異常に明るい光り物への対策

3週連続でコンサートに出かけていた。

今日は直前まで悩んでいたが、先週末に決意して購入した。

東京国際フォーラム ホールA 2階席の中腹あたり。

座って双眼鏡で静かに見るなら悪くはないが。周りの人もわりとそんな感じでしたね。

直前にチケット買うような人だから、そこは覚悟してるんでしょう。


それはそうとして、まさか3週連続で見るとは思わなかったものがある。

それが異常な光量を放つ光り物である。

特に「孔雀」と呼ばれる、扇形に何本も異常に明るく光る棒が出たものはすさまじい存在感を放つ。

シンプルに1本だけ(一般的なペンライトより長い)のものもあるが。

言うまでもなくルール違反なんだけどね。


この手の異常な光り物が目立つのがかつてのANIMAX MUSIXだった。

2018年3月に大阪城ホールで初めて参加したとき、こんなのが何人もいた。

さすがに目に余る状態で、主催者側もそれなりの対応に出たのだろう。

2019年1月(同じく大阪城ホール)で参加したときは没収者続出だったらしい。

以後もANIMAX MUSIXは横浜開催で何度か行っているが、

かつてほど派手にやることは減った気がするが、一掃とはならない。


それもこれもイベント主催者が決定的な対応ができていないのは、

主催者ができるのはせいぜい退場処分に留まるからである。

退場は重いじゃないかと思うかも知れないが、あまり問題ないケースもある。

終盤で振り回せば、発見されて途中退場となっても失う物はほとんどない。

実際、最終盤になって異常な光り物がワラワラでてくるケースはわりとある。

真に打撃を与えるには光り物を没収して返却しないのが一番よい。

なぜならばこれらの光り物は市販品ではなく、ハンドメイドだから。

しかし、イベントの主催者は不適切な持込品を預かることしかできない。

退場にしても没収にしても決定的な打撃にはならないのである。


ところで「孔雀」などの異常な光り物は一体どういう構造なのだろう?

一般的なペンライトは根本にLEDが1ユニットあり、アルカリ電池で駆動するのが一般的。

拡散シートを入れたプラスチックの棒で根本の光を拡散させるわけである。

これに対して異常な光り物は1本の棒に複数個の高輝度LEDを収めている。

LED1個の輝度もさることながら、根本から先まで自発的に光る。

さらに駆動源も大電流を取り出せるリチウムイオン電池が一般的だという。

電流制限抵抗などもなく電池とLEDを直結していることが多いという。

このため電力消費が激しく、ごく短時間の点灯しかできないという。

もちろん安全面の問題もある。だからハンドメイドでしか作れないんだが。


短時間しか使えず、使ったら退場のリスクがあるとなれば、使い所は限られる。

そもそもルール違反なのは置いておいて、ここぞという曲でこそ出番がある。

そういう観点で先々週はまだ理解できた。

開幕早々、大変盛り上がる楽曲で「孔雀」など振り回し退場処分というのは潔い。

まもなく消灯したから、主催者側もすぐに取り押さえて処置したようですね。

ただ、先週末・今週末とそんな出番があると思っていなかったところで、

視界の端に異常な明るさを感じると思ったら「孔雀」がいたとか。

今日は東京国際フォーラムホールAという広い会場ということもあってか、

スタッフが取り押さえるのにも時間を要して野放しの状態が続いた。

でも、なんでここで光らせる必要があるのかというのは全く理解できなかった。


明確なところはわからないんだけど、異常な光り物のストックが年々増えているのかなと。

ハンドメイドなので作るのは大変だが、短時間の点灯に留まればそうそう壊れるものでもない。

一時的に没収されても返却されればノーダメージである。

この手の光り物が根絶されないのは、たかだか退場処分で済むからだろうね。


というわけで困った話ですよ。

どれだけ迅速に対応できるかが全てのような気はするんだけど、

最終盤に短時間・散発的に使われては、なかなか対処も難しい。

警戒されてるのを知ってかそういうことが起きているイベントも以前あった。


没収して返却しないことこそ、問題打開の近道であろうと思うが、

法令に根拠もなく人の所有物を奪うことはできないのが実情である。

となればできるだけすぐに発見して止めさせるのが最善であろう。

それが徹底されると最終盤を除いておおっぴらには使えないのだし。


でも、なんでこのイベントで「孔雀」などに警戒する必要があるのって。

今日のあれは想定の範囲を大きく越えてますよ。なんで?

通算獲得賞金世界一の馬

先月、香港チャンピオンズデーということで、シャティン競馬場で3つの国際招待競走が行われた。

日本からはクイーンエリザベス2世カップに3頭、チェアマンズスプリントプライズに1頭参戦している。

12月の香港国際競走に比べれば地元勢メインという感じはあるが、

今年はいずれのレースも外国勢を交えてのレースになったようで。


その3レースの1つ、チャンピオンズマイルで地元のGolden Sixtyが優勝した。

これにより同馬は通算獲得賞金1億4793万HK$(約26億円)で、世界記録を塗り替えることとなった。

​ゴールデンシックスティが史上初の香港チャンピオンズマイル3連覇、通算獲得賞金も世界一に (JRA-VAN ver.World)

香港の三冠馬で、三冠達成後はマイルを中心に走っているが、

今年の香港ゴールドカップ(G1・2000m)では、香港カップ優勝馬のRomantic Warriorを破って優勝している。

通算成績は29戦25勝、全てシャティン競馬場での結果である。

日本の安田記念への遠征案もあったが、昨年・今年と立ち消えている。


Golden Sixty以前に通算獲得賞金の記録を持っていたのはオーストラリアのWinxですね。

2015~2019年に33連勝、生涯でG1 25勝というトンデモ記録を打ち立て、

それなりに高額賞金のオーストラリアということも相まって、

通算獲得賞金は2645万オーストラリアドルにも達した。

これは2019年引退時のレートで約20億円に相当する。

なおWinxは牝馬だが、この頃は牝馬の活躍馬が多かった時期でもある。

日本ではアーモンドアイがG1 9勝(芝G1あるいは国際G1では日本競馬最多)、

ヨーロッパではEnableが凱旋門賞連覇などの顕著な結果を出していた。


Winxが強い馬なのは疑う余地はないのだが、33連勝という数字は疑ってもよくて、

なぜかというと連勝を重ねるうちにWinxが出るレースを避ける動きがあって、

同厩舎の馬を送り込んでなんとかレースを成立させていたところもあった。

このあたりはG1レースの数が多いオーストラリアだからこそのことかも。

一方のGolden Sixtyの29戦25勝というのはそれなりに相手が揃っていて、

2022年の香港マイルではCalifornia Spangleに敗れて2着になるなど、

決して楽勝というわけではないことも読み取れるところである。


日本競馬の馬券売上は世界一という話がありますが、開催規模を考えれば香港はそれ以上かもしれない。

その充実した馬券売上は賞金の充実にもつながっているのだが、

特に年2回の国際招待競走デーの充実には力を入れていて、

香港国際競走の4レース中、香港スプリント(芝1200m)・香港マイル(芝1600m)・香港カップ(芝2000m)は芝で同距離のG1レースでは世界最高賞金という。

世界でもっとも距離別のチャンピオン決定戦を重視している主催者と言えると思う。

日本をはじめとする外国からの参戦もあるが、全体的に見れば地元馬が賞金の多くをかっさらっていくことになる。

Golden Sixtyはその恩恵を受けた1頭と言える。


日本競馬の賞金が高いのは間違いないんですがね。

ジャパンカップ・有馬記念は世界最高賞金の芝G1だし。

ただ、それ以外のチャンピオン決定戦の賞金は見劣りするよねと。

ここ数年でだいぶ上がりましたけどね。

天皇賞(秋)は今年から2.2億円だが、2020年は1.5億円だったわけだし。

でも、香港カップの1938万HK$(3.4億円)やドバイターフの290万US$(4.0億円)と比べるとどうしてもね。

マイル以下やダートはもっと差が大きい。


もちろん世界的に見れば日本競馬の賞金はものすごく恵まれているし、

地元馬に次いで香港競馬の高額賞金の恩恵を受けているのも日本勢である。

ただ、Golden Sixtyの記録を見てしまうと、少し考えてしまうよね。

日本競馬のマイル王、グランアレグリアの通算獲得賞金は10.7億円ですから。

まぁ世界見渡しても10億円以上も稼ぐ馬はそうそういないんだけどね。

ホームゲームは1試合でも大切

サッカーのホームゲームにまつわる話題が立て続けにニュースになっていた。

鹿島サポーター、J30周年マッチ前に抗議の横断幕 「国立開催ありえない」「聖地国立<ホームカシマ」 (FOOTBALL ZONE)

バルセロナ戦の国立開催で…J1神戸サポ異例要請 ネットで議論沸騰「ヴィッセル東京にしようぜ」 (東スポWeb)

どちらも特別な試合ではあるのだけど。


まず1つ目、先週末にJリーグ30周年記念ということで、東京・国立競技場で鹿島アントラーズ vs 名古屋グランパスの試合が行われた。

Jリーグ開幕カードの再現ということらしい。

ただ、鹿島アントラーズのホームゲームが東京開催になるということで、

ここに反発するファンが一部にいたようで抗議の横断幕が掲出される有様。

本拠地が他地域からのアクセスがあまりよいとは言えないところなので、

東京開催は広域でのファン拡大に役立つのではという意見もありますが。

1試合ぐらいと思うんだけど、それですらこういうことが起きていたと。


2つ目、こっちは全体的に謎が多い話である。

スペインの FCバルセロナ が日本で親善試合を行うということで、その相手は ヴィッセル神戸 となった。

ここには同クラブ所属でスペイン出身のイニエスタ選手の存在があるとみられていて、

最近は出場機会がないそうだが、この親善試合が日本での最終戦になる? という噂があると。

ただ、明確に言われた話ではなくて、クラブ側も現時点で言えることはないらしい。

で、ヴィッセル神戸のホームである神戸開催かなとか思うのだけど、

そうではなく東京・国立競技場での開催であるということになったz。


ただ、実際はどうもヴィッセル神戸の主催試合ではない扱いらしい。

6/6(火)「ヴィッセル神戸vs.FCバルセロナ」チケット販売のお知らせ (ヴィッセル神戸)

そもそもこの親善試合、FCバルセロナの金策という面もけっこうありそうで、

というのも同クラブは資金難にあえぎ、放映権の売却などの金策をやってきた。

これでスタジアムの改築費用や選手の補強費用をまかなった状況と。

そういう事情もあり、日本でがっつり稼ぎたいという意図がありそう。

この目的を考えたとき、東京開催が適しているというのは確かである。

あとは、噂されているイニエスタ選手の日本最終戦になるのかというところで、

これがホームである神戸で行われないとすればおかしいのでは?

というのは確かにそうだと思うが、まだ発表されていることはない。


どちらもJリーグのファンによるホームへの思い入れの強さが表れたエピソードである。

Jリーグの理念として地域密着ということを掲げてきた。

ホームタウンを定めて、トップチームの試合だけでなく育成にも取り組み、

あるいはサッカー以外の取り組みをするクラブもある。

チーム数も増えて、複数のチームのホームタウンが複雑に入り組んだり、

あるいは重なり合うケースも出てきている。

で、Jリーグの試合というのは基本的に週末に1試合という形で、

ホームとアウェイで半々、ホームゲームとてそれぐらいの試合数。

そのホームでの試合をホームタウンでやらんのはけしからんという声があると。


野球の場合は試合数が多いのと、チーム数が限られて、わりと偏在しているので、

多少他地域で試合を行うことはファンサービスとして好意的に見られている。

主なところではこんな取り組みが知られている。

  • パ・リーグ球団の東京ドーム開催
    (2023年は楽天・西武・ロッテ・ソフトバンク各1試合、2022年は日本ハム4試合・ソフトバンク1試合)
  • 阪神タイガースの大阪ドーム開催(甲子園球場が高校野球使用時・年9試合)
  • 読売ジャイアンツの大阪ドーム開催(年2試合)

東京からパ・リーグの試合を観戦に行こうと思えば、千葉か所沢に行けばよいがやや遠い。

一方、日本ハムファイターズの元本拠地が東京であることから、札幌移転後も一定の主催試合を行ってきた。

ただ、今年から北広島に移転して、全試合が北広島開催となった。

しかしパ・リーグとして東京での観戦機会を一定確保すべきとなったのか、4チームで4試合行われることになった。

阪神タイガースの大阪開催は、これはむしろ関西での試合機会確保のための取り組みだね。

読売ジャイアンツの大阪開催は小学生時代のクラスメイトが言ってて、

大阪ドームを近鉄バファローズ(当時)以外が使うことがあるのかと驚いた覚えがある。


というのでサッカーと野球ではだいぶ感覚が違うという話だった。

Jリーグ30周年記念ぐらいは大目に見てやりなよとは思いますがね。

ケンタッキーダービーに3頭参戦

先週末、アメリカでケンタッキーダービーが行われた。

“The Most Exciting Two Minutes in Sports”(スポーツの中で最も偉大な2分間)とも言われるが、

今のアメリカ国内での競馬の地位ってどんなもんよとか、

日本を含む外国での注目度はどんなもんよとか気になるところはある。

アメリカ競馬ではブリーダーズカップよりはるかに注目度が高いことは確かですが。


そんなケンタッキーダービーに日本馬が3頭出走するかもしれなかった。

1頭は補欠からの繰り上がりで、繰り上がりの報から少しあって1頭回避になったので、

最終的には2頭になったのだが、一時的に3頭が出走可能だったことは確か。

どうやって日本から3頭もアメリカ競馬の3歳チャンピオン決定戦に送り込めたのか。

そこにはアメリカ競馬との交流の歴史がある。


まず、デルマソトガケ、日本の2歳ダート王決定戦である全日本2歳優駿の優勝馬である。

これはドバイワールドカップデーに行われるUAEダービーに参戦、優勝したことによる。

このUAEダービー参戦には3歳のこの時期に2勝以上したJRA所属馬にとって国内で走れるレースが乏しいという背景がある。

そんな馬にとって招待レースのサウジダービーとUAEダービーは大きなチャンスである。

UAEダービーは “Road to the Kentucky Derby”の対象レースになっている。

アメリカ国内のご当地ダービーと同じ扱いになっていて、

優勝馬に与えられる100ポイントはケンタッキーダービーの出走権確定となる。

このルートは日本からケンタッキーダービー出走の王道ルートである。


次、コンティノアールだが、残念ながら直前で回避となった。

この馬もUAEダービーからの転戦だが、UAEダービーは3着だった。

ポイント加算されるが、これだけではケンタッキーダービー出走はできない。

なんでそれでアメリカに渡るのかと思ったら、“Japan Road to the Kentucky Derby”により出走権が得られるからだという。

“Japan Road to the Kentucky Derby”ができたきっかけは2016年にUAEダービーをステップにアメリカ三冠完走した ラニ にあるという。

2017年から日本国内のレースだけでケンタッキーダービー出走権が得られる仕組みができた。

ポイント最上位の馬に出走権が与えられ、上位4位以内は繰り上がり可能。


対象レースにカトレア賞(500万下)が条件戦ながらに含まれているのはラニの戦績を参考にしたから?

後にカトレア賞 あらため カトレアステークスはOPクラスとなっている。

コンティノアールはこのカトレアステークスを優勝している。

サウジダービー・UAEダービーに選定され転戦してきた。

“Japan Road to the Kentucky Derby”のポイントにアメリカ(UAEダービーもアメリカ扱い)でのポイントを加算できるルールがあるそうで、

カトレアステークス1着・UAEダービー3着で計40ポイントで3位となった。

だからそれより1~2位の馬が出走しなければ出走可能なのだが、

1位こそが全日本2歳優駿・UAEダービー優勝で計120ポイントのデルマソトガケである。

しかし、デルマソトガケはアメリカでのポイントで出走確定なので、

“Japan Road to the Kentucky Derby”は辞退扱いとなり、コンティノアールの出走がかなったという。

結果的にはドバイからの輸送後に歩様が乱れ、これが回復しないということで直前回避となったが、こんな形で挑戦権を得ていたのである。


補欠で出走がかなったのがマンダリンヒーロー、なんと大井所属である。

これは 特別区競馬組合(TCK)とサンタアニタ競馬場の提携関係による。

TCKは地方競馬としては国際交流に積極的で、特にダート競馬の本場ということでアメリカとの提携に力を入れてきた。

そんな中でサンタアニタ競馬場と協定を結び、交換競走の実施などしてきた。

その協定には大井所属馬にサンタアニタダービーの出走枠が与えられるものがあり、

ハイセイコー記念1着、雲取賞2着などの戦績から出走権が得られることとなり、遠征を決断したという。

出走枠が与えられるだけでなく、輸送費などはTCKの負担というのも大きい。


マンダリンヒーローはここまで南関東ローカルのレースばかり走ってきた。

初めて他地区所属馬と走るのがアメリカのG1というのは珍事である。

果たしてアメリカで通用するのか疑わしいものだが、なんとハナ差の2着という結果。

サンタアニタダービー2着だけの戦績だとケンタッキーダービー出走は怪しいが、

補欠には入れそうだし、ダメでも三冠2戦目のプリークネスステークスには走れるだろうと。

こうしてアメリカで待っていたのだが、だんだん繰り上がって出走がかなったと。


結果はデルマソトガケが6着、マンダリンヒーローが12着だった、

デルマソトガケは日本の2歳ダート王としての挑戦で期待していたのだが、

やはりアメリカの一線級と戦うとなかなかかなわないなという結果。

ケンタッキーダービーの賞金は5着までしか出ないので6着とは悔しい。

とはいえ、名誉ある挑戦ではあったと思う。


来年から大井の3歳ダート三冠がスタートすることで、

JRA所属で2勝するとダートで走るべきレースがない時期はなくなる。

また、東京ダービーをはじめとする三冠レースの評価も高まるだろう。

こうするとケンタッキーダービーへ向かう流れは途絶えるかもしれないが、

特にJRA所属馬がUAEダービーから転戦する流れは続くと思う。

  • UAEダービーの賞金は1着58万USドルと高額であること
  • 羽田盃・東京ダービーと地方開催の前哨戦は当面はJRA枠が少ないこと
  • UAEダービーはアメリカ勢が手薄で日本勢が上位に入りやすいこと

など考えたとき、UAEダービーを走るメリットはあり、

そこで勝てば帰国よりケンタッキーダービーへ向かう方が結局よいと。


将来的には東京ダービーをケンタッキーダービーに並ぶ権威のあるレースにしたいけど、

当面はそれどころではないというのが実情である。

今回のデルマソトガケとマンダリンヒーローを見てもわかるけど、日本のダート競馬はそこそこ強いと思うんですよね。

まだ日本国内のダートレースの国際的な評価は道半ばという感じだが、

もうすでにそれなりの内容には達しているという感じはする。

全体的な賞金水準は日本の方がはるかに高いしね。

今回のケンタッキーダービーに向けた一連の挑戦は将来につながる内容だと思う。

春秋制がよいか秋春制がよいか

あまりサッカーには詳しくないのだけど、最近こんなニュースを見る。

Jリーグが秋春制移行案を初公表!! スケジュールなど概要判明、年内に正式決議へ (ゲキサカ)

Jリーグのシーズンについて、現在は春開幕・秋閉幕(これを春秋制と呼ぶ)であるところ、

AFCチャンピオンズリーグなどの国際的な制度変更も踏まえて、秋開幕・春閉幕(これを秋春制と呼ぶ)に移行するという話らしい。

ただ、過去にも話はあったが実現していないことにはそれなりの理由があるとも。


現在のJリーグは2月中旬に開幕、12月上旬に閉幕となっている。

一方、ヨーロッパでは8月中旬開幕・翌5月中旬閉幕など。

これはサッカーが冬のスポーツであると考えられているということで、

暑い夏は試合を行わず休みにできるということで、秋春制となっているという。


日本こそ夏は暑いのだが、かといって真冬にサッカーをやるのは難しい面もある。

というのも日本は日本海側を中心に雪が大変多いからである。

J1だけ見ても札幌・新潟なんていうのは冬はサッカーどころではない。

(札幌ドーム自体は屋根があるが、サッカー用の芝は平時は屋外にあるし、なにより練習ができない)

これらのチームは2月の開幕時点ではホームで試合をやるのは大変。

また、学校のスケジュールとの相性がよいのも春秋制のメリットという。

学校卒業者がシーズン最初から参加できること。

学校の夏休みに集客できるなど、興行上のメリットもある。


雪の問題は致命的だが、これはウインターブレイクを設ける方法で打開できるといっている。

ヨーロッパのリーグではシーズン中に2~4週間程度、試合のない期間があるという。

これはなにかというとクリスマス休みのことですね。

イギリスのプレミアリーグはクリスマス期間もずっと試合をやっているが、

その代わり2019/2020シーズンから2月頃に2週間の休みが入るようになったそう。


これを雪対策につかうという考えは日本でもWEリーグで取り入れられている。

そう、日本でも女子のプロサッカーリーグは秋春制なんですね。

2020年創設ということで、最初から国際整合を考えたということである。

(ただ、従来から存在する なでしこリーグ は春秋制で現在も続いている)

10月開幕で翌1月上旬まで試合をしてウインターブレイクに入る。

3月上旬に再度開幕し6月中旬閉幕となるという仕組みである。


この方法ならばJリーグも移行はできそうだが、

試合数が違うのでもう少し開幕を早くして8月上旬になるという。

8月上旬だとまだ暑いので暑さ対策という理由は弱いなと思う。

あとは現状でもシーズン始めには雪の影響があるのに、影響が受ける期間が数週間増えることになる。

試合のない期間に暖地でキャンプが必要になるのはどっちも同じだが、

ウインターブレイク開けしばらくもキャンプを続けるとなれば大変かも。


シーズン中に長い休みが入るのが興を削ぐかもという話はあるが、

WEリーグでは皇后杯の試合を1月に入れることで試合が途絶える期間は短くしたという。

ただ、これはなおさら降雪地のチームにとっては厳しい話だと思う。

結局は暖地で試合を多くやるという話にしかならないんだよなぁ。


冒頭に書いた AFCチャンピオンズリーグ(ACL)はちょうどこの前、

浦和レッズ vs アル・ヒラル の決勝が行われ、浦和レッズが1勝1分で勝利してアジア王者となった。

サウジアラビア代表チームはほぼ アル・ヒラル であるというのはよく知られた話で、

これは同国の国際大会での強さにもつながっており、先のワールドカップではグループリーグで後の優勝チーム、アルゼンチンに勝利している。

(他2試合で負けてるのでグループリーグ敗退で終わっているのだけど)


今シーズンのACLは変則日程だったのだが、元々は東アジア側の春秋制を採用していた。

2019シーズンを見ると、2月にプレーオフ、3~5月にグループリーグ6試合、

ここからはトーナメント制でホーム&アウェイで2試合ずつ行い、

ラウンド16が6月に2試合、準々決勝が9月に2試合、準決勝が10月に2試合、そして決勝戦が11月に2試合となっている。

ACLに参加するチームはこれをJリーグの試合と並行して行っている。

週末にJリーグ、週中でACLという日程はかなり過酷である。

かつては賞金も安かったから「罰ゲーム」なんて呼ばれていたそうだが、

現在は賞金は高くなったが、負担が重いことは確かである。


西アジアでは元々ヨーロッパと同じ秋春制だったり、

オーストラリア(2006年からAFC)は春秋制だが、南半球なのでヨーロッパと時期が揃っている。

そんなことを考えればACLは秋春制に移行するのは理由があるなと。

来シーズンから秋春制に移行するACLの日程は、8月プレーオフ、9~12月グループステージ、2~5月決勝トーナメントと。

Jリーグからの参加チームはグループステージ~決勝トーナメントの間でチーム体制が変わることになる。

グループステージで敗退すれば関係ないし、ACLに参加しない大半のチームにとってはそもそも関係がない話である。

ACL自体は秋春制移行の理由としては弱いのはその通りかなと。


むしろ国際試合という点では、FIFAインターナショナルマッチカレンダーがJリーグのシーズンとのかみ合いが悪いのが問題とも。

FIFAインターナショナルマッチカレンダーで定められた期間には、

ナショナルチーム編成のため、メンバーがクラブを離脱することを認めなければならない。

日本ではJ1リーグが当該期間は休みとなる。(J2以下は試合が行われる)

世界共通の日程なので、この期間に国際試合を行うならば、外国のクラブに所属する選手も呼べるわけですね。

これが2025年からは3月に2週間、6月に2週間、9~10月で4週間、11月に2週間となる。

これの何が悪いかというと9~10月はJリーグのシーズン末にあたる時期で、

ここで主力選手が長期間代表チームに取られると大変だということである。


そもそもこのFIFAインターナショナルマッチカレンダーがヨーロッパ中心でるという批判はあるそうだが、

それはそうとしても国際試合がその日程で行われることは変えがたく、

そこに合わせるにはヨーロッパの日程に近づけたほうがよい。

WEリーグでできてるならJリーグでもできるんじゃないの? というのも一理あるし、

降雪地のチームは現状でも不利があるのを自力で埋めているので、

制度変更に合わせて冬季キャンプの費用補助など導入されればむしろ改善かもしれない。


ただ、夏休みの試合数が減り、長いウインターブレイクとか、興行面で気になるところも多い。

日本国内の事情だけ言えば、夏の暑さはともかく、気候や世間のカレンダーとの整合性も高い春秋制を続けたいのはあると思う。

あとはどこまで国際整合を考えるかというところですね。

春秋制でも全く整合できないわけではないし、それで長年やってきたのがJリーグでもある。

そこが悩み所なんでしょうね。

天理教の海外布教のための博物館

昨日、橿原考古学研究所附属博物館の展示を見終わったところに、

県内のいろいろな博物館のポスターが貼ってあるところに天理参考館の「近鉄電車展II」のポスターが貼られていて、

さすがにその場で思い立って行くのは難しかったのだが、

次の日にフリーきっぷもまだ残ってる割にやることもなかったので天理に行くことを決意した。


というわけで近鉄で天理駅までやってきた。閑散としたものである。

天理本通のアーケードを歩ききって天理教本部前に到着するが、

ここで右へ進むと巨大な建物がある。

「おやさとやかた」と呼ばれており、詰所(信者の宿舎)などが入居している。

でも、全てが詰所というわけではなく、天理参考館もここに入居している。

全部詰所だと思い込んでたけど、意外とそうでもないらしい。


さて、天理参考館は天理大学の付属施設と位置づけられている。

その目的は海外布教のためには布教先の文化を知る必要があるということで、

布教先と目論んでいた地域の生活文化・考古資料を集めたとみられる。

天理大学も元は海外布教のために外国語を学ぶための学校として生まれた。

というわけであまり天理教の博物館という感じはない。

アイヌ・朝鮮・中国・台湾・インドネシア・インド・メキシコ・パプアニューギニアと、

生活から地域の土着の信仰というところに着目している印象である。

あと世界の考古資料も展示している。こちらはアジアの近国に加えて中東も。

天理教本部を含む一帯にあった布留遺跡の出土品展示は天理大学の活動そのものだが。


では、この資料館の目的は果たされたのかという話だが、2階の一角で「移民と伝道」として紹介されている。

天理教の海外布教だが、目立った成果のあったのは南北アメリカである。

結局のところ日本人が移住した先で天理教を通じて日系人コミュニティを形成したというのが実情である。

ハワイを含む北アメリカは宗教者として移住することができたが、

そうすると一般的な仕事ができないので、布教活動以前に生活費に苦労したという。

ブラジルは農作業を行う移民として布教師を送り込んだが、こちらは一定期間は厳しい環境での農作業を強いられる。

そんなところを乗り越えて、なんとか天理教を通じたコミュニティ形成が出来たということである。

これらの記録がいろいろ残っていて、その1つがパスポートである。

各時代のパスポートが多く残されていてそれらが展示されていた。


さて、こんな天理参考館だが、交通というテーマもある。

天理教の活動との関連性は不明だが……だいぶ熱心に資料を集めているよう。

特に奈良県の鉄道といえば、それは必然的に近鉄ということになる。

というわけでそんな近鉄の歴史を きっぷ や リーフレット で振り返る展示である。

天理教要素はない……とおもったが、団参券が2枚だけ展示されていた。

前身となった会社が多数ある近鉄、きっぷの表記も移り変わっている。


「信貴山から初瀬」なんてきっぷが展示されていたが、何かわかるかな?

信貴山とは信貴山下駅とケーブルカーで結ばれていた信貴山駅のこと。

そこから王寺まで1駅、現在の田原本線の前身、大和鉄道に乗り換える。

その大和鉄道は田原本から先、桜井まで通じていた。

その桜井でかつて存在した長谷線に乗り換えて初瀬駅に至るルートだった。

今はケーブルカーはないし、田原本線の田原本~桜井は廃止されたし、長谷線は現在の大阪線、桜井~長谷寺で代替されてなくなっている。

しかし、これらの廃止はすべて代替ルートがあるからこそで、現在もこのような移動は問題なく出来る。


ところでこの建物には「天理教基礎講座」の教室も入居している。

天理参考館の入口の隣の扉から入るとあって、地下には展示コーナーがある。

展示コーナーだけなら勝手に見られるみたいだったので見ていたが、

全てパネル展示で、特に信仰に関わる物が置いてあるわけではなかった。

確かに天理教でそういう話は聞いたことがないので、そういうものなのだろう。

パネルの内容は「陽気ぐらし」など天理教の教義が背景を含めて紹介されているといったところか。

わりと普遍的な内容もあるのだが、一神教ゆえの相容れなさもあった。


その後、天理駅に戻り大阪へ向かったのだった。

それにしても今回は橿原線、何回か乗ったけど各停ばっかりだったなぁ。

目的地まで逃げ切る各停を引くことが多かったんだよね。

この区間だけなら急行である必要はないと思うんだけど、こんなに各停ばっかり引くもんかなとか。

日本最古の埋蔵文化財研究所

今日はいくつかの目的地があったけど、その1つが橿原考古学研究所附属博物館である。

展示施設の改修工事のため長らく休館していたのだが、リニューアルオープンをしていた。

で、特別展なんてやってるのでかなり久しぶりに行ってきた。


最寄り駅は畝傍御陵前駅、駅員がいないことに驚いたが。

この名前からわかるかどうかという話だが、神武天皇陵の最寄り駅であることから命名された。

神武天皇は初代天皇、橿原宮で紀元前660年に即位、76年在位して127歳に崩御、畝傍山の近くに葬られたという。

とはいえ、127歳まで生きたというのは明らかに怪しい記述であり、

このあたりは伝説上の存在ではないかというのが一般的な見方である。

神武天皇陵も立派に整備されてはいるのだが、本当のところはよくわからない。


皇紀2600年(西暦1940年)の記念事業でこの周辺で整備を行うにあたり、

遺跡の発掘調査を行うこととなり、この調査事務所が橿原考古学研究所のルーツとされている。

1938年設立というのは現存する公的な埋蔵文化財の研究機関としては最古のものだという。

奈良県の機関として県内の埋蔵文化財調査を手広くやっている。

奈良県では国の機関として奈良文化財研究所もある。

こちらは平城・藤原・飛鳥といった古代城都の研究を中心に研究をしている。

(元は美術工芸品の保存・研究もしてきたが、1980年に奈良国立博物館に移管され、現在は埋蔵文化財に特化した組織になっている)

市町村レベルでの取り組みも合わせれば埋蔵文化財の調査・保存体制は相当なものである。


手広くやっているとは書いたけど、橿原考古学研究所附属博物館を見るに、

藤ノ木古墳(出土品が国宝指定)をはじめとする古墳が注力分野なのかなと。

このことから古代の埋葬儀礼というところに着目した展示が大きい。

そして、それは現在行われている特別展「神宿る島 宗像・沖ノ島と大和」にもつながる。

福岡県の沖ノ島、2017年に世界文化遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産、

奈良県からずいぶん離れたところだが、実はここでの出土品が、同時期の奈良県内の古墳からの出土品と共通点が多いという。

確かに並べて見せられるとよく似ているなと思った。

ただ、目的は違って、沖ノ島は航海の安全を願っての国家的祭祀のためで、

なぜこれが有力者の埋葬儀礼と似ている部分があるのかはよくわからない。


一度埋まってしまったものを解明することは難しいのが実情ですね。

ただ、それを明らかにするための活動を続けていると見えてくることがあると。

沖ノ島と大和というのも、そうして得られた成果の1つだったのだろう。

謎が深まったところもあるかもしれないが、少なくとも沖ノ島での祭祀が国家的事業であるところを裏付けるには十分な内容である。


その後、橿原神宮へ参拝してきた。

橿原神宮の最寄り駅は一般的には橿原神宮前駅だけど、畝傍御陵前駅の方が若干近い気がする。

そりゃ神武天皇陵隣接地に作った神社なのだから当然だが。

ただ、こちらから参拝する人は圧倒的に少ないですけどね。

グランドナショナルと中山グランドジャンプ

昨日は中山グランドジャンプ(J・GI)が行われた。

オジュウチョウサンがいないのは8年ぶり、他のチャンピオンも多くが引退、

昨年末の中山大障害を勝ったニシノデイジーも障害戦のキャリアは浅く、

大変フレッシュな面々が揃ったと言われた。


一方、昨日はイギリスではグランドナショナルが行われた。

イギリスで最も馬券を売るレースで、世界で最も有名な障害レースだと思う。

イギリスでの注目度は日本でいうところの有馬記念みたいなものかも。

ただ、ハンデ戦のため、かつてはG3、今年から Premier Handicap という新区分になった。

(ヨーロッパでは平地のハンデ戦はグループ制の対象外とされているため、障害のグレード制もそこに合わせたとみられる)

賞金は高くて1着50万ポンド(8300万円)、世界最高賞金の障害レースである。

日本の中山グランドジャンプ・中山大障害の1着6600万円も十分高いが、もう少し高額である。


ただ、グランドナショナルはとてもチャンピオン決定戦とは言えないトンデモレースである。

Racing Replay: Randox Grand National Handicap Chase (Premier Handicap) (Class 1) (Turf) (Racing TV)

まず頭数の多さにびっくりするが。1頭除外の39頭立てである。

そして第1障害で4頭落馬、第2障害で2頭落馬、いきなりこれはひどい。

結局完走したのは17頭、ここ最近はこれぐらいの数字らしい。


こんなレースなので、動物愛護団体による妨害も恒例となっており、

今年はそれが原因で発走が14分遅れ、100人以上の逮捕者を出したという。

ただ、これだけ落馬が相次ぐレースだが、致命傷を負うものはそこまで多くない。

障害が難しく負担重量も重いのでスピードが出ないということらしい。

とはいえ、今年も1頭が転倒で死んでおり、なかなか全頭無事とはいかないのも実情である。


主催者側も出走資格の厳格化(7歳以上・長距離の障害レースで4着以内など)、

落馬の多い障害の改良など、それなりの対策はしているところである。

障害レースに落馬は付きものであり、ある程度は仕方ないと思うのだが、

ただ、落馬した馬がカラ馬として走り続けて、そのカラ馬に邪魔されて落馬(2:15ごろ)と、

落馬が落馬を生むような状況はさすがにどうなの? と思う。

これでもカラ馬が待避路が逃げやすくなる対策をしてるらしいんだけど。

なお、転倒した馬が除けられない場合は待避路を走らせることになっていて、

5:05ごろに旗を出して待避路を走るように指示している姿が見える。


実は……というほどでもないが中山大障害はグランドナショナルをモデルに作られたレースである。

中山大障害は年2回開催だったが、春は 中山グランドジャンプ として独立、

開催時期を考えれば 中山グランドジャンプ は 日本のグランドナショナルというべきレースである。

ただ、距離が4250mと本家の約6900mと比べればずいぶん短く、

障害の難易度はほどほど、なによりハードル並みのスピード勝負である。

日本の障害レースはsteeplechaseかhurdleか

中山グランドジャンプは国際招待競走だった時期もあり、

現在も国際競走ではあるのだが、さすがにこのスピード勝負では参戦しにくい。


どうしても障害レースは落馬・転倒が多く、亡くなる馬もそれなりにいる。

JRAでは年125レースほどの障害レースがあるが、2021年・2022年はともに6頭が障害レースで死んだという。

これをどう見るかという話はありますが。事故率は平地より1桁ぐらい高そうだが……

ただ、未勝利やクラスで頭打ちになった馬にとってのチャンスではあり、

オジュウチョウサンが平地未勝利から障害入りして長くチャンピオンにあったのは有名な話である。


グランドナショナルがイギリスで最も馬券を売るのとは対照的に日本では障害レースの人気はそこまで高くはない。

馬券売上も平地に比べればだいぶ見劣り、中山グランドジャンプの売上は18.2億円、

同日のアーリントンカップ(GIII)が38.0億円だから、これの半分も売れてない。

ただ、馬券売上の割には賞金は高く、障害未勝利で1着790万円など。

そこにはJRAの障害レースへの期待が込められているのではないか。


雨が降る中で行われた今年の中山グランドジャンプ、10頭全頭が完走し、

優勝したのはイロゴトシ、熊本県生まれの馬である。大差勝ちだった。

九州産馬がG1級のレースを勝つのは初めてで、障害とはいえ快挙である。

九州産馬のダービーこと ひまわり賞 を含む平地3勝を挙げるも、

平地3勝クラスは厳しいとみたか障害へ転向、今年2月に障害初勝利、

前哨戦のペガサスジャンプステークスで3着で手応えを感じたのか参戦と。

いろいろあるもんだなぁと思いますね。

オーディションで声優ユニット組んでも

「22/7」というコンテンツあるいはアイドルグループがある。

「デジタル声優アイドル」という触れ込みで、TVアニメが放送されたことも。

プロデューサーとして秋元康さんが関わっているとか。

一般公募のオーディションで選ばれた人にキャラクターを付けるという形でやっている。


2016年にスタートしてから、このプロジェクトから去る人も出ているのだが、

その中で当時リーダーだった帆風千春さんの卒業理由が「声優として新たなステップに進みたいと」とあったのは衝撃を与えたと言われている。

22/7のリーダー帆風千春、2月にグループ卒業 (音楽ナタリー)

おそらくは22/7に在籍したままでは声優としてのキャリアは広がらないということだろうが、

「デジタル声優アイドル」と銘打ったプロジェクトがそれではいかんだろうと。


その後、ブシロードの芸能部門である響に「千春」が所属したという。

明確には書かれなかったが、22/7の帆風千春あらため千春だったという。

そして、同事務所所属の愛美さんの妹であることが明かされる。

(もともとそういう噂はあったが、特に語られていなかった)

実は事務所の面々にも愛美さんの妹というので知られた存在だったらしい。

姉妹ともども芸名で名字が取られたとネタにしていたが。

22/7を去ってかつての芸名にこだわる必要が無くなり、本名の「千春」部分だけ残ったという理由であろうが。

(ちなみに姉の方は声優としては寺川愛美、歌手として愛美だった時代があり、これを歌手の方に統一したという経緯があるそう)

事務所を移り、確実に活躍の場は増やしつつあるようである。


突然こんなことを書いたのは、林鼓子さんを見て思い出したからだが。

これも「Run Girls, Run!」というユニットにさかのぼる。

「Wake Up, Girls!」(WUG)の妹分として登場。WUGの作中にもキャラクターが付いて出たらしい。

WUGという作品は完結し、ユニットも2019年に活動を終えて解散している。

その後、Run Girls, Run!はユニットとしての音楽活動は続いていたが、

これも今年3月を持って終わってこのユニットは解散している。


これとほぼ同時期に林鼓子さんがラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の優木せつ菜 役を引き継ぐことになった。

(前任の楠木ともりさんが持病のため降板することになったため)

たいへん人気の高いコンテンツなので一気に話題になった。

これだけでも大きな話だったのだが、もう1つあった。

それがバンドリの新バンド「MyGO!!!!!」のドラム 椎名立希役であることが明かされたこと。

MyGo!!!!!については以前「覆面ガールズバンド」として話題にしたが。

覆面ガールズバンドってわけではないが

TVアニメ化など動くにあたってこの覆面が取られた形である。

なお、林鼓子さんは3月末をもって所属していた81プロデュースを退所している。

現在はフリーランス、こういうのは声優では珍しくないが。


これを見て本当にこれと似たようなことがあった人を思い出した。

それが中島由貴さんである。

アース・スター エンターテイメントが行った一般公募のオーディションで選ばれ、

「アース・スター ドリーム」という声優アイドルユニットを結成する。

声優としてはアース・スター関係の作品への出演が主だったが、

それ以外のところにもしばしば抜擢され、大きな転機となったのがアイドルマスターシンデレラガールズの乙倉悠貴役への抜擢(2017年2月発表)だった。

その後、2017年12月でアース・スター ドリームから卒業してソロ活動へ……

ということになったのだが、ほぼ同時にこのユニットは完全崩壊する。

そこに2018年3月にアース・スターのマネージメント事業が廃業が重なった。

他の事務所に移籍するもの、声優として廃業するものとある中で、

中島さんは1人だけで「ビーフェクト」という事務所で独立したのだった。

その後、同年5月、バンドリのRoseliaのベース、今井リサ役を引き継ぐことに。

(前任の 遠藤ゆりか さんの廃業に伴うもの)

確かにベースをやってたという話はあったのだが、それがこういう形につながるとは。


中島由貴さんが上で書いた2つの役を得たのもアース・スター時代のこと。

自社コンテンツ以外でも活躍の場を模索したのだろうが、結果に結びついたものは少ない。

アース・スターのマネージメント事業の廃業後に、廃業したものが多かったのはそういうことでしょう。

養成所から埼スタートを切った 高尾奏音さん は今ではなかなかの売れっ子だし、

そういう逸材がいたことも確かではあるんですが。

(アース・スター時代にも自社関係以外の仕事をやっていたみたいだけど)


そんな所属タレント1名でスタートしたビーフェクトも今は4名いるそう。

その1人、吉宮瑠織さんは明言されてはいないが、22/7からの転身らしい。

当時の芸名は 海乃るり ということだから、本名にしたのか。

これもまた新たな活躍の場を求めたのか。

かつてのファンへの配慮か、まだアニメやゲームで目立った活躍がないのにトークイベントが多く行われているのが印象的。


というわけで一般公募で集めてユニット組んで声優として殴り込みという作戦は、

けっこう試みられてきて、活躍するものも出てきているのは確かだが、

全体的にはなかなかうまくいっているとは言えない気がする。

WUGとかRun Girls, Run!は81プロデュースという大手事務所が付いており、

さすがにそれぐらいバックアップ体制があればよいと思うが。

それでも一律にうまくいくものではないけど。


そんな事情を考えたとき22/7ってよく続いてるなとか考えてしまうが。

コンテンツとしては全然ダメという状況が続いていて、

メンバーの作品外での活躍を広げることもできてなかった。

それでも新規メンバーを公募・補充して続いてるみたいなんですよね。

アイドルとしては一定の成果があるので満足ということなんかね。

そんなことしてるから冒頭に書いたような離脱が起きるんだろうに。

NPBファームリーグ拡大とJ3リーグ創設は似てる

静岡に2軍だけのプロ野球チームができる? という話があったが、

他にもいくつか興味を持っているところはあるらしい。

NPBが2軍戦のみに参加新規球団を公募 球宴は投手負担軽減で両リーグ31人に 実行委員会 (Yahoo!ニュース)

1軍がないのに2軍というのは言葉の使い方としておかしいので、

正式には「NPBファーム・リーグ拡大」という言い方をしている。


ファームリーグというのは、イースタンとウエスタンの2リーグがある。

イースタンリーグは神奈川県より東の7チーム、ウエスタンリーグは愛知県より西の5チームで構成される。

なお、日本ハムファイターズの1軍本拠地は北海道北広島市だが、2軍は千葉県鎌ケ谷市にある。

このあたりも2軍戦の移動の便宜を考えてのことだと思う。

他は1軍本拠地とはそう遠くは離れていない。

この地域別の構成の欠点はイースタンが7チーム、ウエスタンが5チームと双方奇数であること。

これは近鉄がオリックスと合併し、楽天イーグルスが新設された影響である。

これらは1軍ではパ・リーグ内々の問題だったが、2軍では東西をまたぐ問題だった。


というわけで、イースタンとウエスタンそれぞれに奇数チーム増やすとよいと。

現在、興味を持っていると報じられているのが、

  • 火の国サラマンダーズ (九州アジアリーグ所属) (熊本市)
  • 新潟アルビレックスBC (BCリーグ所属) (新潟市)
  • ハヤテグループ (静岡市)

上2つはすでに独立リーグのチームで、最後はチームは未結成。

独立リーグからのNPBファームリーグ入りは他にもあるかもね。


ところで1軍・2軍というのはプロ野球では聞くけど、プロサッカーでは聞かない。

(アマチュアサッカーではBチームという言い方はある)

かつてはそういうチームも存在したが、現在の日本には存在しない。

これはJFAの規則(FIFAの規則に整合)により、野球のような2軍の運用が難しいためだという。

ただ、後で書く通り、それに代わる制度もある。


プロ野球の2軍の目的は選手の育成と調整ということである。

1軍の試合でベンチ入りできる選手は29人まで。

一方で1軍の試合に出られる支配下登録の選手は最大70人まで契約できる。

このため1軍にすぐ活躍の場がない選手の育成・調整に2軍が必要であると。

その調子を見て、あるいは1軍の選手がケガのときに2軍から1軍に行けるようにしておくと。

この目的では1軍と2軍の人の行き来は機動的にできる必要がある。


あと、支配下登録の枠外で育成選手として契約を結んでいる選手もいる。

ドラフト会議に引き続き育成ドラフトが行われて、そこで指名後に契約すると育成選手になると。

育成選手は1軍の試合には出られないが、2軍には最大5人まで出場できる。

その後1軍で活躍できるとみれば、支配下登録に移行することもできる。


プロサッカーで野球の2軍のようなシステムを導入しにくいのは、

年に2回のウインドー期間にしかチーム間の移籍ができない規定による。

同一クラブのAチーム・Bチームで異なるリーグに参加しようと考えると、

両チーム間の移動は移籍扱いになり、ウインドー期間の制約を受ける。

これではAチームの選手にケガがあったとき、Bチームから補充ができない。


しかし、この規定には例外がある。

それが23歳以下の選手に適用される「育成型期限付き移籍」である。

23歳以下の選手が所属チームより下位のリーグ(J1のチームならJ2やJ3)にレンタル移籍する場合、

その選手はウインドー期間の規定によらずに元のチームに戻れる。

これが所属チームで活躍の場がない選手の育成の場として活用されている。

なるほど。J3リーグの創設にはそういう背景があったのか。


NPBファームリーグ拡大というのも既存の2軍、新チームあわせて育成機能の拡大という目的が大きいのだと思う。

既存の2軍にとってはチーム数が偶数になると安定的な試合機会が確保できる。

新チームの選手育成の先にはNPB他球団への移籍という道がある。

現在、独立リーグがこの役目を担っている部分もあるが、

他球団の2軍と同列に並ぶことでドラフト会議を経ずに移籍することができるのではないか。

その代わり選手獲得にはドラフト会議(育成ドラフト?)を経るのだと思うが。


ところで育成選手について「1軍の試合には出られないが、2軍には最大5人まで出場できる」と書いたが、

育成選手をあまりに多く抱えても2軍の出場機会がないのでは? と気になる。

一部のチームでは「3軍」というものを設けている。

これはまさに2軍の出場機会のない育成選手のためのシステムである。

3軍は独立リーグや社会人チームとの試合を通じて実戦を積むことになる。

あまりに多くの育成選手を抱えるソフトバンクホークスに至っては「4軍」まであるという。

このあたりの在り方もファームリーグ拡大により変わるかもしれない。


ただ、大きな課題はファームリーグのみの参加での採算性である。

既存のチームは1軍戦での収益ありきで2軍戦をやっている。

既存のNPB球団がない地域とはいえ、ファームの試合だけで採算が取れるのか。

独立リーグよりは見応えのある試合を提供していく覚悟だろうが。

あるいは選手育成というところに付加価値を見いだすか。