それが厚生年金基金ってことだよ

引越に伴う各種手続きで抜けがないか確認するために、

ライフステージごとの手続きをまとめたポータルサイトを見ようとしたら、

「○○厚生年金基金を覚えていますか」みたいなことが書いてあって、

なんかおかしいなと思ったら、将来設計ポータルという別のサイトだった。

というわけで出直して抜けがないことはわかったので良しと。


その一方で厚生年金基金の話を見て、関係する人にとっては面倒だと思った。

勤務先では退職金制度として確定拠出年金が運用されている。

僕は就職時からこの制度なのだが、勤続年数の長い人はそうとも限らない。

確定拠出年金の導入以前、この会社には厚生年金基金が存在していた。

厚生年金基金は確定拠出年金の導入時に解散した。

それ以前からの在勤者の多くは確定拠出年金への移管を選んだとみられる。

(企業年金を移管すると、退職所得控除の勤続年数を通算できるため)


ところが厚生年金基金には代行部分というのがあるのが問題である。

かつて企業年金の制度として多く活用されてきたのが厚生年金基金だが、

この制度は、厚生年金の一部を国に代わって運用・給付できる制度だった。

だから「厚生年金」って入ってるんですね。

基礎年金と厚生年金の物価変動分は国、厚生年金の所得比例分と企業年金部分は厚生年金基金で分担する。

それが厚生年金基金のシステムだという。

厚生年金の一部を運用することで、通常の厚生年金に上乗せした給付が可能で

企業年金と合わせて退職後の生活資金を充実できるという考えだったという。

ところが不況により運用成績が想定を下回り、不足分の補填が発生する状況に。

企業年金を他の制度に移行するなど、厚生年金基金の多くは解散している。


この解散時の処理はいくつかのパターンがあるようだが、

勤務先では代行部分を企業年金連合会に移管するという形になっている。

解散時の状況によっては代行部分を国に移管している場合もある。

この場合はかつて厚生年金基金で運用していた部分も含めて、

移管以降は国から厚生年金として支給されることとなる。

ところが企業年金連合会に移管されている場合は、

厚生年金の代行部分は企業年金連合会から支給を受けなければならない。


この移管時点ですでに年金支給が始まっていた人にとっては変わらないが、

移管時点でまだ働き続けている人にとっては面倒な話である。

というのも年金の支給開始にあたっては、企業年金連合会の手続きも必要だからである。

厚生年金の請求手続きの後、企業年金連合会に代行年金の請求を行い、

完了すると双方から年金が支給され、合計すると通常の厚生年金の金額になると。

もしも企業年金連合会の手続きを忘れると、厚生年金はかなり目減りしてしまう。


厚生年金基金の制度が続いていればあまり問題にならなかったと思われるが、

企業年金連合会という社外組織に移管されていること、

退職金制度は確定拠出年金に移行して長いことからすると忘れやすい存在だと思う。

とはいえ、さすがに定年退職者のフォローアップで説明されているはずだし、

ねんきん定期便などで厚生年金基金の加入期間を確認することができ、

加入期間がある場合は、企業年金連合会などに確認するようにという記載もある。


ただ、企業年金連合会への住所変更手続きは忘れている人も少なくないのでは?

厚生年金の住所変更は勤務先に行う。

国民年金(第1号被保険者)の住所変更は特別な手続きは不要とのこと。

これはマイナンバーにより住民票のデータを取得できるためだという。

しかし、企業年金連合会はそのどちらとも結びつかないため個別の手続きが必要だと。

もっとも企業年金連合会から受け取る年金があることを忘れなければ、

基礎年金番号で受け取るべき年金の情報は把握できるので、

常に最新の情報でなければ不利益が生じるという程でもないと思うが。


なお、厚生年金基金の解散時の扱いはいくつかのケースがあり、

複雑なものとしては、

  • 厚生年金の代行部分は国へ移管
  • 代行部分の加算部分は企業年金連合会に移管
  • 企業年金部分は別制度(確定拠出年金など)に移管

というように年金が3つに分裂しているようなケースもあるという。

このようなケースの場合、ねんきん定期便などの記載ではわからない。

なぜならば国に移管した時点で、通常の厚生年金加入期間として扱われるようになるからである。

知っていれば特に問題はないのだが、気づいていないケースもけっこうあると思う。