もうそろそろ引越に向けてPCも解線してしまうが、その前に書いておく。
特に引越とは関係ない話だけど。
先日、競輪では重勝式車券をきっかけに投票プラットフォームが多様化したと書いた。
調べたら、サイバーエージェントのWINTICKETが、後発ながら競輪のインターネット投票の1/3を占めてるみたいですね。
それだけABEMAを通じた情報提供とうまく結びついてるということなのか。
ただ、WINTICKETは重勝式はDokanto!だけなんですけど。
いろいろ調べてみるとおもしろい話が見つかる。
実は、競輪・オートレースの重勝式車券では共同開催というシステムがよく使われているのだという。
例えば、Dokanto!の場合、車券の発売元はすべて立川市ということになっている。
立川競輪以外のレースが対象になる場合は、立川市と他施行者との共同開催という名目で立川市が車券を発売するという。
もっとも利用者が立川市が発売元であることを意識することはないと思うが。
ちなみにDokanto!は主にGIII以上の格の高いレースを対象に行われる。
ランダム式なら特に格付けはどうでもいいと思うのだが……
どうしてこういうシステムが取られているのかというと、キャリーオーバーとの関係だという。
元々は各施行者ごとに重勝式車券を販売していたのだが、
特にランダム式の場合、キャリーオーバーがどれだけ貯まっているかで売上が決まる側面が強い。
施行者ごとにキャリーオーバーが分散すると、キャリーオーバーが積み上がるのに時間がかかるし、
開催が終わると、その競輪場の次の開催まで持ち越しになってしまう。
これが共同開催で車券発売元をまとめられるとキャリーオーバーを一元化でき、
キャリーオーバーを早く積み上げ、売上を伸ばせる仕組みとして考えられたと。
調べた範囲では下記の幹事施行者が各重勝式車券の発売元になっているという。
- Dokanto!7, Dokanto!4two(ともにランダム式): 立川市
- チャリロト(ランダム式), チャリロトセレクト,チャリロト5(予想式):
平塚市(グループA), 伊東市(グループB), 奈良県(グループC), 豊橋市(グループG), 松戸市(単独) - キャリーオーバー制のないチャリロト3(予想式)は各開催場の主催者
- K5(予想式) : 名古屋競輪組合
- キャリーオーバー制のないK3(予想式)は各開催場の主催者
- モトロトBIG(ランダム式), モトロトmini(予想式): 伊勢崎市
- 当たるんです(ランダム式): 山陽小野田市
チャリロトではグループ制を導入している点が特徴的である。
共同開催の仕組み上、1施行者1場の重勝式車券を売ることしかできないので、
4~5の競輪場のグループを作り、いずれかの競輪場を対象とするようにしたと。
こうすると、ほとんどの開催はチャリロトの販売対象にできて、
なおかつキャリーオーバーが来月の開催に持ち越しとかいうこともなくなる。
当たるんです はキャリーオーバーはないけど、購入申込みが1組分まとまるまで注文がプールされる仕組みなので、発売元を一元化したかったのかも。
なお、収益については共同開催を行う施行者に分配しているとのこと。
分配方式についてわかる資料はちょっと見あたらなかったな。
単純に考えればプラットフォーマーでの支払いを差し引いて、
予想対象になった開催場に分配するのが妥当そうなのだが、
ランダム式の場合は、レース内容には興味が無いわけですよね。
その時キャリーオーバーがどこまで積み上がったとかそういう問題で、
そうすると開催日割で分配するのがよいのか。よくわからんね。
戦略的に言えば、キャリーオーバーが積み上がった状態で、
7車立てなど出走者が減るレースを含むところを狙うとよいという話はある。
Dokanto!だとGIII以上が対象なのでほぼ9車立てらしいのだけど、
ガールズケイリン(7車立て)を含むFI開催だと少し当たりやすくなると。
そういう戦略があるらしい。
なお競馬については各施行者ごとにキャリーオーバーは独立である。
JRAは全国1社のため、開催場が変わっても翌週にキャリーオーバーするだけ。
しかもWIN5は1日で複数の開催場のレースが対象になる点で唯一の存在である。
WIN5は予想式で購入数も多いのでめったにキャリーオーバー出ないけど。
SPAT4のトリプル馬単(予想式)は開催場ごとに出走頭数がだいぶ違うので、
キャリーオーバーが独立してることには意味があると聞いたことがある。
この辺は競馬場の設備・在厩頭数に難易度が左右されるという点で競馬特有ですね。
制度的に可能としてもやらない方がよいということもあると。