先日「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」のことを書いた。
自動車の速度が50km/h超の道路には自転車道を、
自動車の通行量が多いか、自動車の速度40km/h超50km/h以下の道路では自転車専用通行帯を整備するという話。
最近は自転車専用通行帯の整備された道路も増えているが、自転車道はなかなかない。
どれぐらい整備の難易度が違うのだろうか?
通常、車道の端には路肩と呼ばれる部分がある。
路肩は「道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つ」という目的があり、
特に歩道がない道路にとっては車道の端が崩れないように保護する役割があり、
また、雨を排水するための街渠が設けられていることが多い。
道路交通法では歩道がない道路の路肩は路側帯に位置づけられ、歩行者の通行に使われる。
一方で歩道がない道路においては、路肩に引かれる線を車道外側線といい、
通常は走行が想定されていないが、車道の一部であり、走行・駐停車は許容される。
歩道がある道路の路肩は車道の一部なので、余裕がある場合は自転車が走行することは昔からあったが、
これを自転車専用の車道として定義したのが自転車専用通行帯である。
自転車専用通行帯は原則1.5m以上だが、1.0mまで幅を狭めることが認められている。
1.0mというのは自転車が走行するときに必要な最低限の幅で、
きっかりでは余裕がないが左の路肩まで含めれば正味1.5mぐらい取れるということだろうと思う。
街渠などが設けられる路肩は車線幅に加えることはできないが、路肩にはみ出ても歩道と隔てる柵にぶつかったりすることはない。
一方の自転車道なのだが、こちらは車道・歩道と構造物で区切る必要があり、
なおかつ車線幅で原則2.0m以上、一方通行の場合は1.5mまで縮小できる。
対面通行の自転車道を片側だけに設けるという方法も考えられるのだが、
車道(自転車専用通行帯含む)は左側通行であることを考えると、
対面通行の自転車道はかなり長い区間で連続していないと使い物にならない。
両側に自転車道を作るならば、一方通行の自転車道の方がよいのでは、
とガイドラインには書かれているが、かなり新しい考え方である。
自転車専用通行帯は原則1.5m以上、最低1.0m(+路肩)だが、
自転車道(一方通行)は最低1.5mでブロックや柵などの構造物も必要、
というわけで自転車道を作るには正味1mぐらい余分に幅が必要とみられる。
ところで自転車専用通行帯でしばしば問題になるのが逆走である。
自転車専用通行帯が整備された道路では歩道の自転車通行を認めないのが通常である。
車道(自転車専用通行帯)を安全に通行できるのだから歩道通行を認める理由がないと。
歩道通行が認められている場合、左右どちらでも自転車の通行は認められるが、
自転車専用通行帯は左側通行のみという点にギャップがある。
この差異を知ってか知らずか逆走する自転車がちらほらいるという実情がある。
歩道を自転車通行可にするには原則3.0m以上の幅が必要である。
車いすがすれ違える幅が2.0m、自転車が通行できる幅が1.0mと。
自転車通行指定部分は幅1.5m以上、それ以外の歩道が2.0m以上残せることが前提である。
ゆえに自転車通行指定部分を区切ろうとすると4m幅ぐらいは必要とのことである。
自転車が走らない歩道ならば最低2.0mあれば足りるので、
歩道を縮小して自転車専用通行帯を整備する考えもあるのだが、
左側通行を徹底できなければ、自転車専用通行帯を逆走したり、
狭くなった歩道を走る自転車が出てきたりという懸念があり難しいようだ。
一方通行の自転車道も同じような問題があり、まだ制度的に新しいこともあるが導入場所は限られる。
ただ、対面通行の自転車道は交差点付近は歩道通行になることが多い実情があり、
自転車道または車道(自転車専用通行帯含む)の走行が原則として考えると、かなり運用しにくい。
改築などの機会に対面通行の自転車道または歩道の自転車通行指定部分を、
一方通行の自転車道の運用に切り替えることはありそうだが、ルールに反する逆走問題はついて回る。
そんなわけで自転車走行空間の確保方法を比較してみると、
- 自転車専用通行帯 : 車道に最低1.0m幅
- 自転車道(一方通行) : 最低1.5m幅+構造物
- 歩道の自転車通行指定部分 : 歩道に最低1.5m幅
というわけで自転車専用通行帯が圧倒的に有利である。
それでも路肩部分の余裕があるので、そこまで窮屈ではないんじゃないかなぁ。
整備のしやすさもあって普及するのはなるほどという感じはあるが、問題は逆走か……