バスで行く乗用車の博物館

今日から関西へ向けて出かけるのに、乗り込んだのは東名ハイウェイバスの東名スーパーライナーである。

かなり久しぶり。それも前に乗ったときには浜松北までだったから、名古屋まで乗り通すのは何年ぶりだ?

これは新東名経由で東京駅(またはバスタ新宿)~名古屋駅を直行する新東名スーパーライナーができてからはほとんどそちらを選んでいたため。

今回、東名スーパーライナーを久々に選んだのは早売1が取れるのがそれだったから。


停車するバス停はそこそこ多いが、遅れることはなくスムーズに走る。

時刻表通り走れば、という話だが東京駅~名古屋駅で新東名スーパーライナーと東名スーパーライナーの所要時間差は60分前後である。

しかし、この差分というのは休憩が1回多いこと、名古屋市内が一般道走行であることというのがあって、

休憩1回が10分強、名古屋市内の一般道走行が40分ほど。だから高速道路を走ってる時間自体はそんなに変わらない気がする。

もっとも停車するバス停が多いとそれで遅れを拾うことがあるけど。

特に名古屋市内の一般道走行がきついというのが正直な感想で、それがいやで新東名スーパーライナーを選んでたところもある。


そこで今回、東名スーパーライナーを選ぶなら名古屋ICで降りるつもりだった。

そこから次の目的地をどうしようかと地図を見て考えていたら、

長久手市にほど近いことに気づき、それならと選んだ目的地がトヨタ博物館だった。

名古屋ICには時刻表通りに到着、ここから地下鉄(本郷駅が近い)に乗り換える人が多いんだろうけど、ひたすら東に歩いて行く。

そして長久手市に入ってわりとすぐところにある猪ノ湫(いのくて)バス停から「トヨタ博物館前」行きのバスに乗る。

このバスは藤が丘駅を出て、長久手市内の住宅地を走っていくバスである。

普通は藤が丘からリニモで行くところなんだけど、時刻がうまく合えばこれが最速ではないかと思ったら、バスの時間同士がピタリと合って……

ピタリすぎて、ロードサイドで昼食を食べようと思ったが、それは無理とコンビニで買ったおにぎりが昼食になってしまったのは誤算だったが。


バスは終点「トヨタ博物館前」……ってどう見ても名鉄バスの車庫なんですが。

このトヨタ博物館前というバス停はもともと長久手車庫という名前だったらしい。

それが比較的最近に改名されたようで、わかりやすいといえばそうだが、ちょっと戸惑う命名である。

とはいえトヨタ博物館が近いことは事実。案内の看板も立っているので迷わない。


トヨタ博物館とはいかなる博物館なのか?

トヨタと付いているが、古今東西の乗用車を集めた博物館と考えるのがよい。

もちろんトヨタ車も乗用車の歴史にとって重要なものはあるが、割合としてそんなに多いわけではない。

これらは動く状態で維持されていて、黎明期の車を含め、実際に動かしている映像を録画して放映していたりして学びが多い。

これができるのはトヨタ自動車のバックアップがあってのことだろう。

あと、文化館という別の建物には、エンブレム・ポスター・カタログなどこれも古今東西の乗用車にまつわる資料が集めてある。


乗用車の歴史をたどっていくと、最初はアメリカやヨーロッパの車が多いのだが、

それがだんだんと日本の車が増えて行くのは、日本メーカーの存在感が高まっていった歴史を表しているのだろう。

乗用車の用途もだんだんと移り変わっていることも見えてくる。

送迎車のようなニーズに寄っていた時代、国民車ということで小型で安価な車が求められた時代、高速道路でのドライブが求められるようになった時代。

各地のメーカーが創意工夫を凝らした歴史が見て取れる。

なお、この展示構成は2017年に大きく見直されたものとのこと。


ところでこの乗用車というのはほとんどがガソリン車である。ディーゼル車もあったかもしれないが。

しかし黎明期と2000年代の車はその限りではない。

黎明期には蒸気自動車と電気自動車、2000年代にはハイブリッド車(これはガソリン車の一種だが)、電気自動車、燃料電池自動車(これも電気自動車の一種か)と。

黎明期に電気自動車があったことに驚いたが、それこそエンジンより技術的なハードルが低かった時代はあった。

各地に路面電車があったのも、大型バスより電車の方が容易に作れたからである。

エンジンや蒸気機関より容易に起動できるのは魅力だが、鉛蓄電池ではなかなか走れる距離も限られるだろうし、まもなく廃れたわけだが。

これがパワーエレクトロニクスや蓄電池の発展により、改めて見直されているということである。

一方でガソリンエンジンは相変わらず魅力的である。

動力が変わっても変わらないところはあるだろうが、動力が車の形を決めるところはある。果たしてこの先はどうなるのだろうか?


なんてことで3時間弱見学して、帰りはリニモで。

リニモに乗るのは2005年の愛知万博以来である。

もっともあのときは愛知環状鉄道経由で八草~万博会場だけリニモだったんだけど。距離から体験乗車の感も強かった。

博覧会への足は通勤・通学の足として地域に根付いている。

そういえばあの当時はまだ長久手町だったっけ。

トヨタ博物館の裏が畑だったり、まだのどかな一面も残しているが、

名古屋の郊外というのはだいたいそういうものですね。