平行誘導路があるかないか

連休明け、1日休んだらいろいろあるかと思ったら、意外とそんなこともなく。

連休中は平和だったみたいですね。いいことですけど。


昨日、南紀白浜空港には平行誘導路がないという話を書いた。

白浜の海岸を行く

気になって調べてみたのだが、地方管理空港だと持ってるところの方が少ないですね。

航空写真を見た範囲では、地方管理空港で平行誘導路があるのは、

女満別・青森・花巻・福島・静岡・神戸・岡山・奄美・新石垣・下地島だった。

(下地島だけ浮いてるような気はするが、後で書く通りこの空港の設備は破格である)

逆に国管理空港ではほぼ平行誘導路があって、ないのは稚内空港・山形空港と百里飛行場(茨城空港)ぐらい。

茨城空港については、百里基地の自衛隊用滑走路と民間航空用滑走路はそれぞれ用意されていて、

その民間航空用の滑走路には平行誘導路がなくて、端にターニングパッドが付いているわけですね。

自衛隊用の滑走路には平行誘導路があるので、一見してありそうだけどね。


意外だったのは佐賀空港(県管理)に平行誘導路がなかったこと。

「九州佐賀国際空港」の愛称を付け、今や日本で有数の忙しい空港となった福岡空港の肩代わりをして国際線も増えているが、

設備面ではそこら辺の離島の空港とそう変わらないと。干拓地なので運用時間の制限がゆるいのは日本では珍しいですが。

富山空港(県管理)は河川敷の狭いところに押し込められているので、地形的に平行誘導路が作れないという事情もあるらしい。

これだけが理由ではないけど、北陸の基幹空港というのは小松空港ほぼ一本ですね。


あと航空写真を見ていて気になったのが、平行誘導路がなくても端にターニングパッドがあるとは限らないこと。

小さなプロペラ機ならなくても転回できそうだなとは思ったが、ボーイング737程度までならターニングパッドは必須ではないよう。

移転前の石垣空港はターニングパッドなしでボーイング737が発着する空港の1つだったようだ。

(現在の新石垣空港は平行誘導路が整備されている)

ターニングパッドが必須なのはそれよりさらに大きな中型機以上だから、必須ではない空港も多そう。


平行誘導路がない場合、離陸時は滑走路の端まで走って、ターンして、そこから離陸完了するまで滑走路を占有する。

着陸時も同じで、着陸開始して滑走路を走りきって、ターンして、駐機場へ向かう誘導路に出るまで滑走路を占有する。

これが平行誘導路があれば、滑走路の端から滑走路に入って離陸するまで、着陸して十分スピードが落ちて誘導路に入るまでの占有時間で済む。

平行誘導路があるだけで処理能力は飛躍的に上がるし、時間面での融通もつきやすい。

ただ、南紀白浜空港は1日3往復、いずれもきた飛行機がそのまま帰るだけだから、

基本的には空港には1機しか旅客機はいないわけで、滑走路の占有時間が長いからといって問題となることはない。


この平行誘導路の効果をさらに高める設備として「高速離脱誘導路」というのがある。

南紀白浜空港ではちんたら滑走路を走ってターンしていた飛行機だが、

羽田空港では着陸してブレーキをかけ、そこそこのスピードのまま滑走路から平行誘導路に移っていった。

比較的速いスピードで滑走路から離脱するために使われる、滑走路に対して斜めの誘導路を高速離脱誘導路という。

メリットは単純で着陸した飛行機ができるだけ速く滑走路から脱出して、次の飛行機の離着陸をできるので、

発着便数の増加につながるということで、忙しい空港には必須とも言える設備である。

何本か用意しておけば、飛行機の大きさなどに応じて、安全に滑走路から出られる範囲で近いところを選ぶことができ、

なおさら滑走路の占有時間減少につながるということで、なかなか奥深いものである。


調べたところ、日本の空港で高速離脱誘導路があるのは下記の空港である。

成田・中部・関西・大阪(伊丹)・東京(羽田)・新千歳・福岡・那覇・下地島・名古屋・岩国

岩国空港については自衛隊・アメリカ軍の岩国基地の滑走路にあるからということである。

名古屋空港については小牧基地併設というのもあるけど、元は基幹空港ですから当然あったわけですね。

残る空港は下地島以外は言うまでもなくいずれも重要度の高い空港ですね。


さて、ここでなんで下地島空港は離島の空港なのにそんなにリッチな設備があるのかと気になった人もいるかもしれない。

実は下地島空港は訓練用の空港としてできた経緯があり、かつては訓練用途での利用が多かったらしい。

ただ、2014年以降は訓練用途での利用が激減しており、当時は定期便もなかった。

そんな中、2015年に伊良部島と宮古島が架橋され、下地島と伊良部島はもともと架橋されていたから、宮古島まで陸路で移動できるようになった。

これを受けてか定期便の就航に向けてターミナルビルを整備、国際線も飛来するようになった。(宮古空港は国際線はない)


空港もいろいろですが、日本は空港に使える土地が狭いところが多いですから、そこが難しいですね。

南紀白浜空港にしても地形を考えればわりとカツカツの立地といってもよいと思う。

ちなみにこの空港は1回移転を経験しており、航空写真で見ると隣に×の書かれた滑走路がある。

当初はプロペラ機(YS-11)を想定した1200m滑走路の空港だったが、ジェット機対応のために移転・拡張した経緯があるよう。

基幹空港にしても、滑走路を増やすことが難しく、少ない滑走路をどれだけ使い倒せるかということになりがちで、

特に厳しいのが福岡空港で、もう拡張余地がほぼない中で、クロースパラレルの滑走路増設の計画はあるが……

狭いが滑走路が増やせないわけでもない

そういういろいろな制約を考慮して空港の設備は作られているということですね。

新幹線駅でもみどりの窓口なくて困らないよね

偶然、みどりの窓口のない新幹線駅という話を見て、そうかそんな駅も出来たのかと。

駅情報(糸魚川駅) (JRおでかけネット)

浦佐駅 (JR東日本)

まぁどっちもそんなに困らないんだと思います。

あの いわて沼宮内駅(1日乗車人員100人以下) や 奥津軽いまべつ駅(同30人以下)にも窓口があるのに、

という感じはあるけど、それも時間の問題じゃないかなぁ。


新幹線駅にみどりの窓口を必ず置いてきたのは、停車する列車の全てが特急だからというのはあると思う。

在来線でも特急停車駅には みどりの窓口 が置かれていることが多い。

それは指定席特急券の発売に必要だからということだが、必須というわけではないらしい。

それ以外の有人窓口でも条件によっては指定席特急券の発売ができるようだ。ただし時間がかかる場合もある。

そもそも、昔から無人駅の特急停車駅というのはあったでしょうけどね。

高山本線の ひだ号 の全てが停車する猪谷駅は無人の特急停車駅の1つである。

ただ、この駅はJR東海・JR西日本の乗務員交代のために停車するという面が強いと思う。

(2006年までは神岡鉄道との乗換駅という意味もあったらしい。その当時から無人駅だったらしいけど)

あとは特急利用者の多くは近距離の自由席利用で、その場合は備え付けの券売機で乗車券・特急券とも買えるので、不便は少ないのだろう。


新幹線駅のみどりの窓口閉鎖というのも、券売機で代替出来るからということになる。

JR西日本の言い方では みどりの券売機 があれば、基本的な乗車券・特急券の購入はできる。

また、複雑なきっぷでも、みどりの券売機プラス ということでオペレータ対応でなんとかできる。

あるいは e5489 や えきねっと で事前申し込みしておけば、スムーズに受取ができる。

基本的にはみどりの券売機でOKということにしてもいいと思いますけど、

オペレータ対応までできれば万全ということになろうと思う。

すでに在来線特急停車駅ではこのような体勢は珍しくないわけですからね。


なお、糸魚川駅についてはJR西日本にとっては大糸線の駅という一面もある。

ただ、大糸線自体が利用者が少ない上に、駅業務はえちごトキめき鉄道に委託されているので、

今まで定期券や乗車券の購入のためにみどりの窓口を使ってた人がいないとは言えないが、基本的にはえちごトキめき鉄道の窓口で問題ない。

もちろん、みどりの券売機を使って大糸線関係のきっぷを買うことはできるし、今もそうしてるのかもしれない。

大糸線まで考慮しても糸魚川駅のみどりの窓口閉鎖は軽微な問題と言える。


ということで全体的には券売機の高機能化というところで理解してよいのだと思う。

そう考えるとこれに続く新幹線駅のみどりの窓口閉鎖はけっこうあるかもね。

それぞれの駅の性質も考えなければならないけどね。


ところで、みどりの券売機、基本的にはよいと思うのだが、いろいろ条件を指定してきっぷを買える反面、

シンプルなきっぷを買うための操作数が多いのがやや不満である。

三原駅の乗換改札で特急券を買おうとしたら、みどりの券売機1台と窓口があるだけ。自由席券の券売機はないのか。

というわけでみどりの券売機をポチポチ操作して自由席特急券を購入。ちょっと操作数が多いね。

(尾道・広島を行く)

窓口できっぷを買うというと複雑なきっぷというイメージもあるかもしれないが、

実は簡単なきっぷほど券売機の操作の多さを嫌って窓口で買う人がいたんじゃないかと思うところもある。

まぁでも本当にこういう利用が多い駅は専用の券売機を置いてるか。

そういえば、新幹線の小倉駅には、通勤電車の駅のように自由席特急券・乗車券の券売機が何台も並べてありましたね。

(福岡~北九州の移動に新幹線を利用されることが多いので)

山形でSuicaが使えるのはまやかし?

昨日、青森・盛岡・秋田周辺でSuicaを導入する話を紹介した。

バスが使えるのに鉄道が使えないのはおかしいからね

山形県内のSuica導入状況について「仙山線に特化していて、県内移動にはあまり使えない」と書いたが、

Suica仙台エリアの路線図を見ると、一見して山形線(奥羽本線)にも導入されてるように見える。

Suica仙台エリア(pdf) (JR東日本)

福島~山形~鳴子温泉~古川が破線で書かれている。

これだけ見るとわからないけど、山形~鳴子温泉・古川は同じ路線ではなく、新庄で山形線と陸羽東線をつないでいる。


破線区間は未導入駅で乗降しない場合は使えるということで、仙山線の愛子~山形(途中駅は山寺・作並のみ導入)と同じだが、

問題は福島~山形とか、山形~鳴子温泉という利用がそんなにあるのかという話である。

前提としてSuicaはつばさ号(いわゆる 山形新幹線)では利用できない。

通常の乗車券+特急券、あるいは 新幹線eチケットサービス で乗車する必要がある。

制度上は福島~新庄のつばさ号は在来線特急なのだが、福島駅で新幹線ホームに発着するなどの都合もある。

福島~新庄では山形線の普通列車と つばさ号 が混在して走っているのだが、

このうち福島~米沢は全国的にも普通列車の少ない(1日6往復)区間で、運行列車の大半がつばさ号になっている。

このため、福島~山形をSuicaで利用するのは制度上可能でも、実用上は困難である。

また、山形~鳴子温泉・古川についても、新庄経由での利用は少ないとみられる。

山形~古川だと最短ルートは(在来線のみ利用としても)仙台経由ですからね。


じゃあ、なんでこんな書き方になっているのかというと、同区間へのSuica導入時に設定された仙台近郊区間との整合だと思う。

大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例 (JR東日本)

これによれば山形~古川などの区間は仙台経由のきっぷで、新庄経由で利用してもよい。

ただし、大都市近郊区間の特例に該当する場合は、そのきっぷが100km超であっても途中下車はできない。

このため運賃が高い方のきっぷを購入するメリットがないので、安い方(山形~古川なら仙台経由)しか通常は売らない。

なお、新幹線や つばさ号を利用する場合は大都市近郊区間の特例が適用されず、経路通りの乗車券を購入する必要がある。

また、特例が適用されない以上は100km超であれば途中下車が可能になる。経路通りなら気が変わって普通列車を使ってもよい。


JR東日本はこう言ってるのだが、昨日、JR九州のSUGOCAの案内ページを見るとこういう記載があることに気づいた。

SUGOCA/運賃計算/「SUGOCA」のカード内残額利用乗車の場合 (JR九州)

福岡・佐賀・大分・熊本エリアでは、路線自体は未導入区間があるが、両端はSUGOCA導入駅という路線がいくつかある。

原田線(原田・桂川のみ導入) や 久大本線(久留米~善通寺・大分~向之原のみ導入)などが該当する。

これらについてこういう記載がある。

ご乗車の区間の運賃を計算する際、「運賃計算の特例に使用する路線」を経由して計算した方が最も安くなる場合、実際には異なる経路で乗車する場合でもこれらの線区を経由したものとして運賃を計算します。また、カード残額を利用して、JR九州のSUGOCAエリア内の駅から乗車し、これらの線区を通過して、JR九州のSUGOCAエリア内の駅で下車することができます。(運賃計算の特例に使用する路線の途中の駅では下車できません。)

例えば、小倉~久留米 と移動する場合、普通に考えれば博多経由で移動すると思うが、

実はこの区間は小倉~折尾~桂川~原田~久留米が最安ルート(ただし、明らかに遅い)なんですね。

Yahoo!路線検索で同区間を「現金(きっぷ)優先」で検索すると2170円と出て、「ICカード優先」にすると1850円と出る。

なお、同エリアでも福岡近郊区間という制度があり、紙のきっぷでも乗車区間によらず最安ルートになる場合もあるが、

小倉~久留米は対象外(鳥栖~久留米が福岡近郊区間に該当しない)となっている。

このあたり、類似する制度があっても紙のきっぷとICカードで同じではないのは、JR西日本のICOCAも同様である。


さらに驚いたのが、非導入区間を通過する場合でも、SUGOCA導入駅同士の利用ならばICカードが使えるんですね。

久留米~大分を久大本線で通り抜けるなら、ICカードでいいんですね。

これはまさにJR東日本が福島~山形~鳴子温泉~古川を破線表記しているのと同じことだ。

実際問題として、これらの区間をICカードで通り抜ける意義があるのかはよくわからないが、

久留米~大分は特急が直通してるし、原田線は本数は少ないが短絡ルートとして無意味とも言えない。

なお、福岡・佐賀・大分・熊本エリア同士でも、唐津~佐賀を唐津線経由で使うのはNGと書かれている。

これは姪浜~唐津~西唐津の筑肥線は地下鉄空港線経由での利用しか想定していないから。

一方で、姪浜~博多を挟んでJRの駅同士で利用する場合は、JR分の運賃を通算するルールがあるので、孤立したエリアでもない。

なので、一般的に未導入区間を通過して良いわけではなく、このケースに限ってはOKということである。


かつてはJR東海のTOICAでも岐阜~多治見を当時はTOICA非導入だった高山本線・大多線経由で通過できるルールがあった。

同区間を含めて最安ルートとなる場合は、その運賃を適用するというルールもあった。

岐阜~多治見だと高山本線・大多線経由だと直通列車もあるし、両側とも岐阜県ですからね。

というわけでこれは実用面でも一定の意義があったと思う。

現在は同区間にもTOICAが導入されているので、一般的なルールとして最安ルートで計算される。


一方、JR西日本は「ICOCAエリア以外の区間を通過してご利用いただくことはできません」と明示している。

過去にさかのぼっても非導入区間を通過してよいルールはなかったはず。

では、非導入区間を通過した方が安くなる区間はどうなのか?

もはやICOCA導入区間が広がりすぎて非導入区間を通過した方が安くなるケースは少なくなったが、

規定上は一部の非導入区間は最短経路として考慮するルールがあるようで。

ICカード乗車券取扱約款(pdf) (JR西日本)

別表1の破線区間がそうで、現在は加古川線の西脇市~谷川のみが該当している。

この区間は大都市近郊区間との整合性も考慮してると見られるが、この制度の対象外でも最安経路として考慮される。


というわけで各社事情はいろいろなのだが、Suica仙台エリアの山形県内の表示は非常に紛らわしい。

嘘は言っていないのだが、仙山線以外をSuicaで利用するのは実用上困難である。

あと、仙山線にしてもSuica定期券は買えないんですよね。(非対応駅を含む=破線区間を含む場合は定期券は売らない)

仙台~山形は大学生の通学利用が多い区間と知られている。(仙台への通学も山形への通学も多いらしい)

にもかかわらず定期券がSuicaで買えないということで、こういうところも山形では実質的にSuicaが使えないという話につながっている。

確かに仙山線の途中駅はけっこうな秘境駅もあるのは事実で(都市間の通勤電車とは思えない車窓だった)、

ICカード非対応駅になるのもわからなくはないのだが、それと定期券が買えないのは別問題だよな。

なるほど、山形県民のいうことはそういう事情もあったんですね。

バスが使えるのに鉄道が使えないのはおかしいからね

JR東日本が、東北地方においてSuicaエリアを拡大することを発表した。

北東北3県における Suica ご利用エリアの拡大について (pdf) (JR東日本)

Suicaエリアは細々とした拡大(2020年の鹿島線への導入など)や、

一部駅の導入に留まっていた区間の未導入駅への導入(2017年に韮崎~松本にあった未導入駅にSuicaを導入したなど)はあったが、

本格的なエリア拡大という点では、2014年の松本・会津・山形などへのエリア拡大以来ではないか。


で、どこに導入するのかと見てみると、青森・盛岡・秋田の周辺に独立した利用エリアが設けられるようだ。

青森エリアだと青森~弘前と津軽の2大都市を結ぶ区間、途中には新青森駅で新幹線と接続する。

盛岡エリアだと東北本線の盛岡~北上を中心に、田沢湖線の盛岡~雫石、釜石線の花巻~新花巻、ここはそこそこ広い。

秋田エリアだと男鹿線全線と奥羽本線・羽越本線の概ね秋田市内の区間ということで、男鹿線以外はけっこう限定的。

新幹線接続も意識したのかなと思いつつも、明確にそういう使い方があるのは青森エリアぐらいかも。


なんでかなと思ったんだけど、さっきのニュースリリースの最後のページに「地域連携ICカードの導入状況」という資料がある。

地域連携ICカードというのは地域のバス会社などが発行するSuicaを拡張したカードで、

第一弾が栃木県で関東自動車・JRバス関東が発行するtotoraというカードですね。

これにより両社の栃木県内路線はSuicaと相互利用できるICカードに対応し、totoraでの定期券発行を開始した。

回数券代替というには弱いがバス利用でtotoraではポイント付与されるようだ。

次いで岩手県交通(Iwate Green Pass)でも導入されている。岩手県北バスもここに乗っかる予定なのかな。


この導入エリアを見てみると、栃木県・群馬県・山形周辺はすでにSuica導入済みだね。

(もっとも山形については仙山線の利用に特化しているので、県内移動にはあまり使えないけど)

そして今回の導入エリアというのは、青森周辺・岩手県内・秋田周辺にそれぞれ対応している。

八戸周辺と庄内は鉄道への導入予定がないけど、もしかしたら計画はあるのかも。

こういう観点で新規導入エリアを見てみると、八戸線が入ってないのが不思議なぐらいだね。

青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と協調しての導入も探ってるのかも知れないが、

八戸線の八戸~鮫だけでも導入されると、地域内移動・新幹線接続の観点からも便利そうだよね。


ICカードの利用エリアといえば、JR西日本(ICOCA)の積極策が全国的に見ても目立つ。

ICOCAエリアはひとつに

現在、ICOCAエリアは富山県から山口県まで山陰や香川県も含めて16府県に広がっている。

エリア内に明確な境界はないが、200km以内などの条件はある。(でも地域内の移動にはまったく困らない)

ここにはいろいろな背景がある。

1つはJR西日本がチケットレス特急券の導入とセットでICOCAエリアを拡大したこと。

岡山~出雲市や和歌山~新宮のエリア拡大は、当初は特急停車駅を中心とした導入で特急を意識していた。

沿線地域がICOCA導入に積極的だったことも要因だと思う。

特に北陸ではもっとも最初に導入したのは、新幹線開通時にJRから独立した あいの風とやま鉄道 ですからね。

沿線市町村もICOCA利用の補助制度を設けて鉄道利用を促進してるケースがけっこうある。

西日本では、鉄道の導入が先行し、地域のバス・鉄道がICOCAを導入する流れが続いている。


JR東日本のアプローチはどちらかというとJR九州(SUGOCA)に似てるのかもね。

SUGOCAエリアは福岡・佐賀・大分・熊本エリアこそ北部九州の広域が1エリアだが。

宮崎エリア・鹿児島エリア・長崎エリアは各県庁所在地の周辺に限られる。

わりとローカルな利用に特化してる印象だが、宮崎エリアは宮崎空港との往来で使われることも多いかも。

鹿児島・長崎への導入は2012年と比較的早かったんですよね。

そこから、2015年の宮崎エリア導入以降はあまりエリアは変わってないんですけどね。


ところで岩手県内ってすでにSuica導入区間があるんですよね。

それが一ノ関駅・平泉駅で、この両駅はSuica仙台エリアの一部として導入されている。

一関は宮城県に隣接する都市だが、一方で宮城県との往来がそんなに多いのかは疑問がある。

だいたい、一ノ関駅の隣の宮城県の導入駅は60km離れた小牛田駅なんですよね。

今回の盛岡エリアの南端にあたる北上駅までの42kmよりだいぶ遠い。(この間に平泉駅がある)

おそらく一ノ関~平泉を新幹線接続で利用できるようにするための名目として仙台エリアの一部にしたのだろうが、

結果としてはそれゆえに岩手県内の移動に断絶が生じてしまったということだろうと。

仙台エリアへの統合も視野にあるのかもしれないが、一方で八戸・青森方面への拡張も考えられる。

このあたりはどっちがよいかというのは一概には言えないですけどね。


というところで将来的な行方は気になるところはあるが、基本的な考えとしてはいいと思いますね。

導入済みエリアでも導入路線・導入駅の拡大はあるかもしれませんね。

さっきも書いたけど山形県内は仙山線に特化していて、県内移動にはあまり使えないなんていうのもある。

ここは前々からなんでやらないんだろって思ってたところですけどね。

陸続きで道路もあるのに船があった

びっくりしたというのは、この航路が未だに生き残ってたことだけど。

浜島~御座~賢島定期航路(浜島航路)の廃止について (pdf) (志摩マリンレジャー)

志摩マリンレジャーというのは、英虞湾と鳥羽湾で観光船と定期船を運航している会社。

定期船は英虞湾で2航路あって、1つは賢島~間崎~和具航路、これは離島である間崎島を通ることもあって今後も継続運航される。

もう1つが今年9月で廃止が表明された賢島~御座~浜島航路だが、実はこれは陸続きのところを結んでいるのである。


このあたりは海岸線が入り組んでおり、地形が険しいということで、かつては陸続きのところでも船が重宝された。

僕が知る限りでは、三重県内で離島が関係しない航路としては下記のものが存在した。

  • 鳥羽~浦村~石鏡 (鳥羽市営定期船) 1975年廃止
  • 賢島~御座~浜島 (志摩マリンレジャー) 2021年9月廃止予定
  • 五ヶ所湾巡航船 (志摩マリンレジャー) 2000年廃止
  • 須賀利巡航船 2012年廃止

いずれも廃止理由は道路整備ということである。

特に鳥羽~浦村~石鏡はパールロード(開通当初は有料道路だったが)の開通からまもなく廃止されたという。

須賀利巡航船は尾鷲市の飛び地である須賀利町と他の地域を結ぶ道路がなかったことに由来する。

1982年の道路開通後も須賀利の唯一の公共交通として運航が継続されてきたが、2012年にコミュニティパスに転換された。

長らく航路が維持されたのは、尾鷲市街まで海を行く方が圧倒的に近かったからだろうが、そうはいってもコスト面で不利だしね。


賢島~御座~浜島航路が現在まで残っていた理由はよくわからない。

御座も浜島も道路が通じ、伊勢市や鵜方(志摩市中心部)までバスで結ばれている。

賢島~御座は海を突っ切った方が近いのは事実だが、陸路で鵜方・伊勢方面へ向かったとしても極端に遠回りなわけではない。

バスは1時間に1~2本運行され、鵜方~御座の所要時間はおよそ1時間、

賢島~御座の船が25分と考えると速いのはそうだが、1日3往復ではメリットは乏しいだろう。

賢島~浜島では本数・所要時間どちらを取っても海路のメリットはないだろう。


海路に顕著なメリットがあるとすれば、御座~浜島という英虞湾の入口付近を結ぶ区間で、

実はこの区間は国道260号線の海上区間で1989年まではカーフェリー(奥志摩フェリー)が運航されていたという。

今にしてみればどんなニーズがあったのかと気になってしまうが。

この国道260号線の整備で鵜方~御座の道路や五ヶ所湾を囲む道路ができたわけだ。

海上区間を挟んで使うというよりは、陸の孤島同士を結んだ道路という感じなんだけどね。

実際問題として、御座~浜島だけの利用は少ないはず。


これにより志摩マリンレジャーの定期船は賢島~間崎~和具航路だけになる。

この航路は間崎島が架橋されていない離島であることから、離島航路としての補助金が出ている。

賢島~和具と考えるとここは陸続きだが、和具には三重県立水産高校があるため通学航路としての需要がある。

このことから経営的に恵まれているとは言えずとも、とりあえず廃止の心配はない。

1日9往復運航され、最終便が17時台というのはいささか早いが、十分使える航路だと思う。


以前教えてもらったんだけど、

青森~脇野沢~佐井を結ぶシィラインは陸続きのところを結ぶにもかかわらず離島航路としての補助金が出てるらしい

下北半島の先の方なのだが、このあたりは道路状況が悪く、冬期は閉鎖される区間もあるため、

特に県庁所在地の青森市との往来となると、極端な遠回りを強いられる事情があるようだ。

道路が全く使えないわけではないが、陸続きの生活圏はせいぜい むつ市 ぐらいまでということか。

このような事情から陸つながりの離島航路が認められているということである。

実は函館~大間のフェリーを使って函館へ行くのが一番近いなんて話もあるぐらい。

函館~大間がいくら近くても、本州~北海道の広域移動としては意義が乏しいところ、生活航路としての意義がメインという。


全国的にはこういう地域はいろいろあるのかもしれないけどね。

ただ、三重県の志摩地域ではもう陸の孤島はないと思ってたので、なんで残ってるんだろというのは不思議だった。

以前から廃止を提案してはいたみたいなんですけどね。(調べるとそんなニュースがいくつかひっかかった)

事情からすればもっとあっさり廃止されてもよさそうなもんなんだけどね。

かつては市バスも山科まで走ってた

こんなニュースを見てびっくりしたんだけど。

京都・山科区で市バス「復活」へ 四半世紀ぶり 地元「不便」受け (毎日新聞)

京都市の山科・醍醐地区は同地区内に地下鉄東西線が開通したことを受けて、

市バスは撤退し、地域を走るバス路線を京阪バスに一本化した経緯がある。

いくつか思惑はあったんだろうけど、バス需要の減少に合わせて市バス醍醐営業所を閉鎖する意図はあったんじゃないか。


こうして市バスの山科・醍醐地区を走っていた系統はいずれも廃止となった……

と思ったが、実は経路を変更して現存している系統が1つだけある。

それが80系統、現在の経路は 太秦天神川駅→西京極運動公園→河原町五条→五条坂→祇園→四条河原町→河原町五条→西京極運動公園→太秦天神川駅 である。

京都の地理に詳しい人ならわかると思うのだが、西京極~五条坂はひたすら五条通(国道1号線~9号線)を走っている。

それで五条坂→祇園→四条河原町→河原町五条と都心をめがけてぐるりと回って、また五条通を西京極まで走るのである。

途中に市立病院があるので、そこへの通院路線として使われているらしいが。


で、実はこの80系統は醍醐営業所が廃止される以前は、五条通を五条坂を越えてもそのまま進み、

東山トンネルを越えて山科区内に入り、山科団地(現在の東野駅付近にある)へ走り、そこで折り返して市内に戻っていたそうだ。

これが市バスの山科・醍醐撤退に伴い、五条坂までに収めて、なおかつ都心へ向かうようにしたのが現在の80系統というわけ。

(その後、地下鉄東西線の太秦天神川駅までの延伸を受けて、右京区側のルートが多少変わっている)

一方の山科・醍醐地区の路線バスを一手に担うことになった京阪バスは市バス80系統の山科側の代替として、

大宅~国道大塚~五条坂~烏丸五条~四条大宮 という系統(82系統)を新設している。

山科・醍醐方面から都心方面へ向かうバスは数あれど、終日にわたり四条大宮に入るのはこの系統だけらしい。

おそらくは、もともと五条通を突っ切って走っていたバスにルーツがあるからだろう。


山科区内での市バス復活というのでどういう系統を想定しているかは特に書いてないが、

旧80系統のように五条通を右京区から山科区まで走り通すようなことも1つの案としてありそうな気はする。

というのも、現在は大宅~四条大宮のバスは1時間1本程度と本数が少なくなっている。

これを通し運転にすることで運行を効率化することができれば、京阪バスの負担軽減につながるのではないだろうか。

もっとも現在の市バス80系統も京阪バス84系統もいずれも四条方面に向かっているところ、

旧80系統はひたすら五条通を走り通すことになるので、双方から都心方面へのアクセスには使えないことになる。

五条京阪・烏丸五条・京都リサーチパーク前(=丹波口駅)で鉄道に接続するのでそれでなんとかというところか。


実際はもっと単純に四条河原町~山科・醍醐方面のバスの一部を市バスが分担するということなのかもしれないけど。

ただ、それだけなら特に市バスが運行に直接関与する必要があるのかは疑問ですがね。

市バスが関与するからこそできるというと旧80系統のような路線だと思うんですがね。

まぁこの辺は両社がどう考えるかということですが。


地下鉄開通に伴って市バスが路線を減らした地域としては洛北方面もあって、

かつては大原にも市バスが走ってたとか。今は京都バスに一本化されている。

ただ、洛北方面は今も京都バスと市バスが混在するところは一部あって、近年に均一区間拡大が行われている。

それと比べると山科・醍醐は完全撤退ですから、それゆえの難しさもあったのかもしれない。

とはいえ、市バス再参入説が出てくるとはびっくりしたけど。

名古屋環状2号線の歴史は長い

今年5月に名古屋第二環状自動車道(名二環)が全線開通する。

もとは東名阪自動車道の一部として一番最初の区間は1988年に開通、

1993年に名古屋IC(東名高速道路)と接続されてから、2003年に伊勢湾岸自動車道で東名阪・東名の接続が取れるまで、

東名阪と東名を繋ぐ役割を担ってきたが、本来は名古屋市を取り囲むように走る都市高速である。

2011年に伊勢湾岸自動車道とつながることとなり、混乱防止のため都市高速区間を名二環として分離した経緯がある。


ところで、伊勢湾岸自動車道で一番最初に開通した区間というのは 飛島~名港中央 の名港西大橋区間なんですね。

開通したのは1985年ってけっこう古いんですね。名古屋港の臨港地区同士を結ぶ道路だったんですね。

次に開通したのが名古屋南~名港中央の区間で、1998年に開通して、ここには2つの橋が架けられた。

最初に架けられた名港西大橋とあわせて、この3つの橋は名港トリトンと呼ばれたが……

この当時は孤立した自動車専用道路で、料金も高かったから、通行量が少なかったのだった。

後にこの道路は東名~東名阪を結び、新東名~新名神をつなぐ道路に発展するのだが、当初はこんなのだったのである。


なぜ名港トリトン区間から開通してしまったのか? 実はその背景にあったのが今回全線開通となった名二環だったのである。

1960年代から名古屋環状2号線という構想があって、それというのがまさに現在の名二環+名港トリトン区間だったわけ。

この構想には実にいろいろな役割が乗っかりかかってきて、

  • 名四国道のバイパスのため
  • 名古屋市に流入する交通を分散させるため
  • 名古屋港のアクセス道路 (この目的から名港トリトン区間が最優先にされた)
  • 東名阪自動車道~東名高速道路を結ぶ役割
  • 第二東名(現:新東名)・第二名神(現:新名神)の一部を構成する道路として

この最後の目的のため、名港トリトン区間は高規格道路として作られたわけである。


名古屋環状2号線の構想は1990年代に入って少しずつ実現し始め、

東名阪~東名の接続は1993年にとりあえず実現された。

2003年に伊勢湾岸自動車道の東名阪~東名がつながり、名四国道のバイパス、名古屋港のアクセス道路としても役立つようになった。

そして、新東名・新名神をつなぐ役割は2008年に亀山~草津が開通したときから担うようになり、

東名阪の渋滞激化に苦しめられた期間も長かったが、2019年に四日市~亀山の新名神が開通し完成を迎えたのだった。


一方で名古屋市に流入する交通を分散させるという当初の目的が完成するには時間がかかりましたね。

2003年、名古屋南JCTで伊勢湾岸自動車道と名古屋高速大高線がつながることで、名古屋市内に入るルートとして重宝された。

2003年には名古屋高速東山線と現在の名二環がつながり、こちらも東名高速道路につながるルートとなった。

大高線は便利だったが、セントレアなど知多半島方面へのアクセスの担う道路で混雑しがちだった。

2011年には名二環の名古屋南~高針がつながり、2013年に東海JCTで伊勢湾岸自動車道と接続する名古屋高速東海線が全通し、

大高線に集中しがちだった交通が分散できるようになってきた。(新東名スーパーライナーが東海線を使ってるのはそういうこと

そして、今回は名二環の飛島~名古屋西が開通し、これで名古屋環状2号線の構想は完成したのだった。


今回の名二環全線開通に伴い、名古屋周辺の高速道路料金が見直されることになった。

中京圏の高速道路料金が変わります (pdf) (NEXCO中日本)

基本的には近畿圏でやってることと同じで、名古屋高速含めて料率を1つに揃える。

その上で都心部への流入ルートによらず一番安い料金に揃えるようにする。

あと、名二環を使って料金が高くなる場合は、一番安い料金に揃えるなど。

実は今も名二環や名古屋高速は均一料金がベースなんですよね。

なので、吹上東~(名古屋高速東山線)~高針~(名二環)~(東名)名古屋ICみたいな利用をすると、

ETCでも名古屋高速の名古屋線の均一料金(普通車780円)と、名二環の30km以下の料金(普通車510円)が徴収されていた。

これが双方距離制になり、名古屋高速は450円、名二環はおそらく300円ぐらいになると思う。(いずれも普通車)


しかし、ここまで見てもわかるけど、名古屋市周辺の都市高速の整備ってけっこう遅いんですよね。

さっきの名古屋高速東山線と東名の間で名二環が少し挟まるというのも、開通が遅かったがゆえ、

というかすでに都市化が進んでいる中で、環境対策から直接東名につなげられず、

名二環に乗っかる形でつないだという経緯があったらしい。それ自体は悪い話でもないが、なぜ料金面での工夫がなかったのか。

名古屋高速の料金に割高感があったのも、建設時期の遅さゆえに建設費が高く付いたことも大きいらしい。

今回、いろいろときれいに整理されたので、これで名古屋周辺の道路状況が改善するといいですね。

紙の時刻表がなくなるが

JALとANA、日本の航空大手2社がそろって紙の時刻表の発行をやめるそうで。

冊子の時刻表の廃止について (JAL)

より見やすく・検索しやすい「オンライン時刻表」へ移行します (ANA)

ただし、JALはPDFファイルは従来通りのスタイルで提供される。

一方でANAはインタラクティブな「オンライン時刻表」に一本化されるとのこと。


端的に言えば、昨今の状況で欠航が相次ぎ、紙の時刻表を作ってもアテにならないということで、

旅行会社などにも調査したが、紙の時刻表はあんまり使ってないという話だったので、

省資源にもかなうはなしだし、紙の時刻表を作るのはやめようということになったようである。

この辺は鉄道の時刻表とはけっこう違うのかなという感じはする。


飛行機の時刻表というのは難しいもので、曜日によって便の有無・時刻・機材が変わるのは普通だし、

なんなら日によって時刻変更なんていうこともある。

両社とも国内線時刻表は毎日運航を基本に書いてあるが、実際にはそうならないところは注釈を入れている。

なので、確かに紙の時刻表の課題は多いわけである。

ただ、一方でそういうのを俯瞰してみられるのも紙の時刻表のよいところではある。

旅行のスケジュールを大筋で組み立てるには、搭乗日・発着地を決めて検索して……というよりは便利なんじゃないかなと。


ただ、やっぱり書き切れないことが多いのも紙の時刻表の悩みではある。

JAL国際線時刻表には「提携航空会社運航のコードシェア便発着地」なんていうリストが掲載されている。

でも、掲載スペースの問題もあるので具体的な時刻は書かれていないし、必ずしもよい接続があるとは限らない。

もちろん、ある程度は考慮されてるとは思いますけどね。でも曜日を限るとかそういうこともあるわけですよね。

まぁ具体的なことは日付・発着地を入れて検索してくれということだとは思いますが。


世界的に見れば、具体的な時刻は日時・発着地を入れて検索してくれという会社が多そうな気はするけどどうなんだろ。

日本の航空会社は紙の時刻表を作るかはともかくとして、全路線の時刻をまとめたものを用意していることは多い気がする。

Jetstarも日本発着便だけはPDFにリストアップしてあったりしますね。

そんな中でANAはインタラクティブな時刻表に一本化するらしいので、どうなるのかなという感じ。


日時・発着地が決まっていれば、条件指定して検索でもいいんですけどね。

ただ、紙やPDFで提供される時刻表を使うのはその前段階なので、そこはどうだろうかなと思う。

もちろん、そのことはANAも意識しているような感じはするので、さてどうなるかと。

ANAのデジタル時刻表は多言語対応のためという一面もあるそうで、

従来ろくな時刻表が提供できていなかったのを見直すという観点もあるので、その点では画期的な挑戦でもある。

そんなところに貨物線あったの?

JR東日本が羽田空港アクセス線の鉄道事業許可を受けたそうで。

羽田空港アクセス線(仮称)の鉄道事業許可について (pdf) (JR東日本)

今回許可を受けた区間は東京貨物ターミナル駅~羽田空港の区間。

羽田空港は第1・第2ターミナルだけかな。


当たり前ですが、東京貨物ターミナル駅は貨物駅ですから、これだけで旅客列車が走らせられるわけではない。

「事業区間位置図」には東京貨物ターミナルから都心方面に破線が示されている。

これなに? と思って調べたら浜松町~東京貨物ターミナル間の東海道貨物線だそうで。

なるほど、これとくっつけて使うんだな。


それにしてもこんな区間に貨物線があったのか。どんな列車が走ってるんだろ?

と調べたところ、1998年以来、この区間は休止されているらしい。

休止の直接の原因は地下鉄大江戸線の工事のためだそう。浜松町駅付近の工事にあたって休止した方が工事が容易だったからとか。

でも、実はその以前から貨物線としてはほとんど役目を果たしていなかったらしい。

というのも、もともとこの先に汐留駅という貨物駅があって、現在は ゆりかもめ と 大江戸線 の駅名として残っているが、

国鉄の貨物駅としては1986年に廃止されており、この時点でも東京貨物ターミナル~浜松町の貨物線の役割はほぼなくなっていた。

汐留駅自体は歴史の長い貨物駅なのだが、1973年の東海道貨物線開通時にできた東京貨物ターミナル駅に役目を譲っていたそうである。


結果的に見れば、この東京貨物ターミナル~汐留の線路は貨物線としては短命に終わった。

ちなみに東海道貨物線というのは、それ以前の貨物線を横須賀線の線路に転用するために建設されたもので、

そのルートは小田原~東戸塚は東海道線に併設、東戸塚~鶴見は山間部の別ルートを走り、この途中に横浜羽沢駅(貨物駅)がある。

相鉄・JRの直通運転では横浜羽沢駅に併設された羽沢横浜国大駅から貨物線に入り、鶴見までこの線路を走る。(cf. 相鉄直通列車のJRでの扱いはどうなってる)

鶴見~八丁畷はまた東海道線に併設、八丁畷~浜川崎は南武支線を走り、浜川崎~浜松町(~汐留)は臨海部を走るというルート。

この間には既設の浜川崎駅・川崎貨物駅、新設の東京貨物ターミナル駅と3つの貨物駅がある。


おそらく当初から汐留駅の役目を東京貨物ターミナル駅などが引き継ぐことを想定してはいたんだと思うが、

この路線ができた当初は今ほどコンテナ貨物が普及してなくて、なにしろ汐留駅廃止の頃まで築地市場に貨車が乗り入れていたのだという。

今からすればいろいろな意味で信じられないことだけど、とりあえず都心の貨物線の役割も残っていたのはそう。

結果的に言えば開通後13年で本来の役目を失ってしまったが、それを予期していたわけではなかったということである。


ただ、その後も1998年の休止まで走る列車自体は残っていて、それがカートレインだったらしい。

1985年に汐留駅発着で九州への便が運行されたが、まもなく汐留駅は廃止に。

そこで恵比寿駅発着に変更して、北海道への便も追加、後に浜松町駅発着になったという。

1990年代に入って利用も低迷していたようだけど、一応最後にトドメを刺したのは大江戸線の工事だったらしい。

カートレインは人間が乗車する寝台客車と車を積み込む有蓋貨車をセットにした列車で、

一応は旅客列車の一種だと思うが、車をパレットに乗せて出し入れする都合もあり、貨物駅としての設備が必要である。

そこら辺、考慮して都合が取れる駅というのが当初は汐留駅だったということらしい。短命だったが。


そんなわけで、結果的には短命に終わった貨物線を羽田空港へのアクセス路線に転用するということですね。

浜松町駅で東海道線に合流し、上野・大宮方面への直通運転を想定しているわけだが、

現状はそういう線路のつながり方になっていないので、この部分の改築が必要になる。

運行を継続しながら改築するということでけっこう大変そうな気はするが。


なお、東京貨物ターミナル駅は貨物駅だが、隣接地にはりんかい線の車庫がある。

あと、東海道新幹線の車庫も隣接地にあって、東京駅までの回送線に平行して東海道貨物線を引いたという経緯があるらしい。

で、りんかい線の車庫があるということは、ここからりんかい線の線路につなげることができるということを意味していて、

天王洲アイル~東京テレポート間で車庫~新木場方面を移動できるように作ってあるらしい。

これをそのまま使えば、羽田空港~新木場、さらには新木場駅で京葉線に入って千葉県方面へ向かうこともできる。

それは首都高速湾岸線を走るバスでよいのでは? という感じはあるけど、一応そういう構想ルートもある。

あと、りんかい線の車庫から大崎方面へ合流するルートを作れば、埼京線で新宿・池袋方面へ行くことができる。

新設区間が長いのが難点だが、既存のアクセスルートが使いにくいところにアプローチできるので、大本命かもしれない。


とりあえずは既存線を活用できる部分が多い、東海道貨物線経由のルートをやってみるかという感じなのかな。

しかし、こういう形で上野東京ラインが役立つとはあまり考えてなかったなぁ。

というのも、これがなければ東海道貨物線から東海道線に合流しても東京駅までしか行けなかった。

これが、上野東京ライン開通で上野・大宮方面、あるいは常磐線方面との直通運転が可能となるわけ。

浅草線~京急ルートと近接するといえばそうだけど、なんやかんや言っても東京駅は大ターミナルだし、

上野・大宮といったところから直通というのはメリットも大きいんじゃないか。


ところで、東京モノレールは現在JR東日本の子会社となっていて、これとの競合が気になるという話もあるが、

現在の東京モノレールは通勤・通学・レジャーでの利用が多いので、空港利用者が減ることはむしろ歓迎なんじゃないか。

羽田空港にしても第3ターミナルにはとりあえずJRは入らないし(将来的な乗り入れ計画はある)、

羽田空港の旅客ターミナル以外の施設に通勤する場合は、モノレール駅での通勤が便利なところが多いので、

そういうところでなんやかんやとすみ分けはできそうな感じはしますね。

京都市の交通事業の危機感はもっともか?

先月、京都に行った時にトラフィカ京カードを使って鞍馬・貴船に出かけた話を書いた。

午後は鞍馬山へ

市原~鞍馬はバス・地下鉄1日券のエリア外である一方、地下鉄・バスの乗り継ぎ割引は適用され、

その割引幅はICカードに比べて、トラフィカ京カードの方が高い(というかICカードがなぜか割引幅が小さい)、

というわけで、叡電を使う場合に比べてもかなり安上がりだったということを書いた。

しかし、来年度にトラフィカ京カードは廃止の方向だという。しかも、それどころではなさそうだ。

京都市交、市バス一日券を700円に値上げへ コロナ乗客減で「危機的な状況」 (TRAICY)


今年度、京都市の交通事業は地下鉄・市バスともども赤字の見込みだという。

京都市は鉄道の整備状況などから、市民・観光客ともどもバス利用が多い。

このことから他都市の公営バスに比べれば、バスの経営状況はよい傾向にある。

地下鉄も烏丸線・東西線の2路線のうち、烏丸線は利用者が多く、経営状況はよい。

東西線は建設時の経緯により、三条京阪~御陵は線路使用料を別会社に払う必要があり、これが経営の重荷になっていたが、

ここを公有化して、国の支援制度と組み合わせて負担軽減したことで、かなりの改善効果があったようで、

近年は地下鉄事業も黒字になっていたという。


単年の赤字というだけなら、そんなに問題はなさそうなのだが、

「かつてない危機的な経営状況」などと煽りを書くほどに、京都市は警戒しているようだ。

というのも、京都市の交通事業は大量の有利子負債を抱えている。

これは、地下鉄の建設費がかさんだことが大きいと思われる。

埋蔵文化財の調査に時間を要したことや、東西線の建設時期が1990年代ということで遅かったこともあると思う。

バス事業にしても、観光客急増に対してあれこれ投資しており、金をかけてきたわけである。

このことから、交通事業の収入がこのまま上向かない状態が続くと、容易に破綻してしまいかねないということである。


そこで対策として、各種の投資計画を先送りするということになった。交通調査の延期なんていうのもある。

来年度以降で延期予定のこととしては、地下鉄ではホームドア整備のための車両改造、バスでは均一先払いの導入拡大など。

そして、最初に書いたトラフィカ京カードを含めた、各種乗車券の見直しという話が出てくるのである。


まずはフリー乗車券の見直しということで、まず筆頭に上がるのはバス1日券、

2018年に500円から600円に値上げされたが、さらに700円に値上げを考えているとのこと。

まぁこれはそんなものかなと思うが、地下鉄・バス1日券については、900円から1100円への値上げを考えているという。

これは、2018年までは京都観光1日乗車券として1200円で売っていたのを、バス1日券との価格差が大きいということで、

2018年に値下げしたという経緯があるのだが、またしても値上げという。それでも2018年以前よりは安いが。

ただ、バス1日券との価格差という観点では300円から400円に拡大するので、ここが気になるポイント。

2018年の料金見直しはバスの混雑緩和や、道路渋滞などによる満足度低下を緩和する目的があったと思っていて、

2018年以前ほどではないが、価格差が広がるのはあまり好ましいこととは思わないが。


そしてもう1つの見直しが、トラフィカ京カード・バス昼間回数券・乗継割引・PiTaPa利用額割引の廃止だという。

その代わり、ICOCA・PiTaPaのポイント制度を導入し、利用頻度の高い人への還元を実施するという。

現状の割引制度で残るのは紙回数券ぐらいかね。ヤサカバスなど紙回数券しかないバス事業者もあるからね。

京都市としては利用頻度の低い人(主には観光客?)まで割引の恩恵にあずかれるのは適切ではないと考えているようである。

確かに回数券系の割引はそうだと思うのだが、乗継割引はちがうんじゃないって?

乗継割引は地下鉄とバスの役割分担のために設けられているものですから。

でも、これが京都市の本音だとすれば、乗継割引について「ICカードがなぜか割引幅が小さい」という疑問の答えにはなっている。

おかしいとは思うんですけどね。


一応、トラフィカ京カード廃止の背景には、磁気カードを廃止していく方向であることも理由にはある。

磁気カードの発行・取扱にかかるコストが増加していることは事実ですから。

これをICOCA・PiTaPaで代替するという方向性自体はおかしいとも言えない。

ただ、利用頻度が低い人は足切りされるということの妥当性はどうだろうということである。

とはいえ、1日乗車券は引き続き磁気カードでの発行になるとみられるので、磁気カード全廃というわけではない。


京都市にたびたび訪問する中で思うのは、バスだけで移動すれば安いことは知っているが、

それはやりたくないし、やるべきではないということ。

適切に鉄道とバスを組み合わせて移動するようにしなければ、時間の浪費がひどいし、混雑もきつい。

しかしながら、京都市は地下鉄だけで3社(京都市・阪急・京阪)とあり、運賃が別切りで高く付く。

このことから、鉄道のみで移動が可能でも、バスの所要時間が不利でなければ、直行のバスを選ぶことも合理性がある。

一方で、乗継割引や地下鉄・バス共通のフリーきっぷなどがあれば、市営地下鉄・バスの組み合わせを選びやすくなっている。

実際のところ、バスだけで移動した方が安く済むケースがほとんどなのだが、

乗継割引などあることで、乗継を行うことが時間と運賃のバランスが優れる場合は多くなっている。

これがなくなると、バスだけに比べてものすごく高くなるケースが増えると思っていて、どうしたもんかなぁと。


具体的な実施内容はまだ発表されていないが、おそらくこの通りになるんだろう。

確かにその通りだと思う部分もあるし、持続可能な公共交通とするためには利用者が負担するべき部分もあると思う。

ただ、京都市の交通体系にとって必ずしも好ましくない内容もあるので、そこが気がかり。

現状があまり好ましくないところはけっこうあるんだよね。

例えば、バスの均一制の区間が広い分には運賃が高く、乗車距離が短いと割高で、乗車距離が長い場合は割安すぎるということ。

そこを各種の制度で覆い隠している部分もあったわけだけど、なくなるとどうなるかなぁと。