Redmi Padの高速充電はQuickCharge 3.0相当という話を書いたが、
家ではUSB PDの充電器とは別に付属品の充電器を設置したからよいとして。
出先での急速充電を1台で行うためにUSB PD・QuickCharge 3.0両対応の充電器を購入した。
大手のメーカーも出してないわけではないのだが……
Anker PowerPort Atom III (Two Ports)
USB PD対応 AC充電器(USB PD45W・QC + 12W/C×1+A×1) (ELECOM)
出力が大きいということもあり携帯用には大きいなと。
いろいろ探したところ一方のみ使用時18W出力でコンパクトなものがあった。
メーカー名は判然としないが(輸入業者の名前でPSEマークが付けられていた)、
これでスマートフォン・タブレットともども最高速度で充電ができるからいいねと。
Type-CとType-A両方接続すると双方とも5V出力になるらしいが、そういう使い方をする予定はない。
USB PDやQuickChargeによる急速充電は確かに速いのだが、
実際の使い方にとってその差を実感出来るかというと案外難しい。
というので、AQUOS sense6とRedmi Padでそれぞれ50%から満充電にしたときのデータから検討してみた。
従来方式のUSB BC(5V×1.5A)相当と急速充電で充電が5%進むのにかかる時間を拾ってグラフを描く。
そしてグラフを観察するとこんな感じだった。
- AQUOSのUSB PDでは75%あたりまで直線的でそこから充電ペースが落ちる
- AQUOSのUSB BCでは80%あたりまで直線的でそこから充電ペースが落ちる
- Redmi PadのQuickChargeは80%まで直線的で、そこから充電ペースが落ちる
- Redmi PadのUSB BCは100%まで直線的に充電が進む
AQUOSはパッテリー温度も見ながら充電しているなどそう単純ではないが、
ある程度までは直線的に充電が進む前提でシミュレーションしてみる。
充電開始時の電池残量と充電時間により効果は違う。
AQUOS sense6で電池残量10%から95%までの充電時間を見ると、
USB BCで150分に対して、USB PDで102分で48分短縮と効果が大きい。
ただ、そこまで電池残量を減らして充電器に付けるのは稀だと思う。
20%からは42分短縮、30%から34分短縮、40%から27分短縮、50%から21分短縮、60%から14分短縮、70%から8分短縮、80%から3分短縮。
普段は60~70%ぐらいで充電器に付けることが多いから、10分程度の短縮効果しかない。
AQUOSが電池の長寿命化のために充電ペースを落としてしまうからだけど。
ただ、旅行のときなど40%程度まで減らして付けることはあるから、そしたら30分ほど短縮で効果はありそうな気がする。
もう1つの観点が充電器に取り付ける時間だよね。
50%からスタートして20分後にPD73%・BC63%、30分後にPD80%・BC69%、
PDだとこれぐらいの時間であらかた充電できるので効果が見えやすい。
ただ、45分後にPD88%・BC79%、60分後にPD93%・BC86%というと大した差はない。
開始時の電池残量にもよるのだが、30分以内の充電だと効果が見えやすい。
在宅時はスマートフォンは定位置で充電している時間が長く、
ということは充電時間は30分よりはるかに長く、効果は見えにくそうだ。
一方のタブレットPCは在宅時に充電器から外して使う時間が長い。
さらに電池容量が大きいので、こちらは急速充電の効果が見えやすい。
残量10%から95%までの充電時間はUSB BC340分に対して、QC138分と202分短縮、
さすがにそこまで電池を使い尽くして充電開始にすることは稀としても、
残量30%から152分短縮、50%から119分短縮、60%から77分短縮、70%から52分短縮、80%から27分短縮と。
60~70%まで減らせば1時間も充電時間が変わるのだから大きい。
充電時間ごとの効果も60%から充電を開始して、
30分後にBC67%・QC80%、60分後にBC75%・QC94%といずれも効果大。
30分程度の充電で他用途で使うこともけっこうありますからね。
じゃあ、自宅にUSB PDの充電器いらんのではという話もありますが。
ただ、充電忘れてた時に30分程度の充電をすることも時々あるからね。
そもそも元はHUAWEIのタブレットがUSB PD対応していたのだから、
タブレットでの恩恵が大きかったわけですからね。
一方で旅行ということになれば急速充電の効果はおしなべて大きい。
- スマートフォンを電池残量40%以下から充電開始
- スマートフォンを30分程度充電してから外出
- タブレットを1時間程度充電して、スマートフォンの充電に切り替え
なんていう使い方は普通に発生しますからね。
こういうニーズに1台で対応できるコンパクトな充電器はメリットが大きい。
このあたりは人によってもいろいろだと思うけどね。
世間的に見れば、在宅時でもスマートフォンを多用する人は多い。
そういう場合、30分程度の充電の効果が大きいことはメリットになる。
その逆に充電する機器数が多すぎる場合、口数が多い充電器を使いたいということで、
こうすると個別に電圧制御が必要な急速充電対応のものは選びにくいかもしれない。
出力電圧5V固定だから口数を増やしやすい。
多くの機器を同時充電できるなら1つ1つは遅くてもよいという考えもあるかもしれない。
世の中、まだまだUSB BCでの充電が普通に行われているのだと思うし、
案外それでもなんとかなるのかもしれない。
今はだいぶ改善したけど、USB PDの充電に使うケーブルは割高である。
両側Type-CならばUSB 2.0でよいが、これが案外高くて入手性が悪いと。
ただ、大容量バッテリーを積んでいるタブレットだときついですね。
これはやっぱりQuickCharge対応の充電器が出先でも必要ですね。