ (NEXCO中日本)

対策の主なところは、小型車駐車マスを小型車・大型車兼用に書き換えるというものである。

従来は小型車と大型車の駐車区域を大きく分けて、その中で駐車マスを設けていた。

ところがこれでは深夜に急増する大型車に対応できない。

だからといって小型車の駐車スペースを減らしてはこれも困る。

そこで小型車2台または大型車1台で利用できる駐車マスを増やしていると。

こうすると小型車専用のマスは従来よりだいぶ減るわけである。


ただ、ここで小型車が詰めて使ってくれないと兼用マスの意味はないと。

「兼用マス」のご利用にあたっては、まずは普通車、大型車それぞれの駐車マスを優先的にご利用いただき、それぞれの駐車マスが満車の場合に、「兼用マス」をご利用ください。「兼用マス」に普通車が1台駐車していると、大型車は駐車することができませんので、より多くのお客さまが駐車できるよう、普通車の縦列駐車にご協力をお願いいたします。

まずは専用マスを優先して使う。なければ小型車1台が駐車している兼用マスに入る。

それもなければ空いている兼用マスに前詰めで駐車すると。これが推奨である。

小型車専用があればそっちを優先してというのがまず重要ですね。


あと、従来は高速道路の駐車マスというと、前向き駐車を意図した物が多かった。

高速道路の逆走を防ぐために駐車マスは全て斜めなんですね。それで想定される向きが決まっていると。

ただ、利用者に聞くとバックで駐車して前進で発進する方が人気があるということで、最近はバック駐車に改められつつある

高速SAなどの斜め前向き駐車 要注意 新東名ではバック駐車に変更 事故起きやすいワケ (乗りものニュース)

理想的には前進で駐車して、そのまま通り抜けて前進で発進できるといいけど、

そうすると通路の数が多くなって、駐車台数が減ってしまいますから。

SA・PAの構造にもよるが、バック駐車を前提として駐車マスをV字に詰めて、駐車マスの数を増やしているところもあるようだ。


ともかく駐車場を有効に使うためには正しい駐車スペースを選ぶことが重要である。

バスだと専用の駐車マスが設けられているSA・PAが多いが、

そこをバス以外が使わないように、三角コーンなどが置かれていることがある。

前進で入って前進で出る場合、三角コーンを除けて駐車して、

駐車後に三角コーンを戻して、それで前から出ればそれでOKである。

もっとも、この前横着をして、三角コーンの置かれていない側からバックで入庫するというあまり見ないやり方をしてびっくりしたけど。


しかし、この大型車駐車マスを増やすための取り組みというのは、それはそれで大変なことだと思う。

やはりもともと大型・小型を大きく区分して、それで車両を振り分けてきたのに、

そこに兼用というのが加わるのはそれはそれで難しい。

構造的に対応可能であるか。場合によっては建物に手を入れるタイミングで駐車場のレイアウトをガラッと変えるとかそういうことも必要になる。

だから線の引き直しという単純な話でもないんですよね。

案内方法の工夫としては、曜日・時間帯によって、兼用マスの使い方をある程度決めておいて、それに応じて案内表示を変えるという方法もあるようだ。


そもそも長時間駐車が問題であるのは確かだが、SA・PAに頼らざるを得ない事情もあるのはそうなんですよね。

深夜割引の適正化という話はありますが、そうはいっても一定残るでしょうし。

税収は増えるが……

どうも2021年度の国の税収が過去最高を更新しそうらしい。

税収、過去最高ペース (日本経済新聞)

そもそも2020年度に税収は過去最高を更新しているので、2年連続で税収は堅調に伸びたということである。

でも、なんでこの状況で税収が伸びるのだろう? というのは気になる。


国の税収として大きいのが所得税・法人税・消費税である。

これらすべてが増収となっている。

これらは都道府県の税収とも関係が深く、(個人・法人)住民税・事業税・地方消費税はわりと類似している。

このため東京都も税収は過去最大となる見込みとのこと。

大阪府・愛知県なども税収は大きく増える見込みとのこと。


2020年度と2021年度の各税の増収要因を調べてみると、

  • 所得税(2020年度) : 株高の影響で株式譲渡所得が伸びる
  • 所得税(2021年度) : 2020年度に比べ雇用状況が改善し給与所得が伸びる
  • 法人税(2020年度・2021年度とも) : 製造業・情報通信業の業績が好調
  • 消費税(2020年度) : 消費税率変更(2019年10月~)の影響
  • 消費税(2021年度) : 物価高の影響で消費税も伸びる

とのことである。


物価高で消費税が増えるというのは言われて見ればそうか。

消費税という税金は稼いだときに課税されるのではなく、お金を使うときに課税されるものである。

過去に稼いだ金を取り崩しながら生活する人からは所得税は取れない。

所得税にしても各種の社会保険料にしても、現在稼いでる人に負担が集中してしまう。

そこを緩和しながら税収を稼ぐ方法として考えられたものと言える。

ただ、この仕組みは裏返せば、同じ稼ぎなら生活が苦しくなるほど税収が増えるというものなんですよね。

支出を切り詰めて餓死するよりは、貯蓄を崩してでも生存する選択をしたということで、

そのための金が捻出できるなら消費税は応分に支払わなければならない。


とはいえ、寄与度として大きいのは法人税である。

これは2020年度も2021年度も要因はあまり変わらず、製造業や情報通信業の業績がよいということである。

ただ、一方で飲食業・観光業では非常に経営が厳しいという話もある。

でも、それは法人税収の減収という形ではほとんど見えないんですね。

これは法人税というのは赤字の法人には発生しないためであろうと思う。

小規模で収益性に乏しい業者が多いから、もともと法人税に占める割合が低く、

そういう業者の経営が悪化しても法人税への影響は低いということではないか。

一方で、製造業や情報通信業はこれまでも多くの法人税を納めてきた。

こういう稼ぐ力を持っている事業者がさらに稼げるようになれば、税収は増える。

そういうことである。


よく自動車業界が、俺たちは多額の税金を納めていると自慢することがある。

それに対して赤字企業というのは、税金をろくに払わないので存在意義がないような気がするが、

実はそんなことはなくて、赤字企業も人を雇って給料を払っているからである。

赤字でもオーナーや銀行からの借入金で設備投資をして、売上があって、それで仕入や給料の支払いができれば、とりあえず事業は存続できる。

また中小企業には税制面などの優遇措置もあり、これも事業存続に寄与している。

このため、経営が悪化した大企業の中には資本金をいじって中小企業になろうとするものもいる。

JTB、1億円に減資へ 「中小企業扱い」で税負担軽減 (日本経済新聞)

そして、そういう企業に雇われている人は実は多いのである。

給料の支払いがあるということは、所得税も払うし、社会保険料も払う。


ただ、さっきも書いたように新型コロナウイルスの影響がある。

もともと収益性に乏しい業者の経営が悪化し、赤字とかそれに近い水準でギリギリ持っていた会社が存続が危ぶまれる状況になっている。

各種の助成金により雇用の維持に努めたので、すぐには問題は顕在化しなかった。


というわけで、法人税収が伸びているからといって、国全体として企業の稼ぎが増えているとは言えないわけである。

稼ぐ力のある企業と稼ぐ力に乏しい企業の二極化を表しているとみるべきかもしれない。

もともとそういう傾向はあったかもしれないけど、最近はさらに顕著だと。

その結果として税収が増えるのは悪い話ばかりでもないが……

ただ、この恩恵を受けられるか否かにより、貧富の差は広がっていくのは確かである。


これとは別の話ですが、全体的に社会保険料の負担が伸びている。

健康保険・介護保険といったところが高齢化の影響を受けているのが大きい。

額面上の給料が同じでも、社会保険料が増えれば、手取りは減るし、会社の人件費負担も増える。

これはサラリーマンの社会保険料が労使折半のため。

あと、年金受給者は年金の額面は大きく変わらずとも、社会保険料の負担増で手取りは減る。

もっとも税金も多く投入されているし、サラリーマンの負担割合が多いので、だいぶ軽減されているのは確かだが。

例えば、後期高齢者医療制度の場合、税金:支援金:保険料(75歳以上)=5:4:1で分担している。

支援金は74歳以下の健康保険料に含まれるが、多くはサラリーマンの支払う健康保険料である。


こういう形で稼ぐ力に乏しい企業、そこで薄給で働く労働者、貯蓄も年金も少ない高齢者は追い詰められているわけだが。

ただ、それすらも所得税の税収という形では見えないんですね。

2020年度すら株式譲渡所得で増収ということで覆い隠されてしまっているという。

稼げる会社はその利益を配当という形で投資家に還元できますからね。

気づいてみれば投資を通じて、稼げる企業の稼ぎが増えた恩恵を受ける人も増えていたのである。


もっとも税収が増えたところで国の予算は大赤字なのだが。

社会保障関係に費やす費用があまりに多いので、税収が12%も増えても全然間に合わないのである。

「社会保障費の負担増で手取りが減る」とは書いたが、一方で「税金も多く投入されている」と書いたのはこのことである。

これを減らしてしまうと、生活が立ちゆかなくなる人がたくさん出てしまう。

そうすると結局は生活保護という形で税金を投入しなければならなくなる。

だから税収という裏付けがないのに、社会保障費だけが増え続けたんですね。


最近気になることとしては、サラリーマンから個人事業主への流れがあること。

フリーランスだとかギグワーカーだとか、そういう雇用によらない働き方が増えていることである。

サラリーマンというのは、給与に応じた厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料を労使折半で払うことになる。

これに比べると自営業者の国民年金保険料・国民健康保険料は割安なんですよね。

雇用保険料はそもそも自営業者は対象外である。

自営業でサラリーマン以上に稼げる人にとってはより有利に働くと思うが。


ただ、いいことばかりではない。サラリーマンの社会保険にはある下記のようなものはないから。

  • 健康保険の傷病手当金
  • 障害厚生年金 (障害基礎年金より支給対象が広く、給付水準も高い)
  • 雇用保険の失業給付・育児休業給付金

こういうものを自営業者が備えようとすると、とても大変である。

なにより各種の社会保険制度というのはサラリーマンからの安定した保険料収入によって持っているところが多い。

これが失われると、税金の投入を増やすなどしなければならない。

サラリーマン向けの保険制度を自営業者にも拡大するような話はあるが、そこにはなかなか困難もあるのが実情である。

そういう意味でも雇用が維持される方がよいのだけど……

少し異質なバイクのナンバープレート

昨日、自動車のナンバープレートの話を書いたが、

我々がナンバープレートと呼ぶ物は制度上3つに分かれている。

  • 自動車登録番号標 (軽自動車・バイク以外の自動車)
  • 車両番号標 (軽自動車・排気量125cc超のバイク)
  • 課税標識 (排気量125cc以下のバイク、ミニカー、小型特殊自動車に市町村が発行)

厳密ではないところもあるが、だいたいこんな感じ。

課税標識は市町村が発行する物なので、全国で統一された形式は無い。

あと、小型特殊自動車では公道走行を前提としない車両で取り付けられることが多いのも特徴である。

道路を走行するのに必要なものではなく、課税対象を識別するのが目的のため。


では、自動車登録番号標と車両番号標は何が違うのか? という話だが、

三輪以上の軽自動車の車両番号標と自動車登録番号標はほとんど同じものである。

上段に地名・分類番号(現在は3桁)、下段にひらがな・個別番号(4桁)が並んでいる。

ただ、自動車登録番号標にはネジに封印がなされて、勝手に脱着できないルールがある。

そういうルールがなく、簡易に脱着可能なものが車両番号標ということらしい。

この背景には車両所有者に課せられた義務の違いもあって、

  • 軽自動車・バイク以外の自動車 → 登録
  • 三輪以上の軽自動車・二輪の小型自動車(排気量250cc超) → 検査
  • 二輪の軽自動車(排気量125cc超250cc以下) → 届出

といっても、「登録」も「検査」も一般には「車検」と一緒くたにされ、やることはほぼ同じなんですけどね。

歴史的に軽自動車は全て車検対象外だったことがあって、後から三輪以上は検査を受けろというルールになったので、こういう用語の違いがあるんだろうけど。


ナンバープレートのサイズは大板・中板・小板の3種類があるが、

大板・中板は形式は同じで、単純に大きさの違いですね。

大型自動車・特定中型自動車は大板、それ以外の三輪以上の軽自動車・自動車には中板が使われる。

問題は小板である。これは現在はバイクに適用されるが、明らかに見た目が違う。

ナンバープレートについて -ナンバープレートの種別と分類番号等- (大阪府自家用自動車連合協会)

  • 検査対象外軽自動車(排気量125cc超250cc以下のバイク)
     上段に分類番号(1桁)・地名・ひらがな、下段に個別番号(4桁)
  • 二輪の小型自動車(排気量250cc超のバイク)
     上段に地名・(地域によりアルファベット)・ひらがな、下段に個別番号(4桁)
  • 1974年までに新規登録された検査対象軽自動車(三輪以上の軽自動車)
     上段に分類番号(2桁)・地名・ひらがな、下段に個別番号(4桁)

最後のやつはかなりレアである。

なぜならば1975年以降に新規登録された三輪以上の軽自動車は現在と同じ中板の黄色いナンバープレートを付けていて、

なおかつ1973年までは三輪以上の軽自動車も検査対象外だったから。

(もっとも1973年までに登録された三輪以上の軽自動車も1974年以降は検査対象)

この過渡期に発行されたナンバープレートか、あるいは1974年までに初回登録された車が住所変更などでナンバー変更が必要になったときだけ発生すると。

もっとも、この2つの違いは分類番号が1桁か2桁かということだけですが。

現在も発行が続くのはナンバープレートの取り付け穴が小板用しかないことへの配慮らしい。


この中で異質なのが、二輪の小型自動車のナンバープレートで、これは分類番号が無いんですね。

他は分類番号が1桁・2桁・3桁という違いや、ナンバープレートの文字の並びは違うが、地名・分類番号・ひらがな・個別番号で構成されることは同じである。

しかし、分類番号がなくて、他の桁数が同じだと早く枯渇してしまう。

そこで、「多摩C あ」のように地名とひらがなの間にアルファベットが入っていることがある。

「多摩C」という地名のように見えるが、ひらがな部分の拡張という位置づけらしい。

最近は「足立L」というのが発生してるらしい。「足立」「足立C」を使い切ったため。


二輪の軽自動車も分類番号が1桁なので枯渇に弱そうに見えるが……

もともと「1」が二輪、「3」が三輪、「6」が四輪貨物、「8」が四輪乗用だった。

上に書いた事情で3・6・8は新規発行が止まっている。

隙間を空けているのは枯渇対策で、実際「1」が枯渇した地域では「2」が二輪用に使われている。

他の数字が新規に使われることはないので「4」など使うのは問題ないだろうし、

小板には2桁の分類番号も書けるので、それでも不足すれば「1□」など使うのかも。

(2桁時代の貨物自動車の分類番号と被りそうだが、形状が違う上に「11」以外はほぼ未使用なので問題はなさそうだが)


というわけで、制度上の呼び名の違い、形状の違いというのはあるものの、

排気量250cc超のバイク以外のナンバープレートを除けばほぼ同じと言えそうだ。

なぜ、ここだけ全然違う形式になったのかはよくわからないんだけどね。

台数は多くないと思ったのかも知れないが、結局は「多摩C」「足立L」みたいなのが発生しているわけで、ちょっと甘い気はしますがね。

同じバイクでも125cc超250cc以下に分類番号があるのは、軽自動車の番号体系に従っているということである。


ところでここまで「三輪以上の軽自動車」という言葉がしばしば出てきた。

現在の制度では三輪と四輪はナンバープレートや検査のシステムは同じであると。

ところが街中で三輪自動車を見ても、黄色いナンバープレートを付けてるのはないんですよね。

実は現在日本で使われている三輪自動車というのは、この4タイプのいずれかにあたることが大半のためである。

  • 排気量50cc以下で車室がなく輪距500mm以下の三輪以上の車 → 原動機付自転車(二輪扱い)
  • 排気量50cc以下で上に該当しない三輪以上の車 → ミニカー(原動機付自転車の一種)
  • 排気量50cc超250cc以下で車室がない三輪車 → 二輪の軽自動車(側車付)
  • 排気量250cc超で車室がない三輪車 → 二輪の小型自動車(側車付)

ミニカーのことは知ってたけど、これは排気量50cc相当までなんですよね。

だから三輪以上でこれを超過すると、原動機付自転車のサイズ・出力に収まっても、黄色いナンバープレートを付ける軽自動車になると思い込んでいた。

(超小型モビリティはここをカバーする制度である)

ちなみにミニカーは普通自動車免許が必要で、道路上では四輪の自動車と同じ扱いである。


しかし、車室を設けないなどの条件を満たせば、側車付二輪車ということでバイク扱いになるんですね。

一方で運転免許としては、四輪の運転免許になるケースが多い。

  • 排気量50cc超の三輪車で車体を傾けて走行するタイプ(特定二輪車)
    → 普通自動二輪または大型自動二輪(排気量による)の運転免許が必要
  • 排気量50cc超で2輪駆動または2輪操舵の三輪車(特定二輪車以外)
    → 普通自動車の運転免許が必要
  • 上記以外(側車を切り離せる排気量50cc超のバイク)
    → 普通自動二輪または大型自動二輪(排気量による)の運転免許が必要

バイクのように転けない車で操縦性が四輪車に近い物は四輪扱いだと。

排気量250cc以下であれば二輪の軽自動車にあたり、検査対象外となり、維持費は安上がりとなる。

(定期的な点検はするにしても車検対象外だと費用は安上がり)

確か、市内で見た三輪車はこのタイプだったはず。


このタイプの三輪車はコンパクトで安上がりで、かつ荷物の運搬や同乗者を乗せるのに便利なのが魅力だが、問題は車室を設けられないこと。

すなわち側面は開いてないといけないんですよね。屋根は付けてもいいけど。

ヘルメットの着用義務はないけど、こういう構造の車でヘルメット無しで安全に運転できるかというと、これはまた別の問題がある。

だからといって車室を設けると、四輪の軽自動車と何も変わらなくなる。

このため排気量50cc超で車室のある三輪車というのは日本で新規に作られることは皆無なわけですね。

このあたりが超小型モビリティで何か変わるか? という話だけど、どうでしょうね?

希望ナンバーかそうでないか

この前の連休にだいぶ久しぶりに弟と会った。

転勤で親元との往来がだいぶ楽になったらしい。

もともと近畿圏ではあったんですけどね。年に1回も来る気が起きないぐらい遠かったらしい。


その弟が新しい自動車を買ったということで、「黄色枠の付いたデザインナンバーにしなかったのか」と聞くと、

希望ナンバーにすら金を払わないのに、デザインナンバーの寄付金なんて払うわけないだろうと。

弟の住所地のナンバープレートでは地方版デザインナンバープレートが導入されている。

けっこういいデザインだと思ったんだけどなぁ。

ちなみに黄色枠と書いたのは自家用の軽自動車だから。

ただ、未だにこの組み合わせは見たことが無い。

「多摩」の地方版デザインナンバープレートはないのもあるけど。

ラグビーとかオリンピックとかは見たけど、これは黄色枠ないし。


その話で少し話題になったのだが、ナンバープレートの分類番号から、

それが希望ナンバーであるか、希望せずなんとなく発番されたものか推定できるという話がある。

例えば、乗用の普通自動車だと分類番号は「3□□」が使われるが、

希望番号でない場合は「300」「301」……という順番で使われ、

希望番号の場合は「330」「331」……という順番で使われるのが普通だからである。

ただし、人気のあることが当初から想定されていた番号、例えば「88-88」の場合は、希望番号も「300」から使い始めている

こういう番号の場合は分類番号から推定するのは少し難しい。


このことを知らなかった父が「希望ナンバーで使い残された不人気な数字が、番号を希望しない場合に回ってくるのではないか」と言っていたのだが、

今のところはそういうことは起きていないようだ。

ただ、将来そのようなことが起きる可能性は否定できない。


ところでご存じの方も多いだろうが、最近は分類番号にアルファベットが現れるようになった。

分類番号として使えるアルファベットは「A・C・F・H・K・L・M・P・X・Y」の10種類、これは数字との判別を考慮して選ばれたものであろう。

IとOをスキップするのは当然として、Bも8に似ているとか、EはFと似ているとか、そういうことかな?

分類番号の1桁目の意味は今後も変わらないので、ここにアルファベットが来ることはない。

このアルファベットの分類番号は基本的に希望ナンバーで人気の多い番号で使われる……

と思っていたが、実は一部地域では軽自動車で番号希望を出さない場合にも使われている。


というのも乗用で四輪の軽自動車の分類番号はかなり窮屈なのだ。

小型自動車の分類番号の一部を切り出して使う形になっていて、従来は「58□」「59□」だけだった。

さすがにこれでは足りないということで「78□」「79□」も使われているという。

それも大半は希望ナンバーのために充てられている。

希望を出さないで割りあてられるのはわずかに「580」「581」「582」の3つしかなかった。

これを使い切ると「583」の使い残しを使うこともあるのでは?

と思ったが、実際にはこの次は「58A」となったそうだ。


ここで気になったけど、そういえば軽自動車ってこれまで分類番号の頭2桁で区分してたよねと。

2桁目にアルファベットが入る場合はどうなるのか?

という話だが、従来8・9が入っていた2桁目にP・X・Yが加わる形になるようだ。

今のところは乗用のみ発生していて「5X□」「5Y□」が使われているという。

アルファベット入りの「58□」は希望ナンバーには使われず、

希望ナンバーでは「59□」からアルファベット入りの番号が使われると。


軽自動車以外ではそこまで極端なことはないと思うけどね。

ただ、他にアルファベットが発生しているのが、乗用の普通自動車(3□□)だけど、

人気の番号を除いては「30□」のアルファベット入り番号は使わず、「31□」から使い始めみたいですね。

だから番号を希望しない場合で「329」まで使い切れば、その次は「30A」になるのかもしれない。

それはいつのことなのだろうか? (そもそも309に達している地域すらない)


なお、ナンバープレートの番号の使用状況は下記サイトにまとめられている。

ナンバープレート情報局

予備知識がないと理解しにくいだろうけど。

分類番号にアルファベットは最大2文字入りうるが、実際には1文字だけのパターンを優先して使っているので、まだ一般に見る機会はない。

ただ、発生していないわけではないらしく、それがレンタカーらしい。

レンタカーは通常、ひらがなに「わ」が使われる。

「れ」も使用可能だが高々2種類で、通常の自家用車に比べるとだいぶ限られる。

このためレンタカーで同じ希望ナンバーが大量に使われると、分類番号がものすごい勢いで回ってしまうらしい。


というわけで、将来はわからないけど、今のところは希望ナンバーとそうでないナンバーは類推できるという話だった。

将来というのも、軽自動車の58Aから類推するに、百年単位の余裕はあると思うが。

ああ、でも超小型モビリティ(軽自動車の一種)でものすごい番号が回る可能性はあるか。

その観点で見ても軽自動車がいちばんきついかもしれないですね。

ただ、希望ナンバーの方が先にきつくなるのは目に見えているし……

もしかしたら分類番号の1文字目にアルファベットが入る日が来るのかもね。

「M□□」は軽自動車とか。それぐらいあってもいいとは思うが。

国鉄時代の最後の生き残りがここ?

ちょっと話題になっていたのですが。

JR西日本「やくも」381系に国鉄色リバイバル編成、上下各2本を運転 (マイナビニュース)

昔はこんな色の特急もいろいろ走っていましたが……

実は岡山~米子・出雲市で運行されているやくも号は、今となっては貴重な国鉄時代の特急車が使われる特急列車である。

本州あるいは電車では唯一の存在である。

2024年以降新型車両に置き換えられることが決定した。

このためこの形にこの色というのはもう見納めということで、話題になっている。


ちょっと前まではこんなの各地で走ってたのになぁと思うかも知れないが、

やはり老朽化は問題であって、特急として求められるサービスレベルを考えれば、新車への置き換えが進むのは必然だった。

JR西日本だと北陸新幹線の一部開業で北陸を去った特急を改造したり、

JR東日本だと常磐線や中央本線の特急に新車を入れて、そこで浮いた車両を持っていったり、

老朽化した車両の置き換えを進めるのに好都合な要素はいろいろあった。


しかし、どうして国鉄型の特急電車最後の地が やくも号 になったのだろうか?

おそらく2つの理由があると思うのだが、1つはこの車両がアルミ製であること。

錆びないですから維持しやすい面はあったと思う。

もともとこの車両は くろしお号 でも走っていたが、2012年以降、段階的に新車に置き換えられていった。

そこで余った車両は一時的に北近畿地区を走っていたことがある。

本格的には北陸新幹線の一部開業(2015年)の後に北陸を去った車両を改造して置き換えられたのだが、それを待つ間のつなぎだったんですね。

その役目を終えた車両はほとんど廃車されている。


もう1つはこの車両が振り子式車両だったということ。

カーブを安全に早く曲がるためには、車両を傾けて曲がるほうがよい。

遠心力には逆らわない方がよいということだとも言えるが。

そんなわけでカーブが多い路線の特急の高速化のためにしばしば使われる技術である。

もっとも車両が高価になりがちで、維持管理も大変というのが課題である。

このため、従来は振り子式車両を使っていた列車でもやめてしまったり、

あるいは最近のトレンドとしては、空気バネをつかって車両を傾ける技術で代替されることがある。

東海道新幹線(新幹線では比較的カーブが多い)のN700系で採用されて知ってる人も多いかもしれないが。

振り子式車両だと5°ぐらい傾けるが、空気バネだと2°ぐらいに留まる。

でも、コスト面では有利だし、それでも十分な効果が得られることが多いですから。


もともと381系はJR西日本では くろしお号 と やくも号 で使われてきた。

くろしお号については、振り子式車両をやめるという決断をした。

所要時間は若干延びたのだが、大阪市内~新宮でも5分程度の所要時間増で済んでおり、許容範囲という判断がなされたようだ。

振り子式車両導入時には40分ぐらいは短縮されたらしいから、恩恵は大きかったが、

それから時代を経て、車両性能が上がればそういうことも問題にはならなかったと。

なお、新型車両の一部は「パンダくろしお」ということで、アドベンチャーワールドとコラボレーションした装飾がされている。

昨年に白浜に行った時に乗りましたね。記念撮影する人も見たっけ。


そして最後に残ったのが やくも号 である。

JR四国から車両を借りてきて実験したりしていたのだが、結果的には「車上型の制御付自然振り子方式」の車両で置き換えることに決定した。

空気バネ式ではなく、遠心力で車両を傾ける車両を選んだということですね。

電車でこの方式を選択するのはけっこう久しぶりで、国内では25年ぶりのことだとか。


実はJR四国もぶち当たった問題なのだが――

あまりにカーブが多い路線では空気バネを駆動させるための空気が不足するらしい。

JR四国では高知方面の特急では空気バネ式は使えないという判断となり、振り子式車両を採用している。(これはディーゼルカー)

おそらくJR西日本もコスト面から空気バネ式の採用可否を慎重に検討したんだろうが、これは無理だとなったんでしょうね。

車両の置き換えに時間を要したのも、そのような厳しい路線だからというのはあるのかもね。


置き換え後の車両は大幅に快適になるはずである。

エチケット袋も見納めに? 特急「やくも」381系引退で 追求される「酔わない工夫」 (乗りものニュース)

現在のやくも号、かつてのくろしお号にはエチケット袋が備え付けられていたという。

鉄道でこういうのが備え付けられるのは異例なのだが、それだけ乗り物酔いが多いのだという。

理由は車両を傾けるのが完全に遠心力頼みのため。

カーブ進入時に不自然な揺れが発生するのだという。

この問題を打開するために開発されたのが「制御付自然振り子方式」で、傾斜を適切にコントロールして乗り心地を改善したと。

未だに従来型の自然振り子方式の車両が残っていたことの方が問題かも知れない。

最新鋭の制御方式により、快適な車両になることは確かではないか。


なお、冒頭で国鉄時代の特急車は「本州あるいは電車では唯一の存在」と書いたが、

JR北海道・四国・九州のディーゼルカーでは一部残っている。

これらも老朽化という課題はあり、第一線からは退きつつある。

ただ、四国・九州では観光列車に転用されたものも多い。

観光列車は週末だけとか1日1往復だけとか比較的走行距離が少ないので。

そういうところで余生を送っているうちは全廃はまだ先なんだろうけど。

外国人も意外と自由に働けるが……

これ自体はどうかと思うが、こういうことは珍しくないのでは? と思った話。

吉野家 採用説明会で外国籍との判断を理由に大学生の参加断る (NHK)

採用説明会に参加申込みをしてきた人が、実際には日本人だが、外国人だと思って門前払いしたという内容である。

その背景としてはこういうことがあるそう。

過去に外国籍の学生に内定を出した際、就労ビザが取得できずに内定を取り消さざるをえないケースがあったためとしていて、外国籍とみられる学生に対しては、2021年の1月ごろから同様の対応を取っていたということです。

日本人だからそもそも関係なかったのだが。


外国人といっても在留資格はいろいろである。

就労を前提とした在留資格、原則就労できない在留資格、どちらもあり得る在留資格がある。

就職活動をする学校卒業(予定)者の在留資格というのはだいたいこんなところでは?

  1. 永住者・特別永住者
  2. 定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等
  3. 家族滞在
  4. 留学

1.については日本国内の活動に制限がなく、在留期間の定めもないため、日本人と区別する必要性はあまりない。

2.については在留期間が定められている(更新が必要)なこと以外は1.に準ずる。

いずれにせよ日本人と区別する必要性は薄い。

会社は在留カードを確認して届出を出すだけでよく、在留資格の変更すら不要である。

外国人と一口にいうけど、1.または2.に該当するケースはけっこう多い。

中長期在留者(特別永住者は含まない)の4割が1.または2.に該当するわけですから。


難しいのはここから。

3.については家族滞在の在留資格のままでは原則として就労はできない。

しかし、17歳までに日本に入国し、日本の高校を卒業して、就職先が決まっている場合は、定住者(日本の小学校を卒業している場合)または特定活動(それ以外)の在留資格が取得できるケースが多い。

「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦での就労を希望する方へ (出入国在留管理庁)

定住者であれば日本での活動に制限はなく、特定活動もほぼ制限無し(風俗営業関係での就労以外)となる。

なお、これは大学進学を機に在留資格を家族滞在→留学に変更したケースも含まれる。

家族滞在とそれに類似するケースは日本人と区別する必要性は薄いが、十分な確認が必要である。


問題が4.で、現状が留学で滞在している外国人が日本で就職するとすると、基本的には「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得することになる。

このためには大学卒業レベルの知識を使い、専攻分野に直結する業務でなければならない。

「就労ビザが取得できずに内定を取り消さざるをえないケースがあった」というのは、ここが不十分であったためと考えられる。

このあたりは会社の業務内容にもよると思うのだけど、吉野家のような飲食業というのはどうしても厳しく見られるところなんじゃないかと思う。

最近では「本邦の大学・大学院で習得した知識及び高い日本語能力を活用した業務に従事する場合」に特定活動の在留資格が出るようになった。

従来は認められにくかったサービス業への就職の選択肢を増やすもので、吉野家においても活用が検討されてもよいと思うが、それなりの制限はあると思う。


このため応募者が外国人である場合は、適切な在留資格の取得が可能であるか、活動内容に制限がある場合は採用後の業務内容も考える必要がある。

このためには国籍・在留資格・滞在歴について知る必要があるが、正面から聞くのははばかられる事情もある。

公正な採用選考の基本 (厚生労働省)

採用選考で聞いてはいけない典型的事項として「本籍・出生地に関すること」「家族に関すること」ということがある。

もちろん外国人留学生を採用する場合に、在留資格の取得が可能であるかどうかは採用にとって重要なことではあるので、これを確認することには合理性はあると思う。

しかし、一般的には国籍・在留資格・滞在歴というのは聞くべきことではない。

このため、厚生労働省が推奨する応募用紙(履歴書)にはこれらを記載する欄は無い。

(以前は中学・高校卒業者には保護者名を記載する欄があったが、これも消えた)


こうなった会社がとりうる選択肢というのは実に限られるものである。

氏名・住所・学歴など履歴書に通常記載されるような内容から、就職可否を判断するということになる。

もっとも適切な在留資格で働けるかどうかは本人の責任でしょうけど。

在留資格の取得可否は、応募者から相談するべきことかもしれない。

ただ、適切な在留資格が取得できず内定取消となれば、会社の採用計画が狂うことに違いはない。

これは会社にとっても困った話であり、どうしても保守的な判断をしなければならないというのは理解できる面もある。


今回は日本人を外国人と誤解して、説明会への参加を断るというずさんな内容であったものの、

しかし選考の中で、このような判断が行われることは実は珍しくないのではないかとも思う。

露骨に門前払いしては角が立つが、採用可否の理由は通常示す必要はないので、こっそり外国人らしき人には厳しい基準を適用している可能性は否定できない。

実際には外国人といってもいろいろあって、在留資格や滞在歴によっては日本人と同じ自由な働き方ができるケースは本当に多いのである。

でも、そのことは履歴書に通常書くことではありませんから。

もしもそういうことを書かせたり、面接で聞けば、それこそ公正な採用選考にとって問題だと言われてしまう。


まず登録時に国籍・在留資格といった情報を記載してもらえば、

考慮不要な人は把握できるし、在留資格変更が必要な人に変更可否の確認のために質問をすることには合理性があると主張できる。

しかし、その範囲を超えて選考に使っては、不公正な採用選考となってしまう。

それぐらいは聞いてもいいんじゃないの? と思うんだけど、

過去に本籍地だとか出自に関わることが不公正な採用選考につながった事例があるのは確かで、なかなかこういうことは聞きにくいのである。


しかし、日本で暮らす外国人も増え、その背景も多様化している。

外国人といえば、特別永住者が相当割合を占めていたのは大昔の話でしょう。

外見的な情報から、国籍・在留資格・滞在歴を推し量ることは難しい。

適切に情報を取得することは、就職先の選択肢を増やし、生活の安定にもつながるのではないか?

このあたりのガイドラインは厚生労働省も出してくれていいと思うのだが。

うかつに聞くと不公正な採用選考ではないかと言われてしまいかねないので。


ちなみに中長期在留者で永住者の割合が多いことには、永住者の取得要件がだいたいこんな感じだからである。

  • 素行が善良であること
  • 独立した生計を営むことができる資産または技能を有していること
  • 引き続き10年以上日本に在留していること
  • 罰金・懲役刑を受けておらず、公的義務を履行していること
  • その在留資格の最長の在留期間で滞在していること

10年以上在留については5年間は就労可能な資格でないといけないとか、日本人や永住者との関係によって緩和条件があったりするのだが、

まぁおおざっぱにいえば、日本で職を得て真っ当に暮らしていれば、そのうち申請すれば永住者になれるということですね。

永住者になれば、転職の自由度が上がり、在留資格の更新手続きもなくなる。

配偶者や子も同時に永住者になるのが通常なので、これらの就職の自由度も上がることになる。

このようなメリットが大きいため、条件を満たせば永住者となる人は多いのだ。

このことが「外国人と一口にいうけど」と書いた理由なんですね。

LINE Payのクーポンの使いどき

いつものように新東名スーパーライナーで帰ってきた。

渋滞予測を見てバスは選んでいるけど、渋滞はまったくなかったですね。

陽気の中でタブレットPCで読書をしながらの帰宅だった。


帰ってきたら、ラクマ・ヤフオク・メルカリで注文した商品が1つずつ、それぞれ検品しては受取連絡、

株主総会の招集を確認して議決権行使してと……いろいろあるもんだな。

それで冷蔵庫には卵2個ぐらいしかないので、買い物に出かけたのだが……

本格的には明日にイトーヨーカドーで買うとして、今日は少しでいいやと比較的近くのスーパーで買うことに。


実はこのスーパー、LINE Payのクーポンを配っているのである。

現在のLINE Payのクーポンは何枚でもダウンロードできるが、1枚のクーポンは月1回しか使えない。

スーパーAでは3%引きの特典が月1回受けられ、スーパーBでは1%引きの特典が月1回受けられ……という感じ。

ということは理想的にはその月で一番たくさん買い物する日に使えばよいのだが、

これを見抜くのは難しいような気がする。

ちょっと迷ったがこのスーパーでは今日かなと思った。

1000円弱だけど、今月はもうこの店ではこれ以上の買い物はしないかな?


正直なところ、LINE Payのクーポンは使い所が難しい。

三井住友カードとチャージ&ペイの設定をしてあるから、LINE Payの残高を気にする必要はない。

ただ、クーポン併用でもないとわざわざLINE Payを使うものではない。

クーポンの存在自体を忘れていることもしばしばある。

この店はセミセルフレジをスルーするのにコード決済を使うから、PayPayか? と思ったところでLINE Payでクーポンがいいとか気づくんだけど。

大胆な見切り販売が狙い目


このあたりのクーポンはLINE Payの特色でもあるけど、なんとも微妙である。

チャージ&ペイが導入されていなければ、わざわざLINE Payの残高を積んでまで使おうとは思わないだろう。

もちろんこのためにクレジットカードを作るとも思えないので、福利厚生制度で作った三井住友カードを偶然持っていたことが全てである。

カードを維持するという観点ではチャージ&ペイという用途があること自体は悪い話ではないし、思いついたときに使うことはよいことなのだが。

京都市バスが共同運行をする理由

今日は奈良へ行ったが、結局はそこから京都まで足を伸ばすことに。

博物館・美術館と回ったわけですけど。

奈良博では大安寺の特別展、大安寺って今はそんなに大きくないよなと思ったらなんと奈良時代の4%の敷地しか残っていないから、それはそれでびっくり。

興福寺でもだいぶ減ったと思うけど、あれでもマシな方だなと思えるレベル。

旧境内の一部は都市化したが、一方で空き地で残っている部分はそこそこあるので、そこから雰囲気を感じ取ることはできるかもしれない。

歴史だけはあるので、奈良時代なら残る仏像を持ってきて展示していたが、

腕が失われたのを後で補ったので、元々何の仏像だったかは不詳だと「伝」と付いているのがけっこうあって、こういうのは学芸員も悩ましいところか。

そう、何の仏さまか知るには手の形が重要なのである。


さて、京都で地下鉄の駅を降りるときに、このことを案内するポスターが貼られていた。

民間バス事業者と共に運行する系統における乗車券等の取扱いについて (京都市交通局)

今年3月から市バスの3つの系統について、京都バス あるいは 西日本JRバス との共同運行を始めた。

共同運行といってもいろいろなスタイルがあるが、特徴は下記の通り。

  1. 市バスのバス停に複数社のバスが来る
  2. 系統番号は市バスの系統番号を各社掲げる
  3. 会社によらず230円均一だが、使える乗車券類は必ずしも統一されていない

市バスの路線の一部を他社の車両・乗務員で運転するという性格が強い。

しかし、運賃制度は市バスに揃えているというわけではない。


共同運行はこういう路線で観光路線か大学への通学路線ですね。

  • 北3系統(北大路バスターミナル~京都産業大学) : 市バス・京都バス
  • 86系統(梅小路公園~京都駅~平安神宮) : 市バス・京都バス
  • 快速立命館号/快速205系統 (京都駅~立命館大学) : 市バス・JRバス

各社で運賃制度を揃えているわけではないのだが、共通で使える乗車券も存在する。

基本運賃であれば、現金・市域共通回数券・PiTaPa・ICOCAは各社使える。

定期券は紙定期券は各社別だが、通勤・通学(大学生のみ)はICOCA定期券を発行している。

ICOCA定期券に限っては市バスの定期券で京都バス・JRバスも利用できるルールになっている。

これが大学への通学路線がターゲットになった理由であろう。

フリーきっぷについては、市バス均一区間が利用できるものは、京都バス・JRバスの均一区間であっても利用できる。

このため観光客にとってはそこまで意識せずに利用できる。(一部例外はある)

一番差が大きいのが、福祉乗車証・敬老乗車証で、市バス以外では限定的にしか利用できない。

なので通院・買い物を中心とした生活路線は共同運行の対象にならないのではないか。


それにしてもどうして京都市バスはこういうことを始めたのだろうか?

京都市に限らないが公営バスでは民間のバス会社への運行委託を行っていることが多い。

ところが最近はどこのバス会社も人手不足で、市バスからの委託を縮小する動きがある。

この状態で便数を維持するには、市が乗務員など雇って対応する必要があるが、どうしても委託していた頃よりも割高になる。

というわけで市バス全体の運行本数を減らして、経営状況を改善することにした。

観光客の数が減ったので、バッサリと減便できる路線もあるのだが、生活路線や通勤・通学路線は維持していかないといけない。

そこで考えられたのが他社との共同運行だという。


しかし、これは根本的な問題解決なんかね?

まず、共同運行というのは従来市バスの収入となっていたものが、共同運行先の会社に流れるということ。

定期券・フリーきっぷについては実績に応じて分配されるのだと思うが。

京都バス・JRバスはともに京都市バスの運行委託を受託している会社であり、

マンパワーを市バスからの受託に充てるか、市バスとの共同運行に充てるかと、という話になってきそうな気もするが。

ただ、市バスにも適正規模というものがあるだろうし、共同運行するバス会社にとっても自社路線とあわせて運行効率化の余地があるかもしれない。

お互いWin-Winだからこそ、共同運行をスタートできたはずだが。


この共同運行に関係してちょっと気になる路線がある。

京都バスの路線図を見ると「臨東山」「臨丸太町」というのがあるが、これは86系統の共同運行に伴ってできた路線らしい。

京都バス路線図 (pdf)

臨東山は京都駅~祇園~高野では市バス206系統とまるっきり被る。

臨丸太町は川端丸太町~嵯峨瀬戸川町と丸太町通をひた走るバスで、市バス93系統(錦林車庫~嵐山)の一部区間と被るがちょっと中途半端な感じがする。

こちらは市バスとの共同運行路線ではないのだが、市バスと被るのであわよくば乗って欲しいという雰囲気を見せている。

自分で作った巨大な墓

祖母のところを訪問したら、祖父の月命日なのでと一緒に墓参りに行くことに。

そういえばそうでしたか。

きっと透析を始めるに遅いと言うことはなかった

もう2年近く前ですよね。というわけでたどり着いた墓は思っていたのと違うところで……

どうも話を聞くと、従来あった先祖代々の墓は更地にして、合葬墓に集約したのだという。

確かに取り払った墓石がそのあたりに置いてあった。


集落にある寺の管理する墓地だが、その墓地の空き地に作ったらしい。

こんな空き地あったのか……と思ったのだが、言われて見れば空いてた気がする。

墓守も大変ということがあって、合葬墓を作る計画が出来て、多くの檀家が賛同してお金を出して作った墓だそうで、ここに祖父も関わっていたわけだ。

ゆえに、この墓というのは地域の墓であるとともに、自分で作った墓という一面もある。

家に戻って供養のときにとった写真を見せてもらったが、そこには祖父も写っていた。

そうして作った墓だから、もちろん自分も入ることを意識していたわけである。

祖母も亡くなったら、ここに入るのは決まっているのだと、もう名前が書いてあった。(そういうもんなのか?)


地域の墓といえば、ちょっと前にこんな話を書きましたね。

1つの墓の規模は大きくなるものの、数年で洗骨を経て骨の形で納めることになる。

骨の形にすると合葬が容易であり、複数人の骨を1つの壺に納めることも多かったという。

「門中」とかいうかなり広い一族、あるいは地域で共有の墓を持ち、

そこには風化を待つ遺体を納めた棺と、洗骨された遺骨を納めた厨子甕が納められているというわけである。

(それは風葬の墓だった)

一部の伝統的な墓には地域の墓という一面もあったりするらしい。

これは沖縄で伝統的に行われていた風葬のためには必須だったからだが。

その後、火葬が一般化し、内地と同じような感覚の先祖代々の墓を作ることも容易になったわけだが。


偶然かも知れないが、その合葬墓のある場所は特に眺めのよいところだった。

墓地というとどうしても狭いところに押し込められるイメージはあるが、

土地にもゆとりがあるからか、利用の難しい斜面をうまく利用して作ったからなのか。なかなかこんな墓地はないですからという話はしていた。

その中でも一等地が空き地として残されていたなんて……

という感じもあるが、区画を区切って使うにはあまり便利ではなかったのかもしれない。

確かにこれは個人の墓のサイズではないもんなぁ。


というわけで亡くなって今さら知る意外な事実だった。

まさか晩年にそんな巨大な墓穴を掘っていたとはね。