静的解析がstaticを付けろと言う

プログラムのソースコードの静的解析というのがある。

コードを解析して、バグの原因になりそうな場所をいろいろ抽出してくれる。

打率は1割どころかもっと低い気がしますが。


これはバグだろうと多くの人に納得してもらえる例としては、

if(uintval<0){...}

と符号無しの変数が0未満であることを評価しているのだが、

この条件は常に不成立である。すなわちこの中のコードは実行されない。

その中に何か必要と思って書いている処理があっても実行されないので、

何かミスをしているということである。

変数の型を間違えているのか、条件を間違えているのかはわかりませんが。

そういうので再確認するべきポイントをいろいろ教えてくれるわけですね。


まぁそうはいっても馬鹿らしいものは多いのである。

その1つにファイル内でしか使われていない関数・グローバル変数にstaticが付いていないというのがある。

今までは「意図通り」とか書いてスルーすることは多かったが、

今回はその指摘に従っても良いかもなとファイル内に閉じるものにstaticに付けて回った。

そしたら次は1つの関数でしか使われていない変数があるという指摘があった。

まぁ関数内のstatic変数にするという方法はあるんですけどね。


C言語のstaticというのは2つの意味がある。それぞれ意味が異なる。

関数・グローバル変数に付ける場合はファイル内でしか利用できない関数・変数であることを示す。

どうしてファイル内に閉じる関数をstaticで宣言することがバグ対策として推奨されるのか?

例えばfoo.cでこのように宣言された関数があったとする。

void foofunc1(int x, int y){ ... }

かたやbar.cでこういうプロトタイプ宣言を書いたとする。

int foofunc1(char x, char y);

するとそれはそれで通ってしまい、名前が同じだとリンカで結合されてしまう。

当然、ここまでミスをしているとより強い指摘になるのだが、

潜在的なリスクを減らすにはプロトタイプ宣言を共通のヘッダファイルに書くべきであると。

ヘッダファイルのプロトタイプ宣言と実際の記述が間違えているとコンパイラが気づけるから。

あるいは関数名・変数名をミスタイプしていたようなケースならば、

それはヘッダファイルに書かれていないということで気づける。

一方でヘッダファイルに書かない場合はstaticとしてファイル内に閉じると明示するべきだと。


今まではどちらかというとヘッダファイルに列挙する方を選ぶことが多かったが、

内部に閉じるならstaticにするのも手と考えてこちらにした。

実は他のファイルでも必要でしたということで起こると困るが、

そうなる可能性はもう低いんじゃないかという読みである。

すると、次には1つの関数でしか使われていないという指摘が出てきたわけである。


記述ミスやバグが潜んでいる可能性はあるんでよね。

int fooval;
int foofunc2(int y){
  if(y > 0){

    fooval = y;
  }
  return fooval*200;
}

この書き方だとy≦0でfoovalが実行された場合は、すでにメモリ上にあるfoovalの値に200を掛けた値が返る。

前回の値を保存して計算することが目的ならこれでよいのだが、

実はy≦0の場合は、別の値を入れるべきところを書き忘れていたとすると気づけない。

もしfoovalが関数内の一時変数ならば、foovalが初期化されない場合があると指摘される。(なんならコンパイラが教えてくれる)


一時変数と間違えていませんかという指摘でもあるのだが、

一方で関数内のstatic変数として宣言することもできますねという指摘でもある。

int foofunc2(_Bool init){
  static int cnt;
  if(init){
    cnt = 0;
  }else{
    cnt++;
  }
  return cnt;
}

こういう書き方をするとcntという変数は次回関数実行時にも残る。

グローバル変数として宣言したのとほぼ同じ効果が得られる。

あくまでもローカル変数なので他の関数からは参照できないんですけどね。


ただ、これはデバッグに不都合だろうということで意図通りなら修正しなくてよいと考えた。

実際にはstaticなローカル変数もグローバル変数のように割り付けられているのだけど、

実際のところ、このタイプのstatic変数ってわかりにくい気がするんだよな。


と、この2つのstaticは効果が異なるわけですね。

修飾子なしのグローバル変数→static付きのグローバル変数→static付きのローカル変数

と同じようなものがだんだんスコープが狭くなっていくという話ではあるのだが。

このことについてWikibooksでは「文脈に応じて異なる意味と効果を持つ多目的な修飾子」と書かれている。

C言語/static (Wikibooks)

こういうのしばしばあるんですよね。

C++だとstaticメソッド・変数ってのもあるんですよね。

これはインスタンスではなくクラスに属するメソッド・変数っていうので意味が全く異なる。

これはさらに理解に苦しむ話である。


staticを付けたグローバル変数はファイル内でしか参照されないので、

ファイル内で代入だけして読み出されない変数についてコンパイラに指摘された。

もしstatic付きでなければ他の誰かがリードするかもしれないけど、

static付きなのでファイル内になければないですねということである。

これはデバッグ目的で代入しているものなのでその通りなのだが。

そしたら最適化で消されちゃうのか? と思ったが、見た感じはメモリに格納しているようだった。

staticを付けることで最適化のされ方も少し変わっているように見えた。

一体どういうところに差があるのかよくわからないけど。

コンパイラの警告は __attribute__((unused)) とか付ければ回避できる。

1セントも1円・5円・50円も作らない

アメリカで1セント硬貨の製造が停止されたが……

トランプ米大統領は2月、「無駄」なペニーの鋳造を停止するように命じる(略)

財務省によると、造幣局はコレクター向けバージョンのペニーについては数量限定で生産を続ける。

(最後の1セント硬貨を鋳造、232年の歴史に終止符 (Reuters))

って完全な製造停止じゃないんですね。

となれば実質的には日本の1円玉と同じような状況なのかも。


ご存じの方もおられるだろうが、1円玉は2011~2013年と2016年以降はコレクター用のセット分しか製造されていない。

貨幣に関するデータ (造幣局)

2014・2015年で消費税率変更対応のため製造数を増やしたのだが、

1円玉についてはアテが外れたということで余剰が続いている。

摩耗する硬貨を補充する必要が生じれば製造される可能性はあるが、

最近の動向を見る限り、当面はそうならないのではないか。


他の硬貨はどうかという話だが、2022年以降は5円・50円も同様である。

こちらも2010~2013年はセット分の製造しか行われていなかった。

ただ、その後はしばらくまとまった量の製造が行われていた。

さっき消費税率変更で1円玉はアテが外れたと書いたのだが、

むしろ10円・50円は想定より需要が多かったようで、製造数を増やしたという。

従来100円刻みで精算していたものが10円単位で精算することが増えたのが理由だとされている。

直近では500円玉が新硬貨への切替で比較的製造量が多い。

ただ、前の500円硬貨切り替え時は年6億枚ペースで製造していたが、

今回は年3.5億枚前後の製造なので当時よりはスローペースである。


製造数という観点で見ればこうだが、流通量という観点ではどうだろうか?

これは日本銀行の通貨流通高のデータをみればわかる。

通貨流通高 (日本銀行)

貨幣の種類ごとに金額ベースで書かれているから額面で割れば枚数がわかる。

紙幣も含めて枚数ベースで見て一番多いのは1円玉なんですね。

直近の数字で363億枚もある。でもそんな使うか? それが余剰ということである。

次いで10円玉が186億枚、100円玉が106億枚、5円玉が101億枚、500円玉が44億枚、50円玉が42億枚である。

紙幣は1万円が109億枚、千円が46億枚、5千円が7.6億枚となっている。


この数字の比率と自分の財布を見比べてどうだろうか?

一番かけ離れているのは1万円札ですね。普段は千円札ばっかりなので。

まぁ1万円札は最高額紙幣ということで特有の用途がありますからね。

硬貨は10円以上はそんなもんかと思うが、1円玉と5円玉の流通量が感覚よりえらく多い。

額面が安いので金融機関に持ち込まれず滞留しているのか、金融機関にはあるが払い出されず滞留しているのか。

実際に決済に使われなければダメになる硬貨も少ないわけですからね。


そうなれば気になるのは流通量の経年変化である。

2004年を基準に各通貨の流通量の変化を調べた。

なぜ2004年を基準にしたのかというと2千円札の流通のピークだったから。

2008年には2004年比29%まで減少し、現在は19%である。

流通量の変化にはいくつかのグループがある。

まずは50円以下、これは2000~2006年でピークを向かえて以後減少している。

2025年は2004年比で1円が89%、5円が81%、10円が90%、50円が92%である。

50円玉は2020年に向けて一時増加したが、また減少に転じている。


一方で硬貨の中でも100円・500円は2021年まで増加傾向が続いていた。

100円玉は2004年比で2021年に110%、2025年に105%、

500円玉は2004年比で2021年に141%、2025年に123%と。

直近の減少はキャッシュレス化なんだろうが、顕著に見えたのはかなり最近のことである。

なんで100円・500円のニーズは近年まで多かったのかというと、

自動販売機でのニーズが多かったから? という話がある。

確かに自動販売機までキャッシュレス化が進んだのは近年かもしれない。


紙幣だが2千円は例外として、千円・5千円は増加を続けている。

2025年に千円札は2004年比134%、5千円札は163%である。

一方の1万円札だが、2023年まで増加を続けて2004年比173%に達したが、

そこから減少に転じ2025年では167%になっている。

これは明確な理由があって金利上昇である。これで預金される現金が増えたからだと言われている。

でも、それは千円・5千円にはあたらないんですね。


少額決済ほど電子マネーへの移行が進んでいることは確かで、

おそらく1円・5円は新規製造しなくてもかなり賄えるのではないか。

ただ、金融機関に預けようとすると手数料が重い話はあるんですけどね。

これが障壁になって還流しなくなると困るんだけどどうでしょうかね。

10円・100円も新規製造せずに済むほどキャッシュレス化が進むかはわからないが、

直近の傾向を見る限り、そうなる可能性もあるのかな。


1セント硬貨の製造費が無駄かというのは単純には言えないが、最近は銅が高いんですよね。

すると大概の硬貨が影響があるわけだが、銅の割合が高い少額硬貨は影響が大きい。

日本だとなんといっても10円玉である。

10円玉は青銅だから銅95%程度だが、おおざっぱに銅4.5gの地金の価格は7.8円である。

5円玉も真鍮なので影響は大きいが、直近は製造していないので、実質10円玉だけの問題である。

もっとも国全体としては500円玉の通貨発行益が大きいわけですけどね。


1セントは亜鉛に銅メッキなので、銅価格の影響自体は小さいが、

この方式になったときより亜鉛の価格も上がっているので、地金だけで1セント近いという状況ではあるらしい。

果たして他の硬貨の製造費など考えても効果的なのかはよくわからないけど

父日本人で日本国籍を取得する条件

少し前にニュースになっていたが詳細な事情が最近出てきた。

比残留2世の日本国籍認めず 「就籍」申し立て、家裁が却下 (JIJI.COM)

太平洋戦争後にフィリピンに残された日本人の子が後に日本国籍取得を求めて、

裁判所の審判を経て就籍が認められた事例は過去にもたくさんあったはず。

なのになぜ認められなかったのか? 気になっていたのである。

年月を経て立証が困難なのが問題だと思ったが、それより問題だったのが嫡出子でなかったことである。


現在は父母問わず親が日本人であれば日本国籍が与えられるが、

1984年の国籍法改正以前は、母が日本人で父が外国人の場合は日本国籍は与えられないことになっていた。

父が無国籍とか不明の場合はこれでも日本国籍だったそうだが。

かつてはこういう制度は世界的にも一般的でフィリピンもそうだった。

すなわち太平洋戦争中やそれ以前に生まれた母フィリピン人・父日本人の子は日本国籍しか取得し得なかった。

しかし戦後の混乱により無国籍のまま、ここまで来たわけである。

現在は日本もフィリピンも両親いずれかということで一応解消している。


しかし、ここで問題となったのが法律上の親子関係が認められるかどうかである。

母子関係は特に問題ないが、父子関係を認める条件は大きく2つである。

1つは結婚している妻の子として生まれる場合。嫡出推定ですね。

その場合でも嫡出否認が認められると親子関係はなくなるけど。

もう1つが認知による場合で、基本的には父親の意志で行う必要がある。

しかし、父親が認知を拒めば親子関係が生じないのは問題があるので、

裁判所の審判により強制的に認知させる制度も存在する。


ところがこのケースでは審判で認知させることはできないんですね。

民法第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

父親の死後、長期間が経過すると強制的な認知はできないのである。

父親が遺言などで認知した事実もなかったので、後にDNA判定などの方法で親子関係が立証できても、法律上の親子関係は生じない。

それでも日本国籍は認めてもいいんじゃないかという裁判だったと思うが、

現在の法律の解釈としては認められませんねと。それ自体は仕方ない判断かもしれない。


わりと近年まで、母外国人・父日本人の場合に法律上の親子関係が生じるタイミングが問題となることがあった。

現在もそうなのだが、生まれた時点で親子関係により国籍を取得する方法は、

「出生の時に父又は母が日本国民であるとき」となっている。

(生まれた時点で父死亡の場合は死亡時点で日本国民であればよい)

一見どうってことなさそうな規定なのだが、両親が結婚していない場合には問題がある。

出生時点で父親が決まるのは嫡出推定による場合か、胎児認知による場合しか存在しないのである。

生後まもなく父親が認知する意図があっても、胎児認知がなければ父不明という扱いになってしまうのだ。


このため、母外国人・父日本人で両親未婚かつ胎児認知なしの場合、出生時点で日本国籍は取得できない。

ただ、こういうケースを救済する制度として届出による日本国籍取得がある。

しかし2008年まではこの条件が「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの」となっていた。

生まれた時点で両親が婚姻関係になくても、後から結婚すれば夫婦間に生まれた子は嫡出子の身分を取得する。

これを準正と言うのだが、この条件を満たす必要があったのである。

すなわち母外国人・父日本人で日本国籍を得るためには、

両親が出生前後はともかく結婚するか、父親が胎児認知するかどちらかだったわけである。

なお、胎児認知は父親の意志で母親の同意を得て行う必要がある。

出生後の認知は父親の意志だけでできるし、裁判所が関与して強制的に認知させることもできる。

この点で従来は救済されない子がけっこういたわけですね。


このことがまさに母フィリピン人、父日本人のケースで問題になったわけですね。

2008年に最高裁判所で国籍法の規定は法の下の平等に反して違憲なので、日本国籍を認めるという判決があった。

これを踏まえて国籍法の改正が行われ。嫡出子の身分を取得するという条件がなくなり、認知のみでよいことになった。

もっとも従来の場合も日本人の子であることに違いはないので、

日本人の配偶者等の在留資格や、日本人の子としての条件での帰化は可能だったはずである。

帰化は日本国内に定住するのが条件だし、国の裁量権が大きいので、届出による国籍取得よりだいぶ不安定だが。

(裁判でもこのワークアラウンドがあるのを認めながら、法の下の平等に反すると判断している)


今回のケースも現在の法律上の規定としてはこうならざるを得ないという話なのだろう。

なので法律の方に問題があるという判断が必要になるのだろう。

おそらく死後の強制認知ができる期間に制限があるのは、

すでに行われた相続などに影響するのを避けるためなんだと思う。

平穏に相続した財産が、相続後何年もして奪われるようなことがあっては困りますからね。

だから今回の論点は無国籍状態を解消するという点だけのはずである。


とはいえ救済するべきという判断になるかは難しい。

今回は当時の日本・フィリピンが親子関係での国籍取得について父系優先だったという事情がある。

しかし、現在はそこまでして救済する必要はないという判断はある。

そもそも父親の死後、長期間を経ると、親子関係の立証自体かなり困難である。

これも戦後の混乱という事情があったから仕方ないという話だが、

こういう問題は本来は早期に解消しなければならないわけですよね。

総合的に見て現在の法律の規定は問題が無いという判断も十分あると思う。

一方で今回のケースは特殊ケースだと救済するべきという判断もあるし、

年月を経て立証が難しいなどの事情も考えて、やはり認める必要はないという判断もある。


気の毒な話だなとは思うんですけどね。

当時は母フィリピン人・父日本人の子はフィリピン国籍を取得できなかったが、

かといって2009年以前の国籍法の規定では両親が未婚のままでは日本国籍も取得できなかった。

(父系優先が一般的な時代でもこの規定だったのかはわからないけど)

となれば国籍取得は日本なのかフィリピンなのか帰化によるしかなかったわけですね。

ただ、ここまで先延ばしにするとさすがに困難だという考えはある。

今回はそれ以前の問題と突っぱねられているが、親子関係の立証だけでも難題だったはず。

ルピアのデノミネーション

とりあえず全機能実装したプログラムで機能確認を進めていたが、

バグだらけで相当修正したし、同じようなバグがないか調査してたら、

他のバグにも気づいて、やはりいきなりはうまくいかないもんだなと。

ただ、とりあえず基本的な目標は達成したんじゃないかね。


インドネシアの通貨、ルピアについてデノミネーションが計画されているらしい。

通貨ルピアのデノミ計画、インドネシア中銀が政府・国会と協議 (Bloomberg)

昔からあった話だし、そのたびに頓挫してきたので今回もわからないのですが……


韓国のウォンも世界的に見れば桁数が多い通貨である。

概ね1円=10ウォン程度なので、日本円より1桁多いと。

実質的な最小単位は10ウォンであることからもわかるが。

(現在は1ウォン・5ウォン硬貨の発行は停止されている)

ルピアはそれよりさらに1桁多い。1円=100ルピア程度である。

到着ビザ(VOR)の料金が50万ルピアなど、日本で見聞きするルピア建ての金額は基本的には万単位であることが多い。

1万ルピア=100円程度、それはそれでおさまりがよいという感じもありますけどね。


この桁数の多さについて当地では下3桁を省略する慣例があるという。

レストランのメニューなどは30Kというような表記がよくあるそうで、

これは30×1000ルピア=3万ルピアの意味である。

桁数が多いがゆえ、桁区切りを入れないと読めないということで、

世界的に一般的な3桁区切りを入れていたことから自然に定着したようである。

ちなみにインドネシアは元オランダ領ということもあり、

ヨーロッパ大陸で一般的なカンマが小数点、ピリオドが桁区切りとする方式になっているそう。

なので “Rp 500.000” のような表記になる。日本人があまり考えずに読むと500ルピアみたいに読めますが。

“Rp 1.000.000” って書かれてたらさすがにわかると思いますけど。


なのでデノミネーションも3桁減らすというのが有力である。

現在の実質的な最小単位は100ルピアなので、3桁落とすと0.1が最小単位になる。

(50ルピア硬貨は存在しているがほぼ流通していないそう)

実際この単位で精算してるのかね。丸められてることも多そうだが。

さっきも書いたようにもともと3桁省略する慣例があるので、

日常的な使い勝手はあまり変わらないのでよいだろうということか。


ただ、ルピアの桁数が多いというのは本質的な問題ではないのではないか。

ルピアの不便な点としてよく挙がるのが、10万ルピアが最高額紙幣であることなんですよね。

10万ルピアって日本円で言えば1000円程度ってことね。

日本の最小額紙幣とインドネシアの最高額紙幣が同程度なんですね。

日本は500円玉という高額硬貨があるという事情はあるんですが。

10万円相当の現金を運ぶだけで紙幣100枚程度、札束である。

なお、最小額紙幣は1000ルピアだが、2010年から硬貨でも発行されている。

ってそれ以前はこの単位でも紙幣だったんですね。ボロボロになって大変だったらしい。


韓国もかつてはこういう問題が存在した。

その対策として市中銀行が10万ウォン自己宛小切手を発行していた。

手票(スピョ)と呼ばれ、各行共通フォーマットでATMも対応してたとか。

しかし、小切手の発行コストがかさむ上に、偽造問題もあったという。

このため5万ウォン・10万ウォン紙幣発行の方向に動き、

2009年に5万ウォン紙幣が発行されるに至った。

(10万ウォンは肖像について議論がある中で立ち消えたそう)

5万ウォン紙幣があれば10万ウォンも2枚で済むので十分だということで、

かつて広く流通した手票も今ではほぼ使われなくなったそう。


だからインドネシア当局はルピアの桁数より先にやるべきことがあって、

それは50万ルピアとか100万ルピアの紙幣を出すことなんじゃないか。

さすがにその桁数を紙幣に書くのはという思いもあるのかもしれないけど。

これが3桁減ると 500 と 1000 だから平凡な数字になるのだが。


デノミネーションを行うのは銀行のシステムなどが対応できなくなることが理由で、

一時、ジンバブエが急激なインフレでデノミネーションを繰り返したのはまさにその理由である。

ただ、おそらくインドネシアの場合はそういう状況ではない。

ここまで桁数が増えたのは1978年~1999年ぐらいの期間でインフレが進んだためで、

当初は1USドルあたり415ルピアだったのが、10000ルピア程度になり、

だいたい1桁半ぐらい増えたわけですね。といってもその程度か。

以後は変動はあるが1桁も動くようなことはなく安定している。

この桁数を前提にシステムも構築されており、特に問題は起きていない。

ゆえにデノミネーションされても、システム上は大きな変化はなく、小数点の位置をずらすだけではないか。

となればデノミネーションする必要性はないという結論もある。


世界的に見れば日本円も桁数が多い方の通貨ではある。

ただ、日本では1円が最小単位として定着している。

USドルやユーロは0.01が最小単位なので、正味あまり変わらない。

システム上は 8.99ユーロは 899 と記録されているはずですからね。

桁数が無駄に多いということで言えば、韓国ウォン、インドネシアルピア、

あと日本の両替商が扱うところだとベトナムのドンもそんな感じのようね。

1000ドンが6円程度なのでルピアよりさらに少し細かい程度。

ただ、ここは最高額が50万ドンなので、10万ルピアよりは価値は高い。

どちらかというと問題は少額硬貨が機能しておらず、ほぼ全て紙幣でのやりとりになっていることなのかも。

スマートプログラムの条件が怖かった?

NTTドコモの子会社になった住信SBIネット銀行、

スマートプログラムの基準を変更するという通知が出ていた。

住信SBIネット銀行、「スマートプログラム」改定のお知らせ (住信SBIネット銀行)

全体的には従来より不利な傾向があるが、この変更には理由があるのではないか。


現在のスマートプログラムの条件だが、まず最低でもランク1にはなる。

これだけでATM手数料が月2回無料、他行あて振込が月1回無料である。

実は「アプリでATM」でセブン銀行・ローソン銀行を使う場合は何回でも手数料無料なので、

あわせて考えればこれでかなり事足りるのではないかと思う。

ここにスマート認証NEOの登録するだけでランク2になる。

これでATM手数料が月5回無料、他行あて振込が月5回無料になる。

大半の利用者はこれでしょうね。僕もそうだけど。


問題はその次のランク3の条件である。

スマート認証NEOに加えて特定の商品を使っていることなのだが、ここがかなり考え物である。

条件ごとに点数があって、合計3点以上満たしていればよいのだが、

1点もらえる条件が、外貨預金・仕組預金・SBIハイブリッド預金・純金積立・目的ローン・不動産担保ローン、

スポーツくじ/公営競技(月2万円以上)・カードローン(残高50万円以上)など。

わりとリスクや嗜好性の高い商品が多いことがみてとれる。

3点もらえる条件には、総預金300万円以上、住宅ローン・資産形成ローン、ロボアドバイザー100万円以上と。

ロボアドバイザーというのも安易に飛びつかれると怖いが。

この条件を満たすとATM手数料が月10回、他行あて振込手数料が月10回まで無料となる。


ランク4まで行く人はそうそういないと思うが、

これは残高要件が外貨預金+仕組預金で500万円とかなっている。

どちらかというとプラチナカードの契約者を想定しているのかな。


元々、住信SBIネット銀行はSBI証券と組み合わせて利用されることが多く、

証券とは異なる観点での資産運用ということで、外貨預金・仕組預金・純金積立があり、

借入して投資用不動産を買って運用するという資産形成ローンがあると。

リスクなどわかっている人が使う分には勝手なのだが、安易には推奨できないものである。

そこにNTTドコモが気づいたのかどうかはわからないのですが、僕は賢明な判断と思いますね。


新たな条件ではリスクの高い商品による条件は一切なくなった。

普通預金+SBIハイブリッド預金の残高による条件が基本で、

50万円以上でシルバー(概ね従来のランク2に相当)、

100万円以上でゴールド(ランク3に相当)、

500万円以上でVIP、1000万円以上でプラチナVIP(ランク4に相当)である。

ただし給与受取・口座振替がどちらかあればシルバー、両方あればゴールドになるので、

対象の口座残高が少ない場合も、日常的な利用があればランクは上がると。

この条件によりデビットカードの還元率も増減すると。


従来はスマート認証NEOを登録するだけでランク2になっていたが、

ATMという観点では「アプリでATM」が手数料無料になったので、

ベーシック(従来のランク1相当)でも困らないのではないかという話だろう。

このアプリでATMを導入したことも条件見直しの背景の1つであろう。

E-net, イオン銀行, ゆうちょ銀行ATMをメインにしている人には不利だが、それでも月2回分はある。

振込もことら送金が適用できる場合は回数の問題はないが……これはあまり現実的ではないかもしれない。


一方で気になるのが口座残高の要件で普通預金+SBIハイブリッド預金となっている。

円定期預金・外貨預金・仕組預金などは積算対象外である。

資産運用というところに重きをおいていた銀行なので、

現金を普通預金(SBIハイブリッド預金を含む)に置いておくのはもったいないとなりそうだが、

それが一転、普通預金を推奨するような行動に出たわけである。


ただ、こういう戦略をとっている銀行があることは知っていて、それがイオン銀行である。

イオン銀行はイオンカードセレクト会員に普通預金の金利優遇を行っていた。

今は普通預金の基本金利も上がったので破格という感もないが、

昔は基本が年0.02%が、イオンカードセレクトがあれば年0.12%なんてぐらい差があった。

これはこれだけ金利優遇しても定期預金や外部からの資金調達より有利だったからである。

実はイオン銀行はイオンカードの売掛金を背負っているのだが、

これはイオンカード会員の預金で吸収しているわけですね。


低利での資金確保を狙って普通預金(SBIハイブリッド預金含む)を推奨しているのかもしれないが、

そんな金あれば株を買うだの言う人が多そうな銀行でもある。

ベーシックとかシルバーでも悪くはないという判断はあると思いますが。

僕はその考えですけどね。ベーシックで悪いわけでもないし。

感覚的にはシルバーの要件はだいたい満たしているかなと思いますが、

かなり波があることは確かで常に満たしているとは言いがたいところ。

でもベーシックでも目的は達成出来ますので。

ずっと新線建設している会社

少し前に気づいたのだが、JR西日本は発足以来ずっと大阪の新線建設をしているのである。

なかなかそんな鉄道会社もないと思いますが。


JR西日本(西日本旅客鉄道)の発足は1987年、かつての国鉄の路線を引き継ぐ形で設立された。

設立時の本社は旧大阪鉄道管理局のものを使っており、これは現在のヨドバシ梅田の場所である。

設立後まもなく、現在の本社ビルの建設に着手して移転している。

同じく設立後まもなく着手したのが片福連絡線の建設である。

この路線は後にJR東西線と命名されることになる。

(正式路線名に「JR」と入るのはこれが初めてのことである)


当然、計画自体は国鉄時代から存在したわけですけどね。

具体的に着手したのは1988年に建設主体となる関西高速鉄道(株)が設立されてからである。

地下鉄の補助制度を使うためには地方公共団体か地方公共団体が出資する会社でなければならない。

このためにJR西日本と大阪市・大阪府・兵庫県などが出資する会社が作られたんですね。

完成後も所有者は関西高速鉄道で、線路使用料という形で借入金の返済を行うスキームである。

トラブルはあったが1997年にJR東西線として開通、JRの路線網に完全に取り込まれる形となっている。


次いで着手したのが大阪外環状鉄道、のちにおおさか東線と命名される路線である。

純然たる新線ではなく、もともと存在した城東貨物線の複線・旅客化事業である。

これも地方公共団体が出資する会社が主体となる必要があった。

最初は関西高速鉄道にそのままやらせようとしてたらしいが、

JR西日本・大阪府・大阪市が出資する大阪外環状鉄道(株)が別に設立、

これが1996年のことである。ちょうど東西線開通の頃なんですね。

既存路線の改修とは言え、けっこう大がかりな工事ではあって、

2008年に久宝寺~放出、2019年に放出~新大阪が開通している。


そして現在行われているのがなにわ筋線の建設である。

これも東西線同様のスキームが適用され、関西高速鉄道が主体となっている。

2019年になにわ筋線の事業許可を得ている。

2021年に中之島周辺から建設に着手、2031年開通予定となっている。

なお、なにわ筋線はJRだけの事業ではなく、南海も関わっている。

関西高速鉄道は両社に施設を貸付、西本町(仮称)~大阪(うめきた)の間では共同運行を予定している。


純然たる新線ではないが、梅田貨物線地下化も大事業だった。

これ自体は大阪市が主体となる連続立体交差事業なのだが、

あわせて うめきた新駅(結果的には大阪駅の一部となっている)を作るということで、

この部分はJR西日本が建設主体となっている。2021年に完成した。

この駅は従来から梅田貨物線を通過していた はるか・くろしお が停車するだけでなく、

おおさか東線の列車の延長運転が行われている。

さらに将来的には なにわ筋線の接続が予定されている。


なにわ筋線に続く新線事業もあるのではないかと見ていて、それが 桜島~夢洲 である。

万博期間中はバスが頻発したが、予約が取れずに使えない人も多くいた区間である。

もともと、コスモスクエア~新桜島(JR桜島駅とは別)の北港テクノポート線の構想があり、

このうちコスモスクエア~夢洲はすでに中央線の一部として開通しているが、

夢洲~新桜島は未成線という形で計画だけ残った状態になっている。

元々、新桜島は京阪中之島線の到達地点として考えられていたそう。

ところが改めて評価を行ったところ、従来計画の費用対効果(B/C)は1を下回る一方、

JR桜島~夢洲の新線建設はB/Cが1を上回り、40年以内の黒字化も見込めるとのことだった。


まだやるときまった路線ではないが、可能性はかなり高いと見ている。

なにわ筋線の開通後は 大阪(うめきた)~西九条の貨物線を走る特急はおそらくなくなる。

すると万博会期中に運行されたエキスポライナー(新大阪~桜島)のような列車を多く設定できるようになる。

新大阪~夢洲の直通列車は頻発するようになれば国際観光拠点としてはメリットが大きい。

地方公共団体が出資する会社が建設主体になると思われるが、

開通後の運行はJRの既存路線と密接に関係するのでJRの新線という扱いになるのではないか。


なにわ筋線が2031年開通予定で、この後に着手とすると2040年代の開通になると思われる。

ちんたらやってるなぁという意見もあるとは思うんですけどね。

どの計画も昔からあったものではあるので。

ただ、資金や採算性のなどの事情が揃うのに時間を要したわけですよね。

それはより公共事業の色が濃い整備新幹線では顕著ですが。


あと見ての通り、どれも地方公共団体が出資する会社が事業主体なんですよね。

JR他社でこの方式で新線建設が行われたのは他にないようである。

JR東日本の成田線(空港支線)のうち京成との並行区間については成田空港高速鉄道(株)が所有者だが、

これは複線分の用地を京成・JRの各単線(レール幅が違う)で分けるという都合によるものに思える。

JR東日本では羽田空港アクセス線の建設が行われているが、

空港敷地内は国が空港事業の一環で整備し、他は休止中の貨物線を流用する区間が多いからか、

全体的な事業主体としてはJR東日本自身となるようである。

イオンシネマと株主優待

今日は朝から映画鑑賞ということで、イオンシネマに行ったわけだが、

事前にチケットを買わずに劇場でチケットを買っている。

朝早かったので事前に買って寝坊すると惨事というのもあったが、

それ以外にも確かめたかったことがあったのだ。


今年8月末、イオンの株主名簿に記載され、株主優待の権利を得た。

イオンでの買い物はiAEONアプリにオーナーズカード情報を登録すればよい。

イオンの株主優待は案外いろいろなものがあって、その1つがイオンシネマでの優待である。

オーナーズカードご優待特典改定に関するご案内 (イオンシネマ)

株主またはオーナーズカードを持った同一生計者を含む4人までのグループが大人1000円・高校生以下800円になる。

ここには2つの気づきがあって、1つは株主と同一生計でなくても株主と一緒に映画を見れば対象になり、

もう1つはオーナーズカードは2枚渡されているので、株主と配偶者でそれぞれ1枚ずつ使えば、

最大8人のグループまで特典が受けられるということである。

さらに1グループにつき、ポップコーンまたはドリンクが提供されるという。

ただ、これ大きな制約があって、それは劇場でオーナーズカードを使って購入した場合に限られるのだ。

Webのe席リザーブで購入すると対象になり得ないのである。


イオンシネマの券売機はe席リザーブの画面と似ている。

Webでも思うけど操作数が多いのはどうかと思うんですがね。

知ってたんだが、特別興行なのでオーナーズカードを読ませるところは全く無かった。

料金は変わらないにしてもポップコーン券が付いた株主優待チケットが買えるのかと思ったが、

あくまでも株主優待料金で買える場合に限られていると。

試しに他の作品で購入画面を進んでみたら、ムビチケなど選ぶ画面の中に、

オーナーズカード特典の選択肢があって、これを選んでオーナーズカードを読み込ませると、

株主優待料金でチケットが買えて、ポップコーン券が出てくると。


Webで株主優待料金が適用できないのは不正利用対策という意味合いも大きいのでは?

オーナーズカードの現物を確実に確認出来る手段としてこうしていると。

入場口でいちいちオーナーズカードを見るようにすればよいが、

そこら辺を徹底するのは難しいということでもあるのだろう。


特別興行というのは「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第2章」のこと。

映画なのにODS上映?

第2章は京阪神の3都市を舞台に6人がスクールアイドルグランプリに参戦する話で、

第1章の6人と半々に分けてストーリーが進んだわけですね。

今回、京阪神エリアの様々なスポットがイベント会場などとして出てきている。

映画公開に合わせて様々な会社とコラボレーションが行われているが、

その名前を見るとそうそうなる面々で、さらに映画に協力した施設はさらに多い。

京都はもともと映画やドラマの舞台になることが多い都市だし、

神戸もなんとなく想像できる風景だが、やはり大阪ですよね。

映画ポスターに使われた新梅田シティの空中庭園展望台は物語のキーとなる場所の1つだが、

おいしいところは大阪が持って行った感はある。

羽田空港第2ターミナルは偏っている

調べごとのために羽田空港のフロアマップを見てたのだが、

第2ターミナル 国内線出発階のマップを見ると、南側が完全に欠けているのだが?

その昔、米子行きの飛行機に乗ったゲートが存在しないのである。


といっても消えたわけではない。このゲートは国際線用に使用されている。

でも、この一帯全部が国際線専用になったんだっけ?

確か相当割合は国内線と兼用だったはずだが……と思ったらどうも今年3月から国際線専用化されたようである。

なんと現在の羽田空港第2ターミナルには国内線・国際線を切り替えられるゲートが1つもないのである。


これは元々の国内線・国際線の切替方式によるところも大きい。

国内線・国際線ともに多く設定されている空港というと、

やはり関西・中部の両空港で、ここの第1ターミナルには切替可能なスイングゲートがある。

ドアの開け方によって国内線エリア、国際線エリアのどちらにつながるか選べるわけである。

関空はエリアの境目のゲートが、セントレアでは国内線エリアを立体的に乗り越えている。

このスイングゲートは時間帯により使い分けるという意味もあるが、

国内線と国際線が切り替わる便でも活用され、関空だとジェットスタージャパンがよく使っている。

成田空港は昔は国内線は必ずバス搭乗だったが、現在は一部の搭乗口が国内線エリアと接続されている。


一方の羽田空港第2ターミナルは待合室ごと国内線・国際線を切り替える方式である。

この方式は成田(T3)・中部(T2)という主にLCC向けの新設ターミナルでも使われている。

国内線・国際線の切替が多いことを想定してのことである。

比較的細かくゲート数を切り替えられるようになっているようである。

一方、羽田空港第2ターミナルでは66・67A/B・68・69・70番ゲートの領域を一気に切り替える必要がある。

国内線・国際線を切り替えるには事前に点検が必要なのは言うまでもない。

かなり広い範囲を一気に点検して切替というのは相当な手間だったのではないか。


今年3月にバス連絡になっていたサテライト棟が本館に連結された。

サテライト棟は元々本館への連結を想定して作られていた。

この間にある貴賓室の移設に時間を要することから飛び地での開業となった。

連結のための増築部には5つのゲートが設置されている。

これにより国内線のゲート数は十分確保できるということで切替をやめたわけである。


結果的に言えば切替機能は極めて短命に終わっている。

というのも羽田空港第2ターミナルの国際線機能は2020年3月から運用が始まることになっていたが、

当時は国際線の本数が激減、まもなく運用停止された。

切り替え可能な部分はずっと国内線に使っていたわけである。

2023年7月に第2ターミナルの国際線機能が再開したわけだが、

この切替機能はそんなに使われてなかったという話もある。


第2ターミナル国際線はANA専用だが、そのANA便でも全ては入っていない。

元々国内線の設備を転用したので必ずしもマッチしてない部分もあるようで、

70番ゲート(小型機専用)は1日通じて使われていない状況である。

そして問題は国内線のゲート位置が偏ってしまったことである。

中央から見て南側は国内線に使わなくなった結果、北側に大きく偏ってしまった。

端はすさまじく遠いが、移動手段はムービングウォークがあるだけである。

バス搭乗の削減のためにゲートを増やしたわけだけど、

バス搭乗なら中央部にあるバスゲートから乗れば飛行機の近くまで連れて行ってくれる。

歩けるようになったサテライト棟のゲートは歩くしかないので、かえって遠いという話も。


しかも恐ろしいことにかつてのサテライト棟の先もさらに拡張の予定があるという。

北側に保安検査場を追加するなど考えられるが、本質的に遠いことは変わりない。

こうなるともはや別のターミナルビルにしたほうが……と思いますが。

成田空港の第3ターミナルはわりとそんな感じよね。

ただ、他の施設の移設を考えると容易には実現しないのだろうし、

駅の位置は変わらないのだから結局歩くことに代わりは無いのかも。


で、どうも第1ターミナルも北側への拡張計画があるそうで。

羽田空港、第1ターミナル北側サテライトが26年夏開業 初の木造・鉄骨ハイブリッド構造 (Aviation Wire)

エプロンの改修工事のための代替ゲートという側面もあるようだが、

それ以外の用途としてはどういうことを考えているんでしょうかね。

やはり国際線なんですかね?

球団が選手の保有権を持つということ

ちょっと気になった話なんだけど……

海外FA権は保有しておらず、球団はポスティングによる移籍は認めない方針。不可欠な戦力として全力で慰留するが、再び夢を追うことを望めば、自由契約になることが現実的だ。

(ソフトバンク・有原航平、流出も メジャー再挑戦の意思 海外FA権なく球団ポスティング認めない方針…自由契約の可能性 (スポーツ報知))

ソフトバンクホークスの有原選手がMLBへの移籍を考えているが、球団は容認していないが、

このまま交渉決裂すると自由契約になって結局はMLBに移籍されてしまう? という話が書かれている。


先日、誰それが戦力外通告という話がニュースで様々報じられた。

戦力外通告というのは制度的にはやや複雑なものである。

各球団は12月頭に保留選手名簿というものを提出する。

来季も契約を継続する意思がある選手を記載するのだが、ここに記載された選手は他球団との契約交渉が禁止される。

現在、支配下契約にある選手のうち、保留選手名簿に記載しない選手には事前に通知をすることが求められている。

これが戦力外通告……と単純に言えないのが難しいところである。


というのも契約を継続する意思があっても、保留選手名簿に書けない選手がいるんですね。

それは大幅減俸を予定している場合。

一定以上の減俸を行う場合は自由契約にしなければならないルールがあり、

保留選手名簿に書けないので、事前の通知が求められている。

それをきっかけに他球団との交渉を行う選手もいるが、減俸を受け入れて契約を継続する選手もいる。

(減俸合意が得られれば保留選手名簿に書くのかもしれないが)


保留選手名簿に書かれた選手は球団に保有権があるという扱いで、

国内外を問わず他の球団に移籍することはできない。

この保有権というのは任意引退した選手も3年間(かつては永久に)存続する。

万が一、引退選手が現役復帰することがあれば、元の球団に戻るか、

元の球団の了承を得て自由契約になる必要があるという意味なのだが……

本当に引退であればどうでもよさそうだが、そうでもないのである。

アマチュア野球の選手・指導者に転身するには自由契約にならないといけないというルールがあるから。

このため最近は引退選手は自由契約にすることが多いようである。


冒頭に書かれたように本人に継続する意志がない場合でも、

球団が保留選手名簿に書けば、他球団との交渉はできない状態が続く。

その場合でも野球界以外に転身する自由はあるため、職業選択の自由はあるとは言えるが……

とはいえ、現実的にこういう状況が続くことは考えにくいように思う。

そもそもなぜ戦力外通告が行われるのか? というところに立ち返ると支配下契約できる人数が限られているからである。

球団が契約の意志があると表明し続ける限り、その分の支配下契約枠は空けておかないといけない。

現実的に契約できないと判明した時点で、その選手を自由契約にしてその枠を他の選手との契約に回すのが合理的である。

なお、保留選手名簿に書いた後で自由契約にすることを「契約保留権放棄」という。


有原選手は現在ホークスに所属しているが、元は日本ハムファイターズにいた。

2020年のオフ、球団の了承を得てポスティング制度でMLBに移籍したが、

うまくいかず自由契約、日本に出戻りすることになった。

この際、ファイターズは再契約のオファーを出したそうである。

ただ、それより好条件を出したホークスに所属することとなったという。

このことを「有原式FA」という人もいて、制度上の欠陥と言う人もいる。


NPB球団間の移籍にフリーエージェント制度を使う場合、

年俸が高い重要度の高い選手が移籍すると、移籍先の球団から移籍元の球団に補償金の支払いが必要で、

さらに人的補償として移籍先の球団から選手を引き抜くこともできる。

人的補償による移籍を拒否すると資格停止処分となり試合に出場できなくなる。

引退するなら関係ないので、これが時に問題になることはあるが。


一方、MLBなど外国への移籍について、フリーエージェント制度を使うと一切補償がない。

この点でポスティング制度は移籍金の支払いがあるという点で移籍元球団には有利である。

このためフリーエージェントで移籍される前にポスティングでの移籍を認めて金にするという戦略がある。

ただし、お金持ちのチームにとっては移籍金もはした金である。

そう、ソフトバンクホークスはお金持ちなのでポスティング制度の移籍金なんていらないのである。


日本人のMLB球団移籍というのは近年では珍しくもないが、

1995年にMLBに移籍した野茂英雄さんは近鉄バファローズといろいろ揉めた末、

バファローズを任意引退して、MLBに移籍するということをやっていた。

当時はルールが未整備のため、NPB球団の保有権は外国まで及ばないということでこうしたらしい。

すなわち日本に出戻りする場合はバファローズと再契約するか、了承を得て自由契約になるかだと。

現在はこういうことはできない。保有権は外国に及ぶし、外国球団に移籍すると保有権は失う。


裏返せば保有権を主張し続ければ、選手の意図によらずMLB移籍は封じられる。

任意引退であれば契約がなくなっても3年間は保有権は継続するが、

任意引退は本人の意志によるものなので球団側から押しつけることはできない。

(円満引退であってもアマチュア転身の意向があれば自由契約にせざるを得ない)

保留選手名簿に記載し続ければよいが、支配下契約枠には限りがある。

このためどこかで自由契約を認めざるを得ない。

ひとたび自由契約を認めればMLBはもちろん、他のNPB球団との契約も自由であり、

ポスティング制度や国内のフリーエージェント制度のような補償制度はない。


選手を過度に縛るのも考え物だが、球団同士の秩序というのもある。

「有原式FA」なんてまさにそうだけど特殊なケースではどうもうまくいかないと。

冒頭で書いた話も、通常のルールでは想定されない話ではあるが、

果たしてそういうこともあるのだろうか?

そもそも契約更改かポスティング制度でのMLB移籍か、通常考えられる選択肢でお互い折り合えればよいのですが。

暗証番号が弱い宅配ロッカー

少し前にうちのアパートに宅配ロッカーが導入された。

もしかしたら今どきの感覚では当初なかったという方が合ってるのかも。

そこはあまりこだわりはなかったのだが、確かに家探しのとき、宅配ロッカーを設置している物件は多かった覚えがある。


かつて、社宅住まいのときにも宅配ロッカーはあったのだが、

このときのロッカーと今のロッカー、大きく異なる点がある。

それは暗証番号の仕組みである。

社宅の宅配ロッカーは、部屋ごとにあらかじめ暗証番号を決めておく。

配達するときは部屋番号を入れて置いて、受け取る時はあらかじめ決めた暗証番号で受け取る。

一方、今の宅配ロッカーは暗証番号を配達時に決める方式である。

集合住宅向けだとそういうタイプもあるんですよね。


そうはいってもあらかじめ配達日時の調整などして対面で受け取ることは多いのだが、

知らない荷物が届くこともあるので、そういうときにロッカーがよく使われている。

おそらく配達員の端末に暗証番号の作英支援機能もあるんだろう。

それで受け取ろうとすると開かんのだが?


この宅配ロッカーの暗証番号はなかなか脆弱である。

というのも数字のボタンの順序ではなく、組み合わせで決まるためである。

4桁の数字の順序を含めた組み合わせは単純に10000通りだが、

このロッカーは10種類の数字が押されているか押されてないか

210=1024通りということになる。

ただ、4つの数字を押すということで言えば 10C4=210通りである。

まぁ暗証番号を作る装置がダブりありで出してくれば、

3つとか2つとかの組み合わせも入るわけですが。


というわけでどれか1つ押し忘れたのでは? と順番に試してみたら、

正解で1桁押し忘れていて、4桁の数字の内3つ押せば開いた。

まぁそういうミスもあるという話ではあるが、

4桁押さなくてもロックがかかるので、そういうことはあると。

これ、開かなかったら、運送業者に問い合わせるようにとはあるが、

運送業者もわからなければ実質的には大家、というか管理会社に開けてもらうしかない。

じゃあ最初から管理会社でいいんじゃないかって?

そこは運送業者の責任だから、そっちにまずは言ってくれと居住者向けには書かれている。