尿素がなくてはエンジンが回せない

帰ってきたら冷蔵庫に何にもないので、朝食は米を炊き、魚の缶詰と冷凍の枝豆、

そこからいろいろ買い集めたが、まだまだないので明日も買い物である。


こんなニュースが出ていた。

日本・米国では供給問題ないが…韓国で「尿素水」が不足する理由 (中央日報)

韓国でディーゼル車で使用する尿素水が品薄になっていると。

原因は中国からの尿素輸入が難しくなっていることで、

その背景には中国国内で石炭の供給不足があるということらしい。

尿素の製造には石炭を使うからということらしい。

韓国は尿素のほぼ全てを中国から輸入しており、国内での生産は2013年にやめている。

このため、国内で使用する尿素水の供給に全く対応できなくなったという。


ところでディーゼル車では尿素水を使うのだろうか?

日本では自動車NOx・PM法により、排ガスのNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)の規制が行われている。

この規制は多くにおいてディーゼル車で問題となる。

ディーゼルエンジンでは燃料と空気が混ざりきらず燃焼が起こる。

PMは燃料の燃え残りから発生するものであるから、空気を多くすれば発生しにくくなる。

しかし、空気は8割が窒素だから、エンジンに取り込む空気を多くするとNOxが発生しやすくなる。

このトレードオフのため排ガス規制への対応が難しいのである。


このため、現在のディーゼル車はNOxが多くなるのを覚悟で空気を多く取り込んでエンジンを動かすのが一般的だという。

しかし、そのままNOxを出すわけにはいかないので、これを還元する処理を行う。

ここで使われるのが尿素水と触媒だという。

尿素水が熱分解されるとアンモニアと二酸化炭素になり、アンモニアとNOxが反応すると窒素と水になる。

このことからディーゼル車の運行に尿素水は欠かせないものとなっている。

燃料とともに補給し(補給頻度は少ないが)、尿素水がないとエンジンがかからないという。


日本では自動車を運転する人でも尿素水のことを知らない人は多いと思う。

それは日本では乗用車ではディーゼルエンジンはあまり使われていないからであろう。

商用車では当然のことであって、尿素水使うよねという理解ではないか。

ところが韓国では乗用車も4割ほどがディーゼル車らしく、一般市民にも無縁ではない。

そのため買い占め・売り惜しみなど問題になっているようである。


ちなみに日本では尿素の原料のアンモニアは天然ガスから作るという理解が一般的だと思う。

ハーバー-ボッシュ法でのアンモニア製造には水素と窒素(空気)が必要で、

水素を作る目的なら天然ガスということになろうから。別に日本に限ったことではないが。

水素の貯蔵・運搬手段としてアンモニアが注目されており、

外国で再生可能エネルギーや二酸化炭素を地中に埋めて作ったアンモニアを国内に運ぶと。


それにしても中国からほぼ全てを輸入した結果、こんなことになるとはね。

現状、日本はアンモニアの8割を国内製造、2割をインドネシア・マレーシアから輸入しているという。

天然ガスを買ってアンモニアにするか、天然ガスが出る国でアンモニアを作って持ってくるかということか。

このアンモニアから尿素やその他化学肥料の原料を作るということを行っている。

一方の韓国は国内のアンモニア工場が廃業する流れの中で、

アンモニアから作る肥料は絞り込み、尿素などはそれ自体を輸入することとしたとのこと。

だからもし韓国国内にアンモニアがあっても、国内で尿素にはできないということらしい。

このため尿素の供給が滞ったときの代替手段が少なくなったのではないかなと思う。


ディーゼル車にとっては困った話ですが。

しかし、乗用車はともかく、トラック・バスにとってディーゼルエンジンは必須。

そこで排ガス規制に対応するには尿素水を使うのが唯一現実的な手段だという。

電動化といった話もありますが、エンジンがなくなるのは遠い話である。

まぁ尿素さえ用意できればそれで足りる話なんですが……

いや、触媒につかう貴金属も問題か。それはガソリン車にも言える話だが。

ただ、乗用車はまだバッテリー駆動も現実的ではあるんだよな。多数派とは言えませんが。