成田空港国内線はどこにいる

成田空港といえば国際線が多くを占めるが、昔に比べると国内線の便数も増えた。

というのはほとんどがLCCによるものなのだが。

ジェットスタージャパンとPeach(旧バニラエア)によるところが大きい。


今まで何度か成田空港の国内線は使ったことがあるが、

第3ターミナルビルT3)開業後の春秋航空日本(Spring Japan)とジェットスターである。

T3はサテライト棟が国内線用になっている。

ここからエプロンルーフでの徒歩搭乗かバス搭乗ということになる。

成田空港の国内線専用に整備されたスポットというのはここぐらいである。


Peachはバニラエア統合後に一時T3を使っていた時期もあったのだが、

2020年に再び第1ターミナルビル(T1)に戻っている。

鉄道駅からのアクセスに難があるT3よりT1を使いたいということだったらしい。

T1の国内線というのは南ウイング、第5サテライトの一角に置かれている。

駅から直結とはいえ、改札口からはなかなか遠そうだ。

国際線55・56・57A番ゲートの真下あたりに国内線のゲートがあって、

これらのボーディングブリッジ経由で搭乗するか、バス搭乗するか。

意外とPeachはボーディングブリッジを使う便も多いらしい。


なお、T1の国内線施設というのはANAと共用である。

ANA自身の国内線は1日3往復で15時台到着・17時台出発に固まっている。

アメリカ線との乗り継ぎに便利にするとそうなってしまうのか。

で、この時間帯は国際線が忙しいのでバス搭乗になる便が多いようだ。

あと、もう1つ特徴的なのがラウンジで、これは国際線到着フロアに「ANA ARRIVAL LOUNGE」という名前で存在している。

その名前の通り、国際線到着客向けのラウンジなのだが、

一般エリアに設けられた国内線出発ラウンジという位置づけでもある。

利用実態としてはANA国内線出発客のほとんどは国際線到着客なので妥当ではあるのだが。


T1, T3とくれば、第2ターミナル(T2)にも国内線はあるのだが、

現在、これを使っているのはJALだけで、1日わずか3便となっている。

JALは成田空港発着の国内線の多くをジェットスターに委ねることになった。

このためジェットスター国内線にはJAL, カンタス他の便名が付与されている。

それでもJALに残るのは大阪(伊丹)が2往復、中部が1往復に限られている。

その割にはゲート数は多く、A,B,C,D,E,F,G,H,I,N,P,R,Sとある。

A~Hはバスゲート、I~Sは64, 66, 67A, 67B, 68番ゲートのボーディングブリッジに接続されているとのこと。

(このほか、到着のみボーディングブリッジが利用できるパターンもあるよう)


なんでこんなに多いんだ? と思うのだけど、いろいろ事情があったらしい。

成田空港~その役割と現状~ 2018年度 (成田国際空港)

「第2章 成田空港の施設」にこれまでの整備の経緯が様々書かれている。

1992年のT2開業後、JALとANAはともにT2を利用していた時期がある。

2002年にT2に国内線でもボーディングブリッジが使える施設が作られた。

これ以前は国内線は必ずバス搭乗になってたんですね。

ジェットスタージャパンも羽田空港の国際線も今ほどはない時代、

JALもANAもT2発着の国内線を今よりはだいぶ多く飛ばしていた。

その後、アライアンス別にターミナルを使い分けることとなり、

2006年に現在のT1の国内線施設ができ、ANAはこちらに移転した。

2011年にスカイマーク、2012年にジェットスタージャパンとエアアジアジャパン(→バニラエア)が就航、

いずれもT2を利用したので、一時的な増床も含め、国内線の拡張が図られた。

ただ、スカイマークは2014年に撤退、2015年にT3が開業して、一気に縮小。

JALの1日3往復にしても、国際線が忙しくてバス搭乗になることが多いようだ。


成田空港の国内線だが、トキエアが佐渡~成田を開設したいと言っている。

使用予定のATR42-600はまもなく日本に来るのではないか。

本当はATR42-600Sという短距離離陸性能の高い機材も買う予定だったが、

こちらは先日、開発中止が報じられている。

通常のATR42では佐渡空港の890m滑走路では乗客数の制限など必要とみられる。

(一方で佐渡空港では2000m滑走路の新設に向けた用地取得が動いている)

実現すれば成田空港に乗り入れる便では最小となるが、どこに発着するのか。

直接搭乗できるという点ではT3がよさそうな気もするけど、

やはりバス搭乗前提でT1かT2なのだろうか。なんとも言えませんが。

いずれにせよまだ時間はかかる話であろう。