昨日、夕方に大雨が降って、東京都心で排水が追いつかない事象が起きていた。
雨雲の停滞具合によってちょうどそのあたりで1時間雨量で100mmの集中豪雨になったようだ。
道路の冠水や鉄道の運休など一時的な影響はあったが、家屋の浸水までは至らなかったのかな。
都市の大雨対策は下水道事業と河川事業の両面で進められている。
下水道は都市に降った雨水を排水して浸水害を防ぐこと、
河川整備は川から水が溢れ出す洪水の対策と少し違うところはあるのだが、
下水道の排水先は河川なので、川が溢れそうなので下水の排水ができず浸水してしまう、
ということもあるので河川整備は浸水害の対策でもあるし、双方連動することの重要性を表しているとも言える。
下水道の整備は地下で行われるのは当然のことだが、
都市では川幅を広げるなどの対策が難しく、河川整備も地下で行われることが多い。
この点では下水道事業と河川事業で似たような手法が使われることがあるが、
河川施設は川を流れる水を取水して減らすことができる一方、
下水道施設は下水道に入る水をどうするかというところで少し異なる。
もちろん都市においては大雨の時に川を流れる水の多くは下水由来なのだけど。
大阪府の寝屋川流域では2つの地下河川が整備されている。
どちらも最終的には安全に流せる川に排水する計画ではあるのだが、
現時点では全て完成していないので貯留施設として使われている。
全国的に見ても大規模な地下河川の計画でそれが2つあるんですよね。
元々寝屋川に集まり旧淀川(大川)に注いでいたのを、3ルートに分散させることができると。
これとは別に下水道の流下能力を増加させるための増補管の整備が行われているのだが、
この増補管の排水先は地下河川なのだという。
最終ページに増補幹線のイメージ図が書かれているが、
主目的は既存の下水幹線だけだと排水能力が足りず浸水が発生してしまうところ、
既存の下水幹線から増補幹線に下水を落とすことで排水能力が高められると。
その増補幹線の放流先を地下河川にすることで、川への放流を減らすことができ、
さらに言えば川の水位が上がって排水ポンプをフル稼働できなくなる事象への対策にもなる。
ところでこの説明を見て気付いた人もいるかもしれないが、
寝屋川流域下水道は汚水・雨水が一緒になっている合流式下水道でかつ
増補幹線~地下河川のルートで流れる場合、下水処理場を通らない。
ということはこのルートに流れるのは未処理下水ってことになる。
それってどう考えてるの? と気になって調べてみた。
そもそも降雨時の下水は管内の汚れが排出される最初の方が特に汚いので、
これを貯留する仕組みは下水処理場などに備えられている。
(これによりある程度の降雨であれば未処理下水の放流を回避できる)
それを貯留した上で未処理下水を増補幹線~地下河川に流すので、すでにある程度の対策はできている。
さらに大雨の懸念が少ない渇水期には増補幹線に未処理下水を貯留し、
後から下水処理場に送るということもやっているらしい。
大雨への対応能力は下がるが、それでもかまわない場合はそういう使い方もあると。
もちろん古典的な遊水池とかの手法も活用されてはいるんだけど、
なかなか都市では難しいし、そもそも川に流れ込む水の相当割合が下水からだ、
ということで下水側で貯留したり、別ルートに回すというのも効果的な対策になっている。
だいぶ地上の河川はこれで助かってるんじゃないかなと。
こういう考えは他の大都市でも多かれ少なかれある話のようだ。