国際郵便に欠かせないフランス語

昨日、上海行った時に上海環球金融中心から出したはがきが届いた。

えらく遅いですね。4月3日に出して、4月7日の消印が押されていて、4月19日到着って。

まさか船便かとおもったけど、ちゃんと航空便だと指定したし、実際郵便局もそう理解していることがスタンプから分かる。

一体なにがあればこんなに遅くなるんだか。検閲か?


国際郵便で航空便だと指定するためにはどうすればいいかというと、その旨を郵便に書く必要がある。

どう書くのかというと Par Avion だと書けばいい。

なんだそれ、と思うかも知れないが、フランス語で航空便でという意味の言葉だそうだ。

こんなところでフランス語が出てくるのは不思議かも知れないが、

実は万国郵便連合の公用語はフランス語なので、その公用語のフランス語で書いておけば安心と。そういうことだ。

以前、ハワイのホノルルから日本に向けてエアメールを送ったことがある。

Air Mailだと書いていったが、郵便局でPAR AVION AIR MAIL というスタンプを押されたもの。アメリカでさえそうだ。

だいたいどこの国の郵便局にもその言葉での航空便を表す言葉とPAR AVIONが併記されたスタンプを持っているらしい。

そしてその上海からの郵便にも郵便局で押されたらしき PAR AVION 航空 というスタンプが押されていた。だから郵便局もわかっていたのだろう。


国際機関の公用語というのもいろいろで、

万国郵便連合は1874年からある非常に歴史の長い機関ゆえに、その当時に世界中で広く使われていたフランス語が公用語になってる。

まぁさすがに今となっては英語も作業言語として使われているようだが。

だいたいのところで英語とフランス語が公用語となっているようだ。

ITUやILOあたりではそれにスペイン語があるようだ。

国際連合では英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語・中国語が公用語のようだ。もっとも作業言語は英語とフランス語だけだが。


まぁそれにしてもヨーロッパの言語の多いこと。

多くの国際機関がヨーロッパが発祥である以上は止む得ないことか。

かといってヨーロッパで一番使ってる人が多いドイツ語が公用語となっている国際機関は限られているので、

このあたりは歴史的に強かった国の影響を大いに受けてるのかなと思うところ。


ところで航空便がPar Avionなら、船便はなにに相当するかわかるだろうか?

こちらは英語を勉強していても見る言葉だが、Surfaceですね。

英語でもあるよね。表面って意味だ。実はフランス語が由来の言葉で、フランス語でも同じく表面だと地表だとかそういう意味である。

実は船便ってのは陸便か船便というような意味なんですね。

日本では国外に運ぶにはどうやっても船に載せないといけないから船便だといっているけど、必ずしもそういう意味ではない。


そういう目で見ると日本の国内郵便も定形郵便と速達・書留などをつけた定形外郵便はPar Avionなわけだ。

北海道から本州だとかはもちろんのこと、東北-関西でも便の都合が合えば飛行機で運んでくる。

一方で普通の定形外郵便はSurfaceだ。北海道-本州間もフェリーで運んでくる。いや、鉄道貨物かも知れない。

なんにせよ重くてかさばるものは飛行機に乗せたがらないようで。

国内郵便ではこういう区別はしなくて、せいぜい速達を付ければ飛行機も含めて最速の方法で運んでくれるだろうぐらいのもんである。

しかし国際郵便では選ぶことはできるわけだ。

まぁ韓国ぐらいならSurfaceでも結構早く着きそうな気はするけどね。日本-韓国間はRO-RO船もたくさんあるし。

ただ、ヨーロッパだと話にならんだろうな。ここらは素直にPar Avionか。ただ航空便は地域によって値段が上がるのでずいぶん高く付きますが。