埼京線と他社の車両が活躍

昨日・今日と渋谷駅の山手線ホーム再構築のために山手線外回りが運休。

およそ1年前は内回り(池袋→大崎)を運休にしていたが、今回はその逆。

運休なんだけど電車が来なくなる駅はないという珍しい仕組みである。

2つのホームを1つにして広くなるの?


山手線の運休にあたって埼京線・りんかい線の増発を行っている。

山手線の大崎~池袋は別線路(山手貨物線)を走る埼京線・湘南新宿ラインがある。

こちらに乗ってもらうというのが代替手段として最も大きい。

ただし、埼京線・湘南新宿ラインは一部駅にしか停車しない。

そのため停車しない駅を利用する場合は、先の駅まで乗って内回りで折り返すか、他路線への迂回をするかどちらかになる。

それを考えても埼京線・湘南新宿ラインへの期待度は大きい。


その埼京線の増発なのだが、実に他社の協力によるところが大きいようだ。

りんかい線については、普段は埼京線快速を中心に1時間3~4本程度で直通運転、

これに加えてりんかい線内のみの列車が運行されて、1時間7~8本程度。

昨日・今日は普段は新宿発着の埼京線(主に各停)を延長してりんかい線直通としていた。

この都合でりんかい線自身も多少の増発を行っている。

相鉄も普段は新宿発着で運行している直通列車を池袋発着に延長。

車両繰りの都合で相鉄横浜駅にJR所属の車両が入るという珍事も見られた。


JR自身も埼京線の車両は平日朝ラッシュ並みに出払った状態が続いたようだが、

りんかい線・相鉄もこのために普段より車両を供出したのではないか。

ちょっと細かい計算はわからないんだけどね。


逆に暇していたのが新宿駅の埼京線折り返し用ホームである。

普段は大宮・赤羽方面から1時間6本程度、相鉄直通が1時間2本程度折り返しするのに、

昨日・今日はこれらはほぼ全て新宿駅を貫通していたので。

その暇になった折り返しホームを使って新宿~大崎の列車が1時間に1本程度走っていたそう。

これは湘南新宿ラインという扱いになっていたが、これは車両がそうだから。

埼京線の車両は出払っているので、湘南新宿ライン用の車両を持ってきて走らせていたと。

前回の運休時は新宿~品川(大崎通過)での運行だったが、

中途半端に特別なルートで走らせるより、他の列車と混ざって走れる方がよいという判断があったのではないか。


ともあれ、これにより山手線渋谷駅は1つの幅広いホームになる。

渋谷駅が混雑対策のためホーム・線路・ホーム・線路という形になったのは1940年のことだそう。

そこから東横線地下化により確保した土地で埼京線ホーム移設、山手線ホーム拡幅と実現したわけである。

駅構内の導線など未完成な点は多く、まだ使い勝手には課題はあるが、

幅が広くなることでバリアフリー設備の充実もしやすくなる。

当面はなかなか良さが現れないかも知れないが、今後役立つものである。


まだ運休を伴う工事としては線路のかさ上げが残っているよう。

これもなかなかの大工事だと思うが。

とはいえ、これで埼京線・山手線の両ホーム再構築が一応完了し、

駅構内や駅周辺の再構築に軸足を移していくのではないか。

最近は使ってないけど、マークシティ~JR中央改札の通路も少し変わったみたいね。

(渋谷駅自体は東横線との乗り換えで使ってるが、そこは通らないので)

ここも中途半端で使いにくいルートなので早く完成して欲しいのだけどね。

エンジンが古いんですよ

先日、こんなニュースを見た。

徳島の国鉄型キハ40・47形が引退へ 次世代型ハイブリッド車両を導入 (徳島新聞)

徳島県といえば全線非電化なので電車ってものがないんですよね。

新旧いろいろなディーゼルカーが走っているが、最古参のキハ40・47形が新車に置き換えるとのこと。

これによりこの形の車両は四国から一掃されるのだと思うが……


実は瀬戸内海を挟んで対岸のJR西日本では国鉄から継承したほぼ全車が現役である。

しかも、四国と違って置き換え計画は具体化していないのである。

DEC700形という電気式ディーゼルカーの試験車を作っているのだが、

量産化についてはまだ発表されておらず、まだまだ現役と読める。

そもそもJR四国はここまでも同型機を順次置き換えを進めてきたのに、

JR西日本はほぼ廃車にせずに今日まで来ているのだからギャップがすごい。


それで調べたところ判明したのは、西日本と四国で大きな違いがあったのである。

それはエンジンである。

実はJR西日本ではJR移行から早い段階でキハ40・47形のエンジンを交換していた。

というのもこの形は車体の重さに対してエンジンが非力という問題があった。

保守性の問題もあり、JR四国以外の各社はエンジン交換を進めていったという。

徳島県内に残るキハ40・47形は当初からのエンジンのまま現存する点で貴重で、

それで先のニュースにこんなことが書かれていたんですね。

40、47形の引退について、鉄道友の会四国支部の井上武支部長(72)=徳島市二軒屋町1=は「製造当時のエンジンで変わらず走っており、特に音が良かったが、昔の車両はメンテナンスに手間がかかるのだろう。時代の流れには逆らえない」と話した。


この形はJR旅客6社すべてが継承しているが、西日本以外は置き換えが進んでいる。

JR東海では全車廃車済み、武豊線の電化(2015年)によって余剰になったディーゼルカーで置き換えたよう。

JR東日本は定期列車からは引退済み、現在は観光列車に残るのみである。

蓄電池車か電気式ディーゼルカーで置き換えられた。

JR北海道については、もうすぐ置き換え完了の見込みである。

こちらも学園都市線の電化(2012年)で余剰となったディーゼルカーである程度置き換えが進み、

最終的にH100形という電気式ディーゼルカーを購入して置き換えている。

JR四国はさっき書いた通りで電気式ディーゼルカー導入で置き換えが完了する。

JR九州では蓄電池車やハイブリッドカーYC1形の導入で置き換えが始まっている。

ただ、西日本ほどではないが車両数が多いので、全て置き換える目処は立っていない。


JR西日本で国鉄から継承したほぼ全車が残っているのは、

エンジン交換などにリニューアル工事が行われたからというのもあるだろうけど、

電化や蓄電池車導入といったプロジェクトがなかったのもあるんだろうかね。

とはいえ、車両数はほぼ変わらずとも、少しずつ追いやられつつあるようだ。

事実、一部は観光列車への改造がなされているわけである。


JR西日本ができてから導入した一般列車用のディーゼルカーは主に3タイプある。

1つがキハ120形、やや小型のディーゼルカーで少しバスっぽい雰囲気もある。

小さい割にハイパワーで、利用者数が少なめの路線で使われている。

1992~1996年で導入され、当時、老朽化していた車両をかなり置き換えたそう。

この車両が使われていた三江線が廃線になり、それで他の路線に活躍の場を移したものもいるよう。

存廃が議論になりそうなローカル線で使われているので、

それ次第でキハ40・47・48形の置き換えの状況も変わってくるかもしれない。

廃線までいかずとも減便で浮いた車両で……というのもありそうな話。


残り2つが山陰で走るキハ121・126形と、姫新線で走るキハ122・127形だね。

これは高速化プロジェクトで購入してもらった車両である。

そのため今後も走る路線は固定されるとみられる。

この高速化プロジェクト以外、幹線用のディーゼルカーを買ってないんですね。


なんてわけで全国的に見ればまだまだキハ40・47・48形の活躍は続くとみられる。

数を減らしても走行距離の少ない観光列車として長く走ることはありそう。

とはいえ、活躍の場が減っていく方向であることは間違えなく、

置き換えが具体化していないと書いたJR西日本もローカル線の状況次第という面はある。

地域によってはあまりに見慣れた車両だろうけど、去るときは早いかも。

1乗車10円加算ってことは

昨日、電車で往来してそういえばと思った話があった。

「普通乗車券」と「通勤定期券」の運賃改定のお知らせ (JR東日本)

今年3月からJR東日本の電車特定区間の運賃が変更される。

定期券も変わるのだが、それ以外にも1乗車10円の鉄道駅バリアフリー料金が加算されるようになる。

もともと割安な電車特定区間のみが加算対象なので大した話ではないとも言えるが。


ただ、1乗車10円という加算が気になるところもある。

実はよく利用する区間で、途中下車するとわずかに安くなる区間があるのだ。

わずかに安くなるといっても、そのためだけに途中下車する価値はないが、

途中下車しても高くならないということで、便利に使っていたのである。

ただ、1乗車10円の加算が加わると、途中下車すると乗車2回となるから、

そうすると途中下車した方がわずかに安くなるというのが成り立たなくなるような気がする。

といっても+10円されるだけだから、わずかな差ではあるのだが。


乗車券分割した方が安くなる区間として、新宿~大宮というのがある。

東北新幹線との乗換で利用する人も多い区間だと思うが。

新宿~浮間舟渡~大宮と分割すると、通しで473円の運賃が220円+220円=440円で33円安くなる。

あらかじめ分割したきっぷを仕込んでおけば下車する必要も無い。

これが1乗車10円加算で、通しで483円の運賃が230+230=460円で23円安くなると。

この区間は相変わらず分割した方が安いが、その効果は少し薄れる。


そもそも分割した方が安いってのがどうなのよという話ではありますが。

抜本的な運賃変更ではないので、そういう区間がなくなるわけでもない。

あと、1乗車10円の加算は電車特定区間内に限られるので、

それ以外の区間であればこのあたりの事情は変わらない。


鉄道駅バリアフリー料金は通常の運賃改定より容易に加算できる制度である一方、

加算対象は都市部に限られているとのことである。

(バリアフリーへの行政の補助を都市部以外に重点配分するという名目があるため)

全線が都市部なら全線の運賃表を改定すればよいのだが、JR各社のようにそうもいかない会社もある。

JR東日本は電車特定区間のみを実施区域にしている。

大宮~宇都宮・高崎、松戸~勝田、大船~小田原あたりも都市部だと思うのだが対象になっていない。

運賃計算の都合でこうなっているようである。


微妙なのがJR西日本で、実施区域と加算範囲が当面一致しないという。

鉄道駅バリアフリー料金制度を活用してバリアフリー設備の整備を加速してまいります (pdf) (JR西日本)

とりあえずは電車特定区間で実施するが、2025年を目処に拡大する予定という。

2段階での対応となる背景には、加算範囲内と範囲外をまたがると加算対象外で、

境界付近で範囲外にまたがる遠方の利用の方が安くなるという逆転現象がおきかねないという背景もあるらしい。

電車特定区間は元々割安なので10円加算しても逆転しないから問題ないと。

JR西日本としては電車特定区間の運賃体系の見直しも考えているようで、

それと連動してバリアフリー料金制度の適用範囲を拡大したいと考えているようだ。


まぁ本当は運賃表を全部書き換えたほうがいいという話もあるのだが、

JRは全社共通の運賃表を持っているため、手を入れにくい事情もある。

そもそも東京・大阪周辺の電車特定区間の運賃変更だってJR東海に影響しているのである。

なぜかというと、東海道新幹線で東京~品川・新大阪~京都を利用する場合の運賃にも影響するから。

このためJR東海は愛知県周辺と上記区間のバリアフリー料金加算の届出をしている。

鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したバリアフリー設備の整備の推進について (pdf) (JR東海)

愛知県周辺は2024年春からの運賃変更だが、他は今春から適用開始で、

これはJR東日本・JR西日本と歩調を合わせたということである。

JR東海にとってこの2区間の加算の恩恵はかなり少ないと思うが、手続き上やらざるを得なかったと。

こういうの見ると面倒だなぁと思いますがね。

営業線とつながってますからね

少し話題になっていたのですが。

JR東海の車両初展示!新型特急車両HC85系・特急用気動車キハ85系 京都鉄道博物館での特別展示のおしらせ(pdf) (JR西日本)

JR西日本の博物館である京都鉄道博物館にJR東海の車両が展示されるという。


確かにJR東海の車両が展示されるのは初めてのことだが、他社の車両を展示すること自体は実はけっこうやっている。

この展示が行われるのは、営業線と接続された展示室「車両工場」である。

営業線と接続されていることを生かして現役の車両、引退直後の車両の展示に使われていて、

それは必ずしもJR西日本所有の車両とは限らないのである。


ところで鉄道の営業線と接続された博物館といえば、

2007年にさいたま市に開館した鉄道博物館が思い浮かぶのだが……

ここで現役の車両を連れてきて展示するようなことは聞いたことないなと。

確かに営業線とは接続されているのだが、機動的な展示替えは行われていない。

せいぜい、その展示室につながる屋外の線路に車両を展示するぐらい。

電気機関車「EF64 37」展示イベントを開催します (pdf) (鉄道博物館)

展示室内の在来線車両の多くは営業線と行き来しようと思えばできるが、

それを実際に入れ換えようとすると相当な手間がかかるためだと思う。


一方の京都鉄道博物館だが、よく考えれば前身となった梅小路蒸気機関車館の頃から営業線との接続はあった。

博物館が現役の車庫、梅小路運転区を兼ねているためである。

(もっとも梅小路運転区は蒸気機関車の保存と嵯峨野トロッコ列車のディーゼル機関車の管理に特化した車庫である)

ただ、この接続は所蔵車両をSLの営業運転に送り出すための設備である。


これが外から展示車両を連れてくる施設として使われるようになったのは、今の京都鉄道博物館になってからのことである。

大宮の鉄道博物館と違って、蒸気機関車以外の展示車両の多くは営業線と行き来できないところにいる。

しかし、営業線と接続された「車両工場」の展示室には常時展示の車両はいない。

このため機動的な展示が可能になっているということである。


ここで展示される車両はなかなか多様である。

京都鉄博、ファンの心をつかむ「お家芸」の熟練度 (4/4) (東洋経済ONLINE)

検測車・配給車・保線機械といった業務用の車両であったり、

引退直後あるいは長く活躍している車両が展示されたり、

特色ある観光列車や新型車両のショールームのように使われたり……

このリストを見るとJR西日本以外の車両もけっこうあって、

特にJR四国の車両の出入りが多く、最近だと「伊予灘ものがたり」の車両が交換されるにあたって、引退直後の車両を京都に連れてきて展示したり、

キハ185系(しおかぜ,南風で使用)の国鉄復刻デザインの車両が展示されたり。

あとJR貨物の車両を展示したこともあって、なんと青函トンネル専用のEH800系を遠路はるばる運んできて展示したこともあったという。


というわけだから、特にJR東海の車両が展示されることはそこまで驚くべきことではなかったのかも。

一応、今回の展示は京都・大阪にも1往復乗り入れている ひだ号の車両という名目である。

(ひだ号は名古屋~高山・富山での運転が大半である)

だから、関西での新車導入の宣伝という側面も強いのだと思う。

JR四国が京都での展示に協力的なのも、関西から四国への誘客を目論んでというのもあるのかも。


JR東海もリニア・鉄道館という博物館があるものの、このような使い方はできない。

というか全国見渡してもこういうことをできる施設がそうそうない。

この展示が実現した経緯は知らないけど、よく思いつくなという感じはある。


ちなみにHC85系はディーゼルエンジンと蓄電池のハイブリッド車両である。

JR東海がハイブリッド車を導入するのは初めてなのだが、

この車両が登場して驚かれたのは車体に「クモハ85-1」のように書かれていたことである。

これは電車の型式表記とまるっきり一緒である。

置き換え前の車両がキハ85系で85という数字自体は同じなのだが、

置換前はディーゼルカーの「キ」が付き、置換後は電車の「モ」が付くという形で区別ができるという。

JR他社ではこのあたり考えが違って、

  • JR東日本: ハイブリッドカーにはHBを付ける(ex. HB-E211-1)
    • 蓄電池車はEV、電気式気動車はGVを付ける
  • JR西日本: 「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は他の気動車と同じく「キ」を付ける
    • 非営業用の電気式気動車ではDECを付けたものが出ている
  • JR貨物: ハイブリッド機関車にはHを付ける (ex. HD300-1: Dは動軸数4を表す)
  • JR九州: 動力を表す記号は付けない (YC1系のYCは「やさしくて力持ち」の意味なので特に動力とは関係ない)

確かに電車なんですけど、発電機乗せてることを識別できないのはいいのか。

ちなみに操縦免許は電車・気動車どちらのものでも講習を受ければ乗務できるみたいですね。

条件次第では京津線も安い

大津に泊まることにしたのは全国旅行支援で京都府が品切れだったから。

東山三条~大津の所要時間は乗り継ぎ次第だが20分ほどとかなり近い。

ということで立地自体はよいのですが、その間に府県境があることとクーポンの相性が悪い。

しかも昨日の様子を見てると、京Premium Liveの終演は相当遅そうで、そこから大津に戻ってくるともうクーポン使える店がない可能性が。

なにしろ3000円分のクーポンが残っているのだ。

クーポンは昨日のチェックイン時に当日から有効なもの1000円分、翌日から有効なもの3000円分渡された。

それぞれ開始日から3日間有効だから、初日は1000円だけ有効、今日・明日は全て有効。

意外にも昨日の夕食で1000円分使えたので、あと3000円なのだが……

明日まで持ち越すと使うこと自体が難しくなる金額である。


ということで考えた結果、少し早めに大津で昼食を食べてから京都へ向かい、

京都国立近代美術館を観てから、15時開演の会場へ向かうことにした。

そんなわけで昼食までは大津にいると言うことで湖岸を散歩することに。

大津港はうみのこ・ビアンカ・ミシガンと湖にしては大型の船がずらりと。

湖上観光もそれはそれで楽しそうだけど。しかしここだけ見ると湖には見えんなぁ。

膳所城跡まで歩いて往復してしまった。

そして大津駅近くで昼食、3000円のクーポンを使い切ったので昼食にしてはリッチ。(それでもお値打ちメニューなんですけどね)

というわけでこれでクーポンも無事に使えたので良しと。


ところで今回の宿は大津駅も近いが、浜大津駅の方がもっと近い。

湖岸を散歩するときに浜大津駅を通って運賃表を見たのだが、なんか思ってたより安いような。

実は浜大津~東山の運賃は390円で、JRと地下鉄を乗り継ぐ大津~山科~東山の450円(JR190円・市営260円)より安いのである。

まぁそうはいっても大津駅にいるのなら、JRで山科まで行く方が本数が多くて時間もかからない。

なので往路は予定通りJR+地下鉄で行ったが、帰りは終演後ちょうどよく浜大津行きが来たのでそれに乗って宿に戻った。

乗れればこっちの方が安くて、乗換もなくて、駅~宿の距離を考えれば早いと。


でも、市営地下鉄+京阪大津線ってそんな安い印象なかったんだけどと。

実はここにはとある条件が絡んでいるのである。

帰り道に東山駅と浜大津駅の運賃表を撮影してきたのだが――

まず東山駅からの運賃はこんな感じ。

御陵220円, (東西線)山科260円, 京阪山科~追分300円, 上栄町・浜大津390円, 三井寺・島ノ関440円、大津市役所前~近江神宮前470円……

京津線と山科・醍醐方面の分岐駅は山科の1つ手前の御陵駅、ここが京阪との境界駅である。

このため東西線の山科駅と京阪山科駅は運賃的にも別の駅になる。

浜大津行きは基本的に要注意だが、運賃差は意外と小さい。

次に浜大津駅からの運賃だがこんな感じ。

四宮~御陵240円, 蹴上・東山390円, 三条京阪430円, 京都市役所前~二条・今出川・五条500円, 東野460円

東山は390円だけど、三条京阪は430円、京都市役所前は500円と、この2駅間で110円も上がるところがポイントである。


なぜこのようなことが起きているのかというと2つの要因がある。

1つは乗継割引の対象が三条京阪~蹴上発着に限られ、京津線内だと手厚いことによる。

定期券以外の運賃(地下鉄) (京都市交通局)

東山・蹴上と京阪山科~大谷の利用では90円引き、

それ以外の三条京阪~蹴上と京阪山科~浜大津の区間では70円引きである。

ただ、そこから1駅でもずれると事情が大分変わり、三条京阪~蹴上と石山坂本線各駅の間では20円引き、地下鉄が三条京阪~蹴上からはみ出ると割引なしと。

これが三条京阪と京都市役所前が1駅違いで70円差になっていた理由ですね。


もう1つが御陵が境界駅であること。

東山駅の運賃表を見てもわかるが、御陵は220円、山科は260円である。

この運賃差により京阪利用時の運賃が安く見えると。

まぁこの区間はけっこう距離が長いんですよね。

もちろん京阪側の距離に含まれるのだが、そこまで気にならないと。


これらが浜大津~東山では極めて効果的に働いていたと。

三条京阪からだと浜大津まで430円、これに対してJR乗換で大津まで450円、

これでもJRより安いが、そこまで大きな差ではない。

烏丸御池からだと浜大津まで500円に対して、山科でJR乗換は450円と。

もっともこの区間だと京都駅でJR乗換の方が安くて420円である。

大津側も駅を変えて見るとまた変わってくる。

京阪大津京(以前は皇子山だった)~東山だと470円、大津京(こっちも昔は西大津だった)から山科でJR乗換だと450円と。

この区間をわざわざ京阪で利用する人はあまりいないと思うが、乗継割引が弱まるとJRに逆転される。


この乗継割引の背景はかつて京津三条まで京阪で1社だったのが2社またがりになったことへの配慮である。

なのでこの区間から1駅でもはみ出るといきなり割引が消えてしまうと。

元々そういう移動をしてたら、三条京阪で市電・バスと乗り継ぎだったでしょと。

まぁそれはそうかもしれないけど、烏丸御池ぐらいまでは……という気もする。

また、石山坂本線については割引はあるがだいぶ手薄になっている。

そもそも石山坂本線沿線からは京都方面へ向かうならJRの方が優先であろうから割引の必要性自体が薄い。

(石山坂本線は滋賀県内の通勤・通学に多く使われている路線である)

ただ、ここもかつては1社で使えた区間なので多少の割引は用意したと。


というわけでちょっとイメージと違った話だった。

ただ、本数の少なさはどうにもごまかしにくい話である。

まぁ利用者が少ないから減便されたんですけどね。

(それで車両に余裕が出たので、京都市役所前発着から太秦天神川発着に改められた)

調布飛行場の存在意義

今日は在宅勤務からの早抜けして、所用のために自転車で市内を駆けずり回ってた。

普段は歩いて移動することが多いところだが、自転車で移動するとこれだけしかかからないのかと改めて思う。

駐輪場のことを考えると歩いた方が楽というのはあるんだが。

今回はすぐに済む用事なので公共駐輪場を使う場合も2時間以内無料で全て対応している。


こんなニュースを見た。

都心から100キロ、遠すぎて格納庫は空っぽ…調布飛行場から伊豆大島に移転進まず (読売新聞)

東京都は調布飛行場を拠点としている自家用機を大島空港に移転させたいという話。

ただ、大島は本州とは陸つながりではないので、自家用機の運用のために海路・空路での移動が必要で現状は1機も移転していないということである。

これだけ見れば、東京都はなにを考えてるんだと思うわけだけど……


調布飛行場は東京都港湾局が管理する飛行場である。

東京都港湾局というと、東京港の管理者という印象が強いのだが、東京ヘリポートと調布飛行場の管理も行っている。

東京ヘリポートは東京港の付帯施設のような扱いになっているのだが、

調布飛行場は離島の海港・空港を管理する離島港湾部の下にあることになっている。

本州にあるが離島のための空港というのが調布飛行場の位置づけである。

事実、調布飛行場の定期便は東京都内の離島路線しかない。


一方で調布飛行場は自家用機の運用拠点でもある。

が、新規に調布飛行場を本拠地とする自家用機を配備することはできないそう。

というか、東京都の管理になった1992年以降に認めた例はないようで、

都が飛行場の管理を国から引き継いだ1992年以前から駐機しており、ある都幹部は「強制的に移転させることは難しい」と話す。

という記載もある。

調布飛行場は元々陸軍の飛行場だったものを、アメリカ軍が占有し、

それが1955年から国管理の場外離着陸場として運用されていたところにルーツがある。

この時代にここを拠点にした自家用機の運用が認められていたらしい。


本来であればアメリカ軍の占有が終われば、基地はなくなるはずだった。

ところが、飛行場としての機能は他で代替出来ないということになった。

地元としては敷地全てを公園や福祉施設などに転用することを求めていたが、

それは困難だと飛行場の敷地を半分程度に縮小し、その分だけ転用することにした。

それが現在の武蔵野の森公園と周辺のスタジアム・体育館などである。


飛行場の存続が認められた理由というのが、まさに離島の存在である。

離島への定期路線や救難活動という名目を掲げられると、地元としても反論しがたいと。

このような経緯があるので、自家用機に対する地元の目は大変厳しく、

2015年に自家用機の墜落事故で地元住民に死傷者を出してからは特に厳しい。

東京都としても自家用機を積極的に受け入れたことはないが、

国管理時代から運用している自家用機を追い出すために何か効果的な手が必要と、

いろいろ考えた結果行き着いたのが大島空港への移転だったという。


ところで東京には羽田空港が存在するのに、なぜ調布飛行場を使っているのだろうか?

おそらく羽田空港に60席未満の小型機の乗り入れが制限されていることが理由だろう。

羽田空港は混雑する空港であり、かつては国内線でジャンボ機まで飛んでいたほど。

現在は小型化が進んだが、JALの運用するエンブラエル170(76席)が最小である。

もっとも過去にはANAが羽田~三宅島で56席のQ300を飛ばしていた時期もあり、

離島路線であれば飛ばせられなくはないような気はするのだが……


調布飛行場はあまり便利な立地とは言いがたい。

ただ、八丈島以外の離島から空路で発着できるのはここだけという実情がある。

もしも羽田空港発着が認められればそれが一番良いのである。

もちろん発着枠の問題はあるのだが、これだけ拡張されたのだし、東京都内ならば特別扱いしてもいいんじゃないの? と思う。

機材は大型化して便数は集約するなどの工夫は必要と思うが。


調布飛行場には離島の救護活動という意義もあるとなっているが、

ヘリコプターであれば東京ヘリポートが主な拠点のはずだし、

固定翼機としても調布飛行場を使うことなんてあるんかね?

(小笠原諸島からの緊急搬送は厚木基地を使っているという)

立川飛行場は一応、固定翼機も使えるはず。ほぼヘリコプター専用だけど。

このような事情を考えると、これも有名無実なんじゃないかと思う。


離島定期便を羽田空港に移管できれば、調布飛行場の存在意義はなくなる。

離島住民・調布飛行場周辺住民いずれにとっても嬉しいニュースである。

ただ、そうして調布飛行場が廃港になると自家用機の運用はできなくなる。

もしそうなったとしても大島空港が使えますよというのはアリバイとして有用である。

それが実用的ではないってのはもっともな話なんですけどね。


もちろん自家用機も航空写真の撮影など、理由があって調布にいるんですけどね。

その自家用機の退路を断つことが本当によいことなのかというのはある。

東京都が管理を引き継いだ時点では、離島のためという名目があれば、

消極的ながらも自家用機の運用拠点を維持できるという考えもあったのかも。

階段歩ければ高くはならないし

少し前にこんなニュースがあった。

半世紀続く常磐線の「運賃格差」はヘンだ! 市民団体が2万6980円の賠償を求め提訴 (東京新聞)

1971年、従来は全て上野駅まで行っていた常磐線が、快速は上野駅へ、各停は綾瀬駅を境に営団(後の東京メトロ)千代田線への乗り入れになった。

(どうしてこうなったのかは後で書く)

これにより、常磐線の快速通過駅から上野駅へは何らか乗換が必要となった。


代替策は2つ用意された。

1つは松戸駅や北千住駅で快速・各停を乗り換えるという方法。

この場合は従来通りの運賃で利用できる。

もう1つは山手線と千代田線が交差するところに作られた西日暮里駅で乗り換える方法。

綾瀬~西日暮里を挟んだ場合は国鉄(JR)の運賃は前後を通算することになった。

ICカードでは前後を通算するのが難しいからか、100円引きにすることで代替されている。

多少運賃は高くなるのだが、乗換が楽なのでこちらがよく使われているという。


今回の訴訟は北千住で快速・各停を乗り換えるのが高齢者にとって大変だということが背景にあるという。

50年も前のことを今さら掘り返している理由はそこにある。

通勤で使っていた頃は交通費は会社から支給されたし、北千住の乗り換えも許容できた。

でも、歳をとって電車賃は自腹だし、階段は辛いということである。

ただ、国鉄が用意した2つの代替策はそれぞれかなり合理性のある内容で、

西日暮里乗換でも極端に運賃が高くならない配慮としては十分だし、

そもそも、千代田線でそのまま都心方面へ向かうことができるので、乗り継ぎの手間が増えるケースばかりでもない。

だから、この訴訟には理由がないというのが僕の理解である。


この北千住駅の乗換だが、歩く距離自体はかなり短い。

北千住駅/構内図 (JR東日本)

常磐線各停(千代田線)のホームは地下2階、常磐線快速のホームは2階である。

常磐線快速のホームから地下1階に通じる乗換用の階段があるという。

地下1階では快速ホームとの階段と各停ホームとの階段が比較的近くにある。

この乗り継ぎをかなり意識して作られたということが読み取れる。

歩く距離自体は短いのだが、快速ホーム~地下1階は基本的に階段しかないんですね。

(地下1階→松戸方面ホームの一部にエスカレータがあるが、途中に階段がある)

このため階段を使えない人が乗り換える場合は駅員に断って改札外を通る

必要があり、

2階(快速ホーム)~3階(JR改札)~地下1階(千代田線改札)~地下2階(各停ホーム)とエレベータ3台を乗り継ぐ必要がある。


ところで、なぜ常磐線各停は綾瀬から東京メトロ千代田線との直通運転になったのかという話だが、

国鉄は輸送力強化のために各停と快速・特急の線路を分離することになったが、とにかく金がかかる。

一方、交通営団は地下鉄の車庫を郊外に設置したいという考えがあった。

そこで国鉄は取手~綾瀬の各停用の線路を作り、交通営団は綾瀬~都心方面の線路を作るという形で分担した。

綾瀬駅から車庫までの線路も交通営団で作り、後にここは綾瀬~北綾瀬の支線として営業運転を行っている。

こうすることで国鉄としては費用を節約できたというわけである。


ただ、綾瀬駅というのは北千住駅より1つ松戸側の駅なんですよね。

このため、亀有~北千住(乗換)~上野 と乗車する場合、

綾瀬~北千住は東京メトロの区間なんだけど、この場合は全体をJRの運賃表に当てはめるルールなんだよね。

これは快速線との兼ね合いもあるのだが、冒頭に書いた代替策のためでもあるんですよね。

こういう境界部ではしばしばみられる現象ではあるのだけど。


地下鉄絡みでは運行方式や運賃が変わることはわりとあって、

  • 東急東横線 横浜~桜木町 → みなとみらい線
  • 京阪京津線 京津三条~御陵 → 京都市営地下鉄東西線
  • 国鉄筑肥線 博多~姪浜 → 福岡市営地下鉄空港線

のように他社へ移管され、地下鉄の建設費もあって運賃は高くなる傾向である。

後ろ2つは地下鉄区間は増発などの恩恵も大きいわけですけど。

それに比べれば常磐線各停は北千住で乗り換えれば運賃が変わらないのは恵まれてると思いますがね。


一方で都市交通で事業者の壁を意識すること自体がどうなのかという話はあり、

東京だと東京メトロと都営交通が混在していて、運賃制度は別とか、

この2社間は乗継割引が強いのでかなりマシとはいえ、それでも不便はある。

統一運賃表を作るというのは考えられるが、それをすると運賃が高くなる区間が一定出てくることが課題である。

正直、東京は各社運賃が安いのでそんなに大した問題じゃないんだよね。

どこがひどいって京都ですよ。京都市・阪急・京阪と地下鉄だけで3社あるから。

しかも市営地下鉄は初乗り220円も取るからね。(しかも値上げ計画まである)

1社だけで移動できるならまだよいが、なかなかそうもいかない。

バスなら1本で移動できてお得と思うかも知れないが、渋滞に巻き込まれると……やな話ですよね。

車庫へ分岐して新駅

OsakaMetro 中央線に新駅ができるかもというニュースが流れてきた。

大阪公立大の新キャンパス前にメトロが新駅検討 検車場への線路活用 (朝日新聞デジタル)

新駅というが、どちらかというと新線という方が正しいかも知れない。

森ノ宮駅と車庫を結ぶ線路を営業化して、車庫隣接地に大阪公立大学前とかいう駅ができるということである。


大阪公立大学というのも聞き慣れない名前だが、

大阪府立大学・大阪市立大学が統合されたもので、大阪府と大阪市を設立団体とする公立大学法人大阪が設置者となっている。

(この影響で寝屋川市にある高専が「大阪公立大学工業高等専門学校」と改名されている)

当初は両大学の校舎をそのまま利用するが、大阪市城東区森之宮に新キャンパスを作り、順次集約されていくようである。

もともと軍需工場があった地区で、工事にあたって不発弾処理が必要になったりあるのだけど、

ただ、都心から近いところにまとまった用地を確保できたのは、今後この大学の特色になるのではないかと思う。


車庫への回送線を大学へのアクセス路線にすると聞いて、そういえばと思い出した話があった。

それが2025年に夢洲で行われる国際博覧会である。

夢洲へのアクセス方法として鉄道とバスが大きなところになるが、

鉄道というのはコスモスクエアから夢洲に延長される中央線のことである。

多くの来場者が利用すると見込まれ、中央線の増発が必要だと言われている。

将来的にも夢洲方面はIRへの来場者などで利用が見込まれる。

そのための車両の購入も進めているのだが、効果的に増発を行うため、森ノ宮~夢洲の区間運転を行うのではという話がある。

今も車庫からの出し入れで森ノ宮発着便というのはあるんだけど、より積極的に活用されるのではと。


というところからすると、新駅~森ノ宮~夢洲 という列車を走らせるんだろうと。

新キャンパスが開校するのが2025年だそうで、ちょうど博覧会と被る。

なので、最初は増発便をそのまま新駅発着便とするのではないかと。

ただ、森ノ宮~夢洲の増発が必要ない時間帯もあるかもしれないので、

そうすると新駅発着の列車が全然走らないということにもなりかねないので、

新駅~森ノ宮だけを折り返し運転する便もあるかもしれない。


車庫への線路を営業線にしたというとこんなところが有名ですかね。

  • 東京メトロ丸ノ内線(支線) 中野坂上~方南町
  • 東京メトロ千代田線 綾瀬~北綾瀬
  • 博多南線(山陽新幹線の回送線) 博多~博多南

東京メトロには2つ、車庫への回送線を営業化したものがある。

近年までは支線専用に3両編成とか短い車両を用意していたのだが、

今はどちらの路線も本線と同じ車両を使い、都心方面への直通運転を行っている。

車庫を出入りする車両の有効活用というより車庫周辺の地域対策なのかな。

かつて短い車両を使っていたのは、方南町駅と北綾瀬駅のホームが短かったため。

延長さえ可能なら専用車を用意するのもアホらしいというのはもっとも。


博多南線はもともとは車庫への回送列車を営業運転にする形でやっていたが、

現在は利用者が増えたので博多~博多南だけを走る列車も出ているよう。

こちらは新幹線の車庫がある那珂川市の交通の便が悪いということで、要望があったらしい。

それで回送列車に乗せてあげるところからスタートしたので、正直なところ本数は今も少ないのだが、

需要が旺盛な時間帯は博多南線だけを走る列車も用意しているというのが実情とみられる。


森ノ宮駅から歩いてもたかが知れているので、わざわざ乗り換えてまで使うものかという話はあるものの、

夢洲方面への利用者が伸びるという想定にもマッチしており、

その点では無理のない計画なのかなと思う。

通学者数もかなり多くなる見込みで、そこも考慮しての新駅構想かと思う。

難所をピンポイントに手を入れるのも

最近になって、山形新幹線と秋田新幹線の在来線区間の改良の話が出てきた。

山形新幹線米沢トンネル(仮称)整備計画の推進に関する覚書の締結 並びに山形県内の鉄道沿線の活性化等に関する包括連携協定の締結について (pdf) (JR東日本)

秋田新幹線新仙岩トンネル整備計画の推進に関する覚書の締結について  (pdf) (JR東日本)

どちらも難所をトンネルを主体とした高規格線路に付け替えるというものである。


山形新幹線・秋田新幹線は新幹線と在来線の直通系統と位置づけられ、

新幹線の改良というよりは在来線の改良に位置づけられるものである。

なので改良後の線路は普通列車も走ることになる。

ただし、県境なので普通列車は少なく、大半は つばさ号 あるいは こまち号 である。

改良後は在来線としては高速の160km/hとか200km/hで走行可能となり、

現在は減速して走る区間が多いことからすればかなりの高速化となる。

山形新幹線の方が10分程度、秋田新幹線の方が7分程度の短縮を見込んでいるとのこと。


ただ、時間短縮というよりは遅延・運休対策と老朽化対策という意味合いが強いようだ。

険しい区間を走るので天候の影響を受けやすく、橋などの老朽化も課題である。

長大トンネルを含み、高速走行可能な線路の建設費はかなり高い。

山形新幹線の方で1500億円、秋田新幹線の方で700億円の見積もりである。

これ、後で紹介するけどかなり高額なんですよね。

老朽化対策でもあるのでJRも一定負担するとみられるが、地元負担が発生することは間違いない。


山形新幹線・秋田新幹線は既存の在来線を新幹線のレール幅に変更して運行されている。

このため、線路幅を変える工事、新幹線車両の購入が主なところである。

それぞれかかった費用はこんなものである。

  • 山形新幹線(福島~山形間)
    • 地上工事費318億円、車両費202億円
    • 山形ジェイアール直行特急保有(株)が国補助金47億円と出資金・借入金を原資に整備し、JRからリース料を受け取り借入金返済
  • 秋田新幹線
    • 地上工事費:598億円、国:県:JR=1:1:3で分担
    • 車両費310億円、秋田新幹線車両保有(株)が購入し、JRからリース料を受け取り返済

車両は当初はリースで対応したが、以後の置き換えはJRで購入している。

で、注目すべきは地上工事費である。

今回の難所を改良するのにかかる費用というのは、当初の新幹線直通プロジェクトよりも高額なのである。


在来線のレール幅を変更して新幹線との直通運転を可能とするというのは、

一見するとコストパフォーマンスに優れた方法に思えるのだが、実はそうでもない。

新幹線と在来線が直通できても、在来線が遅いと結局遅いからである。

検討されたことはあるが、秋田新幹線以来、この方法の採用例はないのが実情である。

既存の線路に大きく手を入れるぐらいなら、新しく線路を引いた方がよいと。

整備新幹線は国からの補助が充実しているので、JR・沿線地域の負担は抑えられる。

それで、在来線の高速化とは比べものにならないの高速化が実現できるのだから、結局はこれがコストパフォーマンスがよいのである。


もちろん難所だけピンポイントで改良するという選択肢はあって、

結果的には山形新幹線・秋田新幹線とも遅れながらもそういう手に出た。

しかし金額を見てもわかるけど、けっこうな金額になるんですよね。

時間短縮という観点で見ればあまりコストパフォーマンスはよくないという話もある。

ただ、遅延・運休といった課題を打破できることは大きな意義であり、

そこも含めればかなり価値の高い取り組みであるとも言われている。


整備新幹線はいくら国の支援が手厚いといっても、

予算の制約もあり、北陸新幹線はかなりの長期間をかけることになったり、

在来線の採算が悪化するため、JRから地域で引き取ることが求められるという課題もある。

これで困ってしまったのが西九州新幹線で、高速化の効果が大きい武雄温泉~長崎を先行して建設し、

その間は在来線がそこそこ使えるのでフリーゲージトレインを使うという構想だったが、

フリーゲージトレインの実現が困難と判明し、話が違うと佐賀県が騒いでると。


というか費用負担の話は山形新幹線・秋田新幹線のトンネルにもあるんだよな。

県境のトンネルなので、JRと両県で分担するというのが一般的な考えだが、

冒頭で紹介したJRとの合意にはそれぞれ山形県と秋田県しか加わっていない。

福島県と岩手県はそれぞれ積極的にここに関与しようとしていない。

とはいえ、何らか負担せざるを得ないとは思うんですけどね。

関空の国内線エリアは遠くなった

先月末から関西空港の第1ターミナル(T1)国内線エリアが移転した。

従来はT1 2階の中央付近に出発・到着・ゲートがまとまっていたのだが、

南ウイングの中間付近にゲートが移転し、2階の南側に出発、1階の南側に到着となった。

これにより全体的に従来より移動距離が増して、Webサイトには、

<ご出発のお客様>保安検査場通過後~搭乗ゲートまで: 約 5 ~ 9分

<ご到着のお客様>空港ご到着後~到着口まで : 約 6 ~ 10分

さらに保安検査場・到着口自体が駅から遠くなっているので、だいぶ遠くなったと言われている。

リムジンバス出発は1階だから上下移動なくなったけど。


これは関空T1リノベーション工事の一環として行われているものである。

関西国際空港 T1 リノベーション (pdf) (関西エアポート)

当初、関空の利用者数は国内線1300万人、国際線1200万人という想定だった。

しかし、国内線の需要はPeach就航まで伸びず、PeachはT2を利用している。

一方で国際線の需要は旺盛で、Peachなど一部の航空会社はT2を使うものの、多くにおいてはT1を利用している。

この計画が発表されたのは2019年のことだが、2018年の実績でT1国際線は2060万人、T1国内線は400万人となっている。

すなわちT1国際線は当初想定のキャパシティを超過していたのである。


当時は中国をはじめとする各地からの観光客で賑わっていた関空、

ただ国内線エリアは全体的に閑散としている印象があった。

以前、関空の国際線を利用したとき、ウイングシャトルに乗らず国内線エリアを見下ろしながら歩いて行ったことがあるが、端の方は全然人がいない。

というわけで、関西エアポート社はT1国内線エリアを縮小して、国際線エリアを広げることでキャパシティ増加を図ることとしたのである。


でも、なんで関空の国内線ってそんな需要が見込まれてたんでしょうね?

これはおそらく伊丹空港の全機能を移すことを想定していたからではないかと思う。

伊丹空港の騒音問題を打開することは関西新空港の目的の1つだったと。

ただ、実際には関空開港後も伊丹空港は存続している。

航空機の低騒音化も進み、関空との経営統合も行われ、共存共栄の道は明確になった。

このあたりもT1国内線エリアの縮小に進んだ要因の1つではないかなと。


さて、関空T1リノベーションのポイントとしては、国際線の使えるゲートを増やすこととと国際線出発エリアの床面積を増やすことである。

従来、国際線32スポット・国内線7スポット・共用2スポットだったものを、

国際線35スポット・国内線5スポット・共用4スポットとして、

国際線で利用できるスポット数を34→39と5スポット増加させるわけである。

また、2階国内線エリア、3階一般エリアを国際線出発エリアに転用し、

出国検査後の商業施設・飲食店を配するエリアを+60%拡大できるとのことである。


ただ、スポット数の増加については国内線エリア縮小以外の理由もあって、

全スポット数を足すと、従来41スポットだったものが、44スポットに増えている。

これはいくつかのスポットを小型機2機で分けて使えるようにしたためである。

すでに1番・3番は1L/1R、3L/3Rと分けて使えるように設備が整っている。

あと国内線ゲートの1つも同様の対応をするようだがまだされてないっぽい。

なので国際線で利用できるスポット数が5増えるというのは、

小型機用に分割して+3、共用ゲート増で+2というのが真相である。

従来から2つの共用ゲートはほとんど国際線で使っていたはずで、増加した共用ゲートを国際線で活用することが本質的に重要とみられる。

(もちろん国内線の便数が多い時間帯は国内線で使うのでしょうが)


そんな関空の新しいフロアマップを見て気になったことがあった。

フロアマップ/第1ターミナルビル 2F 国内線出発フロア・国内線ゲートエリア

保安検査場・到着口と商業施設・飲食店のあるエリアとは鶴の首のように長い通路で結ばれている。(ムービングウォークはあるそうだが)

ここから滑走路側に24~27番ゲート、反対側はさらに南に進み38~41番ゲートとなっている。

南端の38番ゲートともなるとかなり遠いようである。

41~40番ゲートの間にはムービングウォークが取り付けられているが、その先はないみたいだし。

で、滑走路側の24~27番が国際線との共用ゲートになっている。

24番は新国際線エリア(元国内線)、27番は国際線南エリアと隣接しているからよいとして、

25番と26番の間に国内線エリアから除外されたエリアがあるが、おそらくこれは25・26番の国際線ゲートラウンジではないかと思う。

共用ゲートを増やすためにこのような珍妙なことをしているようである。


この中途半端に挟まれたエリアはどうなっているのか?

気になるところだが、現在そのエリアに入ることはできないと思う。

なぜかというと現在、国際線では北ウイングしか使っていないからである。

これは工事のためというよりは、国際線の便数が少ないためである。

このエリアはウイングシャトルに乗るのか乗らないのか? よくわからん。


今日の関空T1国内線出発のゲート使用状況を見てみると、

24番:4便、25番:5便、26番:6便、27番:9便、41番:5便、40番:4便、39番:3便、38番:1便となっていて、

国内線エリア中央から離れた39番・38番は使用する便数は少ない。

これはそうだろうと思うのだが、問題は24~27番は国際線との共用ゲートであるということ。

だから、国内線はできるだけ41~38番を使うようにしたいわけである。

でも、国内線エリア中央に近いのは41・25・26番、次いで24・27・40番といったところ。

果たして25番・26番は共用ゲートとしての役目を果たせるのだろうか。

共用ゲートは国内線・国際線の切り替えを行う便で使うのも効果的だが、

T1使う会社でそれをやるのはJetstarぐらいで、それも沖止めの飛行機でやってたような覚えがあるんだよなぁ。

そういうニーズもあまりないんじゃないかなと思う。


これから国際線エリアの工事が本格化するとみられるが、

従来は出国審査を抜けると3階に出て、ここに免税店などが並んでおり、

ここからウイングシャトルに乗って、駅に着いたら2階に降りてゲートラウンジとなっていた。

国内線と国際線の分離、横に長いターミナルの移動など考えられた仕組みである。

ところが新しい国際線エリアというのは、出国審査を抜けると2階に出てくる。

2階に免税店や飲食店などが並ぶことになる。中央付近であればそのまま搭乗できる。

ウイングシャトルは3階だから、一旦上がってシャトルに乗って下ってとは煩わしい気がする。

北ウイング出発はそのまま2階を歩いても(距離はともかく)ゲートへ行けるが、

南ウイングについては国内線エリアがあるので、3階レベルを行かざるを得ない。


関空T1リノベーションの基本的な考えとして、出発手続きを迅速にして、出発エリアでの滞在時間を快適にするという考えがある。

国際線については余裕を持って空港に来る人が多いので、

チェックイン・保安検査・出国審査の迅速化を行って、出発エリアの店舗を充実させるという考えは納得しやすいと思う。

従来に比べると導線が洗練されてないところはあるが、それ以上のメリットはあるかなと。

ただ、国内線については出発エリアの店舗充実というのはあまり響かないのかなと。

今はまだ共用ゲートが国際線で使われることがないのでいいけど、

リノベーションの効果を高めるために共用ゲートはできるだけ国際線で使うとなれば、

39番・38番といった遠いゲートを使う便の割合が増えることとなる。

そうするとなおさら遠くに追いやられたとなるんじゃないのかな。


あと国内線エリアの縮小に伴って、航空会社のラウンジも各社別に設けていたものが共同化された。

主要空港とすれば寂しい体制だが、関空の利用実態を考えればこれでいいのかもしれない。

ラウンジ使えない人には関係ないことだしね。