重量制限がゆるくて助かった

ヤフオクに出品していた本が売れたので出荷しに郵便局へ向かった。

2冊組の本で寸法はゆうパケットの範囲に収まっていることをみてから持って行った。

ゆうパケットをはかりに乗せたら、首をかしげながら「200gぐらい超過してますね」という。

ゆうパケットの最大重量は1kg、これを超過していたらしい。

「出直してきます」といって、家に帰ってきた。


厚さ3cmに収まっているから大丈夫だとおもったが、重量オーバーとは……

ゆうパケットがダメなら、ゆうメールかなぁと思ったのだけど、

ゆうメールも最大重量は1kg、ちなみに1kgの料金は3cm厚のゆうパケットと同じ360円である。

そうなると、定形外郵便かとおもったが、2kgの料金は1040円となっている。高いな!

1kg超の定形外郵便が高いのは、一定のサイズを超過したときに適用される「規格外」の料金が無条件で適用されるから。

新郵便料金の怪

「規格外」の料金が設けられた背景にはポストに投函できず持ち帰りになるなどコストがかさむから。


うーん……さすがにこの料金だと ゆうパック(ヤフオクで出品者負担なら60サイズで600円)になるのか。

と思って、日本郵便の料金ページを見ていたら、「レターパックライト」「4kg以内」「370円」というのが目にとまった。

そうか、レターパックライトなら1kg超でもこの値段で送れるのか。

ゆうパケットの寸法に収まるということは、レターパックライトの寸法にも収まる。ほとんど同じなんですよね。

当初の想定よりは売上は減ってしまうが、送料175円を想定していたのが370円になるのならまだ許容できる。


ただし、もともと匿名配送を前提とした取引だったので、落札者から送り先を教えてもらう必要がある。

発送方法を変えたいが匿名配送できないので住所を教えて欲しい、追加の負担はない、取消を希望するならお受けすると連絡した。

そしたらまもなく送付先を教えてくれたので、レターパックライトで行く方針で固まった。

調べると、ローソンとミニストップでは常備している店が多いとのことだったので、そこで購入してきた。

そして、あて先・差出人・品名を記載して、追跡番号を書いたシールを剥がして……

このシール、剥がしても粘着性があるので、何かに貼らないと不便だ。適当な紙切れに貼ったが。

そしてあとはポストに投函すれば完了と。ポスト投函なので追跡情報が載るまでは時間がかかるのだが。


もともと匿名配送で行くと言っていたものを、他の配送方法に変えても問題ないんだろうか。

ヤフオク!ヘルプ / 配送方法の変更について

どうも、普通に発送連絡をして、普通に受取連絡をしてもらえばいいらしい。

ただし、システム上の追跡情報はラベルを出した ゆうパケット の番号になってしまうので、

実際に出荷したレターパックライトの追跡番号はメッセージで伝える必要がある。


ところで、どうしてレターパックの重量制限は4kgなんだろうか。

これは「レターパックプラス」の前身となった「エクスパック500」の重量制限が30kgだったことに由来する。

30kgというのは ゆうパック と同じ重量制限ですね。

公社時代はエクスパック500の正式名称は「定形小包郵便物」ということで、ゆうパック(小包郵便物)と同じグループだった。

あのサイズに30kg詰めるのは実態として不可能であり、重量制限は事実上ないということを表していた。

会社化後、エクスパック500 は荷物サービスの1つとして引き続き提供されたが、

2010年に郵便サービスの1つである「レターパックプラス」「レターパックライト」に改められた。

郵便になったことで、信書を入れて送ることができるようになり、書類の郵送に活用されることも増えた。


重量制限が4kgになったのもこのときなのだが、どうして4kgの重量制限が付いたのだろうか。

それは郵便法で第一種郵便物(封書)の重量が4kgまでと規定されているから。

日本郵便は4kgを超えるものを「郵便物」として取り扱うことは決して出来ないのである。

それを超過するものを扱う場合は、必ず「荷物」として取り扱う必要があり、信書を送ることは出来ない。

ちなみにサイズは長さ60cm、3辺の合計が90cmが上限となっている。これも定形外郵便の上限と同じ。

レターパックプラスでは厚さ制限はないが、あの封筒をどう変形させても、このサイズを超過することはあり得ないからよい。

厚さ制限がないのもエクスパック500の頃からだが、レターパックライトでは3cmの厚さ制限がある。


では、4kg超の契約書を送りたい場合はどうすればよいのかと気になった人がいるかもしれない。

答えは日本郵便以外が「特定信書便」として提供されているサービスで送るということになる。

飛脚特定信書便 (佐川急便)

おそらく個人で発送できるのは佐川ぐらいしかない。料金は基本的に飛脚宅配便と同じのようだ。

もっと巨大だとトラックのチャーターで信書を運ぶこともあるかもしれないが、赤帽なども特定信書便の許可を取っているようだ。

そこに日本郵便とそれ以外の会社のすみ分けがあるようである。

後付けのような気がするけど。(2004年以前は特定信書便なんてなかったから、4kg超の信書を合法的に運ぶ手段はなかった)


あまり意図したものとは思えないけど、レターパックの重量制限のゆるさに救われた。

専用の封筒により形状を制限できているので、重量制限を厳しくしなくてよいという判断もあったのかもしれない。

当初のエクスパック500は、ゆうメール よりも明確に高価格だったので、重量無制限でもいいと思ったのかも知れない。

その3年後にポスパケット(のちの ゆうパケット)が出てきて、追跡サービス付きの小型荷物サービスが確立されていくわけである。

レターパック と ゆうパケット は違うところにルーツがあったって話ですね。