アメリカ以外のダート競馬は?

先日、ラヴズオンリーユーが札幌記念に参戦した話を書いた。

スーパーGIIは偉大な前哨戦?

結果はソダシが優勝して、ラヴズオンリーユーが2着でしたね。ソダシ強いね。

とはいえ、アメリカ遠征に向けての心配はなく、予定通りブリーダーズカップ フィリー&メアターフへ向かうとのこと。


そんなブリーダーズカップ(BC)だけど、他にも参戦を考えている馬がいて、

ちょうどラヴズオンリーユーと同じ厩舎のマルシュロレーヌがBCディスタフに参戦するとのこと。

マルシュロレーヌがBCディスタフへ (デイリー)

牝馬限定のダート戦で、ダート競馬の牝馬チャンピオン決定戦といってもいいレースらしい。

すでに日本のダート重賞で4勝(ただし、いずれも地方開催なので国際的にはリステッドレース扱い)、

やはりアメリカの馬は手強いと思うけど、挑戦する価値はあるという判断なんだろう。


日本は芝とダートの競馬を両方やっていて、主流は芝だが、ダートのGIもある。

芝とダートの二本立てなのは、芝のレースばかりやっては芝が痛むからという事情もある。

ダートなら手入れも比較的容易なので、それで地方競馬は基本的にダートなわけですね。

世界をみわたして、ダート競馬が主流の地域というのは、南北アメリカとか中東とかそれぐらいだったはず。

ダートも芝もやってるけど、ダートの方が主流ということだったはず。

ヨーロッパでは基本は芝の競馬だけど、オールウェザー(人工馬場)も併用しているとのこと。

オールウェザーの重賞もあるが、G1はなかったはず。あくまでも補助的なコースという位置づけかね。


そんなわけで「世界のトップ100 G1レース」を2015~2020年の6年分集めて、

そのうち3回以上ランクインしたレースを列挙してみた。

その中でダートのレースを抽出して16レースあったのだが、ほとんどアメリカのレースで、

アメリカ以外のレースはわずかに2つしなかった。

  • Dubai World Cup (UAE)  D2000m : 5回ランクイン(2020年は中止なので実質皆勤賞)
  • Champions Cup (JPN) D1800m : 3回ランクイン

そう、日本でもおなじみのドバイワールドカップと、日本のチャンピオンズカップ、この2つだけなのである。

1回以上ランクインとしても、これに日本の東京大賞典が入るだけだった。


ドバイワールドカップは、アメリカ勢と地元勢の対決という感じである。

高い評価を受けているのはアメリカから遠征してくる馬がいるからこそであろうと思う。

そこに日本から遠征した馬が食らいつくことがあって、今年はチュウワウィザードが2着と健闘しましたね。

一方の日本のチャンピオンズカップは、国際招待競走のジャパンカップダートに由来するレースだが、

ジャパンカップダートの時代から外国からの遠征馬は少なかったという。

というわけで、この評価は日本馬のダート競馬での活躍を表したものといえる。

芝のレースに比べると低い評価ではあるものの、そもそもアメリカ以外のダートG1がランクインすることが異例なぐらいなので……


ちなみにUAEはダート競馬が主流の国ではあるものの、芝のG1レースの方が評価されているっぽい。

  • Dubai Sheema Classic (UAE) T2410m : 5回ランクイン(実質皆勤)
  • Dubai Turf (UAE) T1800m : 5回ランクイン(実質皆勤)
  • Al Quoz Sprint (UAE) T1200m : 3回ランクイン

どれもドバイワールドカップデーのレースですが。上2つはヨーロッパと日本の遠征馬がだいたい勝ってる。

結局のところは招待できる馬のレベルに依存しているということなのかもしれない。


せっかく世界のトップ100 G1レースを集計したので、馬場(芝・ダート)と距離区分(SMILE)の組み合わせを調べてみた。

そしたら、まずダートはL区分(2101m~2700m)とE区分(2701m~)のレースで3回以上ランクインしたレースはなかった。

ダートかつS区分(~1300m)はたった1レースしかない。

  • Breeders’ Cup Sprint (USA) D1200m : 4回ランクイン

しかも皆勤賞ではないんですね。


あと、少ないのが芝でE区分のレースで、これは過去にも話題にした覚えがある。

  • Tenno Sho (Spring) (JPN) T3200m : 6回ランクイン(皆勤)
  • Gold Cup (GB) T4000m : 4回ランクイン
  • Kikuka Sho (Japanese St Leger) (JPN) T3000m : 3回ランクイン
  • St Leger Stakes (GB) T2920m : 4回ランクイン
  • Irish St Leger (IRE) T2800m : 3回ランクイン

唯一の皆勤が天皇賞(春)なんですね。この距離区分では世界一ハイレベルであることに疑いはない。

世界的にはかなり軽視されているが、日本は比較的高いレベルで保たれているということらしい。


こうして見てみると日本競馬はなかなかユニークですよね。

超長距離戦とダート競馬というところにそこそこ力が入っているのは見ての通りだし。

世界的に見ても特にハイレベルというのが、芝のL区分ですね。

これは5~6回ランクインしたレースで平均レースレートが高い順に並べ替えると、

  1. Prix de l’Arc de Triomphe(FR) T2400m : 124.6ポンド
  2. King George VI & Queen Elizabeth Stakes(GB) T2400m : 121.3ポンド
  3. Breeders’ Cup Turf (USA) T2400m : 121.2ポンド
  4. Japan Cup (JPN) T2400m : 120.8ポンド
  5. Arima Kinen (JPN) T2500m : 120.8ポンド
  6. Dubai Sheema Classic (UAE) T2410m : 120.8ポンド

やっぱり筆頭は凱旋門賞なんですね。今年は日本から2頭(クロノジェネシス、ディープボンド)が参戦予定ですが。

とはいえ、4位・5位は日本のレースですからね。


果たして、ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌといったBC挑戦の日本勢はどのような結果を出すのだろうか?

もしダートのレースで優勝すれば、日本馬初の海外ダートG1制覇となる。

ダート競馬の本場でそれを達成したとすれば、それは大快挙ですが……