広告ごとコメント欄を折りたたむ

このBlogをどういう形で見ているかはわからないけど、

最近、個別記事のページの下の方で広告が気になってた人がいるかもしれない。

これはコメント機能のために利用しているDisqusが付けている広告で、

有償サービスを利用すれば広告が付かないとかあるのだが、そこまでするほどの価値は見いだせない。

ただ、この広告、さすがに低俗に過ぎるのではないか。


けっこうそういう不満を持つ人は多いようで、打開策の1つとして普段は閉じておくという方法が書かれていた。

確かにコメントを書いたり読んだりしたいというのは稀だろうから、

その場合だけ表示すればいいのはその通りである。

Disqusのコメント表示を行うdiv要素を非表示にするには、

スタイルシートでdiplay:none; を設定すればよい。

その上で、リンクをクリックしたら document.getElementById(“disqus_thread”).style.display=”block” にセットすればよいだろう。

ところがこの方法には それは#disqus_threadへのリンクで、コメントの位置にジャンプできないという問題があった。


どういうことかというと display:none; が設定された要素は存在しないのと同じ扱いになる。

このためid=”disqus_thread”の設定されたブロック自体が消失してしまうのである。

結果として #disqus_threadへのリンクが機能しなくなるわけである。

うーん、一体どうすればいいんだろうか。


いろいろ調べたところ、代替策としてはリンクをクリックしたら、画面の位置を動かすという方法があるようだ。

具体的にはこんなJavaScriptを記述することで解決した。

if(!location.hash){
  var disqus_block = document.getElementById("disqus_thread");
  var disqus_pos = disqus_block.getBoundingClientRect().top
+ window.pageYOffset;
  disqus_block.style.display="none";
  var links = document.getElementsByTagName("a");
  for(var i = 0; i < links.length; i++  ){
    if(links[i].getAttribute("href").indexOf("#disqus_thread") >= 0){
      links[i].onclick = function(){
        document.getElementById("disqus_thread").style.display="block";
        window.scrollTo(0, disqus_pos);
      };
    }
  } }

#disqus_thread などページ内のアンカーを指定してのリンクの場合は、普通に表示する。

そうでない場合は、id=”disqus_thread”の要素を style.display=”none”に設定するが、

その前にこの要素のY座標をdisqus_posとして保存しておく。

その上で #disqus_threadへのリンクのonclickイベントとして下記2つを記述する。

1つはid=”disqus_thread”の要素を style.display=”block”にして表示状態にすること。

もう1つはdisqus_posに保存して置いたY座標に画面をジャンプさせる。

(ちなみにこの記述は他ページの#disqus_threadへのリンクまで書き換えてしまうので厳密ではないが、実態からよしとしている)


それはそうとして広告の質の低さというのはここ最近、いろいろと問題になっている。

Disqusの広告はただただ低俗というぐらいでそこまでではないけど、

あるアプリでは明らかな違法コンテンツに向けた広告が表示されたり、

いかにも人を不快にさせるような広告に埋め尽くされたり……

オレンジページから“性的広告”は消えたが、「足の爪どアップ」や「インプラントの歯茎」もツラい (ITmedia)

料理のサイトに性的なコンテンツの広告が表示される事象があり、

当然意図したものではなく、広告ネットワークの審査をかいくぐって表示されたものだったと。

それは意図に反するにしても、じゃあ代わりに表示される広告はなんなんだというと、

足の爪に関する広告だったり、インプラントの広告だったり、それはそれで不快と。


見ている人にとって何らか有益に思ってもらえる広告の方が価値が高いのは言うまでもないが、

そういう広告はなかなか集まらないというのが実情のようである。

代わりに集まる広告は価値も低ければ、単価も安いという状況なのだろう。

それで十分な収益を得るには広告の量も増やさざるを得ない状況で、

画面をブロックして広告を表示するという手法も見られるところである。

かといって有料コンテンツで商売していくのも容易なことではない。

大量に使うなら有料会員になってもいいかもしれないけど、

そんなに使わないものを有料会員限りにされたら、使わないという答えになる。


Disqusもそうで、有料サービスが必須になったら、コメント欄撤去を選びますよ。

このBlogにコメント機能なんてほとんどいらんでしょ。

でも稀に役立つから置いているというのが実情である。

広告があまりに煩わしければ、それすらも受け入れられない状況だったが、

必要時のみ表示するというところで1つ落とし所にしようと。

皆様方におかれてもこの程度はご容赦を。

再帰呼び出し疑惑とスタック消費量見積もり

最近、スタック消費量の見積もりをやっている。

前にも書いたのだが、どんぶり勘定というわけにはいかない部分があり、真面目に計算している。

リアルタイムOSのスタックの使い方


コンパイラにスタック消費量の見積もり機能があって、

この関数を起点にしたスタック消費量を計算してといえば、普通はうまく出てくる。

ただ、アセンブラのコードやポインタ呼び出しの関数があるとそうもいかず、

それで前にOSの中身を調べていたという事情もある。

とはいえ、このあたりは調べればだいたい判明するものである。


ところがこれだけでは済まない部分があって、それが再帰呼び出しである。

関数の再帰呼び出しがあると 関数A→関数B→関数A→関数B……

となるとスタック消費量の見積もりは発散してしまう。

当然、無限に再帰呼び出しされるということはあり得ないし、

なんなら再帰呼び出し自体が発生しないことも多いのだが、解析上生じてしまうことがあると。

こういうケースについては再帰呼び出しの最大回数を指定して解析する機能がある。

再帰呼び出しはせいぜい1回だろうという検討が付いていれば、最大1回と指定すればうまくやってくれる。

実際は1回も再帰呼び出しにならないものが多いから過大な見積もりのような気はするけど。


ところが、これでもうまくいかないケースがあったのである。

(関数A, 関数B, 関数C)→関数X→関数Y→(関数A, 関数B, 関数C, 関数D) のような呼び出しパスがあると、

複数の再帰呼び出しのループが関数X→関数Yで被ってしまう場合である。

関数Aの再帰呼び出しが最大1回となるケースを考えても、

A→X→Y→B→X→Y→C→X→Y→A→X→Y→D のような遠回りをするケースも想定され、

解析ツールもこういうケースはまともに結果を出せないと警告が出てくる。

うーん、困ってしまった。


で、いろいろ調べたわけだが、こういうことは実際には存在しなくて、

例えば、関数Aを起点にした場合、関数Yには遷移しないとか、

関数Yから先への遷移がないとか、関数Yで呼び出す関数は関数Dに限られるとか、

いろいろな制約を付ける余地があることがわかった。

ところが、こういうのを解析ツールに設定する方法がないので、さてどうしたものかと。


考えた結果行き着いたのは、こういう問題を引き起こす関数のスタック消費量を別途計算して、

その結果を使って他の関数のスタック消費量を計算させるという方法だった。

関数Aを起点にした場合、関数Yには遷移しない場合は、

関数Yのスタック消費量は計算に入れないとしてスタック計算をさせる。

こうすると再帰呼び出しにならないので普通に計算できる。

関数Yからの遷移先が限られるというのは、いずれもポインタ呼び出しで、

ポインタ呼び出しの関数を列挙している部分を書き換えて、スタック計算させる。

この結果を関数Aのスタック消費量としてオーバーライドしておけば、回避できるというわけである。


しかし、なんでこんなわけのわからないことになってしまっているのか。

実はこれは社内でコーディングされたものではなく、

あるベンダーから購入したライブラリのコードなのである。

なかなか、どんぶり勘定とはいかないし、スタック消費量はコンパイラ次第、

どうしても我々の責任でもってスタック消費量を見積もらざるを得ない。

確かに意図的に再帰呼び出しを利用しているコードも一部には存在するのだが、多くはそうではない。

どうも関数ポインタを多用していることが背景にあるらしい。


解析上、関数ポインタ呼び出しを行う関数は、関数ポインタに入りうる関数をすべて列挙せざるを得ない。

ところが実際には呼び出し元によりだいたい限定されているのである。

わかりやすいパターンでは、関数ポインタを引数にとる関数があって、

func_z(func_1, ….); のように具体的な関数名を指定して呼び出される。

この場合、関数A→関数Z→関数B、関数C→関数Z→関数D のようにルートは決まり切っているが、

解析上は関数Zは関数B, 関数Dを呼び出しうるとして記述する。

この結果として解析上は再帰呼び出しが存在することになるが、実際にはあり得ないわけである。


ライブラリのコードの中身に立ち入る必要は本来なさそうなのだが、

デバッグやカスタマイズの都合で現実にはいろいろ立ち入っている。

あまりに複雑なコードに「一体何を考えてコーディングしてるんでしょうね」とぼやいているひとがいたが、

確かにこれは何を考えて作っているのか大変わかりにくい。

難しいですね。


当初は明らかにあり得ないパスの計算結果を出してすさまじい数字になっていたが、少しずつ収束してきている。

まだいくつか解消しないといけない再帰呼び出しはあり、難易度は高いが、なんとかなるかなぁと。

「もうひとつの京都」は4つあった

「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」というのを聞いたことある人はどれぐらいいるだろうか。

わりと京都府と行き来のある人なら見聞きしているかもしれない。

これらは「もうひとつの京都」というキャンペーンによるものである。

海の京都ってのはいかにも印象深いし、この中では一番積極的な活動が見られる。

2016年前後からこれら3地域のキャンペーンは行われている。


京都府内にはこの3つのキャンペーンの対象地域に含まれない地域がある。

当然、京都市は含まれていない。京都市以外への観光誘致を目的としたキャンペーンだからである。

その京都市の西側にある向日市・長岡京市・大山崎町で、これらの地域は乙訓地域と呼ばれる。

生活面では京都市への依存度が強い地域とは言えるのだと思うが。

で、気になって調べたところ、乙訓地域でもこういうキャンペーンはあって、

それが「竹の里・乙訓」で、あまり知らなかったが同時期からやってたらしい。


3つのキャンペーンの対象エリアも細かく見てみると気になることはある。

「森の京都」は京都府の丹波地域で、亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市が該当する。

厳密なことを言うと現在は京都市に属する京北なども丹波である。

区域ではないが「森の京都」のWebサイトには京北のことも書かれてはいる。

乙訓ほどではないが観光面では影が薄い感じはある。

目下においては亀岡のサンガスタジアムを中心に広げていきたいとのこと。


「お茶の京都」は宇治市以南の山城地域である。

本来は山城というのは京都市も含むし、乙訓地域も含むのだが、

京都府の行政区分としては京都市を除くのが慣例で、乙訓地域も時に除かれる。

宇治茶のブランドを形成した宇治市、茶畑が広がる周辺地域を意識してお茶の京都と言っているが、

実際には八幡市などはそういうイメージではない地域も含まれている。

京都の郊外として歴史ある地域というのが「お茶」というところに現れているということか。

その中でも南部の相楽地域はもはや奈良の郊外という色合いが強いが。

(奈良県のパンフレットにもあたかも県内のように書かれてたし: あられ舞う南山城と火の粉舞う奈良)


で、気になったのが「海の京都」なんですよね。

これ、最初は丹後という意味だと思っていたが、丹後+福知山市+綾部市が正しい。

そうなんですよ。福知山・綾部は「海の京都」と「森の京都」の両方の対象地域なんですね。

海の京都の典型的な地域が天橋立(宮津市)や舞鶴といった地域である。

いずれも長い歴史のある景勝地であり、港町である。

福知山・綾部はそれ自体が海に面しているわけではないし、歴史的な区分も異なる。

しかし、交通面で言えば、綾部や福知山を経て丹後や但馬(兵庫県)といった日本海側の地域へ向かうことが多い。

おそらくこういう流れを考えて海の京都に含んでいるのだと思う。


この3つのキャンペーンの特色としてDMOの存在がある。

DMOはDestination Management Organizationの略で日本語で言えば「観光地域づくり法人」らしい。

従来的な観光協会などがこの役目を果たしていることも多いが、NPO法人や株式会社という体裁を取るものもある。

(株)南紀白浜エアポートが和歌山県牟婁地域を中心とした地域連携DMOとして書かれているが、

この会社は南紀白浜空港の運営とともに旅行業をはじめとした観光誘致を行っているためDMOなのだという。

京都府ではもうひとつの京都のキャンペーンに合わせて観光協会を再構築していて、

特に一般社団法人京都府北部地域連携都市圏振興社(海の京都DMO)では、

構成市町にあった既存の観光協会を集約しており、事業規模が大きい。

さっきもあったが福知山・綾部は森の京都の区域でもあるが、

地域の観光協会に相当するのが海の京都DMOなので、ちょっと複雑である。

他はそこまでではないが、いずれのDMOも旅行業登録を持っており、旅行商品の開発なども行っている。


「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」という言い方も気に入らないところはあるが、

一方でこれらのキャンペーンが功を奏していることは確かである。

やはり京都というのが世界的な観光都市であるところ、

その周辺も魅力的な地域が多々あるというのでうまくやっているとは思う。

どちらかというと乙訓地域は京都市内の観光を分散させるという観点で興味がありそうで、

これは京都市が山科・醍醐地域への観光客誘致に取り組んでいるのはよく知られているが、

同様に「京都西山」ということ京都市西京区に属する地域も含めた乙訓地域のプロモーションもしている。

この点で切っても切り離せないという言い方はできるかもしれない。

それは伏見と「お茶の京都」であるところの宇治・八幡とかもそうだけど


比べるものではないが、奈良県が中南部への観光客誘致に苦戦しているのは昔からである。

みどころは多い地域ではあるのだがポテンシャルに見合っているとは言えないだろう。

昔は奈良市を中心とした北部にしても宿泊客が少ないと言っていたが、

最近はホテルの充実も進み、少しずつだが滞在形の旅行にシフトしつつある。

とりあえずこれでも大きな進歩と捉えられているところだが、

それが中南部まで波及するのはまだ遠いというのが実情かなとも思う。

どっちかというと「お茶の京都」への観光誘致に寄与しそうな話だが。

(「お茶の京都」の課題にも宿泊施設が少ないことが書かれていたし)

奈良県だって中南部への観光客誘致に興味がないわけではないだろうが、

でも優先度の面で奈良市周辺を中心に考えていたところはあるだろう。


奈良県で言えば中南部なのか、中部と南部(五條・吉野)なのかわからないけど、

一定の地域ごとに広域観光の司令塔がいるのは1つのモデルではないかと思った。

地域連携DMOの一覧を見て、ああそういえばと思ったのが「KIX泉州ツーリズムビューロー」で、

これは和泉地域の市町で構成されていてKIXとある通り関西空港と関連付けた活動である。

いろいろな観光資源を掘り起こして、特に外国からの観光客誘致では一定の成果を得ている。

けっこうやりようはありそうな気がしますよね。

ヤフオクの入力画面が変わった理由

ショックなことがあって、それがヤフオクでクーポンの適用漏れがあったこと。

どうしてそんなミスをしてしまったのかというと、最近操作手順が変わったのである。

落札後の取引画面、手順の変更について (Yahoo!オークション)

従来は取引情報の入力とYahoo!かんたん決済での支払の2ステップに分かれていたのだが、

出品者が送料決定するプロセスが不要な場合はワンステップでできるようになった。

普通に考えれば便利になったという話ではあるんだけど。


そもそも、昔のヤフオクはおてがる配送もなかったし、かんたん決済も必須ではなかった。

取引ナビのテキストで送付先、送料、振込先などの情報をやりとりしていた。

これがだんだんと定型化されてきたという流れがあり、

まず送付先などの情報は取引ナビのフォームに入力することが基本になった。

支払はYahoo!かんたん決済の利用が原則になった。

送料も自動的に決まるケースが多くなっていた。

1つは送料込みの場合、開始価格=即決価格でYahoo!フリマへの掲載を希望する場合などこれにあたる。

2つ目が おてがる配送を利用する場合、この場合はサイズを登録しておけば、自動的に送料が計算できる。

3つ目があらかじめ送料を入力できるケース。

基本的には全国均一じゃないと難しいかな。(沖縄県と離島だけは別金額を指定できるが)


こうなってくると、送付先の入力→Yahoo!かんたん決済での支払は連続してできるのだが、

出品者が送料を決めるプロセスを挟むことがあるという理由で2工程に分かれていた。

Yahoo!かんたん決済のフォームも送料の額を任意に変更できるフォームになっていた。

すなわち、送料が自動的に決まるパターンでもやりとりで送料を変更することはできた。

ただ、これがトラブルの原因になるケースもあったんじゃないかと想像するところはある。

あと、この仕組みを理解できてなくて、支払せずに放置されるケースもあったかもしれない。


冒頭に書いたクーポンの適用漏れがなぜ起きたのかという話だが、

従来はYahoo!かんたん決済のフォームへの入力時にクーポンを選ぶ仕組みだったが、

新しいフォームでは一括化されたので、最初の取引情報の入力時にクーポンを選ぶ必要がある。

ところがそのことに気づかず、かつ表示を見落としてしまったのである。

Yahoo!フリマと同じになったという意味ではよいのですが。

ちなみにYahoo!フリマの場合はクーポンはそのとき持っているものでもっとも有利なものが自動選択される。

が、それがもっともよいかは状況によるので選びなおす必要はあるかもしれない。


実は今回、落札した商品は大きな不満があって、

それが本なのに発送方法が宅急便だったということである。

それを おてがる配送で落札者負担となっていたのである。

明らかに割に合わない送料をふっかけてくる商品というのはあるが、

これはおてがる配送なので、支払った送料はそのまま差し引かれる。

なので送料を浮かせて出品者がかすめ取るみたいなことはあり得ない。

(そういう行為はそもそも禁止されているけど)


ただ、それでもこれまでメルカリなどに出品されていた価格よりは安かった。

本当ならネコポスとかゆうパケットのような手段を選んでほしかったが、

そのためには一旦出品を取り消してもらわないといけない。

オークションの期日も当日まで迫っており、取り消して再出品という対応には時間に余裕がない。

落札後に発送方法を変更できるか確認してみたのだが、

匿名配送で変更できるのは想定より大きなサイズになった場合のみで、

後からネコポスに変更するようなことはできない。


となれば匿名配送を使わずにレターパックライトなど考え得るが、

レターパックライトの430円と宅急便60サイズの関東圏内々750円はそこまで大きな差ではない。

この出品者、過去の実績でも発送が早く、それは おてがる配送だからこそというのはある。

おてがる配送の枠内でネコポスに変更して、送料が安く出来るなら、

これは出品者にとっても受け入れやすいが、全く違う方法は難しいだろう。

後で気付いたけど、そもそも新しいフォームでは送料を後からやりとりで変更すること自体ができない。

なので落札後のやりとりで送料を変えるということがそもそもできない。

できるとすればまとめて取引の場合のみである。


だからこそクーポンを適用して送料を少しでも相殺したいと思っていたのだが。

このミスに気づいたときにはものすごいショックだったのだが、

それでもメルカリよりはだいぶ安かったし……とは思う。

あと発送はすごく早かった。この点ではよい出品者である。

送料出品者負担でおてがる配送を使っているのも透明性が高くて基本的にはよい。

ただ、そもそもこれが宅急便60サイズというところが疑わしいことが問題である。

絶対そんなサイズなわけがないんだけど。

大阪とシカゴ、タイガースとカブス

MLB TOKYO SERIES としてロサンゼルス・ドジャース vs シカゴ・カブスが東京ドームで行われるにあたり、

その前座として読売ジャイアンツと阪神タイガースが両チームと試合するということで、

大変盛り上がっていたところである。

ちなみにこの試合は日本の2チームのホームゲームの扱いなので、

東京ドームの一塁側に阪神ファンが大挙して詰めかけるという不思議な光景になっていた。

確かに日本という点ではホームだが、阪神が東京で主催試合を行うわけもなく変な光景である。


偶然かどうか知らないけど、大阪とシカゴは友好都市として長年にわたり関係がある。

大阪の友好都市はいろいろあるけれど、シカゴというのはどうにも印象深い。

なにかと類似性の多い都市だと言われている。

お好み焼きとシカゴピザと丸い食べ物に縁がある……というのはさておき。


金融関係では大阪とシカゴは先物取引で名前を聞く都市である。

日経平均株価先物は大阪(大阪取引所)とシカゴ(CME)が代表的である。

実際にはシンガポールも取引量が多いんだけど。

江戸時代に米取引の中心だった大阪、穀物の集積地だったシカゴは似たような歴史背景がある。

なぜ、いずれも穀物の集積地だったかといえば、それは水運が便利だったから。

川沿いに高層オフィスが並ぶ姿はかなり似ている。

もっとも大阪は中之島周辺の比較的狭いエリアに限った話ではあるが。


阪神タイガースそのものは西宮が本拠地だけど、と言ってしまえばそこまでだけど。

とはいえ、阪神タイガースとシカゴ・カブスも類似点が多いチームである。

そもそも長い歴史のあるチームだが、特に本拠地球場の歴史が古い。

甲子園球場は昨年100周年を迎え、NPB本拠地球場では最も古い。

カブスの本拠地のリグレー・フィールドもMLBで2番目に古く1914年開業である。

ツタにも縁がある球場である。甲子園球場では外壁、リグレー・フィールドでは外野フェンスと場所は違うが。

ユニフォームも縦縞なのは共通的である。

(それゆえか今シリーズではタイガースのユニフォームはビジター用のものだった)


あと、名門なのに長年全国優勝から遠ざかっていたことも似ている。

タイガースは「カーネル・サンダースの呪い」とまことしやかに言われていたが、

カブスは「ヤギの呪い」とか「ビリー・ゴートの呪い」と言われる話があった。

いずれも近年、日本シリーズ、ワールドシリーズを制覇して、呪いは過去のものと言われている。

名門チームにはいろいろあるんだなぁと思いますけど。


vs カブス、vs ドジャースと2試合終えた阪神タイガースだが、

いずれも0点に抑えての勝利だったという。

特にドジャースの昨年のワールドシリーズ覇者ですから、

実質世界一かと沸き立っていたが真相はいかに。

MLB TOKYO SERIESとしては火曜・水曜の夜に行われるカブス vs ドジャースが本番ですね。

両チームには日本人選手も多くおり、東京で行うのはそれが理由であろう。

たいへん注目度の高い試合である。

ICOCAは導入しやすい?

調べごとをしていたら三岐鉄道北勢線がICOCAを導入したことを知る。

そこまで驚くことではない気もしたが、三重県だと当然のようにICOCAなんだなと。

いや、別にそういうわけでもないのかもしれない。


というのもICOCAは北海道のバス会社までも導入しているのである。

北海道ボールパーク(エスコンフィールドHOKKAIDO)へのバスを運行する北海道バス他が導入している。

この北海道バスという会社は東大阪市に本社を置く大阪バスの関連会社で、

大阪バスは東大阪周辺の路線バス用にコミュニティバス用に開発されたICOCA端末を搭載している。

IC改札機 (JR西日本テクシア)

当初は現金(北広島駅発着以外はきっぷの購入が必要)かクレジットカードのタッチ決済のみで混乱が多かったが、

大阪バスで使ってるの持ってくればいいのでは? と共同運行各社とともに導入したという。

市営地下鉄のSAPICAは使えないが、KitacaやSuicaでも問題なく使える。

システム上は大阪バス扱いなので北海道なのに大阪バスの乗車と記録されるがそれはそれ。


鉄道でも小規模事業者にとって導入しやすいシステムがあるようで、

  • 四日市あすなろう鉄道 (2021年)
  • 富山地方鉄道(市内電車) (2021年, 車載器のみ)
  • 伊賀鉄道 (2024年)
  • えちぜん鉄道・福井鉄道 (2024年, 車載器併用)
  • 万葉線 (2024年, 車載器のみ)
  • 伊予鉄道 (2024年:市内電車:車載器のみ, 2025年:郊外電車)

車載器で導入している鉄道会社も多いんですね。

JR西日本は境線(米子~境港)を皮切りに車載器でのICカード導入をしている。

バス用のシステムとは違って、駅の改札機で入って車載器で出るとか、その逆もできる。

えちぜん鉄道・福井鉄道はそれをフル活用しているわけですね。

富山地鉄と伊予鉄の市内電車は均一制だから出口だけ置いている。


三重県って基本的にJR東海管内だけど、ICOCAなのかと気になった人もいるかもしれないが、

四日市あすなろう鉄道(内部・八王子線)と伊賀鉄道(伊賀線)も三岐鉄道北勢線も元近鉄の路線である。

県内外との移動は近鉄が主であり、それに接続する支線として使われるのが大半。

近鉄はPiTaPa加盟社で、定期券をICOCAで売るため、ICOCAは近鉄の駅で買える。

残高で乗るならTOICAもICOCAも関係ないが、定期券用に必要なのがICOCAなのは大抵の利用者には好都合である。

伊予鉄道については、愛媛県内のJRはICカード未導入だが、JR四国は香川県内ではICOCAを導入している。

ちなみに伊予鉄は元々あったICい~カードの置き換えでICOCAを導入する。


そんなICOCAだが、JR西日本管内に限らないということでこういう話がある。

モバイル ICOCA が進化!~TOICA・SUGOCA のモバイル IC サービス開始~ (pdf) (JR西日本)

モバイルICOCAでJR東海・JR九州エリアのIC定期券が買えるようになるというころである。

現在はJR東海の駅で定期券を買う場合はTOICA、JR九州の駅で定期券を買う場合はSUGOCAが必要だが、

モバイルで購入する場合はいずれもモバイルICOCAにするということである。

残高での乗車はICOCAで両社とも対応できるので定期券だけの問題である。


駅窓口の集約が進む中で定期券をモバイルで買えるようにようにしたいが、

そのためのシステムを自社で構築するのは大変負担が重い。

モバイルSuicaに次ぐシステムは出てこないのではないかと言われている中で、

モバイルPASMOとモバイルICOCAが登場したことは大変驚かれたものである。

このシステムに東海・九州も相乗りすると言うことである。

ちなみに四国は香川県内の主要駅のみにICOCAを導入していることもあり、IC定期券の制度自体がない。

ICOCAで定期券を発売する私鉄・公営各社も相乗りするかもしれない。


一方で小規模事業者の定期券については定期券情報をカードに書き込まず、

Webで購入を可能とする iCONPASS というシステムが導入されていくようだ。

これの初導入となったのが北勢線で、三岐鉄道は北勢線利用者に定期券の移行を促している。

北勢線は三岐鉄道への移管後に各駅に自動改札機を導入してきた。

システム更新のタイミングでICカード専用機に置き換えたいようだ。

ICカード専用で簡素だが、扉の付いた改札機が導入されたのはそのためだろう。

おそらくこのシステムはすでに導入している各社にも展開されるのではないか。


Suicaも地域連携ICカードとして各地のバス会社(芳賀・宇都宮LRT含む)とタイアップしたカードを出しているが、

これはこれでけっこう重たいシステムだなとは思う。

北海道バスのようにちょこっと導入したいというニーズにはICOCAの方が適した方法があるのかもしれない。

ちなみに広島電鉄(電車・バス)もPASPY廃止後はコミュニティバス用の車載器を電車・バスに搭載する。

PASPYの代替は同社の提唱するMOBIRY DAYSが本線ではあるものの、

現実問題としてICOCA他を利用したいニーズは多いだろうと導入するそうだ。

均一制ならそこそこ使えるとは思うのだが、アホらしいとは言われていた。

なお、広電以外の大半のPASPY導入社(アストラムラインなど)はICOCAを主に導入することになる。


SuicaとICOCAの戦略はけっこう違うんですよね。

JR西日本は特急をICOCAとチケットレス特急券で利用できることを1つのターゲットとしていて、

この観点でエリアを大きく広げているし、切れ目なく利用できる仕組みになっている。

次いでそれらの路線に接続する鉄道・バス各社にもICOCA導入を促していて、

ゆっくりではあるが、その輪は広がっているように見える。

一方のSuicaは県庁所在地クラスの都市の鉄道・バスをカバーするのを優先しており、

盛岡などは鉄道・バス揃ってSuica導入というストーリーである。

どっちがよいという話でもないとは思うのだが、

やはり主要駅だけでもICカードがやってくることは大きくて、

それが呼び水になってだんだん拡大しているのは見てもわかる通り。

環状線のおこぼれとおさがり

とうとう大和路線から201系が去ったらしい。

これによりJR東日本・西日本が継承した201系はすべて引退となった。

この車両は多摩地域の人にとっては中央線快速で長年走ってきた印象が強いかもしれないが、

僕が来たときにはとっくにいない車両だったし、やはり環状線と大和路線の印象が強い。


まさか最後の活躍の場が大和路線になるとはねという感じはあるが。

JR西日本はこの車両をJR京都線・神戸線の各停で使用していた。

こちらが新車に置き換えられたことで、環状線にやってくることになった。

ところが7両編成を全部環状線の8両編成にしようとすると効率が悪い。

そこで8両と6両に組み替えることにして、6両は同様に車両の老朽化の問題のあった大和路線に来た。

環状線のオレンジ色は中央線快速と同じようなカラーだからよいが、

大和路線のウグイス色は201系にとって新色だったので話題になった。

一時は環状線の主力として目にすることも多かった車両である。


環状線を去ることになったきっかけは可動式ホーム柵取り付けである。

環状線は各駅へのホーム柵取り付けにともなって3ドアの車両に統一することを決定。

これに伴って3ドアの新車を購入、これで置き換えられることになった。

このとき環状線を走っていた201系の一部は2両捨てて大和路線へ。

このとき大和路線ではさらに古い103系が順次廃車となっている。

一時期、大和路線の各停に連日乗ることがあったのだけど、

その時代はまだ103系が多かった時代で、すごいガタガタ揺れるなぁと乗ってた記憶がある。

それに比べれば201系は乗り心地はよかったので、記憶に残っている。


そして大和路線を去るのも可動式ホーム柵である。

もちろん老朽化の問題があり、他路線から221系が大和路線他に集められている。

201系が去ると、大和路線は大和路快速以下全てがこの形式になっている。

これにより新今宮駅の大和路線ホームへのホーム柵取り付けが可能になるという。

大和路線ホームとはいうが、環状線と大和路線・阪和線を直通する列車も通るので、

大和路快速、関空・紀州路快速のホームというほうが実情にあってるかもしれない。

従来はここにJR難波発着の201系が入ることがあったが、それはやめますよということ。

新今宮駅は両側が線路で幅もそこまで広くないので安全面では重要でしょう。


そろそろ国鉄から継承した通勤電車も数が少なくなってきた。

今も通勤電車らしい使われ方をしているというと、

JR奈良線と仙石線で走っている205系だが、これはJRになってから製造されたのもある。

仙石線は置き換えの方針が出ており、すでに新車の導入が始まっているそう。

JR奈良線はわからないが221系で運転される各停もそれなりにあるので、

221系の集約が進めばいなくなるだろうが、まだ少しかかるかもしれない。

この奈良線の205系は阪和線で走ってた頃の青色のままで走っていて、

いかにも繋ぎという感じのつよい見た目になっている。

加古川線・播但線と筑肥線末端区間で走る103系ってのはあるけど、これは追いやられたやつ。


というわけでいろいろあったけどお役目を全うしたということで。

やっぱり各停まで全部221系なのは違和感はあるけど、

座席を取って環状線の混雑にも対応できるようにした車両ですので、それはそれでいいのかなとは思う。

結局、一番混むのは201系が入ってた各停より、大和路快速・区間快速だと思うので。

イオンが公開買付するという

めずらしくもポストに大きな封書が投げ込まれていた。

「イオンディライト株式会社 公開買付関係資料在中」

全部紙で印刷された資料で、やっぱり送ってくるんだな。


イオンは2つの上場子会社を完全子会社することを発表していた。

その1つがイオンディライトで、僕はその株主である。

そもそもこの会社はビルメンテナンスの会社である。

歴史をたどるとマイカル傘下のジャパンメンテナンスという会社だった。

マイカル傘下の時代に上場しており、これが現在まで続いている。

マイカルは2003年にイオンの子会社となり、イオングループ内のビルメンてナンス会社を吸収、

その際にイオンディライトという社名になっている。


なぜジャパンメンテナンスは上場したのかというと、専門性の高い人材を確保するという意図が大きかったようだ。

イオンの子会社ではあるが、売上の概ね半分はグループ外によるもので、

そもそもビルメンテナンス業界のガリバーで、業界1位の売上を誇るという。

(確かに大手とは聞いてたが、業界1位なのは今初めて知った)

となればなぜイオンはこの会社を完全子会社にしようとしたのかというと、

イオン社内のファシリティマネジメント機能を移管することを考えているのだという。

上場子会社との取引となれば結局は社外との取引とあまり変わらないのである。

維持・修繕の計画を立てて、それを発注する機能をイオンリテールなど各社が持つ必要がある。

この機能ごとイオンディライトに移管するには社内に取り込む必要があると。


この先にはイオンディライトはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)でグループ外にも商売できる会社になると書かれている。

なのでグループ外との商売は引き続き重要だという話である。

公開買付が成立してしまえば、株主としては手離れしてしまうので関係ない話だが、

社内向けのメッセージとしては重要なことだろう。


この趣旨には賛同するところなので公開買付に応募しようと思うわけだが、

公開買付ってのは代理人である証券会社にある株式でしか応募できない。

(復代理人として複数の証券会社が指定されることもある)

しかし、今回の場合は野村證券が唯一の代理人である。

そして、僕は現在、野村證券には口座自体ない。

というわけでどうしようかと考えるわけである。


選択肢は3つある。1つは野村證券の口座を作って、そこに移管して応募する。

2つ目は応募せずに持ち続ける。

おそらく今回の公開買付は成功して、イオンは90%とか67%の株式を取得できるだろう。

こうなると少数株主を締め出すための手続きが行われ、公開買付と同額で買い取られる。

この方法は以前ある会社で経験している。

お前の株式は買い取ったというはずだが

3つ目は市場で売却する。現在の株価は公開買付額(5400円)に近い5380円である。


2番目の方法はこれはこれで面倒である。

スクイーズアウトの手続きには時間がかかり、交付金銭領収書で受け取るにはいろいろ手間がかかる。

前は金額が比較的小さかったからこれでよかったが、今回はけっこうな金額である。

3番目の方法はすぐに現金化できるという点では悪くないが、正攻法ではないなと。

というわけで結局は1番目の方法、野村證券に口座開設する方法にした。

説明書には「売却代金を振込で受け取る場合、送金手数料がかかる場合があります」とあるが、

銀行口座への通常の出金には手数料はかからないから、一応書いているだけである。


これ、思ったよりも楽だった。マイナンバーカードがあるのが前提ですけどね。

Androidアプリで入力補助APの暗証番号と署名用電子証明書のパスワードを入れて、

これでほとんどのデータは自動入力されて、あとは電話番号など入れる程度。

しかも、朝に申し込んだら昼休みには口座開設が完了していた。

ただ、これだけでは申し込めなくて株式を移管する必要がある。

GMOクリック証券からの移管はWebフォームに必要事項を記入すればできる。

(SBI証券からの移管は印刷したフォームを郵送する必要があった)

ちなみにGMOクリック証券はそもそも移管手数料を取らない証券会社だが、

多くの証券会社で自社が(複)代理人でない公開買付への応募は移管手数料を取らないという。

明確なところは電話などで確認する必要はあるが、概ねそう考えてよい。


ここから移管までは2週間ぐらいかかるが、特にトラブルなければ間に合うはずで、

公開買付が成立すれば5月には現金化されることになる。

その先の投資先はまた考えておかないとな。


ところでイオンがもう1つ完全子会社化することを発表したのがイオンモールで、

実はこちらも株主なんですよね。

イオンモールはイオングループの中核会社の1つだが、

上場子会社ということで意志決定が統一されていなかったわけである。

イオンタウンのような小規模なショッピングモールは社内でも様々経営しており、

ここもイオンモールの領分にしてはどうかと考えているようだ。

こちらは株式交換での子会社化ということで、今後はイオンの株主として関わることになる。

基本的には賛同するところだが、気になるのは株式交換後の取引である。

現在のイオンモールの株価は2400円ほど(子会社化発表前は2000円ほど)、

これに対してイオンの株価は3900円ほどということで、

イオンモールの100株はイオンの100株に満たないわけである。

単純にイオンの株式に交換されると、交換後の取引に困ってしまうわけである。

こうなると継続保有は難しいので、株式分割などで打開してほしいものだが。


株主優待としては残念なところもあるんですけどね。

両社はいずれもイオンギフトカードをけっこうな金額くれる会社だったので。

イオンの株主優待はイオンでの購入額の一定割合を返金する仕組みなのでかなり違う。

でもやはり本業がうまく回ってこその会社ですから。

イオンディライトにイオンが期待を寄せていることは確かにわかるし、

イオンモールにイオングループ内に雑多に散らばるショッピングモールを集約できることの意義もわかる。

イオンモールの事業としては郊外型のモールが多いことは事実だが、意外に幅が広いのである。

かえってきた中華民国館

1970年の大阪万博が行われた万博記念公園に行くと、

各国パビリオンの跡地が表示されているわけだけど、今はなき国もしばしば。

そんなパビリオンの1つが「中華民国館」である。

中華民国はなくなったわけではなく、現在も台湾を支配する国として存在する。

しかし、中華民国は現在はBIE(博覧会国際事務局)の加盟国ではない。

1971年に国連に中華人民共和国が加盟したことで各種の国際機関を抜けざるを得なくなったためである。


2005年の愛知万博のとき、台湾も出展したいという話があったようである。

ところがBIEの加盟国ではないので国のパビリオンとしては出展出来ない。

いろいろあった結果、台湾貿易センターの日本法人、遠東貿易サービスセンターはレストラン「イラ・フォルモサ」を設置することが認められた。

博覧会への出展というにはほど遠い話だが、博覧会参加の足跡ではある。


意外にも博覧会への本格復帰の足がかりになったのは2010年の上海世界博覧会である。

テーマが「より良い都市、より良い生活」ということで国内外いろいろな都市に声がかかり、

日本でも日本館とは別に大阪府・大阪市も出展している。

また、民間パビリオンとして日本産業館も出展していたわけである。

同様に台湾にも大陸側から出展してほしいと要請があったわけである。

上海万博に輝く台湾の星 (台湾光華雑誌)

台湾からは3つのパビリオンが出たそうである。

台北市、これは大阪同様に都市としての出展なので特に問題はなかった。

震旦館、これは震旦集団(AURORA)という台湾企業の民間パビリオンで、

特に台湾所在の企業であるということは問題なく出展できたようである。

問題は「台湾館」である。まさか中華民国が国として出展出来るわけはない。

民間団体である台湾貿易センターがパビリオンの運営を行うという体裁でお互い折りあいがついた。

ところで上海万博では国内各省・特別行政区のパビリオンもあった。

それと同列に並べられては困るという話があり、一応同列には並ばない配置にはなったらしい。

大陸側としては各省パビリオンと同じような扱いだったのかもしれないが。


さて、2025年の大阪・関西万博でも台湾は出展したいという話があったようである。

とはいえ、BIEの加盟国ではない中で国としてパビリオンを出すわけにはいかない。

そのため選ばれたのは日本国内の企業として民間パビリオンを出すことだった。

民間パビリオンの中にあまり聞き慣れない会社がある。

「TECH WORLD」を出展する 玉山デジタルテック(株)である。

うーん、なんだこれは? と思ったわけだが「玉山」というのは台湾最高峰の名前である。

(ちなみに日本統治下にあった時代は日本最高峰でもあり「新高山」と命名されていた)

実はこの会社、台湾貿易センターが出資して作った博覧会出展のための会社である。

本社は東京都、すなわち日本企業であるので、国内の民間パビリオンという扱いになる。


これを中華民国館が博覧会に帰ってきたと見るべきかは微妙なところはある。

「TECH WORLD」の看板には台湾とも中華民国とも入ってないわけだし。

とはいえ、それでも博覧会に参加できることに意味があるということだろう。

いかにもこの方法は上海のときに思いついた方法なわけで、

大陸からの入れ知恵もあったのかもしれない。


玉山デジタルテックのことを謎に思っていた人はけっこういるかもしれない。

真相はこういうことである。

左側通行標識とロータリー

都道府県ごとに道路標識の付け方にはいろいろ差があって、

それはバイクを運んで各地で走っているとなおさら思うところである。

やっぱり東京都の標識の付け方、変だよなと思うところはあるし、

逆によそだとこういう付け方はしないよなと思うものもある。

そんな中で気になった左側通行標識の話。


今回の旅行でよく訪れたJR郡山駅東口だが、

通りかかって驚いたのは、ロータリーの中央に左側通行標識があったことである。

左側通行標識と言っているのは青地に左下向きの矢印を書いた標識で、

中央分離帯のある道路の中央に取り付けられていることが多い。

というかそれ以外の用途があることを知らなかった。

ただ、この標識の正式な名前は左側通行ではなく「指定方向外進行禁止」である。


指定方向外進行禁止は交差点で曲がれる方向を指示するのに使われる。

いくつかのパターンがある。

1つは信号のない交差点で右折など、他の車の通行の妨げになるから禁止というもの。

この場合は対向車線から左折するなど迂回することが求められる。

1つは鋭角方向に曲がる場合など、安全面の問題から禁止しているもの。

複雑な交差点でしばしば見られ、交差点の形に合わせた変則的な矢印の標識が使われることも多い。

1つは交差する道路が大型車通行止めなどの規制がかかっている場合。

「大型等」など対象とする車種を限った表示が行われる。

東京都で多いのが交差する道路が一方通行であることを表すためのもの。

他の地域でもあるとは思うが、交差する道路に一方通行標識を見せる方法で済ませることも多い。

東京都ではそれをやらないので、細い道路にも 指定方向外進行禁止 の標識がたくさん付いている。


話は戻って、左下向きの矢印で指定方向外進行禁止というのもよくわからない話だが、

この標識の左側にしか進めないという意味で、結果として左側通行を表す。

この標識は中央分離帯に付けられるのが用途のほとんどであろうと思う。

ただ、調べてみると、地域によってあまり付いていないらしい。

というか東京都がそうなのである。あまり意識してなかったが確かにない。

常識的に見てわかるだろうということなのか。


それが中央分離帯以外のところで使われてるとはねと。

確かにロータリーの中央島より左を通って、右に出るという意味では中央分離帯と同じような意味がある。

実際にはこれに加えて左には一方通行標識があるので、ロータリー内左回りであることはそこでもわかる。

ロータリー内一方通行の入口・出口を強め表記するためのものであろう。

同様の使い方は祝園駅・新祝園駅のロータリーでも見た。

わりと一般的な使われ方なんだろうか。


実は前々から気になっていたことがあって、それが玉川上水や千川上水を挟んだ道路のことである。

水路を含む緑地帯を中央分離帯のように使っているところがある。

ただ、中央分離帯ではないという認識らしく、それぞれの一方通行規制を行っているという扱いで標識が付いている。

このため反対向きの道路には進入禁止標識で入らないように規制し、

他方には一方通行標識を付けて一方通行の入口であることを表している。

なお、中央分離帯と実質同等という性格から「自転車を除く」とはなっていない。

こういうところこそ左側通行標識があったほうがよいのでは? と思っていたが、

実際にはないので、進入禁止標識だけが目立つというのが実情である。


それがロータリーを表すようなところで使われているのを見て、

こういうところも使える標識なら緑地帯を挟んで左側通行にも付ければいいのにと思ったのだった。

ただ、さっきも書いたように東京都ではそもそも中央分離帯にこの標識を付けていない。

そう考えると中央分離帯同様の処理をしていないというよりは、

そもそも付ける習慣がないというのが正しかったのかもしれない。


余談だが、左側通行標識とロータリーと調べると、こんなゲテモノが出てきた。

上賀茂神社前ロータリー (のの字な道)

なんとロータリー注意と左側通行標識を団子にして中央島に置くことで、

ロータリー内左回りを表しているという。それは一体なんなんだと。

公道だけで五叉路で、さらに神社との出入口もある複雑な構造になっている。

上賀茂神社発着のバスは神社内でバスが折り返すようになっている。

環状交差点の制度を適用したほうがよさそうだが、神社との出入口でもあるからかそうはなっていない。

環道に入る道にはすべて「止まれ」を付けているから、特に必要ないのかもしれない。