相鉄と他社で車両の貸し借り

昨日、東急の車両が相鉄で横浜発着便に使われてる話をちらりと書いた。

行き先見てわかるもんですか

休日は多いが、平日は1往復だけらしい。でも定期列車であるのは確か。

いずれにせよ東急の車両が相鉄を少し多めに走るようになってるのは確からしい。


その背景としてには相鉄の車両が東急以外の他社を走ったときの車両使用料の都合があるのでは? との指摘が。

直通運転を行う場合、直通運転でやってきた他社の車両は車両を借りる扱いになる。

逆に直通運転で他社に行った自社車両は他社に貸すという扱いになる。


特殊な車両の場合、一方的な貸し借りの関係になることはある。

例えば、IGRいわて銀河鉄道では花輪線のディーゼルカーはJRから借りる一方。

古くは線内を通過する寝台特急 北斗星の車両も借りる一方だった。

しかし、一般的な通勤路線ではお互いに貸し借りを相殺するのが一般的。


相鉄は東急目黒線を介して東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道・都営三田線、

東急東横線を介して東京メトロ副都心線・東武東上線と直通する。

目黒線・東横線の運行形態より、これらの路線との直通は不可避である。

しかし、相鉄線内を走れるのは相鉄と東急の車両に限られる。

すなわち東急以外の4社は相鉄に自社の車両を貸すことができないのである。

そこで、4社は東急線内を多く走り、東急はその分相鉄を多く走るという対応をしているとみられる。


というわけでちょっと計算してみた。

目黒線を走る列車を下記の3パターンで代表してみる。

  • 相鉄直通 相鉄24km~東急18km~他社28km 全体の1/5
  • 新横浜発着 東急18km~他社28km 全体の1/5
  • 日吉発着 東急12km~他社28km 全体の3/5

他社の28kmは 目黒~西高島平:目黒~浦和美園:目黒~赤羽岩淵=2:1:1で平均を出した。

白金高輪折り返し便に相鉄・東急の車両が入ることや、東急に関係ない相鉄の列車に東急の車両が入ることもあるが少ないので無視する。


相鉄直通だが 相鉄:他社=1:2 なので、相鉄が1/3、東急が2/3で分担する。

他社は相鉄直通便の走行距離分は東急を走行することで返済する。

当然、新横浜・日吉発着便の東急車の走行距離も東急を走行して返済する。

その上で、新横浜・日吉発着便の東急の分担率をpとすると、

(18×1/5+12×3/5)×(1-p) = 28×1/5 + 28×4/5×p

この方程式を解くと p=0.16 となる。この数字だけみるとずいぶん低い。

ここから目黒線全体の分担率を計算すると相鉄が7%、東急が26%、他社が67%となる。


それで実際の目黒線はどうなのかという話だが、

ダイヤを解析して運用表を公開している人がいたので、このデータを集計すると、

まず相鉄・東急直通便(新横浜駅を発着する便数)の分担率が東急64%・相鉄36%、

目黒線(目黒駅を発着する便数)の分担率は 東急24%・都営33%・メトロ24%・埼玉高速11%・相鉄7%となっていた。

けっこう近しい数字なんですよね。

直通便の相鉄の分担率が若干高い気がするが、その分東急の車両が相鉄を走っているよねと。


相鉄の直通運転はあまり考えないと相鉄から車両を借りる方に偏っていく傾向にある。

実はJRとの直通運転でもこういう問題がある。

基本的にJR・相鉄直通便は新宿駅での折り返し運転だが、

朝は新宿駅が忙しいので新宿駅を貫通して埼京線 大宮方面との直通をする。

しかし、この新宿を超える列車は基本的にJR所属車を使うのだという。

埼京線利用者の混乱防止という意味もあると思うのだが、

もしここで相鉄の車両を使うと、JR側の走行距離がだいぶ長くなってしまう。

海老名~新宿でさえ 相鉄:JR=1:2 という距離分担である。


JRの車庫スペースの都合、直通便に使われるJRの車両は大半が相鉄線内で夜を越す。

  1. 朝に埼京線を走って新宿駅を貫通して相鉄に入る
  2. 相鉄線内~新宿で何往復かする(相鉄線内で昼休みをする場合もあり)
  3. 夜を越して、朝に相鉄から新宿駅を貫通して埼京線へ向かう

相鉄の車両は1.や3.と重ならないところで使われることになる。

その上で概ね 相鉄:JR=1:2 の分担率で直通列車を担当している。

JRの車庫の都合も考えればこれぐらいがちょうどいいんだろう。


JRは極端なのだが、東急も相鉄線内で多少夜を越す車両が出ている。

一方、相鉄の車両は他社で夜を越すものはないとみられる。

かといって相鉄にとっても車庫に余裕があるわけでもなく、

あの手この手で留置線を増やして、なんとか納めているのが実情と。

自社の車両がひとたび直通列車に入ると、なかなか帰ってこない。

それに相当する分は他社の車両を使うということになる。

その中で直通列車と関係ない横浜発着便というのも一応あるということ。

行き先見てわかるもんですか

昨日は東急・相鉄新横浜線が開業した。

相鉄にとって東京直通の本命、東急直通ルートが開通したことを表す。

すでに羽沢横浜国大駅を介してJR埼京線・新宿方面への直通は実現しているが、

JRの都合もあり、本数は1時間2~3本程度とあまり使いやすいものでもない。

しかし、東急との直通ルートは1時間4~6本と格段に本数が多い。

また、新幹線乗換駅の新横浜駅に通じる点も魅力である。

新横浜駅周辺はオフィスも多く、休日を中心にレジャー需要も見込める。


そんな相鉄の発車案内を写した画像を見てびっくりしたのだが。

各停 川越 7:51

各停 川越市 7:55

特急 西高島平 8:03

川越行きと川越市行きが並ぶのだが、この2つは途中のルートがまるで違う。

というか、この表示で一体何かわかるものかね。


一番上の川越行きだが、これは 西谷→羽沢横浜国大→大崎→大宮→川越と走る列車。

基本的にJR直通便は新宿発着なのだが、朝には新宿を超えて埼京線・川越線方面と直通する。

朝は新宿駅が忙しいので折り返し運転ができないというだけですが。


次の川越市行きだが、これは西谷→新横浜→渋谷→和光市→川越市と、

東急東横線・東京メトロ副都心線・東武東上線の直通運転である。

東急との直通運転は目黒線の方がメインなのだが、

終日に渡って1時間2本程度は東横線との直通運転になっている。

これは東急と直通運転するなら一定数は渋谷方面に向かわたいという意向があったためとみられる。

ただ、問題は東横線は副都心線を介して東武東上線・西武池袋線と直通していることである。

相鉄直通列車は西武には入らないことにはなったが、東上線には入ることになった。

全体としては和光市など副都心線の駅名が多いのだが、川越市・志木など東上線の駅名もちらほらある。


一番下の西高島平は都営三田線の終着駅、西谷→新横浜→目黒→西高島平と運行する。

東急目黒線は東京メトロ南北線・都営三田線の双方と両社共用区間(目黒~白金高輪)を介して直通している。

三田線については基本的に西高島平行きとなる。まだわかりやすい方。

一方、南北線については埼玉高速鉄道の終点の浦和美園か、境界駅の赤羽岩淵か、どちらかが多い。

他ルートに比べると比較的識別しやすいが、それでも複雑である。


なお、各停・特急というのは相鉄内の種別で直通先とはまた異なる。

東急直通については東急内では急行になるのが大半のようですね。

目黒線の直通先については全列車各停なのでこれはこれで問題が無い。

一方、東横線の急行は副都心線では各停になることが多い。

Fライナーで各社最上位種別をつなぐのが基本になっている事情もある。

東横線の最上位種別は特急ですから。でも東横線で急行は抜かされないし。

JRについてはJR内は全て「各停」だが、そもそも停車駅が少ない。

羽沢~新宿の途中停車駅は武蔵小杉・西大井・大崎・恵比寿・渋谷だけ。


さて、冒頭で紹介したわかりにくい行き先表示だが、知ってる人にはわかる工夫がなされている。

実は種別を表示する色でどの系統か識別できるようになってるんですよ。

青字は目黒線方面、赤字は東横線方面、緑字はJR方面を表している。

各路線のシンボルカラーに合わせてあるんですね。

各停でも特急でも路線別の色で表示されるのは他路線ではなかなか見ないが。

一方、従来からの横浜方面は白字で、特急は橙地、快速は青地になる。

4系統の識別が不要になる、海老名・湘南台方面もこの表示である。


複数の運行系統が混ざる場合、車両で識別するという方法もありうる。

例えば、金沢駅で北陸本線の車両は青系、七尾線の車両は赤系にするなど。

現在は両路線で同型の車両を使っているが、色は区別している。

全て同じ新型車両

ただ、今回の場合、会社名すらアテにならないのが実情である。

というのも、東急の車両が横浜発着便に使われているのである。

これまではJRの車両が横浜駅に入ることは基本的にはなかったのだが、

山手線運休時の埼京線増発対応など、イレギュラーがあると入っていた。

埼京線と他社の車両が活躍

相鉄内の終着駅で折り返して同じ系統に入るとは限らないのである。

これまでJR車は意図的に外していたが、東急車については困難となったらしい。


正直なところ、本当の目的地を書く必要があるのかという疑問はある。

川越は(JR)新宿、川越市は(東急)渋谷、西高島平は(東急)目黒 とほぼ同義である。

こういう重要な経由地や路線をクローズアップする方がよいのではないか。

JR西日本だと「京都方面 長浜」とか「東西線経由 松井山手」のように、

キーとなる駅や路線がわかりやすくなるような表記を採用している。

ただ、既存の表示器ではこのような表示に対応できないとか、

接続各社でもこういう表記はなかったのはあるんだろうな。

JRに限れば、発車案内に路線名を付記する程度はあるけど。

新宿駅では「埼京線」「りんかい線」「湘南新宿ライン」「相鉄線」と表記してたりする。


というわけでなかなか難しいなと思う。

なかなか相鉄沿線に用事は無いし使いそうにはないんだけどね。

新横浜までは使うこともあるかも。東急から新横浜折り返し便もある。

目黒線の一部(主に急行)が新横浜まで延長されたらしい。

東急側では相鉄のような識別ルールがないので、目黒線と東横線は混ざっている。

発車案内では注釈で直通先の路線名や種別を表記するという対応らしい。

まぁ混在するのは新横浜・新綱島の2駅だけですからね。

無力化されたストライキ

週の頭ごろからJRAで厩務員らがストライキをするかもと話題になっていた。

栗東・美浦の両トレーニングセンターの4組合が連帯して要求していた。

なお、ストライキが実施された場合でも、馬の世話はすると言っている。

競馬開催に関わる業務に限ったストライキとのこと。


厩務員らの労働組合の交渉相手は日本調教師会と日本馬主協会連合会で、

調教師に預託料を払う馬主側とあわせた労使交渉になっていることが特徴的である。

預託料が厩舎スタッフの給与と飼料など馬の世話にかかるコストがほとんどで、

調教師にとっては馬主側との合意なく給与など変えられないという事情がある。

馬主にとってもJRAのレースを使うには、基本的に栗東・美浦の厩舎に預けるしかなく、

預託料が上がるなら他のところに馬預けるわとは言えない。

このため、発注元を交えた労使交渉が成立しているとも言える。


ただ、この交渉で労働組合の要求は受け入れられなかったものとみられる。

そうなればストライキ決行かとなったのだが、1組合がストライキから離脱。

ここで離脱したのが全国競馬労働組合、栗東における多数派組合である。

これにより栗東トレーニングセンターの業務に大きな支障は発生しないことなった。

このため調教師会は3場とも開催したいと伝え、JRAもその通り開催することに。

JRAとしても通常、厩務員が行う業務の一部を肩代わりし、

両トレーニングセンターの調教師や、非組合員で穴埋めして乗りきったという。

ストライキ起因の出走取消もあったが2頭に留まったとのこと。

かくしてストライキは無力化、残る3組合も明日は通常通り業務にあたるとのこと。


ストライキを行うと、その分の賃金は得られないこととなる。

今回の場合、競馬開催以外の業務は行うと言っているので、

賃金はほとんど通常通り発生しそうだが、明確に失うものがある。

それは賞金である。厩務員も賞金の5%を進上金として受け取るのである。

おそらく栗東の労働組合はこのデメリットを考え、離脱したのではないかと思う。

ストライキを決行することで馬主側の譲歩が期待できればよかったが、

交渉の中でそれは現実的ではないと理解し、賞金を取りにいくべきとなったのではないか。


今回の交渉での要求内容というのは、2011年からの新賃金体系の廃止だという。

この1点の要求について4組合、両トレーニングセンターの大半が連帯した。

厩務員の給与というのは勤続年数・業務内容により明確に決まっている。

このテーブルが2011年に変更され、従来より2割減の水準になったそう。

ただし、それ以前からの在籍者は従来のテーブルがそのまま適用されている。

同じ厩舎であっても働き始めた時期で給与が2割違うのだからびっくりである。


どうしてこういうことになったのか?

2011年頃は馬券売上の低迷で賞金も下がり、馬主としては預託料の引き下げを求めた。

預託料引き下げには人件費の引き下げが必須で、2つの方策がとられた。

1つは人員配置の見直しで、従来は13人が基本だった厩舎スタッフの数を12人に改めること。

もう1つがスタッフの賃金水準を下げることだったという。

ただ、どちらにもすでに働いているスタッフへの影響を考え、

人員削減は定年退職者の不補充で、賃金水準の引き下げは新規採用者からとなった。

どちらも預託料の引き下げ効果を得るには少し時間を要する内容だが、

既存スタッフに不利益変更と言われないようにこのような内容にしたとみられる。


その後、JRAの馬券売上は回復し、賞金・手当も引き上げられた。

一方で厩務員を育成する競馬学校の応募者数は減少しており、

そのような状況も背景に新賃金体系の廃止を求めたとみられる。

ただ、賞金・手当の引き上げの馬主にとっての恩恵も一律ではない。

飼料代の上昇など、馬主にとっても負担増が続いている。

馬主側からしてみれば、賃金体系見直しの効果がやっと出始めたところで、

その刈り取りをする中で、それを元に戻すのは受け入れがたい話であろう。


賞金・手当の引き上げの恩恵が一律ではないと言ったが、

例えば、ジャパンカップの1着賞金は2011年が2.5億円、2023年は5億円で2倍である。

でも、そこまで賞金が引き上げられたレースはほとんどない。

そもそもオープンクラスまで到達できる馬は限られた存在だし、

それ以前に未勝利戦を突破できるのも3割ほどだからそれどころではない。

2012年と2023年で1000万下(2勝クラス)までの一般競走の賞金・手当を比較してみた。

  • 2歳未勝利
    • 本賞金:1着500万円→550万円
    • 内国産馬奨励賞:1着70万円→80万円
    • 内国産牝馬奨励賞(牝馬限定戦以外):1着50万円→100万円
    • 特別出走手当 356000円(9着以下は331000円)→490000円
  • 3・4歳以上500万下(1勝クラス)
    • 本賞金:1着720万円→800万円
    • 内国産馬奨励賞: 対象外→1着90万円
    • 特別出走手当 371000円(9着以下は346000円)→470000円(芝1800m以上は530000円)
  • 3・4歳以上1000万下(2勝クラス)
    • 本賞金:1着970万円→1140万円
    • 内国産馬奨励賞: 対象外→1着150万円
    • 特別出走手当 371000円(9着以下は346000円)→470000円(芝1800m以上は530000円)

そこそこ上がっているのだが、注意が必要なのは賞金・手当は消費税を含んでいること。

この間に消費税率が5%→10%で上がっている。

本体価格ベースでは未勝利戦の本賞金は 476万円→500万円 である。


上記の賞金・手当について、特別出走手当は全て馬主の取り分である。

また、特別競走の付加賞は馬主の払った登録料を分配したものということで、

騎手の取り分が5%ある以外は全て馬主の取り分である。

それ以外の賞金は馬主80%・調教師10%・厩務員5%・騎手5%で分け合う。

なので賞金引き上げの恩恵を馬主が受けているならば、厩務員にも及んでいるのである。

ただ、未勝利や500万下のような下級クラスではその恩恵も限定的である。


下級クラスでもっとも大きいのが馬主に支給される特別出走手当の増加だと思う。

確かにこれは馬主にとって大きいのだが、出走機会の減少という問題もあり、

3歳未勝利戦の3アウト制、降級制度(4歳夏でクラスが下がる)の廃止など、

クラス下位の馬には苦しい制度を導入しているが、なかなか改善していない。

結局のところ、出走手当増だって恩恵を受ける馬主は限られていると。


栗東の労働組合がストライキから離脱したことも、これらと無関係ではないだろう。

さっきも書いたように賞金の一部は厩務員の取り分となっている。

俗に「東西格差」と言われているが、栗東所属馬の成績が美浦所属馬を圧倒する状況が続いている。

ここにはいろいろ複合的な要因があると言われている。

栗東に比べて美浦は輸送時間が不利な競馬場が多く、出走機会に影響するというのもある。

労働組合との関係もあると言われている。栗東の方が人員配置の柔軟性が高いのである。

これらが重なり、素質馬が栗東に集まり東西格差は固定化したと言われている。

労使が協調して賞金という実利を得てきた栗東の厩舎スタッフにとって、

ここでストライキに出るのは悪手という判断があったのではないかと。


どうして馬主を交えた労使交渉が成り立つのかというところで、

「預託料が上がるなら他のところに馬預けるわとは言えない」と書いた。

でも栗東に預けるか、美浦に預けるかというような選択肢はある。

実は栗東と美浦だと、美浦の方が預託料は高い傾向にあるという。

これは人件費の差と言われており、スタッフの人員構成の差とみられる。


このため美浦で成績が低迷する厩舎は、そもそも馬が集まらないし、

集まっても結果が期待しがたい馬ばかりとなれば、大した賞金は得られない。

近年はそのような馬はそもそも出走機会を得ること自体が難しくなっている。

だからこそ労働組合は給与の底上げを期待したのだと思うが、

賞金増の恩恵がない、すなわち結果が伴わない厩舎の声はなかなか通じないだろう。

栗東と美浦という切り口で言えば、そもそも美浦の預託料は高いのだし。

過去の経緯もあり、今でも払いすぎというのが馬主の感覚なのではないか。


というわけで、なかなか思うようにはいかないものである。

確かに同じ職場でありながら大きく異なる賃金体系の人が混在しているのは問題で、

その打開を目指してこういう策を考えたことは理解できる。

ただ、妥協案を見いだすにはあまりに難しい要求だったのではないかと思う。

部分的な結果でも得られる案を考えておくべきだったか。


というわけで、この週末は結局、ストライキの効果はなかったのだが、

今後、特に美浦の労働組合の先鋭化への懸念もあるところ。

ただ、それが厩舎スタッフにとってよい方向に働くかはよくわからない。

結局のところ、このストライキ騒動は栗東の離脱も重なり、

結果を出せないのに給料だけ要求するという印象が強まってしまった。

本当は若手の給料の底支えというところでアピールしたかったが、

なかなかそういう形では馬主に理解してもらえなかったのではないか。

その状況で強硬姿勢に出て、果たしてよい回答が得られるだろうか?


まぁこういう状況には心当たりがあるんですよね。

数年前の春闘で、所属する労働組合のある要求がほぼ聞き入れられなかったことがあり、

そのときに交渉委員がこれ以上の妥協は引き出せそうにないとのことで、

交渉委員が相当に疲弊した様子だったのが印象的である。

いくら不本意でも、これにNOを突きつけるほどの覚悟はなかったよね。

いろいろな話を総合するに、今回はそういう状況だったんじゃないかなと。

次にどうするかはわからないけど、作戦の見直しが必要なのは確かだろう。

新時代の献血ルーム、さらに新しい献血ルーム

今日は午後半休で東京に出かけていた。

3月までのスタンプカードがあったので献血に行くかということで、

いろいろ考えた結果、次の目的地に近い akiba:F献血ルームに行くことにした。

よき時間に予約も取れたし。東京都心で献血というとだいぶ久しぶり。

献血ルームに限れば2017年に同じくakiba:Fでして以来だが、

確か全血献血だったよなと履歴を見たら、確かにそうだった。


秋葉原駅電気街口を出て、南へ行くとすぐ、万世橋警察署の隣のビルにある。

akiba:Fといえば、できた当初は最新鋭の献血ルームと言われていた覚えがある。

2009年開所で、当時は駅北側にあったアキバ献血ルーム(2016年閉所)と2つの献血ルームが近接していた。

アキバ献血ルームは全血献血しかやっていなかったので、増設を選んだのでは?

現在の献血ルームとしては一般的な構成だと思うが、

秋葉原という土地柄か近未来的な作りで、今どきの献血ルームにしては白中心の目に痛い色使い。

最近は落ち着いて献血できるようにとアースカラーを多く取り入れてるところが多い印象。


平日だが献血に来る人は多くて、さすが都心の献血ルームだなと思った。

来場者が多いのか、他の献血ルームとは受付から問診までの流れが少し違って、

番号札を渡されて、その間に血圧測定・シーフテストを自分でしてねと。

シーフテストって腕を曲げて手を肩に当てて30秒してしびれたりしないか見るもので、

献血前の腕の状態確認として定着しているが、まさかセルフでやるとは。

予約の人が集中したのか検査前の待ちも長かったし……

検査の時に「成分献血だけど血小板は必要数集まったから400mL献血にする?」と言われて困惑したが、

そしたら会社での献血のスケジュールに合わないしと成分でと言うと、

じゃあ血漿ということになった。こういう風に言われたのはあまり覚えがない。


さて、ここまでは前置きで、献血を終えて休憩をしていたときに、

ルーム内にこんなポスターがあった。

2023年5月初旬、東京駅八重洲口に献血ルームがOPENします! (東京都赤十字血液センター)

八重洲だとakiba:Fと比較的近いけど、この混雑だしなと思ったが、

驚いたのは「血漿成分献血専用」という記載。思わず声を上げてしまった。

全血献血をやらずに成分献血に特化するというのはあるかもしれないが、

あえて血小板をやらずに血漿だけに特化する意味はなんだと。

あの手この手で血漿が欲しい

免疫グロブリン製剤の需要が伸びているため、その原料の血漿が欲しいと。

それを実現するために1人あたりの血小板あるいは血漿の採取量を増やしてきた。

血小板の需要には現状の体制でも対応できているわけだから、

増設するのは血漿専門でというのはあるのかもしれない。

ただ、使う装置自体は同じはずなので、血漿専門にするメリットはよくわからない。


後で調べたら、有楽町にも献血ルームがあったらしい。

こちらの方が八重洲には近いですね。だいぶ近いと思う。

このような既存の施設との共存を考えたときに血漿専門が出てきたのかも。

一応、血漿成分献血は血小板に比べると、年間の献血可能回数が多い。

血漿が年24回、血小板が年12回(血漿2回相当)、成分献血同士の間隔は2週間以上である。

このため、近隣の通勤者などに2週間に1回定期的に通ってほしいという思惑もあるのかも。

血漿しかないとわかっていれば計画を立てやすいのはあるかも。


その後、次の目的地は夜間開館日の東京国立近代美術館だったのだが、

この話はまた日を改めて。

WBCでは苦しい韓国野球

WBC東京ラウンドは日本 vs イタリアの準々決勝、日本勝利で終わった。

最終的に東京からの勝ち上がりはキューバと日本だったので、

これだけみれば手堅い結果に見えるが、意外なのが1次ラウンドでオーストラリアとイタリアが勝ち上がったこと。

しかも、さすがに1次ラウンドを勝ち上がるだけあって強いんですよね。

もっともイタリア代表は多くがアメリカでプレーする選手なんですけどね。


日本を含むプールBは日本が全勝で圧倒的な強さを見せたが、

事前の評判としては韓国が手強い相手になるのではないかと思われていた。

結果としては13-4で日本の圧勝、韓国はボロボロだったわけだが。

韓国は男子野球の世界ランキングは現在4位、1位は日本ですが。

一般的には野球の国際大会で韓国は強いはずなのに、最近2回のWBCでは1次ラウンド敗退、

そして今回も敗退ということで、何かWBCではうまくいかないらしい。


その要因というのが投手の層の薄さだと言われている。

WBCでは厳しい投球制限が設定されている。

1次ラウンドでは1試合65球まで、50球以上投げれば中4日、30球以上では中1日と。

日本チームは先発投手は3回か4回ぐらいまで投げて、第2先発に交代するという方法で対応していた。

1試合に先発投手を2人使うような対応が必要になるわけだ。

1次ラウンド連日4試合をこなすには8人ぐらいいるってことですね。


ところが韓国のKBOというのは、投手の層がかなり薄いと言われていて、

外国人選手を投手に重点的に入れていることもあり、韓国人に限ればさらに手薄。

それでも手強い投手はいるのだが、3回か4回で投球制限に達する。

また、ワンポイントリリーフ禁止ルールというのもある。

これは一度登板した投手はその回が終わるか、3人の打者を相手に投げ終わるかしないと降板できないというルールである。

このためどれだけ炎上しても3人の打者に投げるまでには待たないといけない。


そんな韓国だが、1次ラウンド最後の中国戦は22-2で5回コールド勝ちだった。

もはや野球とは思えないような得点だが、それぐらい打つチームでもある。

投手が手薄なKBOリーグとあっては、打撃は強いということらしい。

ただ、それがNPBに来てそのまま通用するかは微妙だと言うが。

中国相手ならば、普段のように打撃で勝負ってのができるんでしょうね。


WBCの投球制限の厳しさは過密日程もあるんだと思う。

選手を派遣するMLBの意向もあるのだろう。

というところで思い出したのが高校野球の話だった。

かつては1人の投手が何試合も完投するようなこともあったが、

さすがにそれは問題だということで、投球制限が導入された。

また、休養日の追加など過密日程の緩和も行われた。

投球制限は1週間で500球という緩やかな内容だが、

1人の投手だけに頼って試合を続けるのは難しい数字でもある。

その前提で投手を揃えて作戦も考えなさいということですね。


アマチュアの大会でWBCみたいな厳しい制限したら成り立たないと思うけど、

そこはプロ主体の大会であるという想定があるからね。

チェコ代表みたいにアマチュア選手だけでWBCに来たのもいるけど。

そういうのはどうしても難しいわけである。


というわけで韓国野球としてはいろいろな課題を残したWBCだったと思う。

日本と比べるとアマチュア野球の層の薄さが気になるところで、

それが最終的にKBOリーグの投手層の手薄さにつながっているのだろうと。

それでもWBCの1次ラウンドほど厳しい投球制限でなければ……というのはあるんでしょうけどね。

やはり一般に韓国というのは手強い相手なんですよね。


1次ラウンドの結果で一番残念だったのは台湾(チャイニーズタイペイ)じゃないかね。

台湾もまた野球の世界ランキングでは上位である。

台中でのプールAは全チームが2勝2敗で並ぶ混戦模様。

そうすると失点率で決まるというルールがあり、それで1位キューバ、2位イタリアの進出が決まったと。

そして最下位はなんと地元台湾だった。2勝しても最下位とは厳しい。

WBCの1次ラウンドで最下位というのは大きな意味があり、

それは次回のWBC出場権は予選を突破しない限り得られないということ。

もちろん台湾が予選突破して、次回もWBC出場できる可能性は十分あるが、

1次ラウンド突破も十分想定されていたチームがまさかの予選から出直しとは厳しい話である。


WBCの準決勝・決勝はアメリカ・フロリダ州のマイアミに舞台が移る。

東京ドームで試合を終えたら、そのままチャーター機で飛んでいくそう。

まだ、マイアミでの準々決勝の結果は出ていないのでなんとも言えないが、

どのチームも手強い相手ばかりで、厳しい戦いが想定される。

とはいえ、日本もここまで強いですからね。

義務教育にはならない中高一貫校

こんなニュースを見た。

首都圏初、英名門私立校の日本校が開校へ 英議会模した討論場も (朝日新聞デジタル)

イギリスの中高一貫校、Rugby Schoolが柏市に日本校を開校するという話。

ちょうど200年前、同校の生徒が校庭でフットボールを手に抱えて走ったことがスポーツのラグビーの由来になっている。

といういわれのある学校である。


中高一貫校ということは、中等教育学校なの?

と気になって調べてみると、日本の法制度による学校ではないらしい。

外国人学校とかと同じような扱いだね。

このため、日本国籍の生徒の受け入れは下記のようになるよう。

日本国籍の子どもが就学しても義務教育を履行したことにはならない。そのため、日本人の生徒は義務教育を終えた高校以上の学年で主に受け入れる方針だ。

(英国式の私立名門校 日本で開校続く (朝日学生新聞))

なるほどね。


小中学校については、保護者には子供に教育を受けさせる義務を負い、

一方で子供には無償で教育を受ける権利が与えられている。

この範囲は同じではないんですよね。

教育を受けさせる義務を負うのは、子供と保護者がともに日本在住・日本国籍の場合に限られる。

これに該当しないケースとしては下記が考えられる。

  1. 日本国籍の子供が外国在住
  2. 日本在住・日本国籍の子供だが保護者は外国在住
  3. 日本在住・日本国籍の子供だが保護者が全員外国人
  4. 日本在住・外国籍の子供 (保護者の住所・国籍によらず)

ただ、2~4のケースであっても、日本在住ならば義務教育を無償で受けることができる。


それとは逆にあえて授業料を払って私立学校に通わせても、

それが小学校・中学校であれば教育を受けさせる義務を履行したことになる。

中学校は中等教育学校でもよい。

ただ、制度外の学校に通わせては教育を受けさせる義務の履行にはならない。


冒頭で紹介したRugby School Japanは主なターゲットは外国人の子供である。

上記の4.に該当し、義務教育を無償で受ける権利はあるが、

自費であえて制度外の学校で通うことは自由ということになっている。

外国人学校に通うというのはそういうことですからね。それと同じだと。


一方、義務教育さえ終えてしまえば、日本の制度外の学校に入学することの不都合はだいぶ減る。

日本の大学入学資格は外国で12年の課程を終えた人にも認めている。

「外国の高等学校相当として指定した外国人学校」の修了者にも認めている。

Rugby School Japanはイギリスの学校制度で言う7~13年目の教育を担う。

おそらく高校相当であるという認定は受けることになるだろう。

このため、卒業後は高校卒業相当として扱われる可能性が高い。

進学先はイギリスを含む外国の大学という想定もあろうし、

イギリスまたは日本の制度で大学入学資格があれば問題ないだろう。


どうしてRugby School Japanは日本の学校制度によらないのかというと、

日本の法制度による学校の場合、小学校・中学校・高校では教科用図書を使うなど、

いろいろな制約があり、外国人の教育ニーズに合わないからではないか。

結果として、学校全体としては高校卒業相当で大学入学資格を認めるのに、

子供を通わせても教育を受けさせる義務を履行したことにならないという、

奇妙な気もするけど、義務教育の内容はそれだけ重いということだろう。


ただ、将来にわたって日本で暮らしていくつもりの外国人が、

日本の制度による小中学校に通う必要が無いのは本当にそれでいいの? という疑問はある。

実際には日本の小中学校に通っている外国人の子供が多いとは思うが。

日本国憲法の規定は日本国籍の人にしか適用されないという事情はあるが、

必要ならば外国人に同様の義務を課すことも可能ではある。

そのためには外国人学校も義務教育の担い手として定義することが求められるかも。

ただ、そうすると多少なりとも教育内容に制約が生じることになるだろう。

現状の日本の法制度は外国人学校の内容には立ち入らない仕組みである。


ということでそんな学校もあるんだ、という話だった。

中学卒業後からの入学でも進路によっては十分魅力的な学校かも知れませんね。

日本の学校とのギャップを埋めるための工夫は必要だろうが。

利上げで銀行がつぶれる

アメリカのシリコンバレーバンクが経営破綻というニュースがありましたが、

この破綻に至るまでのメカニズムというのがなかなか珍しいと思った。

こんな金融機関があるのかと。


破綻の原因はアメリカの急激な利上げにあるという。

この銀行は預金の多くを債券で運用していた。

一見堅実な気がするのだが、利上げにより債券価格が下がったのが問題だった。

債券は発行元がデフォルトにならなければ、満期には元本が戻ってくる。

既発の債券を売買することもあるが、そのとき債券の発行時から金利の相場が上がっていると、価格を下げて見かけ上の金利を上げて売買することになる。

このため金利が上がると債券の時価は下がることになる。

とはいえ、満期まで持ち続けていれば何の問題もない。


その上でシリコンバレーバンクは新興企業が預金者の多くを占めていた。

アメリカにも預金保険はあるが、日本と同様に限度額というのはある。

企業ですから限度額を超えた預金が多くを占めていた。

そんな中で債券価格の下落の影響が大きい銀行から自衛策として預金を引き上げる動きが集中、結果として取り付け騒ぎが発生。

これによりシリコンバレーバンクは経営破綻に至ったという。

債券価格の下落が発行元の信用力低下だったら問題だったが、

今回は全ての債券が一律に利上げの影響を受けているというものである。

アメリカ政府がすぐに預金の全額保護を発表したのも、取り付け騒ぎが問題のほとんどだからということだと思う。


日本で債券による運用が多い銀行といってまず思い浮かぶのが ゆうちょ銀行、

でも ゆうちょ銀行 は郵便貯金時代の制限や個人客が大半を占める性質から、

預金保険でほとんどがカバーされるので、取り付け騒ぎをする理由がない。

邦銀は、個人から法人まで幅広い預金者がいることに加えて、預金基盤も潤沢なため、SVBと同一視できない。

(不安心理が続けば「第3、第4の破綻も」 米銀襲う危機、この先は? (朝日新聞デジタル))

そもそも日本の金利の変動はずいぶん緩やかである。

主要各国見ても、アメリカほどの利上げをしているところはない。

この点で異常な条件が揃った銀行が破綻したということになろうと思う。


ただ、それにしても疑問が残ったのが 新興企業の「預金」が集中していたということ。

特定の貸付先に集中していたが為に経営破綻や近い状況にいたった金融機関は数知れない。

今回は預金元の集中が問題だったが、新興企業がお金を預けるというのは不思議である。

これについて調べたところ、少し前までアメリカの新興企業は資金調達が容易で、

新興企業でありながら多くの現金を持っていたわけである。

それで、すぐに使うあてのない現金は預けていて、その預け先の代表格がシリコンバレーバンクだったそう。

ただ、昨今の金利上昇から新規の資金調達が難しくなってきていて、

そのために預金を引き出して対応しようとしたという事情も前にある。

すなわち、預金の流出と債券価格の下落のダブルパンチを見抜かれ、

これにより自衛策としての取り付け騒ぎが発生したということである。


同様の性質を持った銀行は他にもあり、連鎖破綻の形相である。

ただ、アメリカでも特殊な銀行ではあり、預金の全額保護さえ保障されれば、

とりあえずの問題は避けられるとも言える。

債券も満期まで持ってれば多分大丈夫なので。

そこは安心要素かなと思うが、なかなかの珍事だなと思った。

東京BRTはどう使う

やっとこさ東京BRTの運行区間が延長されるそうで。

4/1(土)~東京BRTプレ運行(二次)開始について

だいぶ計画より遅れているが。


東京BRTは京成バスのグループ会社で、環二通りのバスを運行している。

現在は 虎ノ門ヒルズ・新橋駅~晴海BRTターミナル での運行となっている。

それが4月より、下記の2系統の組み合わせでの運行になる。

  • 新橋駅~豊洲市場前~国際展示場駅(~東京テレポート駅) : 幹線ルート
  • 虎ノ門ヒルズ~新橋駅~晴海BRTターミナル~豊洲駅~豊洲市場 : 晴海・豊洲ルート

ただし、全便がこの全区間を運行するわけではない。

なお、路線図には新橋~勝どきBRTの勝どきルートが記載されているが、

幹線ルートの区間便であり、そもそも1往復しか設定されていない。


幹線ルートが1時間2本程度、基本的には新橋~国際展示場駅での運行である。

土休日の3往復が東京テレポート駅に乗り入れる。

晴海・豊洲ルートは1時間3本程度の運行だが、

多くは虎ノ門ヒルズ~晴海BRTターミナルという現状とほぼ同じ運行区間。

時間帯により偏りが大きいのだが、1時間1本前後が豊洲市場前(豊洲駅経由)での運行となる。

朝晩を中心に豊洲駅発着というのもある。

豊洲駅~豊洲市場前を運行する意味はよくわからないんですけどね。

この両系統は新橋駅・勝どきBRT・豊洲市場前で追加運賃なしでの乗継ができ、

虎ノ門ヒルズ~国際展示場駅の移動をしたければ、勝どきBRTで次の便を待つとか、

そういうこともできるが、実用的かというと疑問である。


正直なところ、どうやって使ったもんかなという気はする。

現状の東京BRTの利用者数が少ないので、いきなり頻発できないのは仕方ないが、

そうすると、晴海通りなど走る都バスや鉄道に比べるとずいぶん見劣りする。

環二通りの築地虎ノ門トンネルを利用するなど、BRTの字の通りバスにしては速い想定で、

新橋駅~国際展示場駅は15分、新橋駅~豊洲駅は14分など。

バスが拾えれば既存の都バスより速く都心へ迎えることは確かである。

ただ、それで結ばれる都心が新橋というのがマッチするかが課題である。

またBRTは停車するバス停を絞っているから速いという側面もあり、

どうせバスならこまめに止まる都バスの方がよいという話もあると思う。

運行頻度・乗降場所を考えれば、所要時間がかさんでも十分にメリットがあると。


あと、東京テレポート駅発着はあんまり意味が無いなと思った。

というのも新橋は ゆりかもめ の発着駅でもある。

ゆりかもめ で 新橋~お台場海浜公園は13分、遠回りして青海まで乗っても20分である。

(東京テレポート駅はこの両駅の中間付近にある)

土休日3往復の新橋~東京テレポートの所要時間は26分、倍もかかる。

運賃は東京BRTの方が安いですけどね。でもそれだけでは選ばないでしょう。

途中のバス停と東京テレポート駅の需要もそうそうないでしょう。


ところで、この東京BRTには明確なターゲットがある。

それが晴海フラッグ、オリンピック・パラリンピック選手村を転用した住宅団地である。

都心と臨海地域とを結ぶ東京BRTについて (東京都)

ここに本格運行時の路線図が載っているが、選手村ルートというのがある。

これが比較的多く運行されることになるとみられる。

それはいいけど、幹線ルートも晴海フラッグに寄るんですよね。

それも割と入り組んだマルチモビリティステーションなんてところに入るよう。

そうするとだいぶタイムロスが発生するような気がする。


というわけでなかなか使い所が難しい交通機関という感じがする。

有明地区(有明テニスの森駅・国際展示場駅)と新橋ではかなり速いと思う。

東16系統・都05-2系統で東京駅・有楽町駅まで25~30分程度。

りんかい線で大井町まで11分、大崎まで15分。

現状の課題は本数だが、晴海フラッグに寄るようになると所要時間増が懸念である。

有明地区の需要が堅調なら直行便の設定もあるかもしれないけど。

ただ、直行便があっても本数が少なければ遅い方に引きずられるでしょうし。


興味はあるんですけどね。

東京駅~有明地区を都バスで移動すると30分前後かかるわけだし。

ただ、これは東京駅という乗り継ぎが便利なところだから価値があり、

新橋となれば乗換の手間が増える以上に明確にメリットがないと選びにくい。

速いならいいじゃないかという話はあるが、本数を考えると微妙なところである。

家と直接だと新橋経由はよっぽどじゃないと割に合わないが、

前後の用事によっては新橋経由は便利かもしれないので一考に値するか。


本数が多ければそれだけで価値はあるんだけど。

というのも最近は晴海通りの都05-2系統の混雑がひどいんですよね。

便数がやや少なく、有明アリーナなどのレジャー客が乗り込んでくるとひどい混雑になると。

バス停の場所が限られても、新橋発着でも本数が多ければ頼りになるんじゃないかと思う。

イベント合わせで機動的に増発とかしてくれてもいいんだけど……

特に有明方面はあえて新橋に来ないと使えないので増発しても使われないのでは困る。

車両・乗務員のリソースの問題もあるから現実には難しいのかな。

日常的な台所掃除用洗剤

先日、マツモトキヨシで買い物してたとき、洗剤類の売場でこんなのを発見した。

キッチンマジックリン 泡ジェット (花王)

不思議な形をしたスプレー、台所周りの日常的な掃除に使えるらしい。

そのスプレーの形状もあるのか本体は高めの印象でちょっと迷ったのだが、物は試しと買ってみた。


この不思議な形のスプレーは掃除するところにまんべんなく散らすためにある。

慣れるまでは戸惑うが、確かに使いやすいと思う。

これでコンロ・シンクなどに振りかけて、拭き取れば掃除になるという。

日常的な掃除を想定していると言うが、案外よく汚れは落ちると思った。

バリアコートと書いてあるが、防汚機能も備えているという。


「キッチンマジックリン」というと一般にイメージするのは緑色のスプレーだと思うが、

これは汚れを強力に浮かせるという性質から肌荒れの懸念がある。

また、洗剤を落とすには何度も水拭きしないといけないので使用後が大変。

頼りになるが、日常的に使うには適しないというのは一般的な考えである。

それに対してこの泡ジェットは「素手で使える」「二度拭き不要」とある。

1回拭き取るだけで汚れが取れて、洗剤も残らないのはよいと思う。

台所周りの掃除のかなりがこれでカバーできるのではないかと思う。


二度拭き不要といえば「マイペット」というこれも花王の洗剤だが、

こちらは家具・床用の洗剤で、食卓の机の掃除によく使っている。

あまりパッとしない商品だが、実際のところはかなり使いやすいと思う。

キッチンマジックリン 泡ジェット はその名前の通り、台所周りしか想定しておらず、

家具・床は対象外と明確に書かれているのでそこは違うんだなと。

(キッチン家電の外装ついては適応範囲になっているが)


そんなわけで気に入ったので詰め替え用も購入した。

2回分ぐらい入って本体と同じぐらいの値段だったはず。スプレーが高いんだろうな。

どれぐらい消費するのかなぁというのは気になるところだが。

バスマジックリンは風呂場に振りかけて洗い流すだけである程度の掃除になるが、

いかんせん風呂場は広いので、消費量が多いのは気になっている。

特に引っ越してから風呂場が広くなりましたから。

ただ、やっぱり楽ですからね。

消費量が多いなら4回分ぐらいある巨大な詰め替え用を買えばよいのだし。


花王もいろいろ研究してるんだと思いますね。

確かにこの用途で使うにはいい洗剤がないというのは、買ってみると思う。

マイペット振りかけて拭き取ってもそこそこいけたとは思うけど。

シンクはスポンジで洗剤付けて擦ってたような気がする。

引っ越して台所周りもだいぶ掃除しやすくなりましたからね。

そこにマッチするいい商品が出てきたのはありがたいですね。

豊洲の防災イベントでコラボ

今日は東京の豊洲に出かけていた。というのも……

【ミリオン】3月11日、12日開催の「豊洲ぼうさいFestiv@l 2023」でミリオンスターズ39人がコラボ!39人分ののぼり掲出も♪ (アイドルマスターポータル)

なんと地域の防災イベントとアイドルマスターミリオンライブがコラボという。

一体どういうことなのかというのは後ほど書くとして、

今週末はこれといってやることもなかったので、散歩がてら行ってきた。


豊洲だと有楽町線で行くが、ルートを調べると丸の内線から銀座~銀座一丁目を徒歩で乗り換えるとよいという。

この乗換ルートは2020年から追加されたものである。

地上に出ての乗り換えになるが、他路線と交差しても駅がないことがしばしばある有楽町線にとっては効果は大きい。

もっとも丸の内線と有楽町線は赤坂見附・永田町でも接続している。

ただ、半蔵門線のホームを介しての乗換で大変なので、銀座・銀座一丁目の方がいいよと出てきたらしい。

新しい乗換ルートなので案内表示の少なさが気になったが、指定の出口間を真っ直ぐ歩くだけである。


さて、豊洲駅に到着して豊洲公園に歩いていく。

豊洲シビックセンターと消防署と並んでいるところで、半旗で国旗が掲揚されていて、

そういえば、今日は3月11日、東日本大震災の日である。

そもそもこのイベント自体がそれに合わせたものなので当然なのだが……

調べてみると東京都でも死者8名とのことである。

もちろん宮城県・岩手県を中心に津波での死者・行方不明者は言うに及ばず。


豊洲公園に入り、運河が見えてくると、なんか見覚えのある景色が。

実はアイドルマスターミリオンライブの舞台である765プロライブ劇場(シアター)、

豊洲公園付近が場所のモチーフになっていて、周辺の景色とほとんど重なる。

実際にシアターにある場所は、がすてなーに ガスの科学館 があるあたり。

そのような縁がある土地で、ミリオンライブのTVアニメ放送も控えており、

そのようなことで実現したコラボレーションだと言われている。


一目見てわかるのがアイドルが描かれた のぼり が立っていること。

あまりに多くてびっくりした。

それを除けばステージイベントなどは地域の防災イベントそのものだが……

各ブースで体験・購入などするとアイドルが描かれたカードが配られている。

裏面には災害時の備えになる情報が書かれている。

救命処置の体験コーナーとかは体験時間もあってか、カード目当てもあってか列が伸びていた。

わりとコラボ目当てで来ている人は多いんだろうけど、

防災というネタゆえにそれなりに真面目に学んでいる人が多いのかなと。


防災といっても、備えるべき災害は地震だけでなく、風水害もありますし、

自然災害以外でも急病人・けが人の発生に備えるのは防災であろう。

とはいえやはり地震はいつ遭遇するかわからないという点で特異で、

エレベータに災害時に使えるトイレ・飲料水・寒暖対策を備えるとかね。

あと運搬用の自転車が展示されていて、話を聞くと飲料水の輸送に役立つと。

地震では広域で断水が発生する可能性があり、給水車の台数や道路状況を考えれば飲料水の確保に窮する地域が多く発生しうる。

そんな中で自動車より小回りの利く自転車が役立つということらしい。


豊洲公園でのイベントの他にキーワードを集めるクイズラリーがある。

多くは豊洲エリアなのだが、1つだけ そなエリア東京 で少し離れている。

一方でゴール地点は豊洲なので、こうすると往復しなければならない。

キーワードさえ書けばいいのでズルはできるけど、せっかくなので往来しよう。

キーワードは各地点に掲示されている。

掲示場所はわかりやすいのもあるが、入り組んだところにあり探すのに苦労するのもある。


豊洲公園とゆりかもめ豊洲駅の掲示を見て書いて、次に向かったのが、がすてなーに である。

この施設は導管分離に伴い 東京ガスネットワーク に移管されていたらしい。

東京ガスに限らず、東京ガスネットワークの導管を使うガス会社が支払う託送料金で運営されている施設ということになる。

ガスを含むエネルギーというのは1つのテーマである。

吸収式冷凍機の模型を実際に動かして展示していて、炎を使って冷えるという一見奇妙な仕組みもわかるようになっていた。

とはいえ、それ以外にもいくつかテーマがあり、その1つが防災である。

マイコンメーターの復帰方法を体験できるようになってたりする。


少し豊洲駅のバス停から離れてしまったこともあり、そなエリア東京には歩いていくことに。

新豊洲駅方面に歩き、木遣り橋を渡り、有明アリーナの横を通り、直進する。

すると左に都バス営業所、右に広場が見えてくる。

この右側に見えているのが東京臨海広域防災公園である。

案内図を見ると、半分が国営公園、半分が都立公園となっている。特に境界は見えないけど。


国営公園というと、ひたち海浜公園のような巨大な公園であったり、

飛鳥・平城宮跡歴史公園のような史跡の活用のための公園が基本だが、

この東京臨海広域防災公園は防災拠点としての国営公園という点で特異である。

南関東の都県レベルで対応できない災害時に使われることを想定している。

ヘリポートと現地対策本部が置かれる本部棟が主な施設である。

あとは災害時にベースキャンプとして使える広場である。

これらが一揃いになっているのは国内でも類を見ないものである。

広場は平時にはレクリエーションに使えるが、わりと殺風景である。

一方で本部棟は平時には学習施設として使われ、その名前が「そなエリア東京」である。

同じく江東区内の防災関連する施設ということで飛び地で会場になってたと。

周辺では自衛隊・消防・警察・通信会社の車両が展示されていた。

警察が救助車両を持っていたのは意外だったが。消防ではわりとあるけど。

実際、警察で東京都(警視庁)ほど充実しているのはなかなかないらしい。

消防と役割が被るので協調しての救助活動というのもあるんだけど、

警察ということで事件性のある救出活動とか、道路での救助などでの期待があるそう。


ゆりかもめ よりバスの方が安いし、帰りはバスで戻るかと思ったが、

豊洲方面の本数が多いバス停だと東京ビッグサイト? と思ったがバス停まで案外遠くて後悔。

バスも最短距離では走ってくれないしね。往路歩いたのは正解だったかも。

最後に豊洲シビックセンターでキーワードを書いて、景品と引き換えてゴール。


ところで、今回、ことあるごとにアルファ化米が配布された。

どうも大量にあるらしく、欲しければもっとあげるけどと言われるほど。

おそらくは備蓄品の放出だと思う。賞味期限が2024年なので。

本来5年期限のものを残り1年強で放出してるのだからなかなかだけど。

江東区は通勤やその他訪問者も多く、交通機関の寸断で行き場のなくなる人も多く想定されている。

そのため災害時の食料も比較的多く持っているのだと思う。

それだけに備蓄品の交換も大変なんだろう。

もらってしまったからにはちょこちょこ食べましょう。


日本は地震や風水害への備えはそれなりにあるとは思うが、

やはりそれでも対応しきれない災害というのはあるというのが、

まさに2011年の東日本大震災、とりわけ津波の被害はそれを表している。

備えあれば憂いなし と言えればよいのだけど、

想定以上の被害でアテにしていたものが使えなかったということもあるし、

逆に想定より被害が軽く、想定と異なるところで問題が発生することもある。

とはいえ典型的なケースに対応できる備えはあった方がよいのはそうで、

食料・飲料水・日用品をある程度家で持っておくだけでも違うわけですよね。

よくいわれていることではあるけど、改めて意識したのだった。