昨日、Redmi PadがUSB PDに対応していないという話を書いたが、
XiaomiにもUSB PDに対応している製品はあるらしいのに、なぜこれは対応していないのだろう?
と気になって調べていたが、全体的にXiaomiの高速充電方式は特殊らしい。
このあたり調査している人がいた。
Samsung・Xiaomi・OPPO・vivo・Huaweiの急速充電規格メモ (HanpenBlog)
独自の充電方式を持っているメーカーとしてSamsung, Xiaomi, OPPO(と傘下各社), HUWAEIを挙げている。
このうち、Samsungについては過去は独自方式(Samsung AFC)を使っていたが、
現在はUSB PDに整合した方式に移行しているので、今は昔。
残る3グループはいずれも中国メーカーである。
というので総じて言えば中国メーカーの充電方式は要注意という話になる。
調べてみるとXiaomiは独自の高速充電にこだわりのある会社でもある。
現在の最新機種ではスマートフォンに120Wでの充電ができるという。
Xiaomi 12T Proでは19分で100%充電というすさまじい数字が書いてある。
USB PDでも以前は100W(20V×5A)給電が最大で、そこまで使うのは一部のノートPCに限られた。
現在はUSB PD EPRで240W(48V×5A)まで拡張されたが、まだ活用されていないのでは?
そこを越える高速充電がXiaomiには存在していることらしい。
ただ、一方でXiaomiは高速充電の切り替え技術は既存のものを活用しているよう。
この方式が27W以下はQuick Charge 3.0、30W以上がUSB PDらしいと。
今回、Redmi Padに付属していたACアダプタには下記の表示があった。
Output/出力: 5.0V 3.0A/9.0V 2.23A/12.0V 1.67A/10.0V 2.25A Max
なんか若干怪しい表記があるけど……
タブレットの仕様には「18 W 高速充電」の記載があるし、18W相当なのかね。
これについて言えばQuick Charge 3+の刻印がある通りですね。
一方の30W以上についてはUSB PD準拠の方法で切り替えを行っている。
ただ、それでもACアダプタの出力はType-Aなんですよね。
おかしくね? と思うわけだが、実は専用ケーブルに第5の端子が付いていると。
第5の端子こそがUSB Type-CのCC端子のことであろうということ。
POCO F3 充電仕様調査 & 付属ACアダプター・ケーブル仕様調査 (HanpenBlog)
さらに充電器と端末のネゴシーエションも対応機器同士でないと制限があるらしい。
とはいえ、30W以上の高速充電に対応したものであれば、USB PDを認識する仕組み自体は存在するということで、
このため充電器の能力をフル活用できる保証はないが、USB PDでの高速充電自体は可能なようだ。
USB PDの方式を使いながらUSB PDに完全に準拠しているとは言えないのはXiaomiだけでもないけど。
よく知られた話としてはNintendo Switchの充電器があるけど。
USB PDでは定格出力に応じて対応するべき出力電圧・電流が規定されているが、Switch付属の充電器はこれを逸脱している。
ただ、Xiaomiの場合、ケーブルの形状からしておかしいし一体何が何なのかと。
昨日も書いたんだけどUSB Type-Cの規格ではUSB PD以外での昇圧は認められていない。
移行期にはQuick Charge 3.0でType-C接続というものはあったそう。
しかし、GoogleがAndroidならUSB PDを使えという指示を出したのもあり、
多くのメーカーではUSB PDへの一本化が進んでいったという。
QualcommとしてもQuick Charge 4というUSB PDと互換性のある方式を提案している。
しかし、あえてQuick Charge 4対応と銘打っているものは少ない。
もし、追加で充電器が欲しければ正攻法としてはXiaomiの充電器を買うべきで67Wと120Wのものが販売されている。
いずれも付属のケーブルと組み合わせて使うべきである。
Quick Charge 3.0とUSB PDの両対応ということなると思うが、
充電先がXiaomi以外の場合はその出力をフルに生かせないと見るべきだろう。
そもそもRedmi Padの場合は18W高速充電というスペックなので、67Wでも明らかにオーバースペックである。
よくわかんないことが多いんですけどね。
まず1つが他のスマートフォンが30W以上の高速充電に対応する中で、
Redmi Padが18W対応であるということ。
18Wが不足とは思わないけど、バッテリー容量は他より大きいのにと。
Xiaomi Pad 5については33W対応らしいが付属する充電器は18W仕様とのこと。
ちなみに中国版(小米平板5)のスペックは下記の記載だから、Xiaomiの33W充電器対応でUSB PDも何らか受け付けそう。
OUTBOX 33W 充电器,支持PD QC充电协议
(OUTBOX 33W充電器、PD・QC充電プロトコルに対応)
いずれにせよXiaomiにしては高速充電に期待していないことは読み取れる。
もう1つがやはり未だにQuick Charge 3.0を使っていると言うことだよね。
確かに18WならQuick Charge 3.0対応の充電器はまだ数が多いし、
これをType-Cに形状変換してつなぐのは規格不適合としても実害は少ない。
Xiaomiは昔からこの規格を使ってきたから、充電器側は互換性のため継続せざるを得ないのかもしれないが、
機器側までUSB PD全盛になっても未だに使い続けてるのはどうなのと。
HUAWEIは日本で新規に購入する人は少ないだろうからおいておいて……
OPPOはY!mobileでも取扱があるので確認してみたのだが、
Y!mobileとしては汎用のUSB PD充電器を使うことを推奨しているよう。
OPPOにはVOOCという独自の急速充電技術があるのだが、
日本では18Wまでは汎用的なUSB PDでよいと考えているようだ。
OPPO Find X3 Proのスペックを見るとこういう記載がある。
65W SuperVOOCフラッシュチャージ/PD(9V/2A)/QC(9V/2A)/PPS(最大30W)
独自方式のVOOCとUSB PDの併用で、USB PDだと18Wまでに制限される。
(この機種はUSB PDでもPPS対応なら30Wまでいけるらしいが)
日本ではVOOC対応の充電器を積極的に販売していないようなので、
それならUSB PDで18W給電でいいんじゃないということだと思う。
Xiaomiもそういう考えでやってくれればよかったんだがなぁ。