ダートは準オープンもオープンも混む

中央競馬では毎週末、芝・ダート・障害、距離の長短、新馬・未勝利・1勝クラス・2勝クラス・3勝クラス・オープンクラスと、

いろいろな条件のレースを行っているが、条件によって出走希望馬の数もいろいろ。

条件によってはなかなか出走機会が回ってこないものもあれば、7頭以下のかなり少頭数でのレースもあったり。


そんな中で年柄年中混んでいるのがダートの3勝クラスだという。

3勝クラスは別名「準オープン」なんて言われるが、条件戦の中では特別なんですよね。

レース数が比較的少なく、出走するレースを狙ってスケジュールを立てる必要がある。

ほぼ全レースが特別レース(「○○ステークス」のような名前が付いていて1週間前に登録が必要)として行われる。

賞金も高額で1着1820万円、世界的に見ればG1級の賞金では?

3勝クラスを勝てばオープンクラスになるので、オープンクラスの1つ手間ということで準オープンと呼ばれているということもあるらしい。


ダートの3勝クラスが一体どんな状況であるかというと、

先週日曜の外房ステークス(ダート1200m)はフルゲート16頭に34頭が申込み、白川郷ステークス(ダート1900m)はフルゲート16頭に26頭が申込みと。

芝はそこまでのことはない。土曜の関ヶ原ステークス(芝2000m)は13頭、秋風ステークス(1600m)は13頭、どちらも希望した馬は全部出られている。

というわけでなかなか希望するレースに出るのがかなり大変そうなことがわかる。


ダートの3勝クラスが少ない? と思ったかも知れないが、そこまで極端なことはなさそう。

2勝クラスの数だけ3勝クラスになる馬がいるので、2勝クラスと3勝クラスのレース数の比を見ればよさそう。

もちろんダートで3勝クラスになって、芝の3勝クラスに出てもいいけど、勝負になるかが問題である。

最近1年で芝の2勝クラスが246レース、3勝クラスが115レース、

ダートの2勝クラスが232レース、3勝クラスが96レースとなっている。

ここだけ見ると、なんでダート3勝クラスがそんなに混むんだろうと思うけど。


おそらく原因はその上のオープンクラスのレース数だろう。

4歳以上馬が出走できるJRAオープンクラスのレースは芝は116レース(うち96レースは重賞)、

一方のダートは59レース(うち13レースは重賞)なので、ここは大きく違うんですね。

芝だと3勝クラスの馬がオープンクラスのレースに出ることもしばしばある。

しかも、けっこういい成績を出す馬がいるんだよなぁ。

  • ファストフォース :
    • 3勝クラスからCBC賞(GIII・ハンデ戦)に挑戦してレコード勝ち
    • 北九州記念(GIII・ハンデ戦)で2着→サマースプリントチャンピオン
  • ロータスランド
    • 3勝クラスから米子ステークス(L)に挑戦して優勝
    • 関屋記念(GIII)で優勝→サマーマイルチャンピオン
  • シャムロックヒル
    • 3勝クラスからマーメイドステークス(GIII・ハンデ戦)に挑戦→優勝(藤懸騎手は重賞初勝利)

実はダートはオープンクラスも条件によっては混む。

先々週の ながつきステークス(ダート1200m)はフルゲート16頭に34頭が申込み、

今度の日曜に行われるグリーンチャンネルカップ(ダート1400m・リステッド)はフルゲート16頭に47頭が特別登録と異様な状況。

後で書く事情により額面通り捉えてよいかという話はあるが、混んでることは確か。


でも、ダートのオープンクラスのレースが本当に少ないわけではない。

なぜならばダートなら地方開催のダートグレード競走もある。

これが年40レースあるので、これを足せばJRAオープンクラスの馬が出られるダートのレースは99レースとなる。

これは芝のオープンクラスのレース数と比べても遜色ない気はするが、

大きな問題があって、それはJRA所属馬の出走枠が少ないということである。


芝ではオープンクラスならわりと重賞は出られるし、3勝クラスからの格上挑戦も可能な場合もある、

しかしダートでは重賞に出ようとしても、地方開催の重賞は出走枠が少ないので、

JRA開催のオープンクラスのレースを勝つなどして収得賞金を稼がないとなかなか出られない。

このため重賞以外のオープンクラスのレースもかなり混む。

このため3勝クラスからオープンクラスへの格上挑戦はほぼ不可能である。

おそらくダート3勝クラス、さらに言えばオープンクラスの出走が難しい理由ではないかと。


あと、フルゲートに比して異常なまでに出走を希望する馬が多いのは出走馬の決め方とも関係ある。

新馬・3勝クラス・重賞以外のオープンクラスのレースでは「除外権利」と通称されるものがあり、

2ヶ月以内に出走申込みするも除外された馬は、そうでない馬よりも優先して出走できる制度がある。

それでも除外された場合は、そこから2ヶ月以内に出走申込みをすると、さらに優先して出走できる。

ダート3勝クラス・オープンクラス(重賞以外)は除外権利がないと出られないのが普通だし、除外1回でも怪しいらしい。


新馬・3勝クラスについては、除外権利の有無によらず、最初に5頭ランダムに選ぶことで、

除外権利だけを狙っての出走申込みを防ぐような仕組みが導入されている。

5頭枠に入れなければ、除外権利を得て次回は優先してで

オープンクラスは前回出走から1ヶ月以内だと除外権利が得られないとかあるが、

一方でランダムで5頭抽選で選ぶシステムじゃないから、除外権利を狙うのもやりやすそう。

オープンクラスでは収得賞金を元にした順位で出走できる馬を決める。

順位が高い馬は地方開催のダートグレード競走でも希望すれば出走できるが、

ダートでオープンクラス下位の馬は重賞では抽選にもありつけないことになる。

それ以外のオープンクラスもひどく混み合うが、除外権利を重ねればいつか出走できるようになる。

そのため、除外権利を稼ぐために重賞以外のオープンクラスのレースに大挙して登録する現象が見られるようだ。


JRAは法令でレース数が決められているから、ある条件を増やせば他の条件を減らさないといけない。

そんな中でダービーへ至るレース体系など組んでいかないといけないわけですね。

地方競馬との役割分担として地方開催のダート重賞にJRA枠を設けてもらったりしていると。

こういう積み重ねでレース数を捻出しているが、難しいところがあると。

この状況を打開する策の1つとしては出走機会を求めて地方競馬に移籍するというのがあるけどどうなんでしょうか。

まぁ地方競馬だって主催者ごとの年間のレース数は法令で決まってるんだが。


なかなか大変だなと思いますね。

年間のレース数が決まっていることで、こっちをひっこめるとあっちが出るということで、

なかなか打開策が見つかっていないのが実情っぽいが、

除外権利を重ねないと出走できないという状況はなんとかしたいところだと思いますが。

別に有力馬順でもない馬番

連日出勤してやっていた仕事が片付いた。

ちょっとした問題はあったけど、一通り決着したのでよいでしょう。

来週には久々に在宅勤務ですね。これはこれで昼食を考えんとならんな。


今週末はフランスのパリロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われる。

日本からはクロノジェネシスとディープボンドが挑戦、

クロノジェネシスは父親のバゴがフランス出身で凱旋門賞優勝しており、勝てば親子制覇となる。

地元の有力馬はあまりいないし、フランスのファンからも応援してもらえるのかな?

ディープボンドは父親のキズナ、その父親ディープインパクトの親子3代の凱旋門賞挑戦である。

他に北海道生まれのスノーフォール(cf. 北海道生まれアイルランド育ち、ドイツ生まれ日本育ち)

日本から遠征する武騎手が松島オーナー(日本では法人名義のキーファーズで知られる)の勝負服で騎乗するブルームと、

外国調教馬でも日本ゆかりの有力馬もいますし、これは日本でも馬券売れるでしょうね。


そんな凱旋門賞の馬券……というか海外競馬の馬券はほぼそうなんですけど、注意が必要なことがある。

2021凱旋門賞(G1)の出馬表が確定 (JRA)

馬番とゲート番が違うんですよね。

これはフランスに限った話ではなく、香港・UAE・オーストラリア・イギリスと大概そう。

馬番=ゲート番となるのは、日本とアメリカといったところに限られる。

そんなところはアメリカ式なんですね。まぁそういうこともある。


じゃあ馬番って何で決まってるんだ?

これは定量戦である凱旋門賞の出馬表を見てもわかりにくいので、

オーストラリアでもっとも有名なレースであるメルボルンカップの出馬表を見ましょう。

MELBOURNE CUP FIELD 2020 (HORSEBETTING.COM.AU)

なぜメルボルンカップかというとハンデ戦だからですね。

で、これを見るとわかるんですが、負担重量が重い順に馬番が並んでるんですよね。

ハンデ戦では実力がある馬ほど負担重量が重くなるので、有力馬から順に並んでいるとも言える。


ただ、凱旋門賞の場合、負担重量は性別と年齢だけで決まるので、

4歳以上牡馬(59.5kg)→4歳以上牝馬(58kg)→3歳牡馬(56.5kg)→3歳牝馬(55kg)という順であって、

あとはそれぞれのアルファベット順に並んでいるだけで、有力馬順というわけではない。

その点ではこの馬番システムはあまりうまくいっているとは言えない。

ただ、これで定着しているのでそれはそういうものということで。


他に凱旋門賞出走の2頭に帯同して行った2頭の日本馬も凱旋門賞デーのG1に出走する。

イカット(JRA 3勝クラス)は牝馬限定のオペラ賞に、

エントシャイデン(昨年の安土城ステークス優勝)は1400m戦のフォレ賞に出る。

よい結果を出せるかというとそう簡単ではないだろうが、これも日本馬の海外G1挑戦には違いない。


ちなみにフランスは天気が悪いらしく、馬場状態はtrès souple(非常に柔らかい、日本の重相当)の想定らしい。

有力馬が散々な結果で地元馬が1~3着独占となった去年はlourd(重い、日本の不良相当)だった。

わりとこの時期の天気はよくないらしい。

日本から参戦する2頭は日本では重馬場で重賞勝ってるので、全然ダメとは思わないが……

天気ばかりはどうにもならない話ではあるが、なかなか大変そうですね。

強い馬が勝つレースがあれば……

今日はJRAアニバーサリーということで、全賭式の払戻率が80%(単勝・複勝相当)に引き上げられ、

キャンペーン目当ても含めてあれこれと馬券を買い込んだ人もいただろうが、メインレースはわりと荒れた。

そのメインレースの1つがセントライト記念(GII)、菊花賞トライアル、

ということで菊花賞の出走枠を争う……というものかはちょっと怪しいけど。

それを言えば、昨日のローズステークス(GII)の秋華賞トライアルの方が出走枠争いっぽくて、

どうも今年は阪神競馬場で開催の都合、フルゲート16頭と例年より2頭出走枠が少なく、

今の見込みだと典型的な3勝クラス(収得賞金1500万円)の馬は抽選するまでもなく出走不可になりそうらしい。

厳しいもんですねぇ。去年も後の大阪杯優勝馬、レイパパレが秋華賞に出走できず、秋華賞デーの3勝クラスを快勝したなんてこともありましたが。


ところで秋華賞は牝馬三冠を構成するレースだが、クラシック競走ではない。

これは他のクラシック競走と違って早期の登録は不要で、2週前に登録料を払えば出走可能ということである。

フランスのヴェルメイユ賞をモデルに作られたといいつつ、同レースは4歳以上牝馬も出走できるようになり、

「牝馬のための凱旋門賞前哨戦」という言い方をされるレースとなった。同じコースなんですね。

世界的に見ても3歳牝馬限定戦だけの三冠シリーズというのはあまりないみたいで、わりと日本独自みたいですね。

日本の牝馬三冠が生まれて50年、この間に6頭が達成しており、三冠達成も案外多い。


ダービー優勝馬のその後の成績が散々だという話があるが、実際どんなもんなのか。

最近20年間の5つのクラシック競走と秋華賞の各優勝馬のその後の戦績を調べてみた。

(数え間違えがあるかもしれないが、ご容赦を)

  • 皐月賞 : 重賞勝ち 15頭(G1勝ち 11頭)
  • ダービー : 重賞勝ち 15頭(G1勝ち 7頭)
  • 菊花賞 : 重賞勝ち13頭(G1勝ち 11頭)
  • 桜花賞 : 重賞勝ち 16頭(G1勝ち 10頭)
  • オークス : 重賞勝ち 14頭(G1勝ち 11頭)
  • 秋華賞 : 重賞勝ち15頭(G1勝ち 12頭)

これだけ見るとそんなに差はないような気もするけど。


ただ、皐月賞の後にはダービー・菊花賞があり、2冠・3冠というのもあるわけである。

というわけで二冠・三冠達成馬を引いたらどうなのかという話である。

  • 皐月賞のみ(13頭) : 重賞勝ち8頭(G1勝ち 4頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち7頭(G1勝ち 4頭)
  • ダービーのみ(14頭) : 重賞勝ち9頭(G1勝ち 3頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち4頭(G1勝ち3頭)
  • 菊花賞のみ(14頭) : 重賞勝ち10頭(G1勝ち 8頭)
  • 桜花賞のみ(13頭) : 重賞勝ち9頭(G1勝ち 3頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち9頭(G1勝ち 2頭)
  • オークスのみ(11頭): 重賞勝ち5頭(G1勝ち 2頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち3頭(G1勝ち 1頭)
  • 秋華賞のみ(11頭) : 重賞勝ち8頭(G1勝ち 6頭)

ダービーよりオークスのほうが散々ですね。


でもやっぱり皐月賞勝たずにダービー勝った馬のその後の戦績はなかなかである。

14頭中9頭がその後に重賞勝ってるなら悪くない気はするけど、そのうち5頭は3歳限定戦だけなのかと。

そんな馬の1頭がマカヒキである。ダービー馬でありながら8歳にして現役という。

ダービー後に勝ったレースはフランスのニエル賞(G2)、これは3歳馬のための凱旋門賞前哨戦で、

このレースに出たということは凱旋門賞に出たが14着に敗れ、その後、国内で重賞を走るも1勝もできていない。

G1でそこそこの成績を出すので、賞金は案外稼げるらしいのだが、どうにも微妙な戦績である。

他に2004年にダービー優勝後、神戸新聞杯(GII)を勝つも、屈腱炎で引退したキングカメハメハとか。

このようにダービー優勝後、無念の引退となった馬もけっこういる。


そうして見てみると、菊花賞優勝馬と秋華賞優勝馬のその後の戦績はすごいですね。

特に秋華賞優勝馬はどの馬もそれなりの活躍をしており、

宝塚記念・有馬記念・宝塚記念と勝って、凱旋門賞に挑戦するクロノジェネシスも秋華賞優勝馬ですからね。

最近20年で秋華賞を勝って、15頭は重賞を勝って、残り5頭も4頭はG1で3着以内に入っている。

(去年の秋華賞優勝馬、牝馬三冠のデアリングタクトも今のところはこのグループ)

ここまでハズレが少ないレースはなかなかないのでは?

菊花賞も最近20年で、13頭が後に重賞勝って、残り7頭のうち3頭がG1で3着以内に入っている。

(去年の菊花賞優勝馬、クラシック三冠のコントレイルも今のところはこのグループ、天皇賞(秋)勝てるかな?)

秋華賞ほどではないけど、その後の活躍は堅いのではないか。


なんでこんなことになってんだって、ダービー目標に馬を仕上げて、それで勝ってもその先にはつながらないこともあって、

これは3歳春というのはまだまだ成長途上だからというのもあるのだろう。

皐月賞・桜花賞・ダービー・オークスを勝って、菊花賞・秋華賞に勝っていない馬で、後に3歳限定以外のG1を制した馬はこんなところ。

  • アルアイン(2017年皐月賞) : 大阪杯
  • レイデオロ(2017年ダービー) : 天皇賞(秋)
  • ロゴタイプ(2013年皐月賞) : 安田記念
  • ヴィクトワールピサ(2010年皐月賞) : 有馬記念・ドバイワールドカップ(当時はオールウェザー)
  • エイシンフラッシュ(2010年ダービー) : 天皇賞(秋)
  • ウオッカ(2007年ダービー) : 安田記念×2勝・天皇賞(秋)・ヴィクトリアマイル・ジャパンカップ
  • メイショウサムソン(2006年皐月賞・ダービー) : 天皇賞(春)・天皇賞(秋)
  • ダイワメジャー(2004年皐月賞) : 天皇賞(秋)・マイルチャンピオンシップ×2勝・安田記念
  • グランアレグリア(2019年桜花賞) : 安田記念・スプリンターズステークス・マイルチャンピオンシップ・ヴィクトリアマイル
  • ラヴズオンリーユー(2019年オークス) : クイーンエリザベス2世カップ(香港)
  • ブエナビスタ(2009年桜花賞・オークス) : ヴィクトリアマイル・天皇賞(秋)・ジャパンカップ
  • ダンスインザムード(2004年桜花賞) : ヴィクトリアマイル

こうして並べられると、ダービーだけ、オークスだけというのは微妙な感じがする。

ウオッカのダービー後の戦績はすさまじいけど、ダービー後5勝全てが東京競馬場で、東京競馬場が大得意だったという話。


ヨーロッパでは本家イギリス以外のセントレジャーは廃れ、本家だって三冠挑戦は皆無と言われ、

秋華賞のモデルとなったヴェルメイユ賞は牝馬のための凱旋門賞前哨戦といわれるようになり、

そんな経緯を見ると、日本の菊花賞と秋華賞はなかなか珍しい存在だけど、

海外遠征する馬が少なく、日本国内のレース体系が三冠を意識して作られているといった事情はあるにせよ、

やはり強い馬が勝つレースというのはそれだけ価値があるんじゃないでしょうか。

もっとも、菊花賞については、皐月賞優勝のエフフォーリアは天皇賞(秋)へ行くつもりらしいが。

ダービー優勝のシャフリヤールはどうか知らないけど、ダービー・菊花賞の2冠はあまり聞かないですが……

もうすでに菊花賞はようわからんなと言われてますけどね。まぁ来週の神戸新聞杯次第か。

アメリカ以外のダート競馬は?

先日、ラヴズオンリーユーが札幌記念に参戦した話を書いた。

スーパーGIIは偉大な前哨戦?

結果はソダシが優勝して、ラヴズオンリーユーが2着でしたね。ソダシ強いね。

とはいえ、アメリカ遠征に向けての心配はなく、予定通りブリーダーズカップ フィリー&メアターフへ向かうとのこと。


そんなブリーダーズカップ(BC)だけど、他にも参戦を考えている馬がいて、

ちょうどラヴズオンリーユーと同じ厩舎のマルシュロレーヌがBCディスタフに参戦するとのこと。

マルシュロレーヌがBCディスタフへ (デイリー)

牝馬限定のダート戦で、ダート競馬の牝馬チャンピオン決定戦といってもいいレースらしい。

すでに日本のダート重賞で4勝(ただし、いずれも地方開催なので国際的にはリステッドレース扱い)、

やはりアメリカの馬は手強いと思うけど、挑戦する価値はあるという判断なんだろう。


日本は芝とダートの競馬を両方やっていて、主流は芝だが、ダートのGIもある。

芝とダートの二本立てなのは、芝のレースばかりやっては芝が痛むからという事情もある。

ダートなら手入れも比較的容易なので、それで地方競馬は基本的にダートなわけですね。

世界をみわたして、ダート競馬が主流の地域というのは、南北アメリカとか中東とかそれぐらいだったはず。

ダートも芝もやってるけど、ダートの方が主流ということだったはず。

ヨーロッパでは基本は芝の競馬だけど、オールウェザー(人工馬場)も併用しているとのこと。

オールウェザーの重賞もあるが、G1はなかったはず。あくまでも補助的なコースという位置づけかね。


そんなわけで「世界のトップ100 G1レース」を2015~2020年の6年分集めて、

そのうち3回以上ランクインしたレースを列挙してみた。

その中でダートのレースを抽出して16レースあったのだが、ほとんどアメリカのレースで、

アメリカ以外のレースはわずかに2つしなかった。

  • Dubai World Cup (UAE)  D2000m : 5回ランクイン(2020年は中止なので実質皆勤賞)
  • Champions Cup (JPN) D1800m : 3回ランクイン

そう、日本でもおなじみのドバイワールドカップと、日本のチャンピオンズカップ、この2つだけなのである。

1回以上ランクインとしても、これに日本の東京大賞典が入るだけだった。


ドバイワールドカップは、アメリカ勢と地元勢の対決という感じである。

高い評価を受けているのはアメリカから遠征してくる馬がいるからこそであろうと思う。

そこに日本から遠征した馬が食らいつくことがあって、今年はチュウワウィザードが2着と健闘しましたね。

一方の日本のチャンピオンズカップは、国際招待競走のジャパンカップダートに由来するレースだが、

ジャパンカップダートの時代から外国からの遠征馬は少なかったという。

というわけで、この評価は日本馬のダート競馬での活躍を表したものといえる。

芝のレースに比べると低い評価ではあるものの、そもそもアメリカ以外のダートG1がランクインすることが異例なぐらいなので……


ちなみにUAEはダート競馬が主流の国ではあるものの、芝のG1レースの方が評価されているっぽい。

  • Dubai Sheema Classic (UAE) T2410m : 5回ランクイン(実質皆勤)
  • Dubai Turf (UAE) T1800m : 5回ランクイン(実質皆勤)
  • Al Quoz Sprint (UAE) T1200m : 3回ランクイン

どれもドバイワールドカップデーのレースですが。上2つはヨーロッパと日本の遠征馬がだいたい勝ってる。

結局のところは招待できる馬のレベルに依存しているということなのかもしれない。


せっかく世界のトップ100 G1レースを集計したので、馬場(芝・ダート)と距離区分(SMILE)の組み合わせを調べてみた。

そしたら、まずダートはL区分(2101m~2700m)とE区分(2701m~)のレースで3回以上ランクインしたレースはなかった。

ダートかつS区分(~1300m)はたった1レースしかない。

  • Breeders’ Cup Sprint (USA) D1200m : 4回ランクイン

しかも皆勤賞ではないんですね。


あと、少ないのが芝でE区分のレースで、これは過去にも話題にした覚えがある。

  • Tenno Sho (Spring) (JPN) T3200m : 6回ランクイン(皆勤)
  • Gold Cup (GB) T4000m : 4回ランクイン
  • Kikuka Sho (Japanese St Leger) (JPN) T3000m : 3回ランクイン
  • St Leger Stakes (GB) T2920m : 4回ランクイン
  • Irish St Leger (IRE) T2800m : 3回ランクイン

唯一の皆勤が天皇賞(春)なんですね。この距離区分では世界一ハイレベルであることに疑いはない。

世界的にはかなり軽視されているが、日本は比較的高いレベルで保たれているということらしい。


こうして見てみると日本競馬はなかなかユニークですよね。

超長距離戦とダート競馬というところにそこそこ力が入っているのは見ての通りだし。

世界的に見ても特にハイレベルというのが、芝のL区分ですね。

これは5~6回ランクインしたレースで平均レースレートが高い順に並べ替えると、

  1. Prix de l’Arc de Triomphe(FR) T2400m : 124.6ポンド
  2. King George VI & Queen Elizabeth Stakes(GB) T2400m : 121.3ポンド
  3. Breeders’ Cup Turf (USA) T2400m : 121.2ポンド
  4. Japan Cup (JPN) T2400m : 120.8ポンド
  5. Arima Kinen (JPN) T2500m : 120.8ポンド
  6. Dubai Sheema Classic (UAE) T2410m : 120.8ポンド

やっぱり筆頭は凱旋門賞なんですね。今年は日本から2頭(クロノジェネシス、ディープボンド)が参戦予定ですが。

とはいえ、4位・5位は日本のレースですからね。


果たして、ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌといったBC挑戦の日本勢はどのような結果を出すのだろうか?

もしダートのレースで優勝すれば、日本馬初の海外ダートG1制覇となる。

ダート競馬の本場でそれを達成したとすれば、それは大快挙ですが……

障害者スポーツと障害の種類

パラリンピックの競技には陸上競技や水泳のように様々な障害のクラスがある種目もあるが、

全体としては、この種目はこの障害の競技と決まっているものが多い。

それぞれの競技に親しみのある人ならばわかるかもしれないけど、どうだろう?


日本における障害者スポーツの総本山が 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 である。

この団体は日本パラリンピック委員会を兼ねているのだが、一方でパラリンピックとは別体系の競技もいくつかある。

どちらかというと、障害者スポーツの国体にあたる 全国障害者スポーツ大会 の主催者という側面があり、

この大会では聴覚障害の競技もあるし、パラリンピックにはない知的障害の競技もあるし、精神障害の競技もある。

大半の身体障害と一部の知的障害はパラリンピックへ、聴覚障害はデフリンピックへ、知的障害はスペシャルオリンピックスにつながる競技体系にあり、

それに対して、身体障害の内部障害クラスと精神障害は国際的な競技体系はない。そういうのもあるんですね。

ただ、都道府県対抗戦ゆえか種目数はわりと絞り込まれていて、今年の三重大会(中止になったが)では14種目となっている。

このあたりは大半のオリンピック種目を網羅してる国体とはまた事情が違うわけである。


では、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 の加盟団体はどんな競技をやっているのか。

★がパラリンピック競技、◇がデフリンピック競技に関係するものである。

  • アーチェリー : 身体障害(肢体不自由★)
  • 陸上競技 : 身体障害(視覚★・肢体不自由★・聴覚◇)・知的障害★
  • バドミントン : 身体障害(肢体不自由★)
  • ボッチャ : 身体障害(肢体不自由★)
  • カヌー : 身体障害(肢体不自由★)
  • 自転車 : 身体障害(肢体不自由★・視覚★・聴覚◇)
  • 馬術 : 身体障害(肢体不自由+視覚★)
  • サッカー : 身体障害(視覚★・肢体不自由・聴覚◇)・知的障害
  • ゴールボール : 身体障害(視覚★)
  • 柔道 : 身体障害(視覚★・聴覚◇)
  • 重量挙げ : 身体障害(肢体不自由★)
  • ボート : 身体障害(肢体不自由+視覚★)・知的障害
  • 射撃 : 身体障害(肢体不自由★)
  • 水泳 : 身体障害(肢体不自由★・視覚★・聴覚◇)・知的障害★
  • テコンドー : 身体障害(肢体不自由★)・知的障害
  • トライアスロン : 身体障害(視覚★・肢体不自由★)
  • 卓球 : 身体障害(肢体不自由★・聴覚◇)・知的障害★
  • バレーボール : 身体障害(肢体不自由★・聴覚◇)
  • バスケットボール : 身体障害(肢体不自由(車いす)★)・知的障害
  • フェンシング : 身体障害(肢体不自由(車いす)★)
  • ラグビー : 身体障害(肢体不自由(車いす)★)
  • テニス : 身体障害(肢体不自由(車いす)★・聴覚◇)
  • アイスホッケー : 身体障害(肢体不自由★)
  • スキー : 身体障害(肢体不自由★・視覚★・聴覚◇)・知的障害
  • カーリング : 身体障害(肢体不自由★・聴覚◇)
  • ボウリング : 身体障害(視覚・聴覚◇)
  • バドミントン : 身体障害(聴覚◇)
  • ゴルフ : 身体障害(聴覚◇)
  • ビーチバレーボール : 身体障害(聴覚◇)
  • ローンボウルズ : 障害不問?

多分、これが全部ではないと思うんですけどね。(野球などもあるはずなんだけど)

全国障害者スポーツ大会で行われている内部障害クラスとか精神障害クラスの情報も全然入手できないし。


やはり多いのはパラリンピックのルーツである肢体不自由ですよね。

当然ですが残っている身体機能を使うわけで、上半身を使うスポーツ、下半身を使うスポーツがいろいろある。

上半身を使うものの代表が車いすバスケットボール、パラリンピックの競技でも特によく知られた種目ですが。

全体としてはそういう競技が多いですよね。

下半身を使うことを目的とした競技としては今回からの新競技、テコンドーがある。

テコンドーは足を使った攻撃が特徴的で、障害者スポーツとしては頭部への攻撃を禁止するルールになっている。

視覚障害の競技としては、柔道、ゴールボール、サッカーなどある。

柔道は組み合った状態からスタートするルールで、ゴールボールとサッカーは音の出るボールを使う。

サッカーについてはパラリンピック種目ではないが、ロービジョンフットサルという通常のボールを使うが視力に制限がある人の競技もある。

よくわかんないのがローンボウルズなのだが、これはおそらく健常者も障害者も対象だが、障害者スポーツの統括団体のみに入っている。

調べたところ、かつてはパラリンピック競技だったのでその名残らしい。一方でオリンピック競技化の話もあるらしい。


ユニークなのが馬術で、これは障害の種類ではなく、馬をどこまでコントロールできるかでクラス分けが行われている。

競技として行われるのは馬場馬術なのだが、クラス分けにより課題の難易度が変わるんですね。

なので性質が違う障害の人が、それぞれの障害の程度に応じた課題で争うということになるんですね。

ここは人馬のスポーツという特色もあるんでしょうね。

ボートも肢体不自由と視覚障害が混成クラスになるものがある。


あとはオリンピックやパラリンピック以外の国際大会の体系なんかも見てみるとおもしろそうで、

テニスやマラソンは一般的な国際大会の中に車いす部門という形で存在することも多い。

競技性は一般のテニスやマラソンとはだいぶ違うと思うんだけど、地位の高さゆえかこういうこともある。

さっきの日本障がい者スポーツ協会の加盟団体を見ると、ボートは日本ボート協会が加盟しており、

これは国際的な大会が一般と障害者で一緒に行われている事情もあるようだ。


陸上競技や水泳なんか見てるとパラリンピックはクラス分けが細分化されてて複雑だなと思うわけだけど、

柔道は視覚障害の程度でクラス分けはあるが、競技自体は体重別であって同じ体重ならクラス混合で行われる。

そのかわり、クラス分けによって指導の出し方などが変わるというルールになっている。

テコンドーも柔道と同じように体重別の区分のみでクラス混合で行われる。

そういう大胆なルールでやってる種目もあるんですね。


障害者スポーツ特有の競技(ボッチャとゴールボールが該当、陸上の投てき種目も独特なものがいくつかあるそう)や、

道具がだいぶ違う競技(車いすラグビーはボールがバレーボールと同じ)、フィールドが大きく異なる競技(シッティングバレーボールなど)、

そうでなくても特別ルール(視覚障害だと補助員を付けたり、聴覚障害だと視覚的な号砲を使ったり)が適用される競技はあまりに多い。

そう考えると、なかなか一般的なスポーツと並べて考えることは難しいところはある。

とはいえ、着眼点としては面白いところは多く、使える能力をうまく使えるように工夫されているわけですね。

組み合った状態からスタートする視覚障害の柔道というのはなるほどなと思った。

スーパーGIIは偉大な前哨戦?

自転車のタイヤがパンクしたことをきっかけに、タイヤ・チューブごと交換していた。

後輪なんでけっこう大変でしたね。そして、なによりタイヤを外すような作業は5年以上ぶり。

(パンクの応急修理は何度かやっているのだが)

自転車の使用頻度もそこまで高くないのはあるのだが、いやはや。

とはいえ、なんやかんや自転車の修理というのはDIYとしてはわりと身近なものではある。


明日は札幌競馬場で札幌記念(GII)が行われる。

サマー2000シリーズ第4戦……というよりは「スーパーGII」なんでしょうね。

GI格付けを得ることもできるほどに例年ハイレベルなレースが行われるが、

ステップレースなどの体系が未整備だとかでGIIに据え置かれているという事情があるという。

オーストラリアのGIレースの多さなんか見ると、サクッと昇格してしまえばいいのにと思うんですけどね。


有力馬としてよく挙げられるのが、今年の桜花賞を優勝したソダシと、香港のクイーンエリザベス2世カップを優勝したラヴズオンリーユー。

ソダシは去年に札幌2歳ステークスを優勝しており、札幌競馬場という舞台はよさそう。

桜花賞の次に走ったオークスでは1番人気に推されつつも8着に敗れている。

さすがに2400mは長い! ということで、じゃあ秋華賞の行われる2000mはどうだろう? というのがこの挑戦の背景として大きいようだ。

ここで勝てばクロフネの子では初めての芝2000m以上の重賞制覇となるのだが……

この結果次第で秋に行くレースが決まるという点では意義深い戦いである。


さて、もう1頭の有力馬、ラヴズオンリーユーはアメリカ遠征の前哨戦としての挑戦である。

この春は ドバイシーマクラシック → クイーンエリザベス2世ステークス と海外GIを転戦して、

3着・1着と強さを見せつけ、この結果から秋も海外転戦を選ぶことにした。

……というのは、おそらく同じ厩舎で去年のクラシック三冠馬、コントレイルにぶつけたくなかったからだろうけど。

秋の大目標として選んだのは、アメリカのブリーダーズカップ フィリー&メアターフである。

ブリーダーズカップ(BC)は持ち回り制で行われ、カルフォルニア州のデルマー競馬場での開催で、

ヨーロッパから遠く(芝のレースはヨーロッパからの遠征馬が強い)、日本に少し近いということで、挑戦するなら今年だろうと。

距離も2200mというのは最適だろうということで、日本馬初のBC諸競走優勝を狙っているのだという。


とはいえ、アメリカ遠征には金が必要である。輸送費補助は出るが足が出るし、なにより登録料が高額である。

そんな中、ラッキーだったのはクイーンエリザベス2世カップを優勝したことで、

香港ジョッキークラブから年末の香港国際競走デーにも来て欲しいと招待を受けたことだった。

日本→アメリカ→香港→日本 と輸送すれば、アメリカ→香港→日本 の部分は香港ジョッキークラブが輸送費を負担してくれるのだという。

これにより、日本→アメリカ の輸送費とアメリカでの滞在費だけ考えればよくなり、この挑戦に至ったわけですね。

春に海外転戦を経験しており、馬もスタッフもこれで戦えるのを知っているのもよかったですね。


日本を出て日本に帰ってくるまでの期間が60日以内だと日本帰国時の検疫条件が有利なので、

おそらくそのあたりの事情もあって、アメリカに渡って前哨戦を経ずにブリーダーズカップへ向かうことにしたようで、

このための前哨戦を日本でやるならば札幌記念ということになったようである。

国内で走るのはこれが最後かも? と言われているわけだが、ここで勢いづけてアメリカ・香港遠征に向かえるといいですね。


実は札幌記念はしばしば秋の海外遠征に向けた前哨戦として使われることがあり、

ソダシを管理する須貝調教師も、ゴールドシップを凱旋門賞の前哨戦として札幌記念に送り込んだことがある。

このときに同年の桜花賞優勝馬のハープスターに敗れており、この経験がソダシの札幌記念挑戦に生きているようである。

というのも、この時期の3歳馬は負担重量が3kg軽減され、さらに牝馬の2kgと合わせると、

5歳牡馬のゴールドシップとは5kgもの負担重量差があり、強い3歳牝馬にはかなわんでということだったらしい。

(ちなみにハープスターも凱旋門賞の前哨戦としての挑戦だったようだ)

というわけで、ソダシは強い3歳牝馬なので、これは勝てるというのが調教師の読みらしい。


札幌記念がGIIなのは日本国内のレース体系によるところが大きいのだが、もしGIなら……と思うところはある。

というのはラヴズオンリーユーが遠征するブリーダーズカップなんですけど、

同レースはアメリカ国内外のいくつかのレースを「ブリーダーズカップチャレンジ」と指定している。

ブリーダーズカップのレースごとに指定レースが定められ、指定レースの優勝馬は登録料免除・輸送費補助が行われる。

で、日本の指定レースなんですが、いずれもGIレースなんですけど。

  • BCクラシック(ダート2000m) → フェブラリーステークス(ダート1600m)
  • BCフィリー&メアターフ(芝2000m前後・牝馬限定) → ヴィクトリアマイル(芝1600m・牝馬限定)
  • BCマイル(芝1600m) → 安田記念(芝1600m)
  • BCターフ(芝2400m) → 宝塚記念(芝2200m)

でも、実際にこんな転戦する? 特にフェブラリーステークス→BCクラシックなんてある?

とはいえ、日本で行われる、直近のGIレースでBC諸競走に条件が似たものを探すとこうなるのかもしれない。

でも、GIにこだわらなければ、帝王賞と札幌記念っていいんじゃないの? と思ったんだよな。

帝王賞は大井競馬場で6月末に行われるダート2000mのレースで、格付けは日本ローカルのJpnIである。

大井競馬場は東京大賞典が国際格付けのGIなので、体制的には可能とみられるが、レーティングが足りないようである。

とはいえ、距離や時期など、優勝馬にBCクラシックの登録料免除などの特典があれば行きたくならんかね?

札幌記念もラヴズオンリーユーが前哨戦に使うように時期的にはいいんじゃないか。

この場合はBCターフの指定レースになるんでしょうけど。(牝馬ならフィリー&メアターフも選択させてくれれば……とか思ったけど)


というわけで、なんやかんや秋に向けた前哨戦ということになるんですけど、

それでも国際交流という点ではGIの方がいいんじゃないかなと思うんですよね。

そんなわけでG1級の注目を浴びるスーパーGIIですが、明日はずっと外出なので、ラジオ観戦ですかね。

そういえば去年も同じようにラジオ観戦してたっけ。

去年は後の香港カップ優勝馬、ノームコアが優勝してましたね。札幌記念で結果を出したことで先につながった好例ですね。

競輪は自転車競技の助けになるか

オリンピックの馬術競技にJRAが大きく貢献しているという話を紹介しましたが。

競馬が盛んなのは馬術の助けになってるか

もう1つ、オリンピック競技に直接的に貢献している公営競技があって競輪ですね。

まずなんといってもトラック競技の会場となった 伊豆ベロドローム は競輪マネーで作られた、

日本初の国際標準の室内250m木製走路の自転車競技場として作られた。

このあたりはJRAと馬事公苑の関係にも似てる気がするが、自転車の場合、トラック競技にプロの競輪選手も参加している。

スプリントとケイリンを掛け持ちして出場していたようですね。


プロスポーツとしての自転車競技はロードレースはヨーロッパ中心に盛んであるものの、

トラックレースをプロスポーツとしてやってるのは、競輪をやっている日本と韓国ぐらいじゃないか。

(韓国の競輪は日本の競輪をモデルとして導入されている。これは競馬・競艇にも共通する。)

日本はヨーロッパの自転車大国に比べれば、自転車競技は普及しているとは言えないが、

一方で競輪マネーというのは自転車競技の強化に役立っている。

オリンピックでメダルを獲得すると競技団体などから報奨金が出る場合があるが、

全競技中もっとも高額なのが自転車競技だという話がある。

実際、北京オリンピックでケイリンで銅メダルを獲得した永井選手は3200万円の報奨金が渡されている。

ケイリン銅の永井に報奨金計3200万円 (日刊スポーツ)

オリンピック以外の国際大会でも上位の成績を収めた選手には報奨金が支払われていたり、

さらに強化指定選手の報奨金が支払われていたり、具体的な額は不明点も多いが、わりと大盤振る舞いという感じがする。


ただ、難しいのはプロスポーツの競輪とトラックレースはだいぶ違うという話で、

それは例え、日本の競輪にルーツを持つトラックレースのケイリンでもだいぶ違うんだという。

ケイリンでは先頭に誘導員を置き、残り1周ぐらいまではみんな誘導員の後ろを走る。

これにより全員が空気抵抗を抑えながら走ることができる。そして誘導員がいなくなったら、先頭争いが始まるというわけ。

これがおそらく他の種目に対するケイリンの特色なのかなと。

(ケイリンってなんだ?)

先頭誘導員を置くというところ以外は全然違うと言ってもいいかもしれない。

日本ゆかりの競技とあって力が入っているのは確かだが、だからといって勝てるわけではない。

今回は男子ケイリンで脇本選手が善戦しましたけど、準決勝を勝ち抜けず、順位決定戦では1着で7位入賞ですか。


プロ選手にとって難しいのは、本業の競輪と国際大会に向けた練習をいかに両立するかというところだという。

もちろん自転車で走りを競うという点では共通点は多いが、競技は違うわけですよね。

競輪で賞金を稼ぐことを犠牲にして、自転車競技に力を入れるという決断ができるかということでもあり、

おそらくこのことは自転車競技の報奨金や奨励金が手厚い理由につながっているのだと思う。

このあたりは野球やサッカーとはまた事情は違うかも知れない。

(もっともチーム戦という事情もあり、所属チームの理解がなければ国際大会参加が難しいという別の問題もあるが)

あと、競輪選手の活躍が期待できるのはトラックの短距離種目に限られるだろうから、

自転車競技全体としてはアマチュア選手とプロ選手がともに力を付けていかないといけないという事情もあろう。


ただ、競輪というのはなかなか苦しい立場にある。

一時期は落ち込んだ公営競技の売上は、インターネット投票の充実により底を打ったのだが、

競馬(特に地方競馬)と競艇が大きく伸びているのに比べると、競輪・オートレースは横ばいぐらい。

インターネット投票の比率は他に比べると低いという。(このため無観客開催の影響も大きかったと言われている)

施設の老朽化もある中で存廃の議論になることもある。


そんな中、他の公営競技と比べると競輪は自転車競技との関わりが強いという特色がある。

競輪場は自転車競技場を兼ねているわけですよね。

トラックレースがプロスポーツとして行われているのが日本と韓国に限られるものの、

それ以外の国からもトラックレースで優秀な成績を収めた選手が短期登録選手としてやってくるなど国際交流の場ともなっている。

国際交流という点では競馬にはかなわないだろうけど、あれは馬のスポーツだから。

ともあれ、自転車競技の発展のためにも競輪への期待はあるわけだが。


そんな中で競輪界にブレイクスルーとなりそうな話がある。

千葉競輪場は設備老朽化のため廃止も検討されたが、国際標準の室内250m木製走路に作り替えられることとなった。

これは自転車競技の振興も考えたものとみられるが、あくまでも競輪場である。

ここでは新ルールの「250競輪」というものが実施されるが、トラックレースのケイリンに類似するルールになるようである。

250競輪 (千葉市)

選手にとってもファンにとっても、トラック競技と伝統的な競輪を橋渡しするような役目が期待されているとみられる。

現在の競輪は最大9車立てだが、250競輪ではコースの都合、6車立てになるようである。

単純に考えればギャンブルとしては堅い決着が多くなりそうという話で、ここが課題となりそうである。

とはいえ、伝統的な競輪はとっつきにくいところが多いとも言われており、そこを打開するための策でもあるようだ。


現在の競輪は先頭固定競走というルールで行われているが、かつてはいろいろなルールのものがあったという。

現在も規則上はスプリントレースのルールが残されており、これはトラックレースのスプリントに類似している。

250競輪以外のルールでの競輪開催も模索しているような話も見たので、

その中でスプリントレースの再構築とか、あるいはより距離の長いレースが行われるようになったり、

国際標準の自転車競技場での競輪というのは、自転車競技の発展という点では面白いネタかもしれない。

千葉で成果が出れば他の地域にも普及するかも知れない。


プロスポーツとしての競輪があるのは自転車競技にとって助けではあるが、

プロスポーツとしての競輪と自転車競技はまた別物というのは難しい悩みである。

とはいえ、日本が自転車競技で自転車大国と戦うには競輪をうまく生かすのが得策であり、

そのための方策はいろいろ考えているはずである。

人工芝なら屋内でもいいよね

東京オリンピックは無事閉幕したわけだけど、

メイン会場となった国立競技場の近くに 屋内ラグビー場 ができる計画があるという。

これは神宮外苑の再開発に伴うもので、現在の秩父宮ラグビー場の代替なのだが、

屋内でラグビー場? って感じはするけど、そこにはそれなりの理由があるという。


そもそも秩父宮ラグビー場とはなんなのか?

関東圏におけるラグビーの聖地とも言われ、様々なラグビーの試合が行われている。

使用頻度が高いのは大学ラグビーなんですかね。ともかくラグビーならば多目的に使われている。

もっともそんなに人が入るわけではないので、ワールドカップの舞台にはなってませんけどね。

国立競技場が改築のため使えなかった分の代替は調布市の東京スタジアム(味の素スタジアム)に回ってたし。

で、このラグビー場には1つ問題があって、それが「秩父宮ビーチ」とか言われているけど、

あまりの試合数の多さに芝の痛みが激しく、砂が露出した部分もしばしば見られるのだという。


そういえば、これこそラグビーの聖地として知られる東大阪市の花園ラグビー場は3つのグラウンドがあるという。

この3つのグラウンドに分散させることで、高校ラグビーの全国大会などが実施できてるんですね。

平時は多すぎるので、サッカー場として使ったり、陸上競技場として使ったりしているそう。


で、神宮外苑の再開発にあたって秩父宮ラグビー場を移転・改築するにあたって、

芝が痛みやすいことの根本的解決として考えられたのが人工芝の採用だという。

サッカーでは試合目的での人工芝の利用は限定的で、日本では練習や地域大会で使われる程度である。

(ただし、カナダで2015年に行われた 女子サッカーのワールドカップは全会場人工芝であったなど、国際大会での利用も行われつつある)

一方、ラグビーでは2004年に人工芝利用を想定した国際的なルールが作られており。

その後も日本では試合目的での利用には慎重だったが、2015年以降は国際大会での活用も想定したルールが制定されたという。

このことから丈夫で維持しやすい人工芝を新ラグビー場で採用することを決めたと見られる。


で、人工芝ならば太陽の下である必要はありませんから、多目的利用を想定して屋内ラグビー場という話が出たんだそうで。

新秩父宮ラグビー場、完全密閉型屋根付きアリーナへ (日刊スポーツ)

ここに書かれているのですが、屋内ラグビー場というのはすでに実績があるんですね。

屋根は、フランス・パリ郊外の「Uアリーナ」というラグビー場をモデルにしているという。

屋内ラグビー場となることで、観戦環境もよくなり、これでラグビーファンを増やしたいという意図もあるようだ。

選手・観客・経営者の三方よしの計画ということだろう。(経営者にとってよいのは多目的利用で稼げるということ)


ただし、神宮球場と場所を入れ換えながら工事をするという事情もあり、

新ラグビー場の完成は2033年ごろとだいぶ先になる予定である。

たぶん、多くの人にとっては神宮球場の改築・移転の方が大きな話だと思うんですが、

こういう面白そうな計画もあるんですね。だいぶ先ですがちょっと楽しみな話。

アメリカ野球は滑るボールに粘着物質

オリンピックで1大会限りの復活を果たした野球、

決勝戦は 日本 vs アメリカ になるみたいですね。

このオリンピックではアメリカのプロ野球選手も参加している。

ただ、メジャーリーグの選手はいなくて、マイナーリーグの選手が主体みたいですね。


そんなアメリカの選手がオリンピックで使っているボールを気に入ったという話がニュースに出ていた。

「野球人生で最高のボール」「SSKの方がずっと好き」粘着物質問題に揺れた米国代表は“日本製ボール”にぞっこん【東京五輪】 (Yahoo!ニュース)

オリンピックでは日本のSSK製のボールが使われているそう。

日本のプロ野球だと ミズノ製のボールに使われてるし、これまでのオリンピックでも(開催地によらず)そうだったらしい。

SSK製のボールを気に入ったというだけなら、それはただの感想だと思うのだが、

現在、アメリカのプロ野球では「粘着物質問題」というのが起きていて、それと関連してのことらしい。


ということで調べてみたら、こういうことらしい。

大リーグ 粘着性物質つける不正投球問題 ダルビッシュが言及 (NHK)

アメリカで使われているローリングス製のボールは日本で使われているボールより滑りやすく、

日本からアメリカに渡った投手はこれに苦しむことがしばしばあったらしい。

じゃあ、アメリカの野球選手はどうしているのかというと、実は規定外の「粘着物質」を使っていたという。

このことはルール違反ではあるものの長年黙認されてきた公然の事実だったという。

ところが最近ではより強力な粘着物質が使われ、これがボールの回転数などに顕著な影響を与えているという疑惑が出て、

これはよくないと今年6月以降、粘着物質の取り締まり強化に出たということだが、

なにしろ今まで黙認されていたことだけに大変な戸惑いが起きているという。そういう話らしい。


ところで投手はボールを投げる前に白い粉を付けている姿を見るが、

あれはロジンバックというものを使っていて、中には炭酸マグネシウムと松ヤニの混合物が入っている。

炭酸マグネシウムは手汗を吸い取り、松ヤニは粘着性を持ち、あわせてすべり止めとして機能する。

投手は主催者が用意したロジンバックを適宜利用することができる。

ちなみに日本で用意されたロジンバックも評判がよかったらしい。

現在ヤクルトで抑えを務めるスコット・マクガフはボールだけでなく、日本製のロジンを気に入っているようだ。アメリカ製は非常に硬さがあるようで、「日本のはちょっと湿っていて少しつけるだけでも、ボールをずっとしっかり握ることができるんだ」と語る。

これ以外のものをすべり止め目的で使うことが問題なわけですね。


アメリカで長年規定外で使われてきた粘着物質としては下記のようなものがあるらしい。

使われている禁止物質は松やにのほか日焼け止めのクリームや整髪料などさまざまで、ピッチャーは登板前にあらかじめグローブの内側や首の裏、手首などにこうした物質を塗り付け、それをボールに付けていたとされています。

ただ、近年「粘着物質問題」が顕著になってきたのは、より強力な「スパイダータック」などが使われることになったからというのもあるらしい。

このスパイダータックはもともとアトラスストーンという巨石を持ち上げる競技のために作られたものらしい。

野球で使うことは想定していないのだが、投手が使ったとすると回転数など顕著に上がることは実験的に確認されているようだ。

このことからアメリカでは粘着物質の取り締まり強化に動いたとされている。


強力な粘着物質を使うことは問題という考えはあったとしても、

ボールが滑りやすいのを打開するために粘着物質を使うことは長年黙認されてきたはずで、

もし粘着物質の取り締まりを強化するならば、それはボールが滑りやすいという問題を解決する必要があるのではないか。

こういう背景があっての、SSK製ボールを絶賛する感想が出てきたと言う話らしい。

そう考えるとけっこう深い問題なわけですね。


さっきも書いたけど、国際大会では長年ミズノ製のボールが使われていて、最近はSSK製だが、

どっちも日本メーカーではあって、これが国際標準として受け入れられているということである。

とはいえ、どこでもそうだと思うけど、やっぱり地元メーカーの製品を優先して使うわけだよね。

それがアメリカではローリングス社なわけですけど、これだけ言われて改善する気配はないという。

今までそれはそういうものだとして許されてきてたが、「粘着物質問題」で追い込まれるのかどうか。

根本的には「粘着物質」が問題なのではなく「滑るボール」が問題だという主張が多いんですよね。

総合種目はどうやって競う

今回のオリンピックの追加種目にスポーツクライミングがある。

長年オリンピック採用に向けて動いていたところで、やっと採用にこぎつけたというものらしい。

このスポーツクライミングは「複合」ということで、スピード・ボルダリング・リードの3種目の総合種目になっている。

元々、これらの種目は単独で大会が行われていたのだが、オリンピック採用のために複合種目ができたという経緯があるよう。

後で書くけど、この3種複合種目は東京オリンピックが最後になるらしい。


この複合種目の順位決定方法は、3種目各々の順位のかけ算で決まるんですね。

昨日の男子複合予選で通過した8人の順位決定式を並べると、

  1. ミケル・マウェム(フランス) スピード3位×ボルダリング1位×リード11位=33 [3.2]
  2. 楢崎智亜(日本) スピード2位×ボルダリング2位×リード14位=56 [3.8]
  3. コリン・ダフィー(米国) スピード6位×ボルダリング5位×リード2位=60 [3.9]
  4. ヤコプ・シューベルト(オーストリア) スピード12位×ボルダリング7位×リード1位=84 [4.4]
  5. アダム・オンドラ(チェコ) スピード18位×ボルダリング3位×リード4位=216 [6.0]
  6. アルベルト・ヒネスロペス(スペイン) スピード7位×ボルダリング14位×リード3位=294 [6.6]
  7. バサ・マウェム(フランス) スピード1位×ボルダリング18位×リード20位=360 [7.1]
  8. ナサニエル・コールマン(米国) スピード10位×ボルダリング11位×リード5位=550 [8.2]

3つの順位の乗算で順位を決めるというのは、言い換えれば順位の幾何平均(相乗平均とも)で順位を決めるとも言える。

幾何平均というのは、N個の数字を全て掛け合わせて、N乗根を取るということである。

[]内に書いた数字はかけ算した数字の3乗根ということで、これが順位の幾何平均ということですね。


オリンピックには異なる複数の種目の総合成績で競う種目がいくつかある。

調べた範囲では下記があると思ったが、見逃しがあるかもしれない。

  • 体操総合(個人・団体) : 各種目の得点の合計
  • 総合馬術(個人・団体) : 各種目の減点を合計
  • 陸上 十種競技(男子)・七種競技(女子) : 各位種目の成績(走破時間・投てき距離・跳躍距離)を計算式により得点化
  • ノルディック複合 : 先に行うジャンプの得点をタイム差に換算して、後で実施するクロスカントリーのスタートに反映
  • 近代五種 : 先に行う4種目の結果をタイム差に換算して、最後に実施するレーザーランのスタートに反映

この中で一番シンプルなのは体操ですね。各種目の採点システムの完成度が高いですからね。各種目の重み付けは均等と言える。

総合馬術については先日書いたが、クロスカントリーで大きな得点差が付きやすく、他の2種目で小差を競う感じですね。

陸上競技は時間・距離というものを計算式で得点化して総合力を競う種目があるが、これはタフですね。

スキーのノルディック複合と近代五種は、最後の種目のタイム差に換算して、最後の種目のゴールに入った順位で競うという。


そんな中では順位の幾何平均というのは珍しい方式と言えるが、

スポーツクライミングのボルダリングとリードという種目は、大会毎に課題が異なり、その課題は直前に呈示される。

課題の難しさによって、その結果の持つ意味が違うので、絶対値で得点化することが難しいということだと思う。

陸上競技の十種競技・七種競技は各種目の数字の持つ意味はことなるが、各種目の難易度というのは決まっている。

なので、それぞれの競技ごとの得点を定式化することはできそうな気はする。

スポーツクライミングでもスピードは決まった壁を登り切るのにかかる時間なので、これだけは定式化できるかもしれないが、

ボルダリングとリードはそういうわけにもいかず、従来からの順位を決めるルールに頼り切っているわけですね。


その上で幾何平均という方法はどうだろうという話である。

幾何平均での比較というのは順位の対数を平均して比較することに等しいとも言えるらしい。

1位と2位の差は2位と4位、4位と8位、8位と16位の差に等しいということだから、

上位争いに参加できる選手は非常に評価される一方で、下位の順位差はそこまで気にしなくてよいと。

この結果、スピードでは上位争いできるが、他の種目はそこまで……という選手も参加しているようで、

男子予選の数字で言えば、バサ・マウェム選手はスピードで卓越した成績を出して決勝進出を果たしたといえるわけですね。


冒頭にも書きましたが、この方式での複合種目はおそらく東京オリンピックが最後になる。

スポーツクライミングは次回、パリオリンピックでの採用も決まっている。

上位勢を見てもわかるが、日本もフランスもクライミングが盛んな地域ですからね。

一応はまだ追加種目という扱いらしいのだが、このまま定着していきそうな感じはする。

で、そのときにはスピードは単独種目となり、ボルダリングとリードの2種複合種目との2本立てになるようで。

これは決まった壁でタイムトライアルをするスピードと、

直前に与えられた課題を頭と身体を使ってボルダリング・リードは求められる性質がだいぶ違うことによる。


スピードは単独種目になるので、それは単純にタイムで競うのでよいとして、

2種複合はやはり2種類の種目の合計で競うが、順位の幾何平均ということではなくなるようで。

スポーツクライミングコンバインド「2種複合」の新ルール 第4回CJC 2021年6月時点 (Mickipedia)

両種目の課題達成状況を点数化して、1位の選手の得点を100点に正規化して合計するという方法が考えられているよう。

理論上の満点で正規化するんじゃなくて、実際に1位の選手の成績で正規化するというのが難易度調整なんでしょうね。

ボルダリングの得点だけで順位を取れば、概ねこれまでのボルダリングの順位と同じようになるはずだし、

リードの得点だけで順位を取れば、概ねこれまでのリードの順位と同じようになるように設計されている。


問題は合計したときにそれがどうやって現れるかというところである。

順位の幾何平均だと課題達成状況が小差でも1位・2位の差は大きかったし、大差でも7位と8位の差は小さい。

これが得点を正規化して合計する方式なら、ボルダリングの完登数・リードの高度で並ぶような小差であれば得点差は小差となる。

なのでもう一方の種目で差を付けることが求められるわけですね。この点では総合力が問われやすくなる。

一方で、リードはトップレベルの争いは1つ高度を上げられるかが大違いなのに、ボルダリングほどは得点差が出にくいのでは? という指摘もある。

実際にこのルールで実施された大会では、ボルダリングの得点差はリードではほぼ挽回できてないですね。

スポーツクライミング 第4回コンバインドジャパンカップ/リザルト (日本山岳・スポーツクライミング協会)

優勝した選手が決勝ではどっちも1位(100点)なんだから、それはもう文句の付けようはないんですけど。

陸上の十勝競技・七種競技だとべき関数により点数が規定されているので、高度を進めるごとに重みが増えて行く方が面白いかも知れませんね。


というわけで総合種目は難しいですね。

陸上の十種競技・七種競技とか近代五種なんてほとんど無理くりだろと思うわけですけど、総合力を競うことの面白さもあるわけですよね。

(それにしても近代五種は無理のある競技だが)

スポーツクライミングは今回の東京オリンピックはオリンピックでは最初で最後のクライミング王決定戦になるかもという話もあった。

スピードが独立した競技としてオリンピックに登場することの方がクライミング界にとっては大きなことだと思うんだけど、

3種複合もそれはそれでおもしろい種目だったねと振り返る意見もあるようだ。大会でやるかは別問題なんでしょうけど。