織り込み区間との戦い

Cities:Skylines IIで渋滞を実感する最たるものが救急車待ちマークが並ぶことで、

渋滞で現場にたどり着けない救急車が何台もいるという状況である。

当然これでは都市機能の維持に問題があるわけで、渋滞対策をやるわけだが、

ものすごく手を焼いた交差点があって、渋滞が全くなくなったわけではないが、

とりあえずこれぐらい流れていればなんとかなるんじゃないかというところまで来た。


高速道路のインターチェンジ近くに病院・消防署・火葬場・郵便仕分施設と並べたエリアがある。

高速道路が使えれば広域のニーズに応えられるという発想である。

高速道路に接続する幹線道路(高速道路・細い歩道(側道)・高架の地下鉄を並べたもの)は、

右折による混雑を避けるために中央帯を挟んでの往来はできないのだが、

これらの公共施設から出る車両は往来できないと困るので、高架の歩道を通している。

歩道という名前だが、バスなどの公共車両は通行できるためである。

一般車は幹線道路中に設けられたUターン路で対応することになる。


まず問題となったのは高架の歩道との出入りで右折が発生して混雑すること。

そこまで通行量は多くないからいけると思っていたが、なかなかそうもいかない。

というわけで高架の歩道の代わりに高架の車道を作り、

できるだけ右折無しで済むよう幹線道路とのインターチェンジを作ることにした。

最初は不完全クローバー型にしてみたが、これだと高架の両側で右折が発生する。

主要なルートは右折にならないようにしたつもりだったが、少しでも右折車がいると大変みたい。

このゲームは本当に右折に弱いな。


それで追加のルートを足そうとしたが、高速道路のインターチェンジが近いことが障壁となった。

インターチェンジが連続すると合流・分岐が近接してスムーズに走れないだろうと。

案の定、車線変更の車両で交錯して大変なことになってしまった。

それでも右折が多かった頃に比べれば多少はマシだったが……

現実世界なら右折の方がマシな気がするけど。


短い距離で合流・分岐が連続する区間は織り込み区間と呼ばれ、渋滞の原因になりやすい。

合流して直進する車両は右に車線変更し、本線から分岐する車両は左に車線変更する。

ある程度距離があれば問題ないのだが、短い距離でこの交錯が発生すると車がスムーズに流れなくなる。

インターチェンジが短い距離で連続すると発生しがちな問題である。

特にスペースに制約が大きい都市高速では避けられないが、信号待ちよりはマシと考えるしかない。


東名高速道路と圏央道を結ぶ海老名JCTは織り込み区間の対策で特徴的な構造をとっている。

相模川を挟んだ対岸には厚木ICが存在するため、何も考えずにJCTを作ると、

厚木IC合流→海老名JCT分岐あるいは、海老名JCT合流→厚木IC分岐が連続してしまう。

まさに織り込み区間になってしまうので、対策として集散路を作った。

本線から海老名JCTへの分岐を厚木ICの分岐と同じところでやってしまい、

厚木IC→圏央道と走る車が合流して、本線と並行して相模川を渡る。

そして川を渡ったら圏央道に合流するという形である。

逆も圏央道→名古屋方面の車は相模川を本線と並行した別の橋で渡り、

厚木ICで出る車が分岐して、厚木ICからの車が合流してから本線に合流する。


無対策の場合は 分岐→合流→分岐→合流となってしまうところ、

集散路を作ること本線にとっては 分岐→合流→合流 という形になる。

これにより本線の渋滞を回避しようとしたわけである。

それでさえひどい混雑だが、これは圏央道八王子方面との車両が海老名JCTに集中するためで、

将来的には新東名と接続する海老名南JCTが名古屋方面との往来の主流になる。

新東名の伊勢原JCT~海老名南JCTだけ神奈川県内の他区間に先だって開通したのも、

東名名古屋方面~伊勢原JCT~海老名南JCT~圏央道と走ることで海老名JCTの混雑が多少軽減できるとみたためである。


当初は高速道路とのインターチェンジを含めて 合流→分岐→合流→分岐→合流→分岐→合流 となるケースもあった。

さすがにこれではスムーズに流れるわけはない。

接続点同士が近接していると対策もままならないので、本線との接続点を集約する。

これにより本線と並行する集散路のようなものができることもあった。

さっきの例で言えば、後ろの3回合流を1回の合流にできた。

合流→分岐→分岐→分岐→合流 でも多少よくはなったが、

高速道路のインターチェンジでの合流と、その次の分岐が近接するのが厳しい。


というわけで高速道路のインターチェンジ内に分岐点を動かすことに。

合流する前に分岐を加えるのである。地下を駆使してなんとか。

これで 分岐→合流→合流 となり織り込み区間は解消した。

反対側は 分岐→合流→合流→分岐 のまま残っているが、

合流点を遠ざける対策もできたので、こちらはなんとかなっているよう。

インターチェンジ周辺の交差点の渋滞が伸びたり、流れが悪い点もあるが、

本線が詰まってありとあらゆる車両が身動きがとれない状況は打開できたかな。


あと場当たり的な解決ではあるが車線数を増やすのも効く。

その分余裕を持って車線変更できるためである。

これも神奈川県内の東名高速道路の話になるのだけど、

基本的に片側3車線の道路だが、付加車線を付けて4車線になっている区間がある。

特に海老名JCT→横浜町田ICではかなりの区間に付加車線が付いている。

海老名JCTの合流部、綾瀬BS(スマートIC)付近、大和トンネル付近と、

渋滞しやすい場所に手当たり次第に付加車線を付けた結果、改善はしている。

渋滞の先頭が付加車線が途切れるところになっただけというのも実情だが、

それでも余裕をもって車線変更ができる効果は軽視できないものである。


人口12万人ぐらいまで来たけど、都市が広がると公共サービスの提供がだんだん大変になる。

ごみ処理ってのがけっこう大変で、なぜかというと処理施設周辺の汚染がひどいからである。

風下のほうに置けば、そこから風上への汚染の広がりは限定的だが、

それはごみ収集のために市内で大きな移動が発生するということでもある。

リサイクルセンターという大気汚染が少ない処理施設があり、

都市が広がるにつれて、リサイクルセンターを分散配置するのが定石みたいですね。

ただ、高密度住宅のゴミの排出量がえげつないらしく、

これに対応するにはかなりこまめにリサイクルセンターを置かなければならない。


そんなの無理だろというわけで、高密度住宅は全く設定していない。

10万人でもけっこう難易度高いと思いますよ。

公共サービスはことごとく道路を介して提供されるわけで、道路がダメになると容易に破滅してしまう。

そして道路は右折車と横断歩行者で容易に破滅してしまう。

横断歩行者は歩道橋を通し、幹線道路同士の交差点は立体化して右折が生じないようにして……

それでも車線変更に起因する渋滞がきついのだが、これは姑息な対策もある程度効くので。