三の丸尚蔵館へいく

祝日と土日の間があくところは休暇を取る人が多いが、

僕も休暇をとって東京にお出かけしていた。

大きな目的がパスポートの受取ですね。

マイナポータルで申請したパスポートを受け取るために西新宿に行く必要があったと。

てっきり都庁かと思ったのだが、隣接する都議会議事堂の地下にパスポートセンターがある。

申請はかなりの混雑だったが、受領はスカスカですぐに終わった。この話は改めて書くかも。


そのためだけに東京に行くのもねとは思っていて、

北の丸の東京国立近代美術館に行こうと思ったのだが、

そういえばと思い出したのが三の丸尚蔵館のことだった。

元は御物だけど

相続税の物納や寄贈により国に集まった御物は従来は宮内庁が管理していたが、

他の物納された文化財同様に文化庁に移管され、その管理は国立文化財機構が行うこととなった。

どうも三の丸尚蔵館はこれから改修のためしばらく閉鎖されるようなので、

その前に一度は観に行くかと。皇居東御苑ってことは近所ですからね。


というわけで三田線の大手町駅に到着、三田線なのは都営地下鉄だけで来るため。

大手町駅も広いので、路線により大違いだが、千代田線と三田線だと近い。

ここで大手門に向かって歩いて行く。大手門の入口には “GARDEN IS CLOSED” と書かれた札をもつ人がいる。

ん? と思ったが「三の丸尚蔵館に行きたいのだが、ここでよいか」と聞くと、

チケットを見せてくれと言われて、見せると通れた。

すぐにわかったのだが、月曜・金曜は皇居東御苑は休園なんですね。

おそらく外国人の観光客が多く訪れるのだろう。(なにしろ無料である)

三の丸尚蔵館は月曜はともかく、金曜は開館日なので入ることができる。

ただし、東御苑内を通過することはできないから大手門が唯一の入口となる。


中ではあれこれと工事をしているようだったが、三の丸尚蔵館の工事である。

そもそも国立文化財機構への移管の背景には所蔵品の増加という事情がある。

もともとは昭和天皇の遺品を中心としていたが、その後も皇族や縁故者からの物納・寄贈が続いた。

このため大幅に増築して展示室・収蔵庫とも拡大するのが目的の1つである。

(ちなみにこの改築は宮内庁の事業として行われている)

現在は半分完成した状態だが、これでも宮内庁管理の時代に比べれば広い展示室になったという。


時代としては明治以降のものが多い。

今でも皇室に美術品が「献上」されることってあるんですかね。

今は調度品や儀式につかうものを調達するのは「購入」するという体裁を取ることが多いはず。

宮内庁が購入すればそれは国有財産なので相続税とかいう話にはならない。

国立博物館のネットワークにある施設の中ではもっとも時代的に新しい博物館かなという印象は受けた。

(東京国立博物館と東京国立近代美術館が1907年を境に所蔵品を移管し合った背景もある)

もちろんそれより古い所蔵品もあるんですけどね。

新しい割には伝統的なテーマによるところが多いのは皇室という性格だろう。


観覧しての感想は失われ行く貴族文化ってやつなのかなという話で、

今はなき宮家で使われていた品とかみるとそう思いますよね。

今回は季節がら花にちなんだいろいろな品を並べていて、

当然、美しいんだけど、そこまで一流の品を揃える人はそうそういないんだろう。

本当にすごいんですけどね。それを「献上」してもらえる人がいたんですよね。

日本では皇室がありますので、その点では完全に失われたわけではないが、

いろいろな要因もあり皇族数も減る中で細っているのが実情だろう。

そもそも三の丸尚蔵館ができた背景も、皇室内で伝承し続けられる御物は限られるというのがあり、

文化庁蔵となったことで、国民が伝承していく美術品になったということで、

そう考えればこうして常設の展示施設で盛大に観覧できることはよいことかもしれない。


ちなみに展示室2つと規模としては小さいが、観覧料は1000円である。

Webで日時指定のチケットを購入していったが、直接窓口で買うこともできる。

今年5月に一時閉館後、隣接地で作っている建物をくっつけて展示室が増える予定もある。

1000円ってのはそこを念頭に置いた価格だったのかもしれない。

今でもこれはこれで悪くないですけどね。

国立博物館そのものだったら、奈良博の賛助会会員証を見せればいいけど。

そこは言っても仕方ない話だし、展示活動の充実には必要なことだろう。


引き続きお堀に沿って歩いて東京国立近代美術館へ。

こちらも花にちなんだ作品が多く並べられていた。

春っていうと日本画の淡い感じがよく合う気がする。そうでしょうね。

逆に夏は油絵の濃いやつが合うのかもしれない。ふとそんなことを思った。

桜がさくとそこら中花見だらけだが、まだそういう感じでもなく、落ち着いた感はある。