以前、Ave Mujicaに関係してこんなことを書いた。
そのCRYCHICの発起人、豊川祥子は元々ピアノをやっていて、バンドではキーボード、
その声をあてるのが高尾奏音さん(ピアノのコンクールでの受賞実績がある)だというのを見て、ピアノつながりのキャスティングかななんて思った。(略)
Ave Mujicaのキーボード、オブリビオニスと豊川祥子は似ている部分がある。
すなわちここは何か連動していて、Ave Mujicaは実際に演奏することを想定したキャスティングであるから、これは関係がありそうだと。
これはまさにその通りだったという話。
バンドリのキャスティングというのはいろいろなパターンがある。
キャラクタとして楽器を演奏するということが求められる中で、
楽器ができそうな声優を連れてきたというのがわかりやすいが、そればかりではない。
楽器の経験はないかそれに近いが声優としての実績は申し分ない人。
当初のRoseliaは5人全員がこのパターンだった。(後に2人入れ替わっているので事情は異なるが)
ミュージシャンとしての実績は申し分ないがキャラクタを演じるのは初めての人もいて、
Morfonicaは5人中2人がそのパターンだったりする。
そこまでいかずとも一定の楽器経験があるが、声優としてのデビュー作がバンドリというパターンもある。
MyGO!!!!!については楽器を演奏する4人全てが経験者ではあったらしい。
<インタビュー>「BanG Dream!」の新バンド・MyGO!!!!!、第2章の幕開けを飾るシングル『音一会』や5人の素顔に迫る (Billboart JAPAN)
ただし、ギターの立石凛さん、ベースの小日向美香さんはこれがデビュー作に近い。
これはこれでなるほどなという気はする。
Poppin’Partyのキャスティングもわりとこんな感じだった。
ではAve Mujicaはどうだったのか。
Ave Mujica、謎に包まれたヘヴィサウンドの真実 才気あふれる5人が生み出すアンサンブルの実像【インタビュー前編】 (ORICON MUSIC)
ギターボーカルの佐々木李子さんは歌手としても声優としても活躍している。
歌手活動が先で、後に声優としても仕事をするようになったということらしい。
歌手活動に関連してギターは触っていたそうである。
ドラムの米澤茜さんは元々ドラマーとして活躍している人。
で、キャラクタを演じるのはこれが初めて。このパターンもある。
そして冒頭に出てきたキーボードの高尾奏音さんはピアノ経験者で、
「ミラノのピアノコンクールで1位をいただけたりもして、当時は本気でピアニストを目指していたんです。」とあるように声優に転向している。
アース・スターのマネージメント事業の廃業後に、廃業したものが多かったのはそういうことでしょう。
養成所から再スタートを切った 高尾奏音さん は今ではなかなかの売れっ子だし、
声優としての道を選んだら、所属事務所が廃業して、養成所から再スタートを切り……
その先にピアノがこうして仕事につながるとは予想し得ない展開だったと思うが。
あとの2人は楽器はこれが初めてに近いようである。
ベースの岡田夢以さんは元はアイドルで、D4DJのMerm4idで声優をやっているが、それを除けば主戦場は舞台か。
バンドリは楽器の演奏をするといっても、キャラクタを演じる側面がかなり重視されている印象はある。
特にストーリーの中心となるキャラクタを演じる人は重要である。
キャラクタの方をキャストに合わせ込んでいく部分も多少はあると思うが、
それでもキャラクタを声で演じることが求められることに違いはない。
だからといって楽器を演奏するのが容易なわけではない。
持っているスキルと求められるもののギャップは誰しも大きいのがバンドリである。
ただ、そんな中では高尾さんは声優としては申し分ないし、演奏面でもよさそうだし、
Ave Mujicaのストーリーの軸となる豊川祥子、またの名をオブリビオニスを演じるのは、
なるほどこれは安心感がありそうだと思った。
ここまでのキャスティングはなかなかできないなと。