今週、研究室に新しいコンピューターがやってきた。
購入の意図はGPGPUをフル活用できるコンピューターが欲しいということがあったそうだ。
選定を行った学生に聞くと、PCとしては最も高性能な構成を選択したとのこと。
CPUの性能も高いのだが、GPUは本当にこれ以上ないほど性能が高いらしい。
OpenCLを使って開発しているから、OpenCLのスポンサーであるAMDのRadeonから選んでいて、
その中でGPGPU用途でもっとも高い性能が発揮できるGPUを選択したとのこと。
そのようなGPUを選択出来るBTOのモデルを探して、それで買ったとのこと。
ということは一般的にはゲーミングPCと呼ばれるやつなんだろうな。
あくまでも研究室で購入した意図は数値計算だが。
GPGPUは数値計算に供されるコンピューターの構成を大きく変えてしまった技術だ。
GPUには大量の浮動小数点演算を行うユニットが存在する。
これを画面の描画以外に用いるのがGPGPUということだ。
CPUで高い計算能力を得るよりも、GPUで高い計算能力を得る方が合理的ということで、
現在ではいろいろなところで用いられていて、うちの研究室でもGPGPUを数値計算に用いるべきという話はちょっと前から出ていて、
それに本格的に着手するということで、今回のコンピューター購入に至ったとのこと。
こうして新しいコンピューターが数値計算での活躍を期待されている中で、
明暗を分けたのが、古いワークステーションだった。
Pentium 4の時代のXeonが搭載されたワークステーションで、当時は高い計算能力が期待されていたマシンだ。
特殊な用途で使うことを想定していたようで、特殊なハードウェアが搭載されていたのだが、
残念な事にそのような用途で使われたことは少なかったよう。
では、その圧倒的な計算能力を生かした再就職先が見つかったのかというと、長らく活用されることなく放置されてきたのが現実のようだ。
数年経った今となっては、汎用的なPCでも高い計算能力が得られるようになってしまった。
単純にCPUの性能が高くなったということもあるし、数値計算の主戦場がGPUになったからというのもある。
こうして、そのあたりのPCと性能面で差が付かなくなってしまったと思われたワークステーションだが、
今回のコンピューター導入に際して、他のコンピューターについても再配置も行われてきた。
その中で、長らく放置されてきたワークステーションにも光が当たることとなった。
とはいえ、その用途は導入当初のことを考えれば全く期待外れのもので、とりあえずコンピューターがあればよい用途で再配置されて、
以前、その用途で使っていたPCがそこそこ高性能なCPUを搭載していたので、これを別のところに転用したと。
この一件からもPCの性能が高くなったことで、ワークステーションの存在感は薄れたことが読み取れる。
確かにワークステーションは高性能を得るためにPCとは異なる構成を取ってきた。
現在もワークステーションとして売られているものはそうなんかね。
ただ、かつてワークステーションで行っていた用途の大半はPCの構成で代替されるようになったのが現状だ。
ではワークステーションはなくなったのかというと、僕は研究室にあるコンピューターはワークステーションとも理解できると思っている。
というのも、研究室にあるコンピュータは以前よりワークステーションが担ってきたハードウェアやソフトウェアの開発に供されているのだからだ。
ほとんどのコンピューターの構成は確かにPCだけど、機能はワークステーションなのだと。
そんなことは以前もこのBlogで取り上げてましたね。
僕はそう思っているけど、いかんせん中身はPCですからね。一般的な認識はPCだろうね。