試作品は不良品だらけ

明日は早朝に家を出るというのに、珍しくも残業。

というのも今日の午後に試作品が届いたのである。

それで月曜が休暇なので、今日中にセットアップと簡単な動作確認ぐらいはやろうと。

そこまでやっとけば月曜の作業で困ることはないでって。


ただ、この試作品、なんと届いた基板のうち6割ほどが不良だった。

しかもプロジェクトの特殊性から特定のタイプは予備品がない。

「1枚でも壊れたらスケジュール崩れるから」とは言っていたけど、まさかね。

正しく動くものもあるので設計ミスということはないわけだが……


調査したところ、ある部品のはんだ付けの不良であることがわかった。

特殊な はんだ付けが必要になる部品だとまずいなとおもったのだが、

幸いにして一般的なはんだごてで修正可能な内容ではあった。

工場に送りつける証拠写真を撮影した上で、修正しやすいもの1枚を先行してリワークしてもらい、

これで最低限のテストができる体制になった。

他もこの部品のはんだ付けの問題ではないかとみられる。


けっこう試作品の製造不良って多いんですよね。

工場に言わせれば「試作品にはAOI(自動光学検査)かけないからね」と言うけど、

そういうレベルではないミスが見つかっている状況である。

どうしてこういう不良を引き起こしたのかという背景はある程度想像できるのだが、

なぜその手順で作業する必要があったのかという疑問はやはりある。

あと、その手順でやるにしても作業者の技量としてどうよという話はある。


工場にとってみれば試作品の製造というのは非定常作業であって、

それでやはりいろいろあるのは理解できる面もあるけどね。

しかし、怖いのは製品の製造でもこういうミスをやらかしていることであって、

製品の場合は各種の検査で発見されることも多いんだろうが。

(AOIをかけてないのを免罪符にされるほどにはAOIが効果的なのだろうか?)


ただ、全般的に見れば心配していた問題はあまりなくて、とりあえず一安心。

とりあえず製造不良らしきものはリワークして使えるようにした上で、

壊さないように注意深く扱って、評価でも問題が起きなければ……

というわけだから、来週・再来週は忙しそうだ。