買ってからまとめ買い申出

メルカリにBlu-ray中心にあれこれと出品して、

まとめ買いするひとがいればいいなと思ったら早速1個売れた。

で、購入してすぐにメッセージが入っていたので、大したことない挨拶だろうと思ったが、

一応確認……とすると「○○とまとめ買いしたい」との申出。

それ買ってから言うか?


とはいえ、発送方法が匿名配送ではないクリックポストなので、

2つの発送先が一致していれば同梱発送でもシステム上の問題は全く無いので、

まとめ買い希望のあった商品を同時発送前提で合計の1割引に変更して、

それで両方の購入が確認出来た時点で同梱して発送した。

システム上では2つの商品を発送したという処理をすることになる。


一方で匿名配送の場合は懸念はある。

2つの商品を同梱すると、実際に荷物に紐付く商品は1つのみとなる。

実際には匿名配送を選んでいたとしても、匿名配送を使えない場合には、

システム上は発送していない状態で発送通知をして取引することはできる。

ただ、通常では発生しないフローなので怪しまれそうではある。

追加で購入してもらう方の発送方法を「未定」にしておけばよいが、

その場合は追加で買う方だけ匿名配送にならないという問題もある。

あと、先に買った匿名配送の商品と配送先が厳密に一致しているか保証できない。


本来はメルカリにはまとめ買い依頼機能というのがあって、

複数商品のまとめ買いを申し出ると、それに応じて価格設定して取引できる仕組みがある。

あ、でもそれって特定日に出品して1週間以内で売れた場合に還元というキャンペーンとのかみ合いが悪そうだな。

この機能は購入側・出品側ともに使ったことはないのだが、

コメントで依頼してまとめた商品にしてから購入してもらうというのが一般的なフローで、

その場合は通常の取引フローで対応できるわけである。


取引の流れはともかく、まとめて売れたこと自体はよかったと思うし、

相手のレスポンスも割とよい方で、朝方にこの辺のやりとりがすべて済んで、

出勤時にポストに投げ込んで発送できたわけだし。

新幹線が開通して車両工場が遠くなる

北陸新幹線が福井県内に到達し、在来線の北陸特急は大きく姿を変えたわけだが、

そんな中で金沢総合車両所の本所が閉鎖になったそうである。

実際は新幹線開通より少し前には閉鎖されてたらしいんだけど。


金沢総合車両所とは申しますが、所在地は白山市で、かつては松任工場という名前だった。

北陸地区の車両の点検を担っていた車両工場だったんですね。

なので、金沢総合車両所の車庫部門については形を変えつつ存続している。

もっとも車庫部門が存続するといっても、特急車は大幅に減ることになる。

能登かがり火号があるのでゼロにはならないんですけどね。

従来は金沢側を拠点としてきた しらさぎ号も敦賀発着になるということで、

サンダーバードと同じく京都を拠点とすることとなったそうである。


このため、北陸地区の在来線車両の点検は他の工場で行うこととなった。

電車については吹田総合車両所で行うことになった。

どうも北陸各社に継承された車両は保安装置の都合で単独では走れないそう。

全て同じ新型車両

全部同じ型とか書いたけど、琵琶湖環状線のために購入した初期型の車両は吹田まで走れて、

先頭車さえ保安装置に対応していればよいらしく、この車両が先導していくらしい。

521系は交流電化の区間を走れるのが特色だが、現在はJR所属の車両は、

米原・近江今津~敦賀と琵琶湖環状線のときに直流電化になった区間だけを走る。

他の湖西線・琵琶湖線の車両と比べると2両編成で走れる特色はあるが、

その程度であって、昼間は新快速が走ってるから、朝晩だけ走るらしい。

それだけなら他にも手段はありそうだが、検査時の先導車は代えがたい役目である。


ディーゼルカーだが、こちらはなんと米子市の後藤総合車両所まで行く。

関西本線のディーゼルカーも最近はここまで運んで検査してるらしい。

ディーゼルカーの検査・改造という点では全国的にも充実した施設だという。

回送ルートもすさまじくて、敦賀から小浜線・舞鶴線・山陰本線経由、豊岡で一泊するそう。

実際には各車庫と敦賀間の回送で1日使うので、3日間にも及ぶ長旅である。

敦賀~米子はディーゼル機関車に引かれて回送しているそう。

なお、えちごトキめき鉄道 はJR西日本から継承した日本海ひすいライン用のディーゼルカーを持っているが、

これは同社の他の車両同様にJR東日本の長野総合車両センターで検査を受けているよう。

同じ新潟県内でもJR西日本が経営する大糸線の車両は米子まで行くことになるんですが。


金沢総合車両所はなくなるのだが、同じ白山市内には新幹線の白山総合車両所がある。

こちらに転勤になった人が多いようである。

というかそれを意図して白山市内に北陸新幹線の車両基地を作ったんだろうな。

場所も業務内容も変わるけど、松任工場の歴史を引き継ぐのはここなんだろう。

白山市としても車両基地の街をアピールしていきたいようで、

トレインパーク白山(白山市立高速鉄道ビジターセンター)という見学施設を開設している。


それにしても北陸特急は走行距離も長いし、特に冬場は過酷な環境だし、

運行区間が大幅短縮されたので、古い車両から廃車になっていくのだろう。

調べると、しらさぎ専用車に一番古いグループの車両が多くいるようで、

1995年ごろ製造で、はくたか号で160km/hを出してた車両なんだという。

金沢に新幹線が到達したときにも余剰の車両は出たのだが、

在来線特急としては廃止された はくたか号の車両をしらさぎ号に転用し、

比較的新しかった元々のしらさぎ号の車両を近畿圏の他の特急に転用したという経緯があったそう。

このときから しらさぎ号 が最後の活躍の場と決まっていたようだ。

とはいえ、車両の組み替えとか塗装変更とかやるべきこともあるので、

今のところはあまり変わっていないらしい。まだしばらくかかると。

東京国立近代美術館の謎

久々に東京国立近代美術館へ。

久々にと言っても、前のコレクション展期間には行っているわけだし。

10月と3月なら半年ぐらい開いたように見えるけど、実態はそこまででも。

展示の構成がかなり変わっていて驚いたが。


ちょうど「美術館の春まつり」期間ということもあってか、

展示の最初の方に制作年問わず春らしい作品が多く展示された。

その代わり、普段であれば日本画の展示が多い第10室は染め物に特化した展示になっていた。

工芸館の石川移転後、本館で工芸品の展示が行われるようになり、

第10室の一部を使って展示されることが多いのだが、今回は全部「国立工芸館蔵」である。

普段ならば1907年から時代が進むように作品を並べているところ、

いろいろな意図があり変則的な並びになったということか。


ところで、国立工芸館は東京国立近代美術館の分館の扱いだが……

というので気になって組織図を見てみるとちょっと変な記載になっている。

組織構成 (国立美術館)

東京国立近代美術館の館長と、国立工芸館の館長がいて、その間に評議員会があることになっている。


気になったので独立行政法人国立美術館の規則を調べてみた。

組織規則にこのあたりの謎が明確になる記載がいろいろあった。

まず、国立美術館が設置する美術館は東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の6館となっている。

国立映画アーカイブは2018年までは東京国立近代美術館フィルムセンターだった。

で、国立工芸館はこの6館には含まれていないわけである。

では、どこで規定されているかというと、東京国立近代美術館の組織として、

管理運営部と国立工芸館という部署が規定され、国立工芸館は工芸課を所掌するとある。

そして副館長等の規定に「国立工芸館長は東京国立近代美術館長を助け、国立工芸館の事務を整理する」とある。

というわけで、国立工芸館の館長は副館長待遇であることが読み取れる。


評議員会が両館長の間に存在するように見えたのは、

東京国立近代美術館の評議員会が国立工芸館の運営にも関わっているからである。

制度上は独立した美術館とみなされていないのでこういうことになる。

評議員会の役目はよくわからないんですけどね。

美術品の購入に関わっているのかと思ったが、そういうわけではなさそう。


あと、組織規則で工芸課(=国立工芸館)の所掌が「工芸(近代美術に係るものに限る。)に関する作品」となっていて、

現代の作品って含まないの? と気になったけど、当然そんなことはない。

作品収集方針を見てみると「近現代の⽇本の⼯芸作品及びデザイン作品の体系的・通史的概観を可能とし――」とある。

この方針に沿えば現代の作品も継続して収集する必要があるし、実際そうしている。

何らかの事情があり「近代美術に係るものに限る」と書かれているが、実態はそうではない。


ところでこの作品収集方針を見てみると、全体的な方針としてこう書かれている。

近年、国際的に是正が求められている、コレクション内におけるジェンダーバランスや地域性等の多様性に配慮し、優れた⼥性作家の作品の調査・収集に努めるとともに、地域的にもバランスのとれたコレクション形成を図る。

で、各館の方針にも反映されていているようである。

これを意識したのが、新収蔵の特集展示が行われていたジェルメーヌ・リシエ作「蟻」である。

第二次世界大戦後の女性彫刻家として貴重ということか購入したようである。

近年の作品ならともかく、古い時代の作品だと女性作家の作品は貴重なのではないか。


このあたりの苦しみは国立西洋美術館が最たるものではないかと思うが。

「⼥性作家の作品も積極的に収集するよう努める」とは苦し紛れである。

比較的古い作品が多い京都国立近代美術館も苦しそうな書き方ですね。

現代美術を専門とする国立国際美術館にとっては「ジェンダーバランスの是正や、⾮欧⽶地域の動向、国内の地域バランスにも配慮しながら」

と広い意味でのダイバーシティの1つとして性別を挙げている。

国立工芸館も「性別・年齢の偏りを是正するよう」と、そうか年齢という観点もあるか。

東京国立近代美術館としては「ジェンダーバランスや地域性といった同時代的に重要な視点を常に踏まえ」

ということで、1907年から現在に至るまでの各時代の日本美術をよく表す作品を中心にしつつ、

同時代の国内外の多様な作品も並べて見られるようにしたいねという意図がわかる。

「同じ時代のフランスの女性彫刻家は――」というのは突拍子もない気がするが、

同門の日本人彫刻家がけっこういて、日本美術とのつながりを踏まえたチョイスでもある。


というわけで国立工芸館の謎と、女性作家の作品を買う話だった。

展示がいつもとガラッと変わっていただけに気になったので。

ゆうパケットポストminiはまだ使えない

ラクマでCDが売れて、このサイズならゆうパケットポストminiが使えるかも。

と思って、包装したCDと封筒を持って昼休みに郵便局に行ったら、

欠品中の掲示がまだあって、持って来た封筒に入れて、

ゆうプリタッチで出したラベルを貼って、通常のゆうパケットとして発送したのだった。


というわけで特におもしろい話はないのだが、まだ欠品なのかと。

以前より改善したらしいとは聞いてたので、じゃあ昼休みに買いに行くかと思ったのだが。

まだ、ニーズに追いついていないのが実情だそう。


参考になるかはともかく、メルカリで転売されているらしいと見た。

本来1枚20円の封筒が1枚単価40円前後で取引されているようである。

数十枚まとめ売りして送料払って考えると、あまり割に合わない気もするが。

なんでも転売する人がいるのがメルカリなんだろうか。どうかと思うが。

売れ残っても自分で使えるのはメリットだが。


もっともラクマの場合、ゆうパケットポストminiの送料は160円で、

通常のゆうパケット180円との価格差は封筒代と同じである。

なので通常のゆうパケットなら自分で用意する封筒代分が浮く程度である。

これが Yahoo!フリマ(PayPayフリマは改称された)・ヤフオクの場合、

ゆうパケットが205円、ゆうパケットポストminiが150円だから、封筒代含めても25円安く、

メルカリの場合もゆうパケットが230円、ゆうパケットポストminiは160円と、

こちらは封筒代含めても50円も安いという。


だからみんな欲しがるという話ではあるんだけど、果たして普通に買えるようになるのはいつなのか。

市内でも郵便局探し回れば入手できそうな気もしたが、

特にそこまでする意味も無いので、サクッと発送しておしまいと。

昔でいうところの配達記録の意味

マニュアルに「引受から配達まで記録できる方法」の例示として、

「配達記録」と書かれていて、もう存在しないサービスだよねと。

じゃあ、何を使えばいいんだろう。書留(簡易書留)か?


配達というのをポストに投函するまでと取れば選択肢は増えるが……

というので内国郵便約款を確認してみたら、こんなのだった。

  • 一般書留(第109条)
    郵便物の引受けから配達に至るまでの記録をし、もし、送達途中においてその郵便物を亡失し、又はき損した場合には、差出しの際差出人から当社に申出のあった損害要償額の全部又は一部を賠償する
  • 簡易書留(第110条)
    郵便物の引受け及び配達について記録し、もし、送達の途中においてその郵便物を亡失し、又はき損した場合には、50,000円を限度とする実損額を賠償する
  • 特定記録郵便(第134条)
    郵便物の引受けを記録した上で送達する
  • 交付記録郵便(レターパックプラスに適用) (第137条)
    郵便物の配達を記録する

ちなみにレターパックライトの追跡サービスには特に規定がない。


特定記録の定義が「引受けを記録」となっているのは意外な発見だった。

郵便局で送ると控えが出るが、約款上保証してるのはそこまで。

実際にはポスト投函などで郵便局員を離れた時点で記録が付くが、

そこは約款に規定されていないサービスということになりそうだ。

逆にレターパックプラスは「配達を記録」となっている。

引受けの記録はないということになるが、ポスト投函を想定しているから?

確かに収集した郵便局で記録が付くとも限らず、それをさらに集約する郵便局、

例えば、東京北部郵便局のようなところで初めて記録が付くことはある。


あと、一般書留と簡易書留は引受けから配達まで記録されるのだが、

一般書留は「引受けから配達に至るまで」、簡易書留は「引受け及び配達」と少し文言が異なる。

確かに一般書留では中継した郵便局でも記録が付く点が異なる。

ただ、簡易書留でも配達を担当する郵便局への到着は記録されるので、

引受けと配達しか記録されないというのも実際とは合わないのだが。

記録という観点では利用者にとっての差異は少ないのではないか。

損害要償額の上限差はわかりやすいが、賠償目当てで書留を使うとも限らない。

それより意識すべき差は現金・貴金属・宝石は一般書留が必須と規定されていることである。


というわけで内国郵便約款を読む限りは「引受から配達まで記録できる」郵便は書留しか存在しない。

一般書留と簡易書留はどちらでも目的は達成出来るので、

現金・貴金属・宝石以外で5万円以上の賠償が必要なければ簡易書留でよい。

あとは宅配便もよいだろう。実態として書留と同様の機能がある。

このマニュアルは書類の送付を想定したような規定ではあるので、

信書に該当する場合は一般的な宅配便は使えないのだけど、

少なくとも電磁的記録は信書にならないので、宅配便という選択肢はありうる。


ただ、そもそもこのマニュアルは何を思って「引受から配達まで記録できる」ことを求めているのだろうか?

日本郵便のサービスに付帯する追跡機能はこんなところである。

  • 一般書留: 窓口での引受・中継・配達郵便局への到着・配達完了(手渡し)
  • 簡易書留: 窓口での引受・配達郵便局への到着・配達完了(手渡し)
  • 特定記録: 窓口での引受・配達郵便局への到着・配達完了(投函)
  • レターパックライト: 取集郵便局の通過・配達郵便局への到着・配達完了(投函)
  • レターパックプラス: 取集郵便局の通過・配達郵便局への到着・配達完了(投函)
  • ゆうパック: 引受または集荷・中継・配達郵便局への到着・配達完了(手渡し)
  • ゆうパケット: 取集郵便局を通過・配達郵便局への到着・配達完了(投函)

上3つは必ず郵便窓口から送るので窓口からスタートする。

ゆうパックも同じだと思ったけど、こちらはコンビニなどでの発送がある。

この場合は郵便局が集荷に来たところから追跡がスタートする。

他はポスト投函を想定されるので、追跡スタートは収集した郵便局からとなる。

ただ、窓口で渡せば窓口で記録が付くことはあるし、配送経路の都合で最寄りの郵便局からスタートしないこともある。


追跡の終わりということで言うと、これは全て配達完了である。

ポスト投函も配達には違いはないし、手渡しと書いたのも指定場所配達で宅配ボックスへの投函になることがある。

(書留も申出により指定場所配達の対象になりうる)

手渡しかポスト投函かという差の方が大きいように思いがちだが、

冷静に分析すると追跡のスタート地点の差の方が気になると思った。


一般論としては配達記録の代替手段は簡易書留であると言える。

なので、本当に必要なら簡易書留を使えということになる。

特定記録は配達記録廃止時に新設されたサービスだが、同じ目的とは言えない。

レターパックもゆうパケットも追跡機能という点では類似する部分はあるので、

十分に代替手段になりうるが、全ての要件を満たせるとは言えない。


でも振り返ってみると、このマニュアルが作られた当時は配達記録ぐらいしか実用的な手段はなかったのかも。

エクスパック500が2003年から存在したが、当時の感覚としては宅配便の一種と見ていたと思う。

ポスパケットが2006年から存在したが、荷物サービスであることを考えれば、

書類の送付方法としては名前が挙がらないのも当然である。

そもそも当初は定価で利用するようなサービスではないと言われていた。

やはりこれらの状況が一変したのが2009年の配達記録廃止と2010年のレターパック導入なんだろうな。

昔は書類の送付手段にまず名前は挙がらなかったポスパケットだが、

現在のゆうパケットはクリックポスト(2014年サービス開始)もあるし、定価でも1cm厚までは250円、

普通郵便・ゆうメールの送達日数や追跡機能も加味すれば、本や電磁的記録の送付手段としてはけっこう魅力的である。

これでも目的は達成出来る可能性はあるが、検討されたこともないんだろう。

本当に経営者と一体な管理職か

以前、給与の底上げが進んだ結果、管理職と非管理職の給与格差が小さくなって、

結果として管理職の魅力が下がっているというような話を見た。

どこで見たネタだったか掘ったが再発見できず。


でも、それはあるだろうなと思う。

経験の浅い人を新規に採用するときの給与水準が上がっているのは間違いないし、

経験豊富なベテランを引き留めたり引き抜くにも給与は上がるだろう。

そうして実際に手を動かす非管理職の確保にお金を使わざるを得ない中で、

管理職の給与上昇のペースが鈍いというのはありうる話だろうと。


管理職というと残業代を払わなくてもよいことが知られている。

別に払ってもいいんですけどね。休日分だけ払っている会社とかもあるらしい。

なぜそれで問題ないかというと、経営者と一体であるからということになる。

管理職の報酬というのは業績に応じて大きく変動することが普通で、

そうなると身を削って働いた結果は業績に応じた報酬として得られるはずだと。

だから、時間に応じた給与は出なくてもかまわないという考えは成り立つ。

報酬体系というのは「名ばかり管理職」の判断尺度の1つである。


非管理職も特に賞与は個人や会社の業績によって変動するわけだけど、

管理職の場合はその変動幅が非管理職の比ではないということになる。

いくら減少しても非管理職の水準を下回るようではおかしいと思うわけだが、

業績不振で逆転が普通に起きるようなら管理職になるリスクは高いし、

変動幅を小さくすると経営者と一体であるとは言いがたくなる。

果たしてどういう形で折り合いを付けているのだろうか。


管理職の報酬体系がどうなっているかはよくわからないけど、

感覚的にはこんなに管理職が多くては、経営者と一体というのは実現不可能だと思う。

会社の業績に直接関与するのはおおよそ不可能ではないかということである。

そうすると会社とか事業部門の業績として評価することは難しくて、

非管理職の評価尺度とあまり差が付かないんじゃないかという読みである。


でも、「経営者と一体」である管理職を減らすと仕事が回らなくなるのは目に見えてるんだよね。

どうしても管理職しかできないことが経費関係である。

人事評価も基本的には管理職が行うことになっている。

(ただし、こちらは非管理職の課長が部分的に行うこともある)

会社のお金と人事に関わることを決定できるのは経営者と一体であるから。

こういう決定が全部部長レベルに回ってきては仕事が回らない。

それ以外はだいたい権限移譲できるんですけどね。(cf. 課長からの権限移譲のため)


どうしてこんな話を書いたのかというと、労働組合と会社の交渉を見て思ったんだよね。

従業員の働きについて、全体的には満足しているように見える。

会社全体の業績で見ても、きちんと結果は出ていると言えそうである。

ただ、役員レベルでは一部の従業員には不満があるようにも見えている。

というのが評価と給与改定の関係のことである。

平均をやや下回る程度の評価になると途端に渋くなる。条件によっては減給も発生する。

(減給が発生するパターンは限定的であるとの主張だが)


この評価より下の評価もあり、その評価は該当者がいる場合のみ付ければよいが、

平均をやや下回るという評価は一定割合を付けなければならないのである。

で、この評価を付けるのは基本的には課長クラスの管理職で、

各課長が付けた結果を部長クラスで調整して最終的な評価となる形である。

平均をやや下回る程度なので、名目上は悪い評価とまでは言えないのだが、

役員の主張というのは給料泥棒とでも言わんばかりの状況である。

このあたり、実際に部下の評価を行う課長・部長クラスの管理職と、

経営の中枢を担っている役員の間ではギャップがあるんじゃないかと思った。

いや、役員も口では「悪い評価というわけではない」と言ってますがね。


で、思い出したのである。去年昇格したばかりだったって。

基本給が上がっていく傾向

どうしても昇格したばかりの人は低い評価が付く傾向がある。

一定割合は平均をやや下回るという評価を付けざるを得ないというなら、

このクラスでの経験の浅い人に低い評価を付ければ比較的説明しやすい。

昇格後初年なんていかにも狙われそうではあるけど……

賞与の方は計算式を考えれば、低い評価でも全く問題ないんだけど、

基本給の方はなんとか平均程度かそれ以上の評価をもらわないと報われない。

果たしてどうなるでしょうね。


役員と非管理職の間で考えにギャップがあるのは仕方ない部分もあるが、

役員と課長クラスの管理職の間のギャップも結構大きそうな気がする。

「経営者と一体」という管理職の特徴を満たしているのかという疑念もある。

冒頭に書いたように新人の確保という観点でも、ベテランの確保という観点でも、

非管理職の報酬を上げざるを得ないという状況がある。

結果として課長クラスの管理職と非管理職の格差が縮小したわけだが、

これについて本質的には管理職の線引きがおかしいように思える。

こういうのはうちの勤務先に限った話ではないでしょうが。

東京都の予算が切れる前に新車

今日は休暇を取っていたが、目的は新しい自転車を買うためである。

就職してからおよそ9年使っていた自転車もそろそろガタが来ている。

本当はおよそ1年半前に買い換え構想があったのだが、思ったより高くて、

社宅の追い出しも迫っていたこともあり、とりあえずタイヤ交換で済ませた経緯がある。


今回、自転車の買い換えを決めた理由は2つある。

1つは椅子が壊れたこと。座面のバネが壊れたので新しいのを買った。

そうすると古い椅子を捨てないといけないので、粗大ゴミの回収依頼をしなければならない。

で、粗大ゴミの回収には最低料金ってのがあるんですよね。

椅子1個だけ回収を依頼すると最低料金未満なので最低料金まで切り上げられる。

他の粗大ゴミも一緒に排出できるとお得だが……というところで自転車が頭によぎった。

もう1つは「暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーン」である。

昨日からスタートしたので、予算が切れる前に早々買いに行こうと。


というわけで休暇を取って自転車屋に来たわけである。

ごく一般的な自転車を購入。ちょうど3万円ちょっとをPayPayで支払い。

本来は10%が還元されるが、1つの決済サービスの還元上限が3000円なので、

3000円分のPayPayポイント付与ということになった。

自転車屋は近くなので歩いて行くのだが、自転車を買ったら乗って帰る。

なので、ヘルメットを持って買いに行っている。行く直前に気づいた。

やっぱり走りがいいなと思いながら帰宅。

よい状態に維持するためにはよくメンテナンスしないとなと改めて思った。


さて、東京都のキャンペーンだが、au PAY, d払い, PayPay, 楽天ペイ の4サービスが対象になっている。

楽天ペイが対象になっているキャンペーンというのは初めて見た気がする。

これらのサービスで東京都の実店舗で買い物をすれば対象になる。

都外在住でもよく、加盟店のほぼ全てが対象となれば、予算は早々尽きるだろう。

そういう観測もあり、キャンペーン開始2日目に休暇を取ってやってきたわけである。

いや、そうでもしないと今月休暇を取るネタもないなと思っただけだけど。

いくらなんでも今週末までは持つんじゃないかなぁ……


で、上限額はさっきも書いたように3000円だが、決済サービスごとに上限がある。

今日でPayPay分は使い切ってしまったが、まだ3サービス分はある。

それぞれの決済サービスごとに細かい条件は異なる。


PayPayはPayPayポイントの付与で還元が行われる。

還元対象はPayPay残高、クレジット(PayPayカードによる後払い)、ポイント充当となっている。

PayPayカードを持っていない限りは残高チャージが必須ということになる。

ちなみに自転車を買った店は店独自のクーポンを配布していたのだが、

東京都の10%ポイント付与と店独自のクーポンによるポイント付与はどちらも発生した。


d払いの還元方法はdポイント、還元対象はdポイント以外での支払い、

すなわち d払い残高・電話料金合算・クレジットカード(dカード以外でも可)となる。

以前買ったバニラVisaギフトカードがあるので、それを紐付けて使っている。

これもd払いで使えば東京都のキャンペーンの対象にはなる。

期間中にほぼ使い切りまで行けばいいなと思っているが、どうなるだろう。


au PAYは還元方法はau PAY残高となる。ポイントではなく残高に加算される。

au PAYはあらかじめチャージした残高での支払いのみが存在する。

チャージ手段には銀行口座・ATM・クレジットカード・Pontaといろいろありますが。

クレジットカードはVISAとJCBは一部ブランドに限るという制限付きだが。

今日、自転車の慣らし運転も兼ねてニトリまで買い物に行っていたのだが、

そこでau PAYで配布されているニトリの20%引きクーポンと併用してみた。

まず、クレジットカードでのチャージを利用してチャージする。

で、支払うと20%引きになった金額が残高から引かれたのだが、

東京都のキャンペーンの還元額が割引前の金額の10%だったので驚いた。


楽天ペイについては還元手段は楽天ポイントで、支払い方法は不問。

楽天キャッシュ・ポイント充当・クレジットカード・楽天銀行残高がある。

昔は楽天キャッシュのチャージって楽天銀行か楽天カードだけだったけど、

他の金融期間からのチャージもできるようになったのでそれでもいいかも。

ラクマの売上金も使い切ったので、今のところは楽天ペイを積極的に利用する予定はない。


というわけでそれぞれ微妙に違う。

PayPayがクレジットカードNG、d払いがdポイントNG、au PAYはPontaではなく残高で還元、

というところを知っておけばよいのではないかと思う。

もちろん元々使っている決済サービスを使うのが優先度が高いだろうと思う。

全部登録しているから、どれでもすぐ選べるというのは少数派だろう。


そうやって振り返ってみるとなんでこの4サービス全部登録してるんだろうね?

au PAYは地域のキャンペーン目当てで登録したことは明確である。

他はインターネットサービスが導入の動機として大きかったけど。

PayPayはYahoo!ショッピング、d払いはメルカリ、楽天ペイはラクマと。

仮想化のときのwfi命令

マイコンのレジスタを改めて確認していると、

設定するとwfi命令を実行すると例外が発生するというレジスタが存在した。

何これ? と思ったのだが、仕事ではまぁ使わないレジスタだった。


wfi命令のことは以前書きましたが。

wfi命令で割り込みを待つ意味

割り込みが来るまでスリープ状態で待つという命令である。

で、これを何らかの理由があって封じたいのだと思ったのだが、

例外が発生する=やってはいけない という意味ではなかった。

仮想メモリを使っている場合のページフォールトなど意図的に発生させる例外もあるよねと。

物理メモリから退避させたデータにアクセスを試みるとページフォールトが発生するから、

物理メモリにデータを復帰させてからタスクの実行を再開するとか。

例外にはそういう使い方は存在するわけである。


で、このwfi命令で例外を発生させるというのは仮想化のための機能だった。

1つのCPUで複数のゲストOSを動かしている場合、

そのうち1つのOSが暇になったからとwfiで割り込み待ちされては困って、

そのときは別のOSにCPUを譲ってほしいわけである。

なのでゲストOSでwfi命令が発生したら、例外を発生させて他のゲストOSに切り替える。

そして、wfi命令で待っている割り込みが発生したら、待っていたゲストOSに戻す。

すなわち、wfi命令を割り込みフラグが立つまでスリープというシステムコールに置き換えるために使う機能だった。


1つの物理マシンで複数のOSを動かす仮想化技術は今や当たり前になっている。

(このサーバーが動いているVPSも仮想サーバーである)

仮想化というのもいろいろな段階があったそうで、

最初は本来は特権モードで動くOSをユーザーモードで動かして、

それで特権レベルの命令で例外を起こしてはソフトウェアで模擬するというやり方をしていたらしい。

ただ、そうすると例外がたくさん発生して効率が落ちてしまう。


そこで、ゲストOSを動かすモードとホストOSを動かすモードを分ける方法が考えられた。

AMD-VやIntel-VTの場合は従来からの特権レベル(Ring 0とRing 3)とは別にゲストモードという動作モードを加えた。

従来からのRing 0, Ring 3と、ゲストモードのRing 0, Ring 3という4モードになったと。

ARMの場合、64bit化されたAArch64では従来のユーザーモードをEL0、特権モードをEL1として、

さらにそれより高い特権レベルとしてEL2(ハイパーバイザー)を追加した。


特権レベルを分けたことでハードウェアでの模擬が可能になった部分もある。

例えば、従来は仮想アドレスの変換テーブルをソフトウェアで変換していたが、

ゲストOSでは2段階のアドレス変換を導入して全てのアドレス変換がハードウェアで完結するなど。

それでゲストOSがハードウェアリソースを使おうとしたときには例外が発生し、

AMD-Vなら通常モードのRing 0で動くホストOSに、

AArch64ならEL2で動くホストOSに遷移して、ソフトウェアで模擬すると。

ここで例外が発生するべき命令の1つがwfiだったということである。


仮想化とは関係なく使っても、何か使えそうな気もしたけど、特に意味は無いでしょう。

仮想化ってのも意識されてるんだなぐらいのオチである。

それはお買い物マラソンのポイント

基本的に電子書籍はBOOK☆WALKERで買っているのだが、

取り扱いのない出版社がありKoboで買うこともある。

で、Koboで注文しようとしたらポイント付与がやたら大きい。

確かに今日は「楽天KoboハイパーWEEK」で付与率が上がっていたが、

確かこの数字は入ってなかったはず。と思ったら「お買い物マラソン」の分だったらしい。


理屈はこうである。

先日、Google Playギフトコードの10%引きクーポンがあり、楽天でけっこうな金額を購入した。

最近はなかなか10%引きなんて機会ないですからねって。

で、これが明日未明まで開催の楽天スーパーセール期間に合わせたもので、

この間に1000円以上の買い物をした店舗数により付与率が変わるわけである。

で、Koboで購入すると期間中に購入した店舗数が2となる。

Koboで購入する前は ギフトコード購入額×1%のポイントが付与されたところ、

Koboで購入すると (ギフトコード購入額+Kobo購入額)×2%となる。

この差分がKobo購入により付与されるポイントとして表示されていた。

すなわち、ギフトコード購入額×1%が乗っかっていたわけである。


お買い物マラソンのシステムを考えればなるほどとは思ったのだが、なかなか違和感のある表示である。

極端なケースだと購入金額より付与ポイントの方が大きいこともあるのかも。

内訳を見ると「対象期間内の購入分」として表示されているので、

本質的にこの商品に対して付与されるポイントと分けて確認出来るようにはなっている。


なかなか楽天でこういうキャンペーンの恩恵を受けることはないが、

今回は珍しくも楽天特有の買い物ということで見ることになった。

普段から楽天であれこれ買う人には当たり前なんでしょうけどね。


ちなみにYahoo!ショッピングでは、あらかじめボーナスストアで購入すると、

後日ポイント付与率が上がるというキャンペーンをよくやっている。

キャンペーン期間だけ買い物する人よりも、普段から買い物している人を優遇するという施策である。

高額な買い物をするならば、その前に仕込んでおくとお得ということで、

これも複数店舗での買い回りを促進する策という点で共通的な部分がある。

ボーナスストアに限るというのが考え物ではあるけど。


というわけで今後けっこう楽天ポイントが付くことになる。

期間限定ポイントの分も多いので楽天ペイとかで消化しないとならん。

そこまで苦労する話ではないだろうが。

出走したいのは賞金が高いダービー

イギリスの本家ダービーステークス、日本から参戦かと言われた馬が2頭いたが、

いずれも国内で皐月賞・日本ダービーと走るのが本線となったようだ。

これ自体は結局はそうなるよねという感じなのだが、

ダートに目を向ければケンタッキーダービーを目指すのが何頭かおり、

今月末のUAEダービーは日本からの参戦ではもっとも重要な前哨戦である。

大井のダート三冠が創設されてもこのルートに賭ける馬は多い。


イギリスのダービーに参戦かと言われたのが2頭いると書いたが、

まず1頭目がシンエンペラーである。2020年の凱旋門賞を優勝したSottsassの弟である。

矢作調教師がフランスのセリ市に出向いて210万euroで落札したんだよね。

当然、これはオーナーからの依頼を受けてのことだが、藤田晋氏である。

こんなん日本で走るんかと思われたところもあったが、京都2歳ステークスを優勝、

この頃に英ダービーも視野と報じられていた。

その後に年末のホープフルステークスで2着となったのだが、

この走りを見た結果なのか、国内路線でという話になったようである。

もう1頭がジャスティンミラノ、共同通信杯優勝後にダービー登録を行った。

「選択肢を広げるため」ということだったが、こちらも皐月賞→日本ダービーに決めたようである。


そもそも前提条件として、元々イギリスのクラシック5競走は1歳時から登録が必要だった。

しかし、これが今年から廃止され3歳2月に初回登録を行えばよいことになった。

これにより出走の確度が高まった段階で登録を行えばよくなり、上記のような話が出てきたわけである。

なお、日本においても桜花賞・皐月賞・オークス・ダービー・菊花賞は2歳10月に初回登録が必要で、

本家に比べれば幾分遅いが、他のG1レースが2週間前と考えると早い。

もっとも現在は追加登録も可能で、その場合でも登録料は200万円である。

10着以内に入れば賞金(出走奨励金)で元が取れるレベルなので、特に菊花賞は追加登録での参戦は多い。


本家ダービーの出走を考えた明確な理由はわからないのだが、

シンエンペラーは皐月賞・日本ダービーに向かないという懸念があったのではないか。

スピード勝負の色合いの強い春二冠は向いていないという考えである。

皐月賞前にもかかわらず「菊花賞の本命」と言うような人もけっこういる。

ただ、最終的には皐月賞・日本ダービーと走るべきという判断になったようである。


ジャスティンミラノは日本ダービーの出走権争いが厳しいと見たためではないかというのがある。

重賞を勝っていれば普通はダービー出走は問題ないと考えられるのだが、

今年は賞金順での出走が厳しくなるかもしれないという観測もあったようだ。

心配しすぎな気はするんだけど「選択肢を広げるため」という理由は理解できる。

皐月賞で5着以内に入れば優先出走権が得られるので、そこに入れれば問題ない。

皐月賞には勝つ気で挑むなら、ダービーも当然出走できるという理屈ではないか。


さて、冒頭にダートだとケンタッキーダービーを目指す流れは根強いが、

本家ダービーとケンタッキーダービーの違いは賞金である。

日本ダービーの1着本賞金は3億円(2023年~)となっている。

去年までは世界で最も賞金が高いダービーは日本ダービーだった。

皐月賞と菊花賞も1着本賞金は2億円に引き上げられ、三冠ボーナスは3億円、

ちなみに本賞金と言っているのは、この他に登録料を原資とする付加賞があり、

クラシック競走は早期登録のため付加賞の金額が比較的多く、

昨年の日本ダービーの1着付加賞は2735万円と、実際は1割増ぐらいになる。

一方の本家ダービーは1着賞金は85万ポンド、1.6億円ぐらいか。

イギリスにしては高額賞金だが、日本ダービーの半額なんですよね。

ちなみに2000ギニーの1着賞金は2000ギニー(2100ポンド)……ではなく約19万ポンドで3500万円ほど。

ジャスティンミラノが勝った共同通信杯は4100万円、G3だがこっちの方が高い。


これがダートになるとだいぶ違う。

今年から始まる大井のダート三冠の1着賞金は 羽田盃が5000万円、東京ダービーが1億円、ジャパンダートクラシックが7000万円である。

従来の賞金を考えれば大奮発である。あと三冠ボーナスも8000万円ある。

とはいえ、ケンタッキーダービーとUAEダービーと比べると見劣りする。

ケンタッキーダービーは今年から1着賞金310万USドル、およそ4.6億円である。

日本ダービーが世界最高賞金のダービーでなくなったのはこれが原因である。

芝に限れば日本ダービーは引き続き世界最高賞金のダービーである。

なお、昨年の賞金は186万USドル、それでも2.7億円だから高額である。


これに並ぶほど、というか一時抜かれたことがあるほど高額賞金のダービーがある。

それがUAEダービーである。今年の1着賞金は58万USドル、8500万円……

あれ? いや、この金額でも羽田盃よりは高額ですけどね。

確認したところ2020年だけ賞金が高くて1着150万USドルで大奮発だったと。

で、このときにケンタッキーダービーの賞金を追い抜いて、

それに対抗してケンタッキーダービーの賞金が増額、今年にさらに増額して逃げ切りを図った。

一方のUAEダービーはドバイワールドカップデー全体の見直しで減額になったと。

とはいえ、UAEダービーはG2である。そう考えれば今の賞金も高額である。


ちなみにアメリカ三冠の他のレースは、プリークネスステークスが1着90万USドル、

ベルモントステークスが1着120万USドルである。

短期決戦のアメリカ三冠完走は容易ではないが、もしもUAEダービー→アメリカ3冠を連勝すれば、578万USドル、およそ8.5億円である。

京浜盃(羽田盃の前哨戦)と大井のダート三冠を全部勝っても3.3億円である。

これまでの賞金を考えれば頑張ったのだが、これは全く歯が立たない。

登録料なし(競馬法の規定で地方競馬は登録料の制度がない)、輸送費はTCKまたはJRAが負担だから、リスクは全然違うが。


ただ、JRA所属馬にとっては春二冠は出走権争いが厳しい問題もある。

全日本2歳優駿を優勝したフォーエバーヤングがUAEダービー→ケンタッキーダービーを選んだのは、

名誉や賞金のこともあるだろうけど、国内の出走権争いから逃れる意味もあったと思う。

UAEダービーの前にサウジダービーに出走して優勝、90万USドルを獲得している。

ってサウジダービーってUAEダービーよりも東京ダービーよりも賞金高かったんですね。

G3なんですけどね。(国際格付けのない東京ダービーには言われたくないだろうけど)


以前、旧友と賞金が高いレースはやはり面白いという話をしたのだが、

賞金が高いから充実したレースになるかというと必ずしもそうとは言えないが、

賞金が安いレースはだんだん細っていくし、高いレースはだんだん充実してくる。

それが顕著なのが3000m級の超長距離戦ではないか。


日本生まれセントレジャー経由凱旋門賞行き

イギリスではセントレジャーはもはや春二冠取るような馬が走るレースではない。

ニジンスキー(1970年三冠達成)が最後の三冠馬ではないかと言われているが。

伝統あるレースのあるイギリスだが、2400m以上の長距離戦を軽視する流れもあり、

そこをアイルランドのクールモアが送り込んだ日本産馬(父ハーツクライ)がかっさらっていったわけである。

というかダービーの2400mですら怪しいんだよね。

ダービーを勝ったAuguste Rodinもクールモアが送り込んだ父ディープインパクトの馬ですからね。

(生まれはアイルランドだが、母馬は交配のために日本に来ている)

賞金が安くては投資もままならんと、イギリス競馬の貧乏エピソードでもある。


一方の日本では3000m級のG1としては菊花賞と天皇賞(春)がある。

3000m級の3歳戦というセントレジャーを忠実に続けるのは本家と日本の菊花賞ぐらいしかない。

日本でも菊花賞をパスする有力馬が増えたり、3200mの天皇賞(春)が格上挑戦余裕だったり、

3000m級のレースレベルが少し危ぶまれた時期もあったが、

それぞれ皐月賞と天皇賞(秋)の賞金引き上げに合わせて2億円と2.2億円になり、持ち直してきた感はある。

なお、優勝馬のレベルは安定して高く、天皇賞(春)も菊花賞も世界のトップ100 G1レースの常連である。


昨年のケンタッキーダービーのときこんなことを書きましたが。

将来的には東京ダービーをケンタッキーダービーに並ぶ権威のあるレースにしたいけど

(ケンタッキーダービーに3頭参戦)

日本ダービーはもはや本家ダービーを凌駕するレースになっていると言える。

それはシンエンペラーとジャスティンミラノが国内路線を選んだことにも現れている。

一方の東京ダービーはまだ国際格付けもないし、賞金もまだ物足りない。

目指すところとしては地方競馬を含めた日本ダート競馬のレベルアップだろう。

裏付けとなる馬券売上次第だが、下級クラスも含めて賞金を上げていき、

その先にはケンタッキーダービーを凌駕する権威あるレースになることもあるかもしれない。


ちなみに今年から時期がかわってドバイワールドカップとドン被りと書いた川崎記念、

今年から1着賞金1億円になるそうで。東京大賞典と同額で帝王賞(8000万円)より高い。

帝王賞より川崎記念の方が高額賞金!? とざわついていたが。

TCKはダート三冠とその前哨戦でかなりの賞金増額をしてしまった一方、

川崎記念は年間を通じたレースの充実のために時期変更したのに、どうしても充実してもらわないと困るという理由はありそうだが。

確かに帝王賞は同時期に他によきレースがないので勝手に充実しますからね。