結局は鉄道管理局なんだなぁ

10月にJR西日本の支社の位置づけがかわるという話を書いた。

新組織の支社の意味が違う

北陸地区を除き、在来線の運行に関わる業務は近畿・中国の統括本部を中心とした体制になり、

これにより「国鉄時代の鉄道管理局をなんやかんやと継承した組織体制だったのが大きく変わることとなる」と書いた。


JR他社だとどうなのかという話だが、だいたい引き継いでいるらしい。

そんな中でもJR西日本と並んで事業規模が大きいのがJR東日本である。

関東甲信越から東北にかけて広大な路線網を管轄しているが……


JR東日本のルーツになった鉄道管理局は 盛岡・秋田・仙台・東京北・東京南・東京西・高崎・水戸・千葉・新潟・長野 と10局もある。

1969年に東京鉄道管理局はその業務量の多さから3局に分けられたそう。

もっとも3局に分かれたで分かれたで、とりまとめを行う首都圏本部というのが必要だったり、実務的にはどうなんだろうというのはあるけど。


まずJR東日本設立当初から現在まであるのだが、新潟支社と長野支社である。

東京北・東京南・東京西・高崎・水戸・千葉 の鉄道管理局は東京圏運行本部・東京圏営業本部に集約、

ただ、翌年には早々に 高崎支社・水戸支社・千葉支社が設立される。

結果的には鉄道管理局が支社として復活したということである。

その後、東京圏運行本部・東京圏営業本部は統合され、東京地域本社となっている。

盛岡・秋田・仙台の各鉄道管理局は東北地域本社となり、秋田・仙台は支店となったが、1998年には仙台支社・盛岡支社・秋田支社と横並びになっている。


東京北・東京南・東京西の各鉄道管理局を統合した形になった東京地域本社も、

  • 1996年: 概ね神奈川県内を横浜支社に
  • 1998年: 概ね多摩地域と山梨県を八王子支社に
  • 1998年: 東京地域本社を東京支社と改名
  • 2001年: 概ね埼玉県内を大宮支社に分離

という形で分離されていった。

実は東京南鉄道管理局は東海道線系統、すなわち神奈川県方面を担当、

東京北鉄道管理局は東北線系統、すなわち埼玉県方面を担当、

東京西鉄道管理局は中央線系統、すなわち多摩・山梨県方面を担当しており、

行政区分に従って分けただけに見えて、実は3つの鉄道管理局が復活したような形になっている。


当然、東京支社は引き続き存在しているが、山手線と常磐線(上野~取手)を除けば、

各路線の都心側少しだけ管轄しているような感じになっている。

行政区分に従って分けたらそうなっただけとも言えるのだけど。

ちなみに千葉支社の管轄はかつての千葉鉄道管理局を継承し、東京都にかなり入り込んでいる。

総武本線では両国まで、京葉線は潮見まで入っているそう。


一般の利用者が支社を意識する必要があるのか? という話もあるが、

かつてはJR東日本の各支社のWebサイトがあったり、けっこう目立つ存在だった。

しばしば見られる「中央線が好きだ。」というのは八王子支社のキャンペーンで、

そんなこんなでかなり存在感がある。

けっこう見るんだよね。そんな内部事情に興味ないでしょと思うんだけど。


なお、JR東日本も今年10月に組織変更を行っている。

各支社の管轄する範囲をベースに「首都圏」、「東北」、「新潟」の 3 つのエリアに区分けし、 東京支社を「首都圏本部」、仙台支社を「東北本部」とします。(略)

車両部門では、各支社に所属する車両センターおよび総合車両センターを首都圏本部・東北本部または新潟支社の現業機関とし(略)

(サステナブルな JR 東日本グループを創るための組織の改正について  (pdf) (JR東日本))

車両部門は広域化を意識しているのかなと思ったが、支社の形が大きく変わる話でもないらしい。

ああ、でも東京支社は首都圏本部、仙台支社は東北本部という名前に改名されているのか。

組織図上は首都圏本部・東北本部と各支社は並列関係にあるようだ。


他の会社ならともかく、JR東日本とJR西日本は事業エリアが広いですからね。

置かれた状況も似たようなところがあり、最終形は似たようなところになってくるんじゃないかと。

集約度の差はあるが、JR東日本は首都圏・東北、JR西日本は近畿・中国に大きくまとめたが、

しかしそんな中でもまとまらない新潟支社と金沢支社の存在があるのもまた特徴である。不思議なもんだね。

新組織の支社の意味が違う

10月になって組織変更という会社も多いだろうけど、これは規模が大きい話。

JR岡山支社 大幅縮小へ引っ越し 10月から所属社員20人に (山陽新聞)

JR西日本では組織変更で従来の支社をとりまとめる近畿統括本部・中国統括本部を設ける。

(近畿統括本部はすでに存在しているが、業務範囲が変わる)

これにより、従来の支社の多くは「地域共生、部門間連携、異常時への即応」といった業務のみを担うことになる。

それ以外の支社の機能は統括本部に集約される。

この結果、岡山支社の場合は約190人から約20人という大きな規模縮小になる。

ここには組織のスリム化により経費を削減するという意図もあるんだろうけど、

車両・乗務員が動き回るという鉄道の特徴もあったのではないかと思う。


そもそもJR各社の支社などの組織は、歴史をたどれば国鉄の鉄道管理局に行き着くことが多い。

JR西日本管内では、金沢・大阪・天王寺・福知山・岡山・米子・広島 とあった。

この鉄道管理局の区分というのは鉄道ネットワークを重視して、行政界と合わないところが多かった。

これがJR各社への移管前後で、行政界を意識した区分に変わっていったが、

金沢・福知山・岡山・米子・広島の各支社は各鉄道管理局を概ね継承している。

大阪・京都・神戸・和歌山の各支社はそう単純ではないのだが、

大阪支社は天王寺鉄道管理局のビルを継承していて、業務もかなり継承している。

大阪鉄道管理局の敷地はヨドバシカメラ梅田になり、組織も建物も解体されてしまったけど。


そんな感じで国鉄時代に比べると、地域密着型の組織に移り変わっていったが、

幹線では車両や乗務員が広域を動き回るから、地域別に細切れにすると不都合な面もある。

これが顕著なのが新幹線で、かつては新幹線の各組織もその地域の支社に属していたが、

JR西日本では2007年から山陽新幹線の組織を一元化している。

それが新幹線鉄道事業本部(10月からは山陽新幹線統括本部)である。

ローカル線では駅業務・車両基地・保線業務・乗務員基地を一体にして、機動性を高めた鉄道部なんて組織を置いている。

これはこれで効果はあったようだが、各部門が小所帯になるのは課題かも知れない。


そこで行き着いたのが10月からの組織体制なのかもしれない。

近畿圏では大阪・京都・神戸の各支社を束ねる近畿統括本部を置いて、

車両基地や保線関係などは統括本部の管轄にするようにしていた。

車両基地の組織も集約され、吹田総合車両所と網干総合車両所の2つにあらかたまとめられたという。

車庫自体はそのままで、各車両所の支所・派出所という位置づけになったということですが。

その目的というのは技術伝承・人材育成と書いてあったが、この体制に手応えがあったのか、駅業務・乗務員区なども統括本部に集約するようになり、

近畿統括本部では和歌山支社・福知山支社のエリアも集約対象に、

中国地方の3支社でも中国統括本部を設けて集約することになったということである。


一方で支社という組織はほとんどそのまま残るが、規模は大きく縮小される。

この支社の目的の1つが「地域共生」と書いてあるが、沿線自治体の対応業務だね。

先の山陽新聞の記事にはこう書かれている。

岡山支社は今後、利用が低迷しているローカル線の存廃を含めた在り方の検討や地元自治体との折衝、観光振興に専念し、管轄エリアも岡山県と広島県東部などから岡山県内のみとなる。

運行に関わる業務を担わなくなるので、その担当範囲は行政区分に合わせるようになると。

そのことを意識してか支社名も大阪支社→阪奈支社、京都支社→京滋支社、米子支社→山陰支社などなっている。

ともあれ、こういう業務は統括本部で取り扱うにはそぐわないということか。


もう1つの業務が「部門間連携」「異常時への即応」なんてあるが、

各支社は大きく縮小されるが、一方で統括本部の管轄下の組織は各地に分散しておかれるので、

それを地域別に束ねる役割を支社に持たせているということではないか。

さっき岡山支社が約190人から約20人に大きく縮小されるとは書いたが、

実際には統括本部の組織に所属して、従来の支社のビルで勤務する人もいる。

駅・車両基地・乗務員区・保線関係の事務所に勤める人は変わらないのだし。


ところでこれらの体制変更の影響を受けていない支社が1つある。

それが金沢支社である。ここは地域内の全ての組織を統轄し、その中には北陸新幹線関係の業務もある。

北陸エリアだけでもひとまとまりという事情もあるんだろうし、

さらに言うと北陸新幹線の金沢~敦賀が開通すると、北陸本線の業務がごっそり抜けることになる。

そのときにはまた組織変更もあるかもしれないが、今のところはこれでOKとしたのか。


そんなわけで国鉄時代の鉄道管理局をなんやかんやと継承した組織体制だったのが大きく変わることとなる。

特に福知山支社は新体制では地域共生に関する業務が抜けたこともあってか、福知山管理部という名前になる。

(おそらく行政界に応じて、京滋支社・兵庫支社で対応するからだろう)

他の支社はその意義は変わっても支社という名前には違いないが、ここは違いますから。

とはいえ、わざわざ管理部なんて組織をおくほどには福知山在勤の人は多いということなんだろうけど。


ところで、JR西日本にはここに書かれていない支社がもう1つある。

それが山口支社である。2019年に新設された新しい組織である。

支社とはいうものの、広島支社の下部組織なので、無視されていたとみられる。

その業務内容は地域対応とか部門間のとりまとめといったところらしく、

まさに新体制の支社に近いが、10月以降も存続しているのか?


どこの会社も技術伝承というのは大きな課題ではあって、

そんな中で人員配置を見直すのは避けられない流れだったとみられる。

どうしてもJR西日本の経営難と結びつけて見られてしまうのかもしれないけど、

こういう体制変更は遅かれ早かれという感じはしましたね。

ローカル線の組織を一体化した鉄道部の解体もさらに進むのではないか。

というかもうすでにかなり解体が進んでるんですよね。

気づけば亀山鉄道部(関西本線非電化区間を管轄)もなくなってたし。

EX予約の受取は苦行

今日は某所に出張していた。

けっこう慌ただしい話で、出張が決まったのが昨日だったんですよね。

事前にハードウェアの準備も必要だったからなおさら。


この出張では東海道新幹線を利用しているのだが、

予定に応じて列車を選びやすいようにプライベートのEX予約を使うことに。

EX予約だと定価よりも割安だけど、特急券は領収書提出が必須だから、

EX予約で実際に支払った料金しか支払われないけど。

まぁJ-WESTカードエクスプレスの会費払ってるのはプライベート目的だし。

(といってもスマートEX会員でも同条件で使える早特を使うことが多いから年会費の意味あるのか?という話もある)


ところでEX予約は大きく「e特急券」と「EX-IC」に分けられる。

e特急券は乗車券を別に用意して特急券のみ購入するもの。

EX-ICは新幹線駅同士の乗車券・特急券がセットになっていてきっぷの受取が不要。

自分がエクスプレス会員になってから今まではEX-ICしか使ったことがなかった。

それで条件的に問題がなかったからだが、今回は検討の結果、e特急券を選ぶ方が誠実だと考えた。

まぁそれを決めてきっぷを手配してから後悔したんだけど。


EX-ICはきっぷの受取がいらないのはよいが、その特徴から新幹線の前後にきっぷは別手配となる。

EX-IC自体は乗車券+e特急券より少し安くなっているので、新幹線駅同士を使う場合はお得なのだが、前後にJR在来線に乗車する場合は単純ではない。

そこでここを試算するツールが提供されている。

EX予約運賃ナビ (EX予約)

前後にJR在来線に乗るとしても、まだEX-ICの方が安いケースはけっこうある。

うちから名古屋駅または京都駅まで乗車する場合はEX-ICの方がわずかに安い。

(名古屋駅または京都駅というのは近鉄との乗換などを想定している)

ただ、これはJR在来線を使うのが片側だけだからという面もある。


実は今回の出張は、JR在来線~新幹線~JR在来線という利用で、

これをEX予約運賃ナビにぶち込むと、乗車券+e特急券の方が安い。

どちらを選んだとしても、実際に払った運賃・料金を会社に請求するだけなのだが、

「e特急券を選ぶ方が誠実」ではあるので、それならばとこちらにすることに。

乗車券は会社で契約している ビジネスえきねっと で往復で手配して、

特急券はプライベートのEX予約でe特急券として手配した。


ただ、予約完了メールのこの記載を見て後悔してしまった。

きっぷの受取には、「EX-ICカード」または「受取コード」と「パスワード」が必要です。

昔はEX予約の受取はJ-WESTカードと暗証番号を使って行っていた。

ただ、2020年からシステム変更でこの方法が使えなくなった。

EX-ICカードまたは受取コード(Webで発行されるQRコードまたはそれに付記された16桁の記号)を使うことになった。

さらにこれに加えてEX予約のログインパスワードの入力が必要である。

ああ、そういえばそうだったと思い出して、頭を抱えてしまった。


というわけで実際どんな具合だったかという話である。

EX-ICカードは携帯しているのでそれでよいのだが、受取コードの発行を試してみた。

Webですぐ表示できるものだと思ったら、E-mailでワンタイムパスワードの発行が必要で、

さらに発行されたコードは1回表示されるだけで、スクリーンショットなどで保存する必要がある。

コードは予約毎に発行する必要はないが、有効期限は7日間である。

旅行ごとに発行して、スクリーンショットで保存しておくような感じですかね。

これだけでも相当めんどくさいわって感じだけど。


さらにこれだけでは受取ができない。パスワードも必要だからである。

2017年までEX予約のパスワードは数字4~8桁しか使えなかった。

これがWebのログインパスワードというから、さすがにそれはどうなんだと。

これがアルファベットと数字で4~8桁に改められた。

8桁までという制限を考えれば、ほぼランダムな文字列を使わないと強固にはならないだろう。

ただ、問題はそのパスワードを券売機に入力しなければならないということである。

登録するときに少し意識していて、アルファベットの大文字と小文字の混在はしないようにしていたのだが、なかなか覚えられるものではなく……

小さな紙に控えて、これを財布に入れて、見ながら入力することにした。


EX-ICだったら、カードを改札機にタッチするだけなのに、

e特急券だと券売機に寄る手間が増えるだけでなく、こういう仕込みも必要で、操作数も多いということで困ったということである。

これはなんとかならんのかねと。

少しでも安い方が誠実だろうと選んだはいいけど、EX-ICでも乗車券+指定席特急券より安いのだし、合理的に手間が省けるEX-ICでもよかったよねって。

予約した後に気づいてももう遅いのである。


ちなみにe5489の受取は現在もクレジットカードと暗証番号である。

今までもEX-ICよりも乗車券+e特急券の方が安くなるケースはあったのだが、

それが発生したのは西日本・九州管内ばかりで、この場合はe5489を優先的に使っている。

J-WEST会員であればe5489でeきっぷを手配しても、EX予約と同額だから。

特にここの差を意識していたわけではないが、J-WESTカードさえ忘れなければe5489の方がだいぶ楽である。

J-WESTカードを忘れると詰んでしまうのは問題なのだけど。


EX予約の不可解な仕様をまとめてみるとこんなところ。

  1. インターネットのログインパスワードが8桁で長く出来ない
    (覚えやすさと強固性を両立することが難しい)
  2. EX-ICカードを持参した人に受取時に上記と同じパスワードを求めるのは
    EX-ICならばタッチだけで乗車できるのに比べて厳しすぎる
  3. 受取コードはログインパスワードを入力しなければ発行できないのに、再度パスワード入力を求めるのは過剰
  4. 受取コードの取得にワンタイムパスワードが求められ、再表示ができないのでわざわざスクリーンショットを撮影しないと手間がかかる

インターネットのログイン用のパスワードの制限としては8桁ってのは厳しいんだよね。

2017年以前に比べたら改善されてはいるが、それでもどうかと思うところ。

それに対してきっぷ受取時に入力させるコードとしては異常に厳しい。

カードを持参した場合の確認用ならば4桁の暗証番号とかでも十分。

受取コードはWebサイトの認証を通過しないと発行されないのだから、再度パスワードを求めるのは過剰である。

こちらは本当に理解に苦しむのだが、おそらくコードを紙に印刷して使う人への配慮なのかなと。

有効期限7日間と長く、複数回利用できるものなので、利用時の認証を要すると考えているということである。

とはいえ、今どきはスマートフォンを持っている人も多いわけで、

そうするとスクリーンショットで保存する手間の方が気になってしまう。


上記の2.と3.については簡単なパスワード、例えば4桁の数字などに設定できる。

ただ、そうするとインターネットのログインパスワードまで引っ張られる。

8桁でも強固にするのが難しいのに、それを数字4桁ではあまりにひどい。

これは本当に困った仕様だと思う。なんとかならんもんかね。


上で書いた不可解な事項の2.~4.についてはEX-ICでの乗車時は問題にならない。

このようなことを考えると基本的にEX-ICを使うべしという結論になる。

僕の場合、名古屋駅か京都駅までの利用が大半を占めていて、

それもだいたいはEX早特の類だったりするけど、定価でもEX-ICの方が安いので、

それならEX-IC使っておけばいいですねって話になる。

今回の出張もEX-ICの方が若干高いが、手間を考えれば許容範囲だろう。

ただ、区間によっては乗車券+e特急券に比べてEX-ICが著しく不利なこともある。

そうなるとこの苦行に耐えなければならない。本当に勘弁して欲しい。

新幹線にあわせて改名する

今日は西九州新幹線の開業日だけど。

複乗できるという意味らしい

ちらっと書いたが、あわせて肥前山口駅が江北駅に改名される。

駅ができた時点では山口村だったのだが、1932年には合併で江北町になっており、

町制70周年ということで改名を申し入れたという経緯があるそう。

新幹線開通というのはそもそも運賃表などの貼り替えやシステム改修が幅広く行われるため、駅名変更には好都合である。


調べてみるとけっこう新幹線駅やその周辺での改名は多いようで、

  • 2002年12月(東北新幹線 盛岡~八戸開業)
    • 沼宮内 → いわて沼宮内(在来線はIGRいわて銀河鉄道に移管・新幹線併設)
    • 奥中山 → 奥中山高原 (IGRいわて銀河鉄道に移管)
    • 種差 → 種差海岸 (JR八戸線)
  • 2004年3月(九州新幹線 新八代~鹿児島中央開業)
    • 西鹿児島 → 鹿児島中央 (新幹線・在来線併設)
    • 日奈久 → 日奈久温泉 (肥薩おれんじ鉄道に移管)
    • 鹿児島工大前 → 崇城大学前 (JR鹿児島本線)
  • 2011年3月(九州新幹線 博多~新八代開業)
    • 船小屋 → 筑後船小屋 (新幹線駅にあわせて在来線も移転)
  • 2015年3月(北陸新幹線 長野~金沢開業)
    • 脇野田 → 上越妙高 (在来線はえちごトキめき鉄道に移管・新幹線駅にあわせて在来線も移転)
    • 寺井 → 能美根上 (JR北陸本線)
  • 2016年3月(北海道新幹線 新青森~新函館北斗開業)
    • 渡島大野 → 新函館北斗 (新幹線駅にあわせて在来線も移転)
    • 津軽今別 → 奥津軽いまべつ (在来線駅を廃駅にして同位置に新幹線駅が開業)
  • 2022年9月 (西九州新幹線 武雄温泉~長崎開業)
    • 肥前山口 → 江北 (JR長崎本線・佐世保線)

一番多いのはシンプルに新幹線の駅名にあわせた変更でしたね。

そういえば新幹線開通までは鹿児島市の実質的な代表駅は西鹿児島駅でしたね。

(都城方面に1駅行ったところに鹿児島駅があるが、代表駅として機能していないというのが定説)

筑後船小屋・上越妙高・新函館北斗は移転が伴う駅名変更でもある。

もともと特急停車駅でもない駅が新幹線駅になるので駅名が全然見合ってなかったと。

いずれも筑後市・上越市・北斗市の市名が付いた駅になっている。

(新函館北斗駅の名前はいろいろ揉めたが、仮称+立地市名で決着している)

沼宮内駅は岩手町の要望もあって新幹線の駅名が「いわて沼宮内」となったそう。

新幹線駅としては極端に利用が少ないが、在来線は盛岡方面の通勤・通学で一定の利用があるそう。

それだけなら改名するほどの話ではなかっただろうけど。


奥津軽いまべつ駅は改名としては現れないのだが、実質的には改名である。

この区間は新幹線・在来線併用区間で、新幹線が開通しても本質的に何か変わるわけではない。

新幹線駅に作り替えるために仮設ホームを作って対応していた時期もある。

だから駅としてはほぼ同じものと考えて差し支えはないと思う。

ただ、新幹線・在来線併用区間とはいうけど、在来線とは貨物列車のことである。

このため在来線駅としては意味を持たないものになるので廃止され、

新幹線としては青函トンネル含めて新規開通区間とみなされるので新駅である。

駅名もあまり変わった気はしないが、仮称が奥津軽駅だったので、それを採用したのかなと思う。


在来線の会社移管に伴う駅名変更は意外に少なく2件のみ。

会社が変わると改名されることは多いけど、新幹線絡みだとこんなに少ないのかと。

むしろ新幹線とは直接関係のない種差海岸・崇城大学前・能美根上・江北の方が目立つ。

崇城大学前は大学の名前が変わって4年放置してきたので、やっと機会ができたという感じか。

能美根上の旧駅名は寺井だったが、寺井町ではなく根上町にあったことはかねてより疑問視されていたよう。

それが2005年にいずれも合併で能美市となり、改名に至ったという経緯があると。

なお、この駅は駅名変更の少し前に駅舎の建て替えが行われたため、

新駅舎ができた当初、建物に駅名を書かず、窓に「寺井駅」と貼って対応していた。


この中でもっとも特殊な事情があるのが上越妙高駅である。

新幹線開通に合わせて脇野田駅を移転して、新幹線・在来線併設駅にしたのだが、

新幹線が開通すると在来線の駅は えちごトキめき鉄道に移管されてしまうのである。

このため上越市とJRの間でもいろいろやりとりがあったのだが、

結果的にはJRが脇野田駅を移転させ、移管時に改名するという方法がとられた。

このため、建設中のJR上越妙高駅の駅舎にJR脇野田駅が同居するという不思議な光景が見られたようである。

JRにとっては脇野田駅を廃止して、上越妙高駅(新幹線)を新設した扱いである。

渡島大野駅も新幹線開通に先行して移転していたが、すでに駅舎には新函館北斗駅と書かれていたそうだ。


ところで西九州新幹線の嬉野温泉駅、嬉野市に初めてできるJRの駅である。

嬉野市は鉄道がない市の1つだった。

歴史的には軽便鉄道があって、現在は祐徳バスの路線として引き継がれている。

このため鉄道初開通というわけではないのだが、こういうことがあると。

生活路線としては新幹線はあまり重視されないと思われるが、広域移動では有用か?

複乗できるという意味らしい

昨日、片道きっぷでは基本的に同じ区間を2回乗ってはいけないが、

分岐駅通過の特例や○○市内発着の場合はその限りではないということを書いた。

博多~新下関の新幹線の罠

そんな中、今月開業予定の西九州新幹線で割引きっぷに限ってこういうものがあるらしい。

かもめネットきっぷ (JR九州)

「浦上・長崎」という発着駅表記、そして注意書きにはこういう記載が。

〇きっぷに表示された方向にしたがって使用する場合に限り有効です。 ただし、発着を「浦上・長崎」とする設定区間の場合は浦上~長崎を復乗できます。


そもそも西九州新幹線はどういう路線なのか。

今月の開業時点では、佐世保線の武雄温泉駅から長崎駅に至る区間が開業する。

従来、福岡方面から長崎と佐世保へ向かう列車が分かれていたのは肥前山口駅(新幹線開業日から江北駅に改名)である。

ここからもう少し佐世保方面に進んだ武雄温泉駅が新幹線の当面のスタート地点である。

ここから嬉野温泉・新大村・諫早・長崎と駅が設けられる。

嬉野温泉は新幹線単独、新大村は大村線との乗換駅、諫早は大村線と長崎本線(在来線)の乗換駅、長崎駅も長崎本線の駅である。

この特徴から、諫早~長崎は長崎本線(長崎トンネル経由)と新幹線が同一視されることになる。


新大村~諫早も大村線と完全に平行するが、ここは別路線扱いになる。

偶然、大村線に平行しているだけで、路線の性質が全く違うためだと思う。

また、江北~諫早は長崎本線と佐世保線+新幹線はルートが大きく違うため同一視されない。

この区間の長崎本線は新幹線の並行在来線にあたるということで、JRとしては撤退を申し入れているが、

結果的には設備を一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターに移管して、JRの路線として運行することになった。

新幹線と在来線のルートが大きく異なるため、沿線の反発が大きく、このような形になったとされている。

一応、福岡方面への直通列車も一部区間では継続して運行される。


さて、それで冒頭の話に戻るわけだが、浦上駅というのは長崎駅の隣の駅である。

現在は特急を含む全ての列車が停車し、利用者数も多い。

浦上駅は長崎駅の隣の駅という以外に、長与経由の旧線との分岐駅という側面もある。

長与~浦上~福岡方面という利用をする利用者も多いそう。これも全列車停車の理由だそう。

しかし、新幹線開業後は新幹線は長崎駅にしか停車しなくなる。

なので、浦上~長崎に分岐駅通過の特例が設定されるようになる。

なので長与~長崎~(新幹線)~武雄温泉は1枚の乗車券で利用できる。

しかし、浦上~長崎~(新幹線)~武雄温泉はそうではない。長崎駅できっぷを分けるのが本来である。

でも、この「浦上・長崎」と書かれた割引きっぷではこういう利用も可能だと。


あくまでも割引きっぷに限ったルールだが、一般の乗車券に似たようなルールが適用されるところがある。

それが大阪~新大阪である。

東海道新幹線の開通時、将来の山陽新幹線との直通も見据えて、淀川右岸に新大阪駅が作られた。

新大阪駅は東海道本線で大阪駅から京都側に1駅行ったところにある。

大阪駅から新幹線を利用する場合、東京方面であれば特に問題はないのだが、

岡山方面となると新大阪駅は大阪駅より1駅遠いところにあるので、いくつかの特例が設けられた。

その1つが新大阪または大阪発着で、姫路より先へ行くきっぷは、大阪駅からの運賃で計算し、きっぷには「大阪・新大阪」と記載するというものである。

「そんなのあったっけ?」と思った人もいるかもしれないが、200km超の場合は大阪市内発着となる規定が適用されるため対象外となる。


このルールは従来、大阪駅から岡山方面の特急を利用していた人が、新大阪駅から新幹線を利用する場合でも不利にならないように設けられたものである。

難波~梅田/大阪~岡山方面と難波~新大阪~岡山方面を移動する場合、JRの運賃部分は同額で利用できるということですね。

同じなのは運賃だけで、地下鉄の運賃や特急料金は従来から変わるわけですけど。

しかし、それだけでなく「大阪・新大阪」と記載されたきっぷは、大阪~新大阪~新幹線 という利用も認めている。

とてもおおざっぱな理解としては大阪~新大阪は市内発着とならないきっぷでも複乗を認めているということですね。


もっともこの区間は新神戸駅の存在により、新幹線と在来線を別扱いできる区間である。

だから「大阪~新大阪」の分岐駅通過の特例は新幹線のためのルールではないんですね。

これは くろしお・はるか(西九条~新大阪の短絡ルートは大阪駅を形式上通過している)を想定したルールである。

とはいえ、実質的には分岐駅通過の特例に近いルールはあって……

旅客営業規則 / 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力 (JR東日本)

大阪~西明石は新神戸経由(新幹線)・神戸経由(在来線)のどちらかのきっぷで他方も乗車できるが、きっぷに書いてない区間では途中下車できないと。

このため、鶴橋~岡山のようなきっぷは、大阪~西明石は距離が短い在来線経由のきっぷを購入して、新大阪から新幹線を利用することができる。

ただし、新大阪・新神戸では途中下車できない。あまり問題はないかと。


この他、新幹線絡みの折り返し乗車が問題となりやすいのは、京都~山科もあるが、

ここは京都市内発着のきっぷであれば市内での複乗は問題とならない。

山科~京都~名古屋みたいなのは救済されないが、かつて存在した新幹線回数券ではこの距離でも「京都(市内)~名古屋(市内)」として設定されていた。

今はそういう割引きっぷはないと思うけど。


「浦上・長崎」と「大阪・新大阪」については折り返し乗車も想定したルールだが、

一般に乗車券に複数の駅名が書いてあっても、その中で折り返しできるかというと、それはなんとも言えない。

運賃帯が同じ複数駅のきっぷを1枚にまとめたきっぷもあるようだから。

そんなの見ることはまずないですけどね。


あと、これは完全な余談だけど、新横浜駅絡みでこんな特例があるんだね。

旅客営業規則 / 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力 (JR東日本)

新横浜~横浜間発着で、小田原より先に行くきっぷは在来線経由か新幹線経由かどちらかのきっぷで他方も乗車できる。

横浜市内となる距離ではない横浜~三島だと在来線経由のきっぷで、新横浜まで行って新幹線に乗ってOKと。

ただし、きっぷに書いてあるのと異なるルートでは途中下車はできない。

意図は「大阪・新大阪」に似ているが、小田原~横浜と小田原~新横浜は運賃計算上の距離は同じなので、運賃を揃えるためのルールは不要である。

あと、横浜~新横浜~三島というきっぷも買えるんですよね。

この点は「大阪・新横浜」と異なる。こちらは大阪~新大阪~岡山というきっぷは存在しないので。

博多~新下関の新幹線の罠

JR西日本の株主優待券で旅行をしようと考えている人がTwitterでつぶやいていたのだが、

博多~新下関~山陰本線方面というのは株主優待券で1枚で買える片道旅行には当たらないようだ。


JR西日本の株主優待券は片道の乗車券・特急券が全て5割引となる。

特急券というのは片道乗車券に付随するものならば何枚でも対象になる。

ただし、JR西日本の株主優待なので、JR他社にまたがる利用はできない。

博多~新大阪のきっぷを買うと、通常は乗車券は福岡市内~大阪市内となるが、

福岡市内に該当する駅はJR西日本には山陽新幹線の博多駅以外に存在しない。

このため博多→大阪市内というような表記になる。

また、新大阪~米原は東海道新幹線はJR東海のため利用できない。

京都~福井の乗車券を買うと、サンダーバード も 新幹線+しらさぎ(米原経由) も適切な特急券を購入すれば利用できる。

しかし、JR西日本に限定されると新幹線は利用できないわけである。


その上で下関付近の路線図に注目して見る。

在来線で九州から来る場合、小倉・門司・下関・幡生・新下関……と並んでいる。

門司駅が九州最後の駅で、門司港方面の線路から分岐する。

下関が本州最初の駅でここまでJR九州の管轄である。ここからはJR西日本である。

幡生から山陰本線が分岐し、幡生・綾羅木……と並んでいる。

なお、山陰本線の列車は全て下関発着である。

新幹線は博多~小倉~新下関~広島方面とあり、全てがJR西日本の管轄である。


さて、冒頭に書いた博多~新下関~山陰本線というのは片道乗車券の要件を満たさない。

なぜかというと、新幹線と在来線が完全に平行する区間はどちらかしか乗車できないためである。

新幹線独自の途中駅がある場合は別路線とみなされる場合もあり、

品川~小田原は新幹線に新横浜駅があるため、新横浜~(新幹線)~品川~大井町 みたいな片道きっぷは買える。小田原~(新幹線)~品川~大井町でもOKなはず。

しかし、博多~新下関は新幹線に乗ることにしても、……小倉・門司・下関・幡生と在来線を通ってきたのと同じ扱いになるのである。

もっとも博多~新下関はJR西日本とJR九州で運賃が異なる都合、新幹線と在来線のどちらに乗車するかきっぷ購入時に必ず決めるルールになっている。

運賃が同じ場合は、さっきの京都~福井みたいに購入後に自由に選べるのですが。

だから、博多~新下関の新幹線経由のきっぷを買った時点で、在来線の途中駅で降りることはできない。

それでも在来線の途中駅はすでに踏んできたという扱いになる。


とはいえ、新幹線ですでに踏んだ駅に引き返すことが認められないとも限らない。

  • 分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例 (例: 倉敷~岡山)
  • 特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例 (例: 日暮里~上野)
  • 特定都区市内駅を発着する場合の特例

分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例は、指定された分岐駅を通過する列車に乗る場合は、指定された駅で引き返してもよいというルール。

例示した倉敷~岡山の場合は広島方面~岡山の新幹線が通過するので、

広島~倉敷~米子 のきっぷで 広島~岡山~米子 と乗車してもよいということである。

特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例も意図としては似ているが、必ずしも分岐駅を通過する場合でなくてもよい。

最後に書いたのは乗車券の発着駅が「北九州市内」のようになっている場合は、当該市内の中では折り返し乗車が許されるということ。

例えば、北九州市内→岡山のきっぷで 門司港~小倉~岡山(門司~小倉が複乗でこの区間は他の特例はない)と乗車しても良い。


新下関~幡生がいずれかの特例にあたればよいのだが、記載が無いのである。

そもそも分岐駅通過の特例は分岐駅を通過して拠点駅に列車が集まる場合を想定しているが、

下関~幡生~山陰本線方面 と 博多~(新幹線)~新下関 は特に重なる駅はない。

なのでこういう特例でケアするところにあたらないというのが通常の考えである。

新下関~幡生~山陰本線方面という列車が設定されていればあったかもしれないが、そういうものは存在しないわけですから。


もっともこのようなケースであれば、通常は小倉~下関を在来線で利用すればよい。

こうすれば幡生駅を通り過ぎることなく乗車できるわけである。

でも、そうすると小倉~下関ってのはJR九州であることが問題になる。

そう、JR西日本の株主優待券ではJR九州には乗れませんから。

というわけで博多から幡生経由で山陰本線に入るというルートは、JR西日本の株主優待券1枚で購入することがどうしてもできないという結論になる。


なお、株主優待券でJR他社を通過するきっぷは許容されないものの、

智頭急行のように直通の特急列車がある場合は、他社分は無割引で前後を通算して割引対象にすることはできるらしい。

博多~(新幹線)~小倉~下関~山陰本線方面 も JR西日本~JR九州~JR西日本ではあるけど、

あまり常識的な使い方ではないし、そこを救済する必要はないというのはもっとも。


株主優待券を使った旅行でもう1つ注意が必要なのが購入できる窓口のこと。

JR西日本の株主優待券はJR西日本の駅でしか使えない。

これがどういうことかというと、上越妙高駅ではJR西日本の株主優待券は使えないということである。

この駅から富山方面がJR西日本の管轄だが、駅自体はJR東日本の管理なので、西日本のみどりの窓口はないのである。

新潟県内でJR西日本の窓口(というか、みどりの券売機プラス)は糸魚川駅にしかない。

なので新潟県内からJR西日本株主優待券で旅行をスタートする場合は、

県内であれば糸魚川駅であらかじめ購入するとかしないといけないが、

準備のためだけに糸魚川駅に行くのは大変なので、そこまで えちごトキめき鉄道 で行って旅行をスタートするのか。

問題なのは上越妙高駅ぐらいですがね。

窓口のない境界駅~窓口のある駅の特急乗車区間が長くなりそうなのはここだけかと。

なぜ割引用Suica・PASMOが必要か

ニュースになっていたのですが。

障がい者割引が適用されるお客さま向けの新たな IC カードのサービスの概要について  (pdf) (JR東日本)

これはSuica・PASMO加盟社合同の制度で、鉄道で介助者を伴って乗車する場合に半額となる人が対象である。

多くの鉄道事業者が共同でこのようなシステムを導入するのは、PiTaPa加盟社に次ぐものではないか。

スルッとKANSAIには特別割引用があった

これの発行が始まったのは2017年のことで、磁気カードのスルッとKANSAIにあった特別割引用カードの代替とされている。意外に歴史は浅い。


スルッとKANSAIが発行する特別割引用ICカードはPiTaPa加盟社では有効だが、

JR西日本を含む他社ではその効力が無い。というか利用も出来ない。

今回のSuica・PASMOの割引用カードはSuica・PASMO加盟社が対象であり、

関東圏のJR・私鉄・公営交通はほぼ対象となる。これは便利。

一方で、それ以外の地域については新潟・仙台・青森・盛岡・秋田の各Suicaエリアで、odeca・icsca・りゅーとエリアは含まないと記載されている。

って、odecaエリアが除外されてるってことは、JR東日本のバス事業である気仙沼線BRT・大船渡線BRTは対象外なんですか。

Suica仙台エリアには仙台空港鉄道が含まれるが、それを除けばJR東日本(鉄道線)に限るということとなるのだろうか。

(余談だが関東圏のSuica加盟社とPASMO加盟社の区分は複雑で、私鉄・公営でも富士急行線やりんかい線はSuicaである)


「多くの鉄道事業者が共同で」割引用ICカードを発行するのは2例目? と書いたが、

バス会社(バスを主体とする鉄道会社を含む)や公営交通、あるいは共同で発行するものは多い。

そもそも、身体障害者の割引運賃というのは事業者によって違うが……

手帳に旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄の「第1種」「第2種」に対して、

  1. 第1種で介助者を伴って鉄道・バスに乗車する場合 : 本人・介助者ともに50%引き
  2. 第1種・第2種で鉄道を100km超乗車する場合: 本人が50%引き
  3. 第1種で介助者を伴ってバスに乗車する場合 : 本人・介助者ともに50%引き
  4. 第1種・第2種でバスを乗車する場合: 本人が50%引き

というのが典型例であるが、東京都のバスでは精神障害者も4.に準ずる割引の対象になったり、

公営交通を中心に鉄道でもバス同様に本人だけの乗車でも割引対象にしたり。

実際はかなり複雑なので各社の規約を確認する必要がある。


すでに割引用ICカードを発行している会社の多くは4.をターゲットにしたものが多い。

なにしろ適用対象者が多いので、いちいち手帳を確認して手動操作は面倒ですから。

一方で1.や3.の第1種の介助者について対応している会社は限られている。

SAPICA(札幌市)・はやかけん(福岡市)・manaca(名古屋市他:名鉄は利用不可)は対応してるみたいだけどね。

これに対して、PiTaPa加盟社やSuica・PASMO加盟社が発行するものは、基本的に上の1.をターゲットにしている。

このため、必ず2枚セットで発行され、2枚の利用実績は基本的に一致しなければならない。

(100km超やバスの場合は2.や4.に該当するので本人のみでの利用を認める可能性はあるが)


大半の鉄道事業者では、障害者の割引運賃の適用を受けるためには紙のきっぷの購入が必須である。

しかし、関東圏の鉄道事業者ではちょっと違うのである。

おからだの不自由なお客さまの割引制度 (小田急)

関東圏ではICカードでは1円単位の運賃、紙のきっぷは10円単位の運賃となっている会社がほとんどである。

このため、紙のきっぷを買って乗ると、多少不利になるわけである。

そこで、1円単位運賃の導入以降は、介助者と2人揃ってICカードで乗車してから、降車時に手帳を見せて手動処理で精算するという対応になっている。

これが大変なので割引用Suica・PASMOを導入することにしたのでは? というのが僕の読みである。


もっとも紙のきっぷを買って乗車する場合も、手帳の確認や介助者と乗車しているかの確認が必要である。

JRの場合、正規の対応方法は窓口できっぷを発行するという対応だそう。

鉄道会社によっては券売機に割引用のボタンが設けられていることがある。

押すと駅員が飛んできて手帳などの確認を行って、確認出来たら券売機で発行するというシステムである。

あるいは、半額という点では小児運賃と同じであるということで、券売機で小児運賃のきっぷを購入するという対応もある。

(小児運賃のさらに半額はこの対応はできないけれど、稀だろうと)

JRの短距離利用ではこの方法で対応することが多いようで……

100キロメートルまでの普通乗車券に限り、本人と介護者の2人分を自動券売機で小児用乗車券をご購入(割引乗車券の代用)いただけますが、この際、必ず係員のいる改札口をお通りいただき「手帳」又はマイナポータルとデータ連携された「ミライロID」(以下、「手帳等」といいます)をご呈示ください(「手帳等」により使用資格などを確認させていただきます)。

(おからだの不自由なお客様へ / 割引制度のご案内 (JRおでかけネット))

代用という扱いではあるけど、一応は公式に記載されているんだね。

いずれにせよ、長距離乗車券を除けば駅員が手動できっぷを発行するのは稀ということになろうかと思う。

それだけにICカードの割引運賃の手動対応はけっこうな手間だった? と推測するがどうだろうか。

JR各社の予約システムは難しい

JR各社の予約システムの受取可能駅が複雑だという話がある。

JR各社の予約システムは下記の4システムがある。

  • えきねっと (JR東日本) : 東日本・北海道の在来線・新幹線が中心
  • e5489 (JR西日本) : 西日本・四国・九州の在来線・新幹線が中心
  • エクスプレス予約 (JR東海・西日本・九州 共同運営): 東海道・山陽・九州新幹線
  • JR九州列車予約サービス(JR九州) : 九州・西日本の在来線・新幹線

エクスプレス予約は2022年から九州新幹線が対象に加わり、JR九州も参加している。


これらのシステムの難しいところは、きっぷの受取可能駅のことである。

受取可能エリアと列車予約できるエリアが一致しない場合があること、

またきっぷやシステムによって受取可能駅に制限がある場合もある。

このため、予約できても思っていたところで受け取れないということが起きやすい。

このことは各社注意を呼びかけているのだが、とても難しいのである。


どのように不一致があるかという話ですが、

えきねっと では全国のJRの列車がほとんど予約できる。

ただし、サンライズ瀬戸・出雲の寝台車は東日本管内にも乗り入れているが予約できない。

これは寝台車の予約システムの特殊性によるものであろう。

問題は受取可能駅で、東日本管内ではすべてのきっぷが全ての駅で受け取れる。

次に西日本管内は北陸エリアの一部駅(北陸新幹線の駅と福井駅など)のみ対応している。

これは北陸新幹線絡みのきっぷの受取を想定したものである。

北陸新幹線絡みでなくても受取自体は可能であるが、JR東海区間を含むきっぷは受け取れないという制約がある。

金沢~米原~名古屋とか糸魚川~長野~名古屋のようなものはダメだと。

北海道管内もJR東海区間を含むきっぷは受け取れない。まぁこれはいいか。

JR東海エリアは「えきねっとトクだ値」などの比較的使用頻度が高い割引きっぷが受け取れない。

東海区間に絡む割引きっぷはないから問題ないのかも知れないけど。


次にe5489ですが、予約可能エリアは西日本・四国・九州・東海全線、東日本は概ね関東圏よりも西が対象である。

さっきえきねっとで予約できないと書いたサンライズ瀬戸・出雲の寝台車はe5489では予約が出来る。

西日本・四国・九州管内では特に受取可能駅と受け取れるきっぷの制約はない。

東海管内についてはJR東海区間を含むきっぷのみが受け取れる。

JR東海は在来線特急の予約システムを自社で持っておらず、e5489を自社で受取可能にするという形で在来線のインターネット予約に対応した経緯がある。

(今年4月から えきねっと も自社駅での受取に対応、併用という形になった)

しかし、e5489についてはあくまでもJR東海絡みでなければならない。

これだけみれば真っ当な制限にも思えるが、こういう問題がある。

山陽新幹線の駅でもあるはずなのだけど

新大阪駅の新幹線側は山陽新幹線の駅でもあるがJR東海が一括管理している。

ここで新幹線改札に併設された窓口では山陽新幹線側のe5489の受取ができない。

在来線側はJR西日本管理であることなどから打開策はあるのだが、複雑である。

東日本管内については、北陸新幹線停車駅と東京都区内各駅で受取可能である。

ただしJR東海管内を含むきっぷの受取はできない。

このためサンライズ瀬戸・出雲の予約がe5489で出来ても、東日本管内の駅では受け取れないのである。

しかし、東京・品川・新横浜・小田原・熱海の東海道新幹線の改札にはJR東海の窓口がある。

このため東京→岡山方面のサンライズのきっぷは東京駅で受け取れなくはない。

これはさっき新大阪駅で書いたのと逆の現象である。


次にエクスプレス予約ですが、予約できるのは東京~鹿児島中央の新幹線のみ。

JR東海・西日本・九州は新幹線駅周辺を中心に受取可能駅が設定されている。

また、乗り継ぎの便宜のため高松駅には四国ながらJR西日本管理の受取機があり受取可能である。

3社共同運営なのでこれらの駅で受け取れるきっぷに制約はない。

(このため新大阪駅の新幹線改札で山陽新幹線だけのきっぷも受取可能)

今年から東京都区内・横浜市内・小田原・熱海のJR東日本の券売機でも受取に対応するようになった。


最後にJR九州列車予約サービスですが、購入できるのは九州・西日本全線。

受取可能駅もそうだが、JR西日本の駅では九州内のみの割引きっぷの受取はできないよう。

一見問題はなさそうだが、小倉・博多・博多南は九州内だが新幹線はJR西日本管理である。

特に博多駅はさっきの新大阪駅と同じで九州新幹線の駅でもあるが西日本管理である。

もちろん在来線側で受け取ればよいし、JR九州管理の受取機がちゃんと置かれているらしい。

新大阪駅についてはe5489同様の問題があり、新幹線改札の窓口では受け取れない。


やはり全般的に難しいのが西日本・東海・東日本の3社の境界部である。

JR西日本とJR東日本は北陸新幹線では協調しているものの、他社システムの受取可能駅の制限がちょっと厳しい。

しかし、何が複雑なのかと考えて見るとJR東海が課している制約であり、

  • e5489で予約した東海管内を含むきっぷは東日本管内で受け取れない
  • e5489で予約した東海管内を含まないきっぷは東海管内で受け取れない
  • えきねっとで予約した東海管内を含むきっぷは西日本管内で受け取れない

これは各社の取り決めによるものなので、なんとも難しいところはあるが、

これがゆえに混乱を来さないようにJR西日本のえきねっと受取可能駅、JR東日本のe5489受取可能駅を制限せざるを得ないのではないかと想像する。

もちろんJR西日本・東日本の内部的な事情の可能性はある。


もう1つの難しさが新幹線と在来線の営業エリアの違いや境界駅の扱いである。

国鉄時代に開通した新幹線は路線単位で会社を分けたので、

関東圏では在来線・東北新幹線はJR東日本なのに、東海道新幹線はJR東海、

近畿圏では在来線・山陽新幹線はJR西日本なのに、東海道新幹線はJR東海、

九州では在来線のほとんどと九州新幹線はJR九州なのに、山陽新幹線・博多南線はJR西日本と。

この結果、異なる会社が共存する駅では窓口によって受け取れるきっぷが違うということが起こる。

これを積極的に使うと関東圏でもe5489で予約したサンライズ瀬戸・出雲の特急券を受け取れるわけだけど、

こういうのはあまり一般的ではなく、ほとんどの場合は不便なことである。

関東圏についてはEX予約の東日本管理の券売機での受取に対応して、一部は打開された。

それでも、例えば平塚駅で小田原からのEX予約の受取をしたりはできない。


これらの問題はきっぷを受け取る必要があるから生じる問題であり、

チケットレスであれば受取可能駅のことは考える必要はない。

例えば、大阪~新大阪~東京~水戸 と移動する場合、

新大阪~東京はEX-ICで、東京~水戸はえきねっとチケットレスを使い、在来線区間の乗車券はICカードで済ませれば、受取可能駅のことは考える必要はない。

しかし、チケットレスサービスは全般的に乗り継ぎ利用に弱い傾向にある。

広島~京都~福井を新幹線・在来線の乗継制度を使って買うならば紙のきっぷにならざるを得ない。

(e5489は乗継用のeきっぷというのを設定しているが、これも紙のきっぷしかない)

得てしてそういうのは購入可能なシステムと受け取り可能駅の制約が問題である。


というわけでまぁ難しいと。

しかし、これで初めて知ったのは、近畿圏でもえきねっとは受け取れなくはないということですね。

といってもJR東海の券売機に限られるから、それは米原・京都・新大阪の新幹線側だけなんだけど。

勤務先で ビジネスえきねっと を導入していて、駅での受取が可能なのだが、

関西方面の出張であれば、往復乗車券と往路特急券は出発前に受取、復路の特急券は新大阪・京都で受け取るという対応もできるんですね。

従来、こういうケースは復路特急券は立替で対応していただろう。

(そのまた昔は新幹線回数券を引き出して、復路乗車前に指定を受けるという方法があったのだが)

まぁ多頻度で使う人ならEX予約の登録手続きをすればいいんですけどね。

ICカードの出口処理は工夫がいるかも

かつて、ICカードでJR会社間をまたがる利用は一切できなかったが、

現在は定期券に限り会社またぎに対応し、境界駅に限っては両社のICカードエリアと使えるようになった。

具体的には国府津・熱海はSuica首都圏エリアとTOICAエリアの両対応、

米原・亀山はICOCAエリアとTOICAエリアの両対応となっている。

来年春からは下関駅がSUGOCAエリアとICOCAエリアの両対応になる予定。


両対応の境界駅だが、乗車側はあまり気にしなくてよいのだが、

降車側は注意が必要で、なぜかというと改札機が分かれているのである。

熱海駅の自動改札にTOICA用が設置されました (熱海の癒 新かどや)

Suica首都圏エリア用(既設)とTOICAエリア用(新設・出口専用)がある。

米原駅も同様の対応で1台をTOICAエリア用(出口専用)にしている。


国府津と米原については少し異なる。

国府津駅は係員通路の横にゲートのないICカード専用改札機を置いているそう。

御殿場線からICカードを利用する人はこれにタッチして係員通路を通ることになる。

これ以外のケース(紙のきっぷ・Suicaエリア・TOICAエリアでも乗車時)はゲートのある改札機を使う。

亀山駅はICOCAエリアからの利用はかなり少ないと見込んでいるのか、

ICカード処理機が係員通路に設置されていて、ここにカードを乗せると出場処理がされる。

ただし、処理スピードは遅く3秒ぐらいかかるとのこと。

亀山駅で ICOCAエリア用のIC改札機を撮る (2021年7月) (関西のJRへようこそ!)


なぜ出口側だけ別の装置を用意しているのかという話だが、

出口側の自動改札機では運賃計算が必要なので、システムごとに装置を分ける方がよいと考えたようだ。

逆に入口側はICカードに記録を付けられれば良いので、システムを区別する必要はないと。

このため入口は兼用でOKなんですね。


でも1台の自動改札機で複数のシステムの運賃計算に対応しているものもあるんですよね。

それが豊橋駅・りんくうタウン駅 と かつての桑名駅である。

豊橋駅はJRの自動改札でTOICA(JR)とmananca(名鉄)の両システムの出場に対応している。

りんくうタウン駅では南海の自動改札でPiTaPa(南海)とICOCA(JR)の両システムの出場に対応している。

JRだけSuica・TOICA対応だった時代はこれらの専用改札機があったそうだが、

その頃からICOCA・PiTaPaは会社を問わずに1台の改札機で対応してたとのこと。

かつての桑名駅(近鉄・JRが改札内でつながっていた)では近鉄・JRの自動改札で、

PiTaPa(近鉄)とTOICA(JR)の両システムの出場に対応していた。

もっとも桑名駅は近鉄の自動改札機でJRの出場に対応していない時期もあったそうだが。


ただ1台の自動改札機では性能的に対応できないということもあるだろうけどね。

確かにSuica首都圏エリアは運賃計算のデータが膨大になりそうだし、

ICOCAエリアも米原・亀山から200km圏内だと大阪府内が全部入るのでは?

そうするとなかなか大変かも知れない。

下関駅はICOCAエリア200km圏内(概ね山口県内)の駅数がそこまで多くないので、

SUGOCA北部九州エリアに毛が生えた程度で対応できるということで、

もしかすると1台で対応するようになるかも知れないが、どうだろう?


ということを書いて思い出したけど、津・松阪・伊勢市の三重県内3駅、

近鉄とJRが改札口を分担して管理しているが、JRはICカードエリア外なのにおそらくJR所有の自動改札機がICカード対応なんですよね。

これらの駅って利用者の大半が近鉄利用者なので理にかなっているのはそうなんですが。

こういうのもカスタマイズなんですかね?


逆に吉野口駅はJR管理駅でJR和歌山線もICカード導入したはずなのに、

改札口に設置されているのは近鉄のICカード専用改札機である。

JR利用者は、これにタッチしてから、通路に設置されたICカード専用の「のりかえ改札機」にタッチする仕組みになっている。

この のりかえ改札機 がどっちの持ち物かはわからないが、近鉄のICカード専用改札機と同型の装置に見える。

このように複数社が乗り入れる駅で、一方の会社の乗客が2回タッチするのはしばしば見られる。

ただ、JR管理駅なのにICカード関係は近鉄主導というのは不思議な光景である。

近鉄の方がICカード導入が早かったとか、駅舎に面したホームに発着するのは近鉄だとかいろいろ事情はあるんでしょうけどね。

日本海縦貫線は大赤字

JR西日本が利用者の少ない路線について情報公開をしたが、

そういう路線の数が多いが、これまであまり話題にしていなかったJR東日本が収支データを公表したが、これが散々たる結果である。

ご利用の少ない線区の経営情報を開示します(pdf) (JR東日本)


対象は輸送密度2000人/日を切る区間で66区間ある。

営業費用を収入で割った営業係数で一番悪いのが久留里線の久留里~上総亀山で17074(収入100円に対して17074円の費用がかかっている)である。

そもそも久留里線は木更津~久留里~上総亀山の路線で、メインは木更津~久留里の区間である。

この末端部だけ切り取って、収入に対して費用がかかりすぎというのは見方としてどうかと思う。

ただ、この約10km間で費用が2.7億円というのは高い気がする。

そもそも木更津~久留里だけ切り取っても営業係数1367(費用8.7億円、収入6300万円)もなかなかである。


大企業にとって重要なのは赤字の絶対額の方とも言える。

その観点でもっとも頭が痛いのは日本海縦貫線を構成する路線ではないかと。

日本海縦貫線は貨物列車で使われる言い方で、関西~青森を結ぶルートである。

あるいは青函トンネル経由で北海道に至るルートを含めることもある。

かつては旅客列車でも日本海や(臨時列車だけど)トワイライトエクスプレスといった寝台特急が走破していた。

現在は新幹線を中心としたネットワークになる中で、長距離走破する列車はなくなっている。

東日本管内では上越新幹線の接続路線としての新潟~酒田~秋田(いなほ号)と、東北新幹線の接続路線としての 青森~新青森~弘前~秋田(つがる号)に分けられている。


というわけで全体的には特急運行区間が多いのだが、

必ずしもそれに見合った利用があるわけでもなく、貨物列車が多く運行される主要幹線とあっては費用もかさむので、

  • 羽越本線(新津~新発田・村上~鶴岡・酒田~羽後本荘) 費用92.5億円 収入4.3億円 赤字88.2億円
  • 奥羽本線(東能代~弘前) 費用54.7億円 収入2.6億円 赤字57.4億円
  • 津軽線(青森~中小国:旧津軽海峡線区間) 費用22.1億円 収入0.7億円 赤字21.4億円

というわけで日本海縦貫線の赤字が公表分だけで167億円に達するわけである。

非公表区間も大赤字は間違えないと思う。

信越本線も直江津~長岡は4000人/日を切り、鶴岡~酒田・羽後本荘~秋田は当時かろうじで2000人/日を超えていたから公表を逃れただけである。

むしろ中途半端に利用者がいると一定の本数を保つための費用がかさむ。


ただ、これはJR貨物がこの線路にほぼフリーライドしている影響はあると思う。

これはJR貨物設立時に旅客各社への線路使用料の支払いを、貨物列車が走ることで追加的にかかる費用ということでかなり限定的な額にしている。

新幹線開業に合わせて在来線を移管することが行われることが多いが、

移管先では設備の維持費を一定の基準で貨物列車と旅客列車で按分している。

これによればJR貨物が支払う線路使用料は移管前に比べて大幅に増えるのだが、

その差額は新幹線の線路使用料で補填している。

それでさえ見合わないという話が、北海道新幹線が開通する予定の函館~長万部(特に新函館北斗~長万部)で言われているわけですが。


このため日本海縦貫線の赤字は本質的にJR東日本の事業に伴う赤字と言えない面もある。

特に羽越本線の新津~新発田というのは、新潟を中心とした通勤電車・特急列車のネットワークから外れている。

この区間は電化されているが、運行の効率化のためディーゼルカーが走っている。

では電化設備を使う列車はないのか? それこそ貨物列車である。

だからこの区間の赤字はほぼほぼ貨物由来ではないかと思う。

まず廃止は考えられない区間だし、ダウンサイジングも難しい。


他にも難しい路線はあるけど、やはり一番はここでしょうね。

それでも従来はJR東日本は大きな黒字を出せてたのだけどね。