帰り道、緑色の最高速度表示灯を付けた電動キックボードが2台走り抜けていって、
友人同士なのかねと、それはいいけど路側帯を走っていたのが気になった。
普通自転車と特定原付の車道上のルールはほぼ同じだが、
歩道では特定原付は6km/hに制限された歩道モード(特例特定原付)にしなければならない。
この点は特定原付と自転車の重要な差異である。
(もっとも法令の想定では大差ないと考えているのだが)
ただ、この中間的な存在に路側帯ってのがあるんですよね。
路側帯というのは道路の歩道がない端に設けられるものである。
路側帯の使い方として道路交通法ではこのように規定されている。
- 歩行者の通行 (歩行者の通行に十分な幅がある場合)
- 軽車両(自転車含む)・特例特定原付の走行
(道路の左側で歩行者用路側帯(2本線)以外) - 車両の駐停車 (駐停車禁止路側帯(実線+破線)・歩行者用路側帯(2本線)以外)
冒頭の話の答えをもう書いてしまったのだが、あれは違反なんですね。
特定原付が路側帯を走行する場合は歩道モード(特例特定原付)にしなければならないので。
それぞれ注意点はあるが追って。
一方で歩道がある側の車道の端に引かれる線は車道外側線といい、
この外側も車道の一部とされている。車両の走行・駐停車には自由に使える。
車道の左端を走行すると規定されている自転車・特定原付にとって、
車道外側線の外側は走行に適することが多いので、自転車ナビマークが置かれていることも多い。
駐停車車両がいると真っ先に潰される場所なので常に走れるというわけではないが。
さて、路側帯の用途として3つ書いたが、それぞれ注意点はある。
まず、歩行者の通行だが「歩行者等の通行に十分な幅員を有する路側帯」の場合の話である。
裏返せば歩行者が通れない路側帯があるということなのだが……
実は路側帯の定義に「歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため」と書かれている。
道路の端は舗装が壊れたり崩れたりしやすいので車は通るなということである。
この目的の場合、歩行者が通れないぐらい狭いこともあるので、
その場合は車道の右側を歩きましょうねということである。
次に軽車両・特例特定原付の走行である。
まず左側通行である。昔はこの左側通行というルールがなかったらしい。
すなわち自転車の歩道通行同様に右側の路側帯を走ってもよかったのである。
これ禁止されたのは意外と最近で2013年のことである。
線で区切られただけの路側帯を他の車と逆に走ると危険というのも理由だが、
車道外側線の外側と路側帯でルールが異なるという複雑さをなくすという意図もあったらしい。
路側帯は当然歩行者優先なので「著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合」は通行できず、
「歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない」となっている。
車両の駐停車だが、これは0.75mの余地を残しておく必要がある。
よく路側帯にギチギチに駐停車されていることがあるが、
あれはダメなんですね。左に歩行者1人通れるぐらいの余地はいると。
狭い路側帯の場合、実質的に駐停車には使えないことになる。
これは歩行者の安全という観点もあるが「車道の効用を保つ」という観点もある。
歩道がある場合は、車道の端は道路の端ではないので、端が崩れる心配はないのでギチギチに寄ってもよい。
とはいえ、この差異もどこまで意識されてるのかなという感はある。
自転車の歩道通行と自転車の路側帯走行、似ているようでけっこう違う。
歩道通行は原則として標識などで認められた歩道でしかできない。
最近は歩道通行可の歩道はかなり絞り込まれているように思うが。
基本的にはそれなりに幅に余裕があるところでなければ認められない。
一方の路側帯は原則として認められている。歩行者用路側帯はめったにない。
歩道通行が認められるのは普通自転車に限られるが、路側帯は全ての自転車、それどころか軽車両まで認められている。
この観点では路側帯は歩道というより車道の端に近い印象を受ける。
また、歩行者最優先である点は同じだが、法令上の要求は少し差がある。
- 路側帯: 歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない
- 歩道(普通自転車通行指定部分なし): 歩道の中央から車道寄りの部分を徐行
- 歩道(普通自転車通行指定部分あり): 歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる
この文章から果たしてどう走ればいいかわかるだろうか?
指定部分のない歩道は「徐行」と書かれている。
この徐行というのは6~8km/h程度までとされている。
冒頭に特定原付は歩道通行するとき6km/hの歩道モードにしなければならないと書いたが、
そもそも自転車も歩道を走行するならばそのぐらいの速度に落とさないといけないのである。
その速度だと転けそうで怖いが、法令上の要求はそうなんですね。
一方で線などで区切られた通行指定部分がある場合、
「安全な速度と方法で進行することができる」となっている。
自転車道に近い構造であれば、自転車道のように走ってもよいのだろう。
特定原付はそうもいかないので歩道モードで6km/hに制限されるのだが。
これに対して路側帯は「歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない」となんとでも解釈できそうな書き方。
ただ「徐行」までは求められていないと言えそうだ。
歩行者がいない路側帯ならば、歩行者が見えれば止まったり避けたりできる程度の速度でよさそうだ。
というわけで歩道に比べるといろいろ緩いんですね。
歩道がなくて路側帯だけの道路というのはだいたい幅に余裕がない。
駐停車車両が路側帯を潰していることが多い理由でもあるが、
車道に余裕がないのでちょっとでも詰めたくなってしまうと。違反だけど。
自転車・特定原付は他の自動車に比べて遅いわけだが、
その追い越しをしてもらおうにも十分な余裕がないことが多い。
そういう場合、自転車であれば歩行者がいない限りは路側帯を通れる。
これによりスムーズに追い抜きができるケースが多いわけである。
ところが特定原付はルール上はそれできないんですよね。
歩行者いないのでいったん路側帯に入れば後ろの車に追い抜いてもらうのがよいが、
特定原付なのでそれは出来ないんだよなぁと心苦しい思いをすることはある。
歩行者保護のためのルールで、自転車にしても基本的には路側帯に入らず車道を走った方がよいと思う。
しかし、自転車にとっては路側帯を通るというオプションはほぼ常にあって、
歩行者がいない場合はそれを活用するほうがよい場面はしばしばある。
そういう選択肢が特定原付にはないというのはちょっと変な気はするんですよね。
特例特定原付ならばいいけど、歩道モードへの切替はそう簡単ではないので。
特定原付と自転車のルールはほぼ同じと言いたいが……
というところでひっかかるのが路側帯のルールだという話だった。