バイクで行く都留・河口湖

今日から3日連続でバンドリのライブが河口湖ステラシアターで行われる。

検討の上、チケットも確保できたということで、3日連続で参戦することに。

宿も3連泊、最初は1泊-2泊で分かれて別のところでとったが、

ちょっと怪しい宿ではあるけど、3連泊リーズナブルな値段で取れたのでいいかと。


そして、これも夏休みの山陰行きとならんでバイク購入時からの構想があった。

この期間に河口湖周辺で滞在するのにバイクを運ぶということである。

というのも河口湖ステラシアターというのは駅からわりと離れている。

そのため車でのアクセスが便利なのだが……実は駐車場もそんなに台数はない。

(後で知ったのだが会場近辺だと200台ぐらいらしい)

ただ、さすがに自転車・バイクなら会場すぐ近くに駐車できるので好都合。

それに昼間の観光を考えてもバイクがあると便利ですからね。


というわけで高尾駅で乗り換えて大月駅まで普通電車でやってきた。

高尾からの電車は座席がしっかり埋まってたが、上野原まででだいぶ減った。

大月で下車する人を見ると外国人客が多いようだった。

富士急行線への乗換駅ですからね。普通に考えればそのまま乗り換えるところだが、

富士急は遅い割に高いという過去の経験もあり、せっかくなら寄り道しながら自走しようと。

駅前でバイクを組み立ててスタート。


具体的な寄り道ポイントとして考えたのが山梨県立リニア見学センターである。

山梨県といえば山梨リニア実験線である。中央新幹線のルートの一部になる予定である。

この実験線は2008年の延長後は上野原市~笛吹市の42.8kmにも及ぶが、

その中でトンネル外を走行する距離が比較的長いのが都留市内であり、

そこが試験拠点となっている。その隣接地に山梨県が作ったのが リニア見学センターである。

まぁそんなわけでスマートフォンをカーナビにしながら走って行くのだが、

自転車設定なのをよいことに、細くてアップダウンの激しいルートを呈示してきて困惑。

直線距離で近くても見学センターにはまだある地点で案内が終わってしまう。

見学センター付近は急勾配で10km/hぐらいでうーんと上っていく。非力である。

駐車場からはリニアの変電所がよく見える。後で書くがこれこそ中枢である。


リニアの実験ってどれぐらいの頻度でやってるのか? という話だが、

どうもJRから1週ごとに試験予定日が公表され、最近は週5日程度やっていて、この連休だと今日だけだな。

ただ、試験をするといってもどれぐらいの頻度で走るのか? これはわからない。

でも今日はかなり頻繁に走っていて、東向き・西向き合わせれば10分おきぐらいに通過していた。

少ないときは1日2往復ぐらいだったりするみたいで、このあたりは時の運である。

500km超で通り抜けるリニアモーターカーを見て、思ったより普通だなと感じる。

いや、確かに新幹線よりだいぶ速いけど、新幹線の速いやつぐらいの印象である。

日常に溶け込み始めれば早いかも知れない。


入ってすぐのところに以前使われていた試験車両が展示されていた。

2003年に581km/hの記録を叩き出した車両である。

この車両は営業運転も視野に入れた後継車両に代替され、実験線を去ったわけである。

この車両にはガスタービンが積まれていた。

というのもこのタイプのリニアモーターカーは、地上側にコイルがあるため、

走行する車両は同期モーターでは回転子にあたる磁石部分にあたり、超伝導磁石さえ維持できれば給電は不要である。

このためパンタグラフのような設備はなく、車内に発電機を置いていたのである。

さっき変電所が中枢と書いたのはコイルを制御するのが変電所のためである。

似たような特徴があるのがケーブルカーで、こちらは集電用のパンタグラフを持っていることが多い。

ただ、高速走行するリニアでパンタグラフを出して給電というわけにもいかない。

だからといって発電機はアホらしい話じゃないかとは誰もが思う話で、後に代替技術となる誘導集電が導入される。


もう1つ、当時必要だったが不要になる予定のものが液体ヘリウムである。

コイルに使える超伝導体というのは液体ヘリウムでないと冷やせないのが定説だったが、

冷凍機で直接冷凍できる高温超伝導磁石を開発、一応使えそうだという話になっている。

この比較ができるように模型が置かれていたが、確かに液体ヘリウム不要だとシンプルである。

なかなか難しいところはあるのだが、これが実現できればリニアは相当扱いやすくなる。


この施設は山梨県の施設だが、そこには山梨県のリニア中央新幹線への強い期待がある。

駅が出来るのは甲府市内なので都留からはだいぶ離れているが、

甲府市内~東京(品川)が25分程度というのは革命的なことである。

当然、名古屋までも近くなるし、将来的には大阪にも近くなる。

そういう夢をいろいろ描いている展示もあるが、果たして開通するのはいつになることやら。

長年の研究開発もあり技術的な成熟度はそれなりに高まっている。

ただ、実際に線路を引くというのは大変なことで各地で難航している。

リニアは速いが、輸送力という面では新幹線に劣るのはほぼ間違いない。

そのためリニア開通しても結局新幹線だと言われるだろうし……なかなか難しいですよね。


都留から吉田まで走って行くが、だらだら上り坂が続き、電池消耗も激しいよう。

21kmで電池切れと相成った。うーん、宿に着くまでに電池切れですか。

丹波山村まで走ったときは25kmぐらい持ったが、今日は荷物を背負って重いことも理由かもしれない。

もともと宿で電池交換の予定だったので少し早まっただけだが……

標高も上がって、空も雲って少し肌寒くなってきた。


吉田市街にある宿にチェックインして、荷物を置いて、交換した電池パックを充電器にぶち込んで、

再びバイクで発進して河口湖ステラシアターへ向かう。

途中、路側帯を歩く人がいて、いかにもバンドリっぽい出で立ちだったのだが、

後で知ったのだが、これは富士急ハイランドの駐車場に停めてステラシアターに向かっていた人らしい。

先ほど書いたように会場の規模の割に駐車場が少ないのである。

高速道路のIC付近の道路でこんな道路、自転車みたいな車が走るのも変な気がするが、

そこを歩行者がぞろぞろ歩いているのだからなかなか怖い。全体としては歩道があるところが多いけどね。


河口湖ステラシアターの詳細についてはまた改めて。

ただ、これだけは書いておこうと思うのだが、今日ライブをしたMorfonicaにとって、

河口湖ステラシアターというのは最初に公開されたMVを撮影したところである。

【MV】Morfonica「Daylight -デイライト- 」【公式】 (YouTube)

バンドリにとって河口湖周辺といえば富士急ハイランドコニファーフォレストでおなじみだが、

今回の会場である河口湖ステラシアターでイベントをするのは初めて、でもこういう縁があったのだ。

このMVのことは意識していて、アンコールの最後にこの衣装でこの曲を披露している。

もうMorfonicaも4年半、実際の結成からすれば5年は経ってるだろう。

パフォーマンスの面で見ても相当な成長があることは違いない。

全部持ち歌で単独ライブができるようになったのか……ってそれはだいぶ間が開いたからだけど。

最後にMorfonicaの単独に行ったのって2022年4月のResonanceのときだもんな。さすがにね。

ポストにエンボスレスのクレジットカード

少し前にファミマTカードの更新カードが届いた。

ファミマTカードは今はFamiPayチャージに使うこともあるという程度で、

引き出しの中に保管しているクレジットカードの1つである。

先月下旬にFamiPayのクレジットカード設定が吹き飛んでいた(端末変更すると消える仕様らしい)ので、

久々に引き出しからカードを出して番号入力したのだが、その更新カードである。


確か1ヶ月前に予告があって、更新カードは普通郵便で送るとはがきが届いた。

最近はそういうカード会社も出ているとは聞いていたが、ポケットカードがそうだったのか。

おそらく、これが返送されてきたら送らないのだろうけど。

それで今月になって封書でポストに投函されていたわけである。

これといった話はなくて、普通にカードが入っているわけだが。

特に有効化などの処理はないようだ。


日本の郵便事情はいいので、これでも特に問題ないですよね。

懸念は表札を見ずに投函してしまうことぐらいかも。

今のアパートではないけど、昔の社宅では昔の住人の保険料控除の書類が届いたりというのがあった。

書留にしても確認せずに配達してしまえば同じことではあるし、

持ち戻りになれば、窓口で本人確認の上、引き渡すというフローも発生する。

そういう部分も含めて、郵便局に期待している部分は多々あるのは確かであるが、

一応は書留でなくてもこのあたりの事情は変わらないというところである。

ポストに投函したのが盗難される可能性が生じるかもしれないが、これもそう簡単には狙えないだろう。


受け取ったカードを見て驚いたのはエンボスレスだということである。

エンボスレスのクレジットカードと言えばビューカードが歴史的にも古い。

これはSuica一体型のカードでは凹凸が許容できなかったのが理由である。

インタプリタを使う加盟店は2003年の発行開始時点でも日本国内では限定的で、

VISAなのに国内限定という時代が少しあって、”ELECTRONIC USE ONLY”と書かれて外国でも使えるようになった。

国際ブランドのデビットカードもエンボスレスで作られている。

これはインタプリタを使わせないため。デビットカードは残高から即時引落なので、

インタプリタでカード情報を写して伝票を送付というフローだと対応できないためである。

(もっとも金額により電話での与信が必要など取り決めがあり、エンボスがあっても使いにくいのが実情だが)


今回のファミマTカードはそのような理由は特にないと思われる。

ただ、よくよく考えて見ると最近はカード番号が裏面記載、あるいはナンバーレスのカードが増えている。

ファミマTカードは従来通りの表面に番号を書くデザインでエンボスレスだから、

ビューカードとデビットカードのような特別な事情があるところで見ることが多かった形式ではある。


タッチ決済対応に合わせてエンボスレスにしたのかな? と思ったのだけど、

調べてみるとタッチ決済のマークはないけどエンボスレスというタイプもあり、直接的な関係はないようだ。

ファミリーマートはタッチ決済なので、その点でも便利ではあるが、

今どきはFamiPay1つでポイントカード・クーポン・決済手段を兼ねられるわけで、

ファミマTカードを直接ファミリーマートで使う必要はないと思う。

チャージとか管理するのが面倒というのはあるかもしれないけど、

そもそもFamiPay翌月払いならファミマTカード自体が不要になっちゃいますからね。

冒頭に書いた「FamiPayチャージに使うこと『も』ある」と書いたのはこのことで、

FamiPay翌月払いを使えば、ファミマTカードを使わないのである。

ただ、FamiPay翌月払いの限度額は比較的低いので、まとまった金額を使う時はファミマTカードからチャージするようにしてる。

いや、限度額が低いといっても10万円なら絶対収まりますけどね。

ヨーク・ホールディングスの行く道

セブン&アイ・ホールディングスがコンビニ・金融以外の統括部門を分社化し、

ヨーク・ホールディングスを設立するということが発表された。

設立時点ではヨーク・ホールディングスはセブン&アイ・ホールディングス(社名変更予定)の子会社だから、

その子会社であるイトーヨーカドーやロフトなども7&iの子会社であることに代わりは無い。

ただ、将来的な株式売却を視野に入れた分社化だとされている。

なお、金融部門の統括会社であるセブン銀行はそれ自体が上場会社だが、子会社ではある。

これも持株比率を下げて連結から外すという案があるようだ。


それもこれもコンビニ事業の収益がよいがゆえ、

株主からはことあるごとに他の事業の切り離しを求められてきたことがある。

近年まではいろいろ理由を付けて抗ってきたけれど、

最近はどうにも厳しいようで、非コンビニ事業の切り離しが具体化してきたようだ。

それがヨーク・ホールディングスですか。


コンビニ事業と非コンビニ(主にスーパー)が別の道を行くことは必ずしも悪いことではないと思う。

それが功を奏したのがユニー・ファミリーマートではないかと思う。

ファミリーマートとサークルKサンクスの統合を意図して、

ファミリーマートとユニー(サークルKサンクスの親会社)が経営統合したが、

スーパー事業はパン・パシフィックインターナショナルホールディングス(PPIH)に譲渡された。

一見すると厄介払いという感じもあるが、実はPPIHのGMS事業への熱意は強く、

アピタ・ピアゴは衣食住の住関係の商品を充実させて手応えを感じているところである。

一方のコンビニ事業は伊藤忠商事にとって重要な事業ということで、子会社化、最終的に非公開化している。

金融事業や広告事業など裾野が広いということで重視しているようだ。


ただ、イトーヨーカドーにとってみれば遅すぎたというのが実情だと思う。

まず、衣料品売場については撤退に向けて縮小を続けてきた。

西友とか他のGMSも食品スーパーに特化する流れはあるので、

イトーヨーカドーだけの話ではないのだが、非食品へのやる気のなさが結実した結果である。

展開している地域としても北海道・東北・信越からは撤退してしまった。

ほぼ関東圏である。(わずかながら関西圏などにも店舗はあるが)

さらに関東圏の店舗も続々と閉鎖している状況である。


これらの動きも分社化と無関係ではないとみられる。

非コンビニだけでも利益が出る会社にしないと、分社化どころではないと。

だから事業規模を縮小してでも利益が出る形にしたいのだと思う。

ただ、ここまで縮小してしまうと、スーパー事業の再生というのは見えにくくなる。

正直、もっと早く熱意ある会社に譲渡しておくべきだったのでは? とも思う。

そういう話に乗ってくれる会社があったかはわからないけど。


いろいろ対照的なのがイオンですよね。

イオンは多岐にわたる事業を傘下に抱えているが、

それぞれ歴史ある会社であることも多く、上場子会社が非常に多い。

歴史的にも不動産事業(イオンモール)と金融事業が稼ぎ頭である一方で、

本業のスーパー事業の利益はイマイチ……だけどスーパーあっての不動産事業・金融事業なのは明らかで、

それがゆえにGMS事業の収益改善に心血を注いできたわけである。

正直なところ、イオンは利益率があまりよくない会社だと言われている。

儲かる子会社は上場会社であることも多く、少数株主が利益を持って行ってしまうという事情もある。

株式市場での評価はイマイチなのだが、過度な圧力に晒されないメリットはあるように思う。

そうやってじっくり取り組んで、地域の買い物を支えてきたわけである。

赤字続きではサスティナブルではないが、ちゃんと利益は出ていますからね。


7&iはどうしてこうならなかったんだろうとどうしても考えてしまうけど、

やはりコンビニ事業の利益率の高さですよね。

スーパーで多少赤字を出したところで会社全体としては全然問題ない。

でも、株主からはいろいろ言われてしまう。

スーパーや百貨店などに投資をした時代もあったんですよね。結果としてあまり実らなかったけど。

なんかもっといい方法があったんじゃないかと分社化構想を見て考えてしまう。

無駄なレジスタ退避が付いてくる

昨日、マイコンのプログラムを3つのプロジェクトに分けてビルドするようにしたという話を書いた。

詳しい事情は書かなかったのだが、背景の1つには割り込みハンドラがある。


割り込みハンドラではレジスタの退避を適切に行う必要があり、

最初はこの退避処理をアセンブラで記述していた。

全ての割り込み要因に対して共通の割り込みハンドラを用意して、

アセンブラで退避処理をした後に、要因ごとの処理に分岐して、

処理が終わったらアセンブラに戻ってきて復帰処理をするという流れである。


で、実はこれを作っているときに __interrupt とか付けて関数を記述すると

コンパイラがレジスタの退避処理などを含めたコードを生成するのでは?

という教えてもらって、コンパイラのマニュアルを見たら、確かにあった。

それで生成された機械語を確認してみたのだが、どうも思ったのと違って、

要因ごとの分岐処理も必要だし、従来通りアセンブラで退避処理を書く方法で行くかと一旦は考えた。


その後、割り込みハンドラについて、いろいろ見直しが入って、

ベクタテーブルを使って割り込みハンドラを振り分ける方がよさそうだとなった。

命令が並んだベクタテーブル

従来は1つの割り込みハンドラにアセンブラで退避処理を書けばよかったが、

要因ごとに割り込みハンドラを作ると、それぞれに退避処理が必要になる。

アセンブラのマクロで同じ処理を何回も書かせてもよいのだが、

そういえば関数に __interrupt  を付けたらコンパイラが生成してくれるんだよなと思い出して、

適用してみたら、振り分け処理がない前提ならそう悪くない気がしたのだが、

浮動小数点レジスタの退避が必ず入る点がうーん……となった。


特に浮動小数点演算とは関係ない処理なので浮動小数点レジスタの退避はいらないのだが、

コンパイラとしては割り込み元で浮動小数点演算をしている中で、

浮動小数点演算を行う割り込みハンドラが入る可能性があると考えてしまうようだ。

浮動小数点レジスタの退避・復帰というのは比較的大きな処理なので、

退避・復帰を省略したり後回しにするという手段がしばしば使われる。

ただ、OSレスだとこういう効率的な手法はやりにくいのかもしれない。


浮動小数点レジスタの退避をなくすだけならば、FPU無効の構成でビルドすればよいのだが、

そうすると別の問題が発生してしまうので、これもNGだった。

その問題を回避する手段として、プロジェクトを分割して、

FPU有効のプロジェクトと、FPU無効のプロジェクトに分けることにしたと。

だいたいそんな感じですね。実際はもっと複雑な事情があるのだけど。


結果として、アセンブラでのレジスタ退避を手で書くところはなくなった。

ただ、全ての割り込みハンドラを __interrupt を付けた関数にしたわけでなく、

特殊な事情があり割り込みハンドラの入口をアセンブラで書いてあるものがある。

ただ、その割り込みハンドラは元に戻れなくてよいというものなので、レジスタ退避そのものが不要である。

最初は元に戻れなくてよい割り込みもレジスタ退避を行っていたのだが、

よく考えたらいらないねというところから見直しが進んでいった事情がある。

いろいろ普通ではない事情が重なって現在に至るという感じはある。

複数プロジェクトを連続ビルドする

もうだいぶ前の話になるのだが、現在、開発中のプログラムで、

RAM展開するプログラムのコードをROM化して格納する設定を行ったが、

どうにも思ったような生成物が作れずにコンパイラのメーカーとやりとりしていたことがあった。

わりと難航して行き着いた先が2つのプロジェクトに分けるという方法だった。


だいたいこんな感じですね。

  1. RAMコード用のプロジェクトでビルド
  2. RAMデータのbinファイルを出力する
  3. ローダーのプロジェクトで2.のbinデータをセクションに配置させる
  4. ROM上で動くローダーのコードをビルド
  5. ROMデータをIntel Hex形式で出力

といったフローである。

これで2つのプロジェクトを連続して実行すればよくて、

それはバッチビルドで2つのプロジェクトを指定した順序で実行するようにすればOKと。


で、最近いろいろ手を加えていたら、RAMコードのプロジェクトを2分割することになった。

このマイコンのかなり特有の事情によるものなので詳細は書かないが、

特定部分のコードを生成したら一旦binファイルに出力して、

同じアドレスで別プロジェクトに貼り付ける方法がよいだろうと。

結果として3つのプロジェクトを連続してビルドすることとなった。


上記を見てもわかるのだが、各プロジェクトの最後にはbinファイルで出力するとか、

Intel Hex形式で出力するという処理が入っている。

このあたりの出力はビルド後に実行するコマンドの中でやっている。

出力範囲を指定したり、オフセットがあったり、単純な出力機能では対応できないことも理由である。


この出力ファイルの拡張子なのだが、あまり定まったものがないのだなと最近気づく。

というのもIntel Hex形式の拡張子について、

あるプログラムでは.hexで、あるプログラムでは.ihexで、あるプログラムでは.ihxで、

わりとバラバラでどの拡張子で出力するのか錯綜していた。

同じような話はモトローラのSフォーマット、従来よく使っていた形式で、

.mot という拡張子で見ることが多かったが、.srecとか.sとか他の拡張子も使われている。

.sってのはアセンブラ言語の拡張子で見ることが多いから、出力ファイルで使うのはどうかと思うが。

拡張子はなんでもいいんでしょうけどね。

郵便局のいろいろな送金手段

先日、ゆうちょ銀行では古い送金サービスがまだいろいろあると紹介した。

紙を使う送金手段

とはいえ、昔に比べると絞り込まれているのも事実ではある。

というわけで今はなくなった郵便振替・郵便為替サービスの話。


送り側と受取側、それぞれの手段が現金と口座の組み合わせを並べると、

(1)口座→口座、(2)現金→口座、(3)口座→現金、(4)現金→現金 の4つの組み合わせが考えられる。

(1)は一般的な口座間の銀行振込でネットバンキングで24時間365日できる。

郵便局での払込みと言えば(2)のイメージが強いと思う。

(3)は送られてきた振替払出証書を郵便局で現金に引き換えるやつ。

(4)にあたるものは為替ですね。

ゆうちょ銀行はこの全てのサービスを現在も提供しているんですね。


ただ、昔に比べるとバリエーションが減っていることは事実ではある。

まず、(1)の口座→口座の送金、ゆうちょ銀行では「振替」と呼んでいる。

現在提供されているのは電信振替と呼ばれるサービスのみである。

ゆうちょダイレクトとかATMで手続きすると即座に相手口座に入金される。

ただ、公社時代までは「通常振替」というサービスが存在していた。

手数料はなんと15円、公社時代の電信振替料金は130円だったはず。


ただ、このサービスが使えたのは振替口座同士の送金に限られる。

振替口座は送金を多く扱う団体や個人が使うもので、一般向けではない。

振替口座同士の送金はそもそもニーズに乏しく廃止されたのだった。

「郵便振替払出票」という伝票に自分と相手の口座番号を書いて押印して、

それを窓口に提出するか郵送すると、貯金事務センターで処理されて、

1週間とか経って相手に入金・通知(郵送)されるという仕組みだった。

貯金事務センターでの伝票整理で完結する仕組みなので安かったのかもしれない。


次に(2)の現金→口座、これはゆうちょ銀行では「払込」と呼んでいる。

これは廃止になったサービスはなく「通常払込み」「電信払込み」「本人払込み」と健在である。

通常払込みはよくある払込票で払うやつで、受取側は振替口座が必要である。

入金が反映されるまで数日かかる。昔は郵送でやってたが、現在は画像データのやりとりになっている。

現金→口座とは言うが、口座から出金して払込みをする方法もあり手数料が安い。

今回調べていて初めて知ったのだが、ゆうちょ通帳アプリで払込票の画像データを読み取って処理できる仕組みがあるんですね。

口座間で送金する点では電信振替と同じような結果になりそうだが、

払込票の画像データを送付できる点では昔ながらの通常払込みの特徴も兼ね備えている。


一方の電信払込みはわりとマイナーである。でも一般の人でも使うサービスだ。

通常払込みと比較すると即時に入金される特徴もあるが、受取側が総合口座でもよいという特徴もあり、

窓口から現金で総合口座への送金を行うと電信払込みになる。(ATM非対応)

最後の本人払込み、これは振替口座を持っている人しか使わない。

振替口座には通帳が無いので、一般的な方法で入金することができない。

そこで本人が指定した郵便局で「払込」を行う場合は手数料を無料にする措置があって、

それを本人払込みと呼んでいるそう。手数料無料の電信払込みという位置づけのよう。

ただ、振替口座は送金を受ける目的で使われることが圧倒的に多いので、

本人払込みってどれぐらい使われてるんだろうなという疑問はある。


次に口座→現金、これはゆうちょ銀行では「払出」と呼んでいる。

現在提供されているサービスとしては「通常現金払」「本人払出し」「小切手払」「簡易払」とある。

通常現金払ってのが振替払出証書を郵送するという方法ですね。

受けとった人は振替払出証書を郵便局に持参すると現金に引き換えられる。

そもそも振替口座が必要だが、大口向けに事前申し込みの上でしか発行されない。

ハードルは高いものの住所宛の送金手段としては貴重なものである。

簡易払は配当金領収書などを窓口に持参すると現金に引き換えられる仕組みで、

通常現金払は ゆうちょ銀行が証書を作るのに対して、簡易払は送金主が配当金領収書など作る点が異なる。


本人払出し は振替口座から本人が出金する手段である。

振替口座は通帳が無いので一般的な出金方法が取れないので、

名目上、自分宛に送金する「払出」の一種として扱われるそう。

あらかじめ指定した郵便局に金額を書いて押印した「振替払出書」を提出すると出金できて手数料無料。

予め指定した郵便局には印鑑票があるので、その場で照合できるという理屈。

この方法を即時払といい、これが一般的な使い方だとは思うのだけど、

実は振替払出書を提出して証書を送ってもらい、その証書を郵便局に持参して現金に引き換える方法(証書払)もある。

明らかに面倒な方法なのだが、証書払は指定した郵便局以外でも出金できるんですね。

印鑑の照合などは貯金事務センターでやってOKなら証書を送るからである。


実はこれに似た仕組みが「小切手払」である。

振替口座を持っていて、かつ審査を通った人は小切手帳の発行を受けることができる。

小切手に金額を書いて押印して渡すと、受けとった人は小切手払店(基本的にはゆうちょ銀行直営店)で換金できる。

印鑑の照合をして現金を渡すという点では 本人払出し(即時払) と同じことである。

それ以外の店舗(他行を含む)でも小切手を預入すると、後日入金という形で換金できる。

この場合は印鑑との照合は後日行われるという点で 本人払出し(証書払)と似ている。


そして、昔は「電信現金払」というサービスがあった。2019年まで一部継続していた。

このサービスは振替口座・総合口座から他人に送金する仕組みなのだが、

証書払・居宅払・窓口払の3タイプがあって、2019年まで残ってたのは窓口払である。

証書払は受取人の最寄りの郵便局で払出証書を発行して速達で送る方法。

遠方でも即日届くのはよいが、換金に郵便局に行く必要があるのは中途半端。

そこで最寄りの郵便局で現金にして速達で送る 居宅払 という方法があって、

それだと即時に家で現金を受け取れると。住所宛の送金として速くて手間が少ない。

最後まで残った窓口払は指定した郵便局の窓口に出頭した人が現金を受け取れる仕組みである。

本人払出し(即時払) は 同じ郵便局で本人が受け取る 電信現金払(窓口払) という言い方もできる。

だから、最後まで残ったのかもしれない。ただ、一般的な送金のイメージとはかなり違うが。


最後に現金→現金、このサービスをゆうちょ銀行では「為替」と呼んでいる。

現在提供されているのは通常為替・定額小為替の2つのサービスで、

いずれも現金と手数料を払って為替を受け取ったら、

これを相手に送って、受取人は為替を郵便局に持参すると現金に換金できると。

ただ、為替の手数料も昔に比べるとだいぶ高いので、現金書留の方が安いケースが増えている。

為替で届くよりも現金で届いた方が換金の手間がかからないのはよい。

ただ、それでも事務処理の都合か、戸籍証明書の請求などは為替(定額小為替)で手数料を送るようにと書いてあることが多い。


これも昔は「電信為替」というのが存在した。

さっきの電信現金払と同じで受取方法のバリエーションで証書払・居宅払・窓口払とあった。

窓口で現金と手数料を添えて申し込むと、証書が送られたり、現金が届いたり、

あるいは受取人が窓口に出頭すると現金が受け取れたりしたわけである。

居宅払のニーズはわからんこともないが、他はどうにも微妙である。


貯金商品のサービス見直しおよび料金の改定・新設等のお知らせ (ゆうちょ銀行)

来年5月末をもって小切手帳・通常現金払の新規利用申し込みを終了し、

継続して利用できるとしても小切手帳・通常現金払・簡易払の手数料が引き上げられる。

これは他の銀行と同じく小切手・手形の廃止の方針によるものである。

先ほど書いた、口座→現金の「払出」のうち本人払出しはともかく、

他の3つのサービスのうち小切手払・通常現金払の将来的な廃止は確実か。

簡易払は新規申込みの停止は書かれていないが、これもどうでしょうね。

普通に考えれば同様だろうが、配当金領収書は完全に代替出来ないとみているのかどうか。

実質的に払出というものがなくなる日は来るのかも知れない。

イオンのクレープ店?

今日はイオンモールに買い物に出かけていた。

食品は買うつもりだったが、他は何か買う物あるかねと見て回ってたら、

仕事用のカバンが値引きでいいのがあったので買ってしまった。

今使ってるのもだいぶくたびれていたからね。いい機会だったのでは。


それで買い物途中で一服と食品売り場に隣接したイートインスペースで、

クレープ屋があるなとクレープとコーヒーを注文した。

それで受け取ったレシートには「ディッパーダン」という屋号が書いてあるが、

下には「イオンリテール株式会社」という記載があった。

って、これイオン直営売場だったのか、でもレシートの形式も違うよな。


と、気になってディッパーダンを調べてみた。

イオンリテールのブランドかというと、そうではなく「株式会社オレンジフードコート」と書いてある。

オレンジ……というところで気づいたのだが、これ旧ダイエー系列の会社である。

OMCカードがオレンジメンバーズカードの略称だと聞いたことがあったので、

オレンジ=ダイエーかとつながったのだが、これはどうも正しいようだ。

本社所在地はダイエーの東陽町本社と同じところになっている。


詳細は不明だが、ディッパーダンは直営店だけでなくフランチャイズもあり、

イオンリテールはフランチャイジーとしてディッパーダンを経営している可能性がある。

実際のところ、フロアマップ上でもイオン直営売場の色で塗られ、

周りはベーカリー、弁当などが並ぶところでイートイン機能も備えている。

その中でクレープをその場で焼く店があるという形である。

ただ、レジのシステムは他の売場とは異なるようだし、いろいろ不思議なところはあるけど。


しかしそんなところに旧ダイエー系列の会社があったとはね。

ディッパーダン自体はイオングループに限らずいろんなところに展開していて、

特にダイエーという感じは薄いように思うが、古いのはダイエー店内の店なのだろう。

歴史的にはドムドムを経営していたり、他のファストフードもあったが、

ドムドムは2017年に譲渡、現在はクレープを中心したスイーツに特化している。

いろいろあるんだなという感じはするな。

紙を使う送金手段

銀行での送金手段と言われれば、そりゃ銀行振込だろと思うわけだが、

実はいろいろあって、小切手もその1つではある。

当座預金を持っている人が小切手を発行して、小切手を送付した上で、

受け取った人は小切手を取引先の銀行に預けたり、支払地の銀行に提出して現金化できる。

これも送金手段ですよね。


決済統計年報を見てみると件数が極端に少ない項目がいくつかある。

「送金」「代金取立」である。

「送金」というのは送金小切手を発行する送金方式で、公金のみで使用されていた。

ただ、それも今年に廃止されたようですね。

送金小切手が一般的な小切手と違うのは、遠方の指定された店舗ですぐ現金化できることで、

この目的のため地方税の還付金で使われることがしばしばあったらしい。

(銀行口座を指定して振り込んでもらう方法が第一選択とは思うが)

「代金取立」は手形交換所を介さずに小切手・手形の取立を行った場合に発生する取引で、

元々そんなに多くはないが、それでも2021年度は330万件あった。

ところが、2023年度には2.7万件まで激減している。

理由は2022年に電子交換所の運用が始まり、全国の金融機関の小切手・手形が手形交換所を介して行われるようになったため。


極端に少ないとまで言えないが少ないのが「文書為替・メール振込」で2023年度で271万件である。

銀行振込には電信扱いと文書扱いというのがあり、現在はほぼ電信扱である。

文書扱いは振込用紙自体を送付するもので電信扱いより時間がかかる。

昔は電信扱いの方が早いというので手数料が高い場合もあったのだが、

現在は郵送が発生するという理由で文書扱いの方が高額であることが多い。

(専用の振込用紙を使う場合でも「電信扱」と記載され、振込用紙そのものは送付しない方が一般的なようだ)


ちなみに電子交換所で2023年度に取り扱った小切手は1171万枚、手形1123万枚、その他(配当金領収書など)714万件となっている。

なんやかんやいってけっこう件数あるんだなと思う。

振込(給与振込は別勘定)が16億件とかいうのに比べれば少ないけど。


ただ、これらの仕組みがまだわりと残っている金融機関が1つある。

それがゆうちょ銀行である。

為替や振替払出証書というのは送金小切手そのものである。

ゆうちょ銀行のシステム上の情報と照合して窓口ですぐに現金化できる。

口座振込が使えない場合の還付金の支払手段として振替払出証書を使っているところもあるようだ。

文書扱いの振込だが、これは通常払込みがそうである。

通信欄に記載すると、その内容が受取人に確認出来るのは文書扱いそのもの。

実際には窓口でデータ化されて伝達されているのだが。

これらはゆうちょ銀行の中で閉じる話なので特に問題ないのだろう。


さっきちらっと出てきた配当金領収書も基本的にはゆうちょ銀行扱いだよね。

ゆうちょ銀行の為替・払出証書・配当金領収書を他行に持参して、

それを預けると、手形交換所を介して交換されるそうで、それの件数かな。

事務処理の一元化という点では効果があるかもしれないが、あまり効率はよくない。

郵便局自体は全国にあるわけだから、この方法も封じられる日がくるのかも。


昔は公金の支払いは窓口でしかできないことが多かったけど、

そもそも口座振替が推奨されているとか、払込用紙がPay-easy対応したとか、

コンビニ支払いができるとか、最近はeL-QRでスマートフォンで決済できたり。

ほとんどの送金が電子化されているのが実情ではあるわな。


送金小切手が廃止されたことは初めて知ったが、民間企業や個人はとうに使えなくなっていたサービスで、

銀行口座が確認出来ず住所宛に送金せざるを得ない役所特有のサービスだった。

それももうなくなってしまったわけだが。

銀行によっては送金通知書を送り、換金する手段を提供していることはあるけど。

(国税の還付金を指定した郵便局で受け取れる方法は送金通知書である)

だから実態はそんなに変わってなかったりするんですけどね。

とっくに名金線ではない

こんなニュースを発見した。

乗降客半減で金沢市内の路線バスが廃止…かつて金沢・名古屋を結んだ名金線も運行体系見直し (Yahoo!ニュース)

西日本JRバスは金沢周辺で一般路線バスを運行している。

昔から名金線とその支線の運行を行っていたことに由来するのだが、

その名金線の森本駅~不動寺間が廃止、現在の名金線の運行区間で残るのは金沢駅~香林坊~森本駅だけとなるが、

「名称の変更も含めて、運行体系の見直しを検討したい」と書かれている。


名金線というのは名古屋と金沢を結ぶ路線ということで命名された。

ルートは 名古屋~岐阜~郡上八幡~美濃白鳥~ひるがの高原~荻町~城端~福光~金沢というルートだった。

現在は一宮~福光では東海北陸自動車道が通っているルートである。

当時は高速道路もなかった時代、ひたすら一般道を走っていた。

なお、ひるがの高原~荻町(白川郷)のルートは高速道路とは大きく異なり、

これは東海北陸道は高山方面への接続を意図して飛騨清見ICを経由するのに対し、

名金線のバスルートは国道156号線経由のルートで直行している。他にもいろいろ差異はありますけどね。


名金線が1本につながったのは1966年とのこと。当時は長距離バスもいろいろあったと。

ただ、1979年には福光~白川郷の国鉄バスによる運行が廃止されて分断。

(城端~白川郷の間は加越能バスが世界遺産バスとして現在も運行している)

岐阜県側については2002年までJR東海バスにより運行されていたが廃止。

一部は岐阜バスなどの路線として残っているが、ひるがの高原~白川郷のように途切れた区間もある。

高速バスとしては名古屋~白川郷とかありますけどね。


一方の金沢側だが、金沢~福光でのJRバスの運行は2022年で廃止となっている。

背景には2015年に加越能バスが南砺金沢線の運行を開始したことにある。

金沢~南砺市の間のショートカットルートとしての意味合いのあるバスで、

JRバスとはルートの違いもあり、所要時間がだいぶ短いらしい。

福光~金沢間では、北陸新幹線の開業に合わせて加越能バスの南砺金沢線が開業しました。JRバス名金線は国道359号を経由するのに対して、こちらは県道金沢井波線を走り、JRバスで73分だった福光駅~金沢駅間を55分に短縮。

(元・日本最長の路線バス「名金線」最後の県境越え区間が消滅 10時間かかった路線の今 (乗りものニュース))

名金線は金沢~南砺市の都市間移動には有益とは言えない路線になってしまい、

結果として石川県側の一部のみを残したわけだが、あまり効果的とは言えなかったのだろう。


もっとも西日本JRバスの金沢周辺の路線をやめるという話ではないと思われる。

名金線の本線はほぼなくなったわけだが、支線はいろいろある。

特に知られているのが ひがし茶屋街ライナー(金沢駅→香林坊→東山→金沢駅)である。

名金線の香林坊経由のメインルートと、尾張町経由のショートカットルートをくっつけて、

観光客の利用が多く見込まれる区間を集中的に走るルートである。

北陸鉄道バスは基本的にICaという専用のICカードか現金でしか利用できないが、

JRバスはPiTaPa(相互利用でICOCA他も利用可)を導入しているため観光客にも利用しやすい。


実はこういう話は京都でもあって、それが高雄京北線である。

こちらはもともと京都駅と鶴ヶ岡(南丹市美山町)を結んでいた京鶴線に由来する。

鶴ヶ岡から先、小浜までつないで京都~小浜を結んでいた時代もある。

そのような鉄道路線の構想があったから国鉄バスが走らせていたと。

これは結局実現しなかったと思われているが、実は北陸新幹線の京都~小浜のルートはほぼこれである。

それはさておき、この路線も1994年に美山町から撤退している。

京北町内の支線は町営バス(当時: 京都市合併後の現在は京北ふれあいバス)に移管、

JRバスは京都駅~周山の幹線の運行を行い、路線名は高雄京北線となった。

京都市バスの1日乗車券・ICOCA定期券でも利用できるということで、

高雄などへの観光客の利用、立命館大学への通学利用というのが目立つ路線である。

当初の目的はほとんど失ったがJRバスの路線として存続している一例である。


かつての国鉄バスの長距離バスが本来の目的で残っているところはほとんどないな。

高速バスになって現在も存続しているというならよい方だが、それすら案外ないものである。

若江線(近江今津駅~小浜駅)みたいな忠実に残っている例もあるにはあるし、

防長線(防府駅~東萩駅)が新山口駅発着に付け替えられた スーパーはぎ号 は萩へのメインルートである。

(防長線自体は現在も存続しているが、山口市内で系統が分かれて直通していない)

事業規模が小さな営業所は地域のバス会社に移管して閉鎖されることも多い中、

本来の意義を失ってもJRバスが残れるというのは、それなりの事業規模があるからこそである。

小切手を使わないから払戻請求書が必要

南都銀行本店が来年2月に移転するというニュースを見た。

現本店近くの近鉄奈良駅前出張所は昨年10月に開業済で、

新しい本店のすぐ近くにある大宮支店の集約は5月に行われる。

同時に本店に集約予定だったJR奈良駅前支店は直近の取扱量が多いそうでいったん延期。

延期というのは新本店開業後の状況を見て集約可否を再判断するのか。


その南都銀行のプレスリリースの中に変なタイトルのものがあった。

当座預金払戻請求書の新設について(pdf)  (南都銀行)

他の銀行でもこういう発表がされている。

払戻請求書というのは窓口で預金を引き出すとき記載する帳票である。

必要事項を記載して押印して提出する。最近はあんまりやらんかな。

どこが新設なんだ? と思うわけだが、ポイントは「当座預金」である。


当座預金というのは一般の人にはなじみのないものである。

というのも当座預金は小切手・手形の決済に使うことを目的としており、

日本では個人で小切手・手形を使うということはまずないからである。

この特徴から当座預金の引き出しは小切手を使うことになっている。

「当座勘定規定」には「当座勘定の払戻しの場合には、小切手を使用してください。」と書かれている。

普通は小切手というのは支払のために他人に渡して、受け取った人が現金化するわけだが、

自分で書いて自分で取引店の窓口に持って行けば、現金化することができる。

これが当座預金の使い方だったのである。

なぜこうなっているのかというと、当座預金には通帳が無いという事情もあるらしい。

(実際には入金帳という入金時のみ使う通帳のようなものは存在するが)


ただ、小切手・手形は2027年に廃止する方針が示されている。

小切手は振込、手形は でんさい(電子記録債権)への移行が推奨である。

インターネットバンキングで処理が完結し、小切手・手形の送付が不要、手形の印紙税節約などのメリットがある。

しかし、ここで小切手が廃止になると、当座預金を窓口で払い戻す手段がなくなってしまう。

これでは困るので、普通預金同様に払戻請求書を使うようにしますという話だった。


そもそも小切手・手形の廃止により、当座預金の新規受付も終了となる。

だからといって既存の当座預金を解約して普通預金に移行しろなんてすると、

振込先の変更など、様々な手間が発生してしまう。

小切手・手形が完全に廃止されれば当座預金のための特別な規定も不要だが、

完全廃止までにはまだしばらく時間がかかる。そこまでの時間稼ぎですかね。


ところで当座預金にはもう1つ特別な機能がある。

それは預金保険制度における「決済用預金」であることだ。

預金保険では金融機関ごとに1名あたり元本1000万円までは全額保護される。

ただ、利息が付かない預金については全額保護されるという規定もある。

これに該当する典型例こそが当座預金だったのである。

ゆうちょ銀行においては振替口座が該当する。

ただ、これは普通預金であっても手続きをすれば決済用預金にすることができて、

「決済用普通預金」とか「普通預金(無利息型)」という名前で提供されている。

なので必ずしも当座預金でなければならないわけではない。


当座預金から出金ってそんなにあるものなのかな?

と思ったんだけど、口座残高から払込票での振込をするのもそうでしたね。

今までは払込票と小切手を窓口に持参するか、外交員に渡せばよかったが、

今後は入金帳を呈示して、払込票と払戻請求書を渡すことになると。

通帳と入金帳という用語の違いだけで、普通預金と同じってことですね。

こういう振込も件数としてはかなり減ってるとは思うけどね。

税金の支払いもネットバンキングで行うことが多くなってるだろうし。

ただ、こういうのもすぐにゼロにはなりませんからね。