今月、広島でG7サミットが行われる。
前回は2016年に志摩で開催していて、そこから7年して日本開催と。
G7あるいはG8サミットが日本の大都市で開かれるのはかなり久しぶりで、なんと1993年の東京以来だという。
G20サミットを2019年に大阪で開催しているので、大都市が久しぶりという気はあまりしないけど、G7とG20では違うでしょうしね。
そんな広島でのサミット開催の大きな懸念は道路の通行規制である。
G20が大阪で行われたときは阪神高速を大きく通行止めにしたが、
一般道への影響は比較的抑えられたし、NEXCOの高速道路が阪神高速の迂回路として機能した面もあった。
ところが広島ではこうもいかない。
メイン会場は宇品島だが、メディアセンターや一部要人の宿泊場所は都心部、
さらに言えばで首脳ら訪問予定の平和記念公園も都心部である。
これらの移動は一般道にならざるをえない。
このためサミット期間中は広島市街の一般車の移動は困難が予想される。
高速道路への影響も大きいのだが……
広島空港は広島市から東に離れた三原市にあり、山陽自動車道でのアクセスになる。
このため期間中は山陽自動車道で交通規制が行われることになる。
これは大変なことで、例えば福岡~岡山みたいな移動にも影響がある。
山陽自動車道の迂回路としては中国自動車道がある。
ただ、現在は中国道を長距離走り通す想定はあまりなくて、迂回すると休憩に困る可能性があるという。
これは気づいていたのだが、交通規制の対象に広島市街~岩国空港も含まれているという。
どうも岩国から広島に出入りする要人がいるらしい。
地図で見ると広島市街から広島空港より岩国空港の方が近そうに見える。
確かに距離としては岩国の方が近い。
ただ、一般的には広島市街からならば広島空港の方が早いという。
確かに広島空港は広島市街から遠いが、高速道路がよく整備されている。
一方の岩国空港は広島からのアクセスは岩国駅まで電車で、そこからバスという。
この利便性の差は大きく、広島ならば広島空港がよいのが定説。
しかし、広島と岩国の間にある廿日市などは岩国空港との近さが生きるため、
岩国空港自体が広島県内と往来するニーズを期待しているという。
実際のところ、要人の大半は広島空港を選ぶのだと思う。
ただ、あえて岩国を使いたい要人がいても不思議ではない。
なぜならば岩国空港というのはアメリカ海兵隊の岩国航空基地のことだから。
というわけでアメリカ大統領だけ岩国なのかなという想像はできる。
他は無難に広島空港だと思うんですけどね。
広島空港が広島から遠いというのはよく言われるのだが、
広島は平地が限られ、広島空港の移転候補地は瀬戸内海の島か山間部だった。
瀬戸内海の上を飛行機が飛び回ると、騒音問題、漁業関係者との調整、景観問題など多数の問題があるのは明らかだった。
山間部の方が環境への影響が少なく、その中で山陽自動車道沿いの現在地は条件がよかった。
広島市街から遠くなるのは好ましいとは言えないが、
山陽自動車道沿いを東にずれたことで広島県第2の都市、福山には近くなった。
広島都心まで55分、福山まで65分というのはどちらにとっても中途半端だけど、
いろいろな事情がある中ではマシな選択肢がこれだったということである。
なお、岩国基地には1964年まで民間の定期便が運航されていたが、
その後は途絶えて、2012年に改めて共用空港として開港したという経緯がある。
共用空港化には岩国基地の地域対策という面もあるらしい。
アメリカ海兵隊・海上自衛隊と滑走路を共用することもあり制約が多い。
これは要人輸送にも当てはまると思うのだけど。