これはゴーストレストランではないが

ふと「ゴーストレストラン」という言葉をTwitterで検索したら、

これを話題にしてるのってデリバリーサービスの配達員だったりするのね。

それはそれで自分たちの客に対してどうなのかという気もするが、

今どきのデリバリーサービス事情を語るには避けて通れない言葉となっている。


ゴーストレストランとは店舗を持たない飲食店というのを表す言葉らしいが、

その看板を掲げた店舗が実際にない ぐらいの意味で捉えられているようだ。

というのも、飲食営業には許可など必要ですから、ゴーストレストランだけで飲食営業を行っているのはわりと限られる。

(でも、そういうタイプのゴーストレストランもあるし、それが本来の意味でのゴーストレストランである)

多いのは何らかの飲食業を行っている店舗が、その店とは異なる看板で商売していることがあると。

あるところでは そば店 が ゴースト洋菓子店 になってたり、

あるところでは カラオケ店(これも飲食業) が ゴースト韓国料理店 になってたり。

本来の看板からはなかなか信じられない感じはするが、そういうことも商売としてはあると。

このような場合、配達員への連絡事項として、実際の看板に書いてある店舗名が付記されるようだ。


このようなことが行われるのは、検索性などの都合もあるようだ。

丼物と洋食とラーメンを扱うようなレストランはあってもいいかもしれないが、

そのようなレストランは店単位で検索するときにひっかかりにくいと。

それなら、丼物 と 洋食 と ラーメン とか、もっと細分化されることもあるけど、

複数店舗にするほうが検索性がよく集客できるというような事情もあるようだ。

ただ、その結果として、実際には手広くやってる料理店なのに、複数の「専門店」を掲げるような形となり、

この「専門店」をうたうようなことが優良誤認にあたるんじゃないかとかそんな問題提起がある。


そんな中で、大手ファミリーレストランがゴーストレストランっぽいことをしている。

先日、自転車で幹線道路を走ってたら「ガスト」の看板に「から揚げ専門 から好し」という看板が付加されていた。

気になって調べたところ、どうも今どきのガストは大半の店に「から好し」が併設されているようだ。

から好しのから揚げ (ガスト)

ガストがこのような商売をする背景としてはデリバリーサービスでの注文を見込んでいるとみられる。

この考え方がゴーストレストランっぽいが、堂々看板を掲げているのでゴーストレストランとはいえない。

直接店に行って から好し の商品を持ち帰ることも出来るし、ガストで食事したときにお土産に持ち帰ることもできるし、

なんなら店内飲食でも から好し メニューを注文することができるらしい。


よくわかんないなと調べたら、もともと「から好し」というのは単独店舗として2017年に創業している。

唐揚げ専門 から好し 1号店 さいたま道祖土店 (本店の旅)

創業した2017年頃は「から揚げ戦争」時代だったらしい。ほんまかいな。

店内飲食もできるし、持ち帰りもできる。そんな形の店だという。

だから、この時は本当に すかいらーく が経営する唐揚げ専門店だったんですよね。

同社の経営するガストやバーミアンなどに比べれば店舗数は少ないけど。


この状況が変わったのが2020年7月頃のこと、ガストへのから好し併設の実験を行ったという。

時期からしてもわかるがフードデリバリー、あるいはテイクアウトの需要が伸びていたときのこと。

これで売上が伸びることが確認出来たので、全国のガストへ展開、ほとんどの店がから好し併設店となった。

ガスト/から揚げ専門店「から好し」併設店舗が600店突破 (流通ニュース)

唐揚げの調理自体はそんなに難しいわけではなく、下ごしらえもセントラルキッチンを活用しているだろうから、

もともとのファミリーレストランの設備で十分に対応可能だったのだろう。急速に店舗数が増えた。


元々は から好し は間違えなく唐揚げ専門店だったわけだし、提供内容はガスト併設店でも同じであろうと。

そうすると特におかしくはないが「洋食主体のファミリーレストランが唐揚げ専門店?」という疑問符は付くと思う。

そこは中身で勝負ってことだと思いますけどね。

すかいらーく も「から好し」というブランドは前面に押してやっているわけですから。

ガストとは違った形でガストの周辺地域の人々に愛用していただきたいという思いはあるはず。


そんな すかいらーく は初めて店内飲食ができない店舗を東京都中野区に開業したという。

デリバリー・テイクアウト専門 ガスト 新中野店(バーミヤン・から好し取扱店)

店内飲食はできないのだが「GUSTO DELIVERY」という看板が掲げられ、持ち帰りも可能だという。

デリバリー・テイクアウト専門店オープン 新中野店 (YouTube)

店舗面積は従来店舗の1/10、動画で見ると普通に地域住民が買いに来ている姿が見える。

もともと「ガスト新中野店」というのがあったのを閉店して、移転・業態変更したような情報が見える。

(だから、もともと持ち帰りで使ってた客にとっては、近くで移転しただけって感じで定着してたのかも)

これを見るとゴーストレストランというよりは宅配ピザ店みたいな感じだな。実際そういう感じなんだと思う。

この店は実態は1つの店だが、ガスト・バーミアン・から好し の複合店舗という扱いである。

それぞれのブランド力を生かせるということでもあろうが、この発想はゴーストレストラン的である。


僕はフードデリバリーの類は使ったことないけどね。

ゆえにこのあたりの感覚はよくわからないんだけど。

ただ、通常のレストランと求められるところがいろいろ異なるのはその通りで、

かといって飲食営業の参入障壁も多少なりともあるわけで、そこは従来とは異なる考え方がいろいろあると。

そういうことだと思いましたね。