強い馬が勝つレースがあれば……

今日はJRAアニバーサリーということで、全賭式の払戻率が80%(単勝・複勝相当)に引き上げられ、

キャンペーン目当ても含めてあれこれと馬券を買い込んだ人もいただろうが、メインレースはわりと荒れた。

そのメインレースの1つがセントライト記念(GII)、菊花賞トライアル、

ということで菊花賞の出走枠を争う……というものかはちょっと怪しいけど。

それを言えば、昨日のローズステークス(GII)の秋華賞トライアルの方が出走枠争いっぽくて、

どうも今年は阪神競馬場で開催の都合、フルゲート16頭と例年より2頭出走枠が少なく、

今の見込みだと典型的な3勝クラス(収得賞金1500万円)の馬は抽選するまでもなく出走不可になりそうらしい。

厳しいもんですねぇ。去年も後の大阪杯優勝馬、レイパパレが秋華賞に出走できず、秋華賞デーの3勝クラスを快勝したなんてこともありましたが。


ところで秋華賞は牝馬三冠を構成するレースだが、クラシック競走ではない。

これは他のクラシック競走と違って早期の登録は不要で、2週前に登録料を払えば出走可能ということである。

フランスのヴェルメイユ賞をモデルに作られたといいつつ、同レースは4歳以上牝馬も出走できるようになり、

「牝馬のための凱旋門賞前哨戦」という言い方をされるレースとなった。同じコースなんですね。

世界的に見ても3歳牝馬限定戦だけの三冠シリーズというのはあまりないみたいで、わりと日本独自みたいですね。

日本の牝馬三冠が生まれて50年、この間に6頭が達成しており、三冠達成も案外多い。


ダービー優勝馬のその後の成績が散々だという話があるが、実際どんなもんなのか。

最近20年間の5つのクラシック競走と秋華賞の各優勝馬のその後の戦績を調べてみた。

(数え間違えがあるかもしれないが、ご容赦を)

  • 皐月賞 : 重賞勝ち 15頭(G1勝ち 11頭)
  • ダービー : 重賞勝ち 15頭(G1勝ち 7頭)
  • 菊花賞 : 重賞勝ち13頭(G1勝ち 11頭)
  • 桜花賞 : 重賞勝ち 16頭(G1勝ち 10頭)
  • オークス : 重賞勝ち 14頭(G1勝ち 11頭)
  • 秋華賞 : 重賞勝ち15頭(G1勝ち 12頭)

これだけ見るとそんなに差はないような気もするけど。


ただ、皐月賞の後にはダービー・菊花賞があり、2冠・3冠というのもあるわけである。

というわけで二冠・三冠達成馬を引いたらどうなのかという話である。

  • 皐月賞のみ(13頭) : 重賞勝ち8頭(G1勝ち 4頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち7頭(G1勝ち 4頭)
  • ダービーのみ(14頭) : 重賞勝ち9頭(G1勝ち 3頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち4頭(G1勝ち3頭)
  • 菊花賞のみ(14頭) : 重賞勝ち10頭(G1勝ち 8頭)
  • 桜花賞のみ(13頭) : 重賞勝ち9頭(G1勝ち 3頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち9頭(G1勝ち 2頭)
  • オークスのみ(11頭): 重賞勝ち5頭(G1勝ち 2頭)
    • 除3歳限定戦: 重賞勝ち3頭(G1勝ち 1頭)
  • 秋華賞のみ(11頭) : 重賞勝ち8頭(G1勝ち 6頭)

ダービーよりオークスのほうが散々ですね。


でもやっぱり皐月賞勝たずにダービー勝った馬のその後の戦績はなかなかである。

14頭中9頭がその後に重賞勝ってるなら悪くない気はするけど、そのうち5頭は3歳限定戦だけなのかと。

そんな馬の1頭がマカヒキである。ダービー馬でありながら8歳にして現役という。

ダービー後に勝ったレースはフランスのニエル賞(G2)、これは3歳馬のための凱旋門賞前哨戦で、

このレースに出たということは凱旋門賞に出たが14着に敗れ、その後、国内で重賞を走るも1勝もできていない。

G1でそこそこの成績を出すので、賞金は案外稼げるらしいのだが、どうにも微妙な戦績である。

他に2004年にダービー優勝後、神戸新聞杯(GII)を勝つも、屈腱炎で引退したキングカメハメハとか。

このようにダービー優勝後、無念の引退となった馬もけっこういる。


そうして見てみると、菊花賞優勝馬と秋華賞優勝馬のその後の戦績はすごいですね。

特に秋華賞優勝馬はどの馬もそれなりの活躍をしており、

宝塚記念・有馬記念・宝塚記念と勝って、凱旋門賞に挑戦するクロノジェネシスも秋華賞優勝馬ですからね。

最近20年で秋華賞を勝って、15頭は重賞を勝って、残り5頭も4頭はG1で3着以内に入っている。

(去年の秋華賞優勝馬、牝馬三冠のデアリングタクトも今のところはこのグループ)

ここまでハズレが少ないレースはなかなかないのでは?

菊花賞も最近20年で、13頭が後に重賞勝って、残り7頭のうち3頭がG1で3着以内に入っている。

(去年の菊花賞優勝馬、クラシック三冠のコントレイルも今のところはこのグループ、天皇賞(秋)勝てるかな?)

秋華賞ほどではないけど、その後の活躍は堅いのではないか。


なんでこんなことになってんだって、ダービー目標に馬を仕上げて、それで勝ってもその先にはつながらないこともあって、

これは3歳春というのはまだまだ成長途上だからというのもあるのだろう。

皐月賞・桜花賞・ダービー・オークスを勝って、菊花賞・秋華賞に勝っていない馬で、後に3歳限定以外のG1を制した馬はこんなところ。

  • アルアイン(2017年皐月賞) : 大阪杯
  • レイデオロ(2017年ダービー) : 天皇賞(秋)
  • ロゴタイプ(2013年皐月賞) : 安田記念
  • ヴィクトワールピサ(2010年皐月賞) : 有馬記念・ドバイワールドカップ(当時はオールウェザー)
  • エイシンフラッシュ(2010年ダービー) : 天皇賞(秋)
  • ウオッカ(2007年ダービー) : 安田記念×2勝・天皇賞(秋)・ヴィクトリアマイル・ジャパンカップ
  • メイショウサムソン(2006年皐月賞・ダービー) : 天皇賞(春)・天皇賞(秋)
  • ダイワメジャー(2004年皐月賞) : 天皇賞(秋)・マイルチャンピオンシップ×2勝・安田記念
  • グランアレグリア(2019年桜花賞) : 安田記念・スプリンターズステークス・マイルチャンピオンシップ・ヴィクトリアマイル
  • ラヴズオンリーユー(2019年オークス) : クイーンエリザベス2世カップ(香港)
  • ブエナビスタ(2009年桜花賞・オークス) : ヴィクトリアマイル・天皇賞(秋)・ジャパンカップ
  • ダンスインザムード(2004年桜花賞) : ヴィクトリアマイル

こうして並べられると、ダービーだけ、オークスだけというのは微妙な感じがする。

ウオッカのダービー後の戦績はすさまじいけど、ダービー後5勝全てが東京競馬場で、東京競馬場が大得意だったという話。


ヨーロッパでは本家イギリス以外のセントレジャーは廃れ、本家だって三冠挑戦は皆無と言われ、

秋華賞のモデルとなったヴェルメイユ賞は牝馬のための凱旋門賞前哨戦といわれるようになり、

そんな経緯を見ると、日本の菊花賞と秋華賞はなかなか珍しい存在だけど、

海外遠征する馬が少なく、日本国内のレース体系が三冠を意識して作られているといった事情はあるにせよ、

やはり強い馬が勝つレースというのはそれだけ価値があるんじゃないでしょうか。

もっとも、菊花賞については、皐月賞優勝のエフフォーリアは天皇賞(秋)へ行くつもりらしいが。

ダービー優勝のシャフリヤールはどうか知らないけど、ダービー・菊花賞の2冠はあまり聞かないですが……

もうすでに菊花賞はようわからんなと言われてますけどね。まぁ来週の神戸新聞杯次第か。