オマーンの飛び地の理由

ホルムズ海峡の一方はイラン、もう一方はオマーンとは聞いていたが、

地図を見るとオマーンとホルムズ海峡はちょっとズレているような。

よく見てみるとホルムズ海峡部分はオマーンの飛び地らしい。


飛び地が生じる要因として最も多いのが封建領主の領地に由来するもの。

日本でも廃藩置県直後は府県の飛び地だらけで、順次整理していったことが知られている。

このオマーンの飛び地、ムサンダム特別行政区もそのようなものである。

元々オマーンというのはホルムズ海峡両岸、アフリカのタンザニアあたりまでの海岸線に沿って支配していたそう。

マスカットというのはその時代から王宮が置かれていた都市らしい。

ただ、アフリカ側が分裂して、アラビア半島側も衰退していく中で、

現在のアラブ首長国連邦(UAE)にあたる地域などが離脱していった。

でも、現在のムサンダム特別行政区はマスカットの王の直轄地だったから残ったらしい。

もともとつながっていた真ん中が抜けて飛び地になるのもよくある話ですね。


元々海岸に沿って支配をしていたこともあり、かつては内陸部の国境は曖昧なものだったらしい。

このため国境管理もなく、UAEとつながっていたんじゃないかな。

今は厳密な国境管理が行われているようだが、例外はある。

ムサンダム特別行政区にはUAEに囲まれた飛び地、マダというのがある。

ここはオマーン領ではあるのだが、事実上はUAE扱いとなっているよう。

さらに面倒なことに、この中にはUAEの飛び地もあるという。

なんでこんなことに……と思うも、UAEの地図を見るとそういうこともあるのかもなという感想を受ける。

アラブ首長国連邦の首長国 (Wikipedia)

UAEは7の首長国から構成される。アブダビ首長国とドバイ首長国が有名だが。

アブダビ首長国が圧倒的に広く、ドバイ首長国もそこそこ広い。

で、他の首長国は大概飛び地が多いんですね。そういうものらしい。


厳密な国境管理はあるものの、基本的に両国間の往来は活発なようである。

アルアイン(UAE)とブライミ(オマーン)など市街地の中に引かれた国境もあり、

国境管理もなく行き来できた時代もあったが、現在は多数の検問所が設けられている。


さて、ホルムズ海峡の一方はオマーンという状況で、イランが海峡を事実上封鎖し、通行料を徴収しているという話も。

そんなことできるんかいという中で、2隻の日本関係船が海峡を通過していった。

商船三井系のタンカー、2隻目のホルムズ海峡通過 インドへ航行中 (朝日新聞デジタル)

最初に通過したSOHAR LNG、これはオマーン側を通過している。

ホルムズ海峡を通過する通常のルートに近いルート取りである。

実はこの船、オマーンの会社との共同保有の船で、オマーン関係船として通過した側面が強いようだ。

続いて通過したGREEN SANVI、こちらはララク島付近を通り、イラン側に大きく回り込んでいる。

このララク島付近のことを「料金所」と言う人もいるらしい。

果たして通行料を払ったのかはわからないが、この船はインド籍で目的地もインドらしい。


よくわからないところはあるが、イランとしてはオマーンと協調して通行料の徴収をしたいらしく、

そこにオマーンが合意しているのかはよくわからないが、

オマーン関係船が通るのは構わないというような確認があったのかもしれない。

果たして今後どう動くのかはわからないが、ちょっとずつ動きがありそうではある。