バスが使えるのに鉄道が使えないのはおかしいからね

JR東日本が、東北地方においてSuicaエリアを拡大することを発表した。

北東北3県における Suica ご利用エリアの拡大について (pdf) (JR東日本)

Suicaエリアは細々とした拡大(2020年の鹿島線への導入など)や、

一部駅の導入に留まっていた区間の未導入駅への導入(2017年に韮崎~松本にあった未導入駅にSuicaを導入したなど)はあったが、

本格的なエリア拡大という点では、2014年の松本・会津・山形などへのエリア拡大以来ではないか。


で、どこに導入するのかと見てみると、青森・盛岡・秋田の周辺に独立した利用エリアが設けられるようだ。

青森エリアだと青森~弘前と津軽の2大都市を結ぶ区間、途中には新青森駅で新幹線と接続する。

盛岡エリアだと東北本線の盛岡~北上を中心に、田沢湖線の盛岡~雫石、釜石線の花巻~新花巻、ここはそこそこ広い。

秋田エリアだと男鹿線全線と奥羽本線・羽越本線の概ね秋田市内の区間ということで、男鹿線以外はけっこう限定的。

新幹線接続も意識したのかなと思いつつも、明確にそういう使い方があるのは青森エリアぐらいかも。


なんでかなと思ったんだけど、さっきのニュースリリースの最後のページに「地域連携ICカードの導入状況」という資料がある。

地域連携ICカードというのは地域のバス会社などが発行するSuicaを拡張したカードで、

第一弾が栃木県で関東自動車・JRバス関東が発行するtotoraというカードですね。

これにより両社の栃木県内路線はSuicaと相互利用できるICカードに対応し、totoraでの定期券発行を開始した。

回数券代替というには弱いがバス利用でtotoraではポイント付与されるようだ。

次いで岩手県交通(Iwate Green Pass)でも導入されている。岩手県北バスもここに乗っかる予定なのかな。


この導入エリアを見てみると、栃木県・群馬県・山形周辺はすでにSuica導入済みだね。

(もっとも山形については仙山線の利用に特化しているので、県内移動にはあまり使えないけど)

そして今回の導入エリアというのは、青森周辺・岩手県内・秋田周辺にそれぞれ対応している。

八戸周辺と庄内は鉄道への導入予定がないけど、もしかしたら計画はあるのかも。

こういう観点で新規導入エリアを見てみると、八戸線が入ってないのが不思議なぐらいだね。

青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と協調しての導入も探ってるのかも知れないが、

八戸線の八戸~鮫だけでも導入されると、地域内移動・新幹線接続の観点からも便利そうだよね。


ICカードの利用エリアといえば、JR西日本(ICOCA)の積極策が全国的に見ても目立つ。

ICOCAエリアはひとつに

現在、ICOCAエリアは富山県から山口県まで山陰や香川県も含めて16府県に広がっている。

エリア内に明確な境界はないが、200km以内などの条件はある。(でも地域内の移動にはまったく困らない)

ここにはいろいろな背景がある。

1つはJR西日本がチケットレス特急券の導入とセットでICOCAエリアを拡大したこと。

岡山~出雲市や和歌山~新宮のエリア拡大は、当初は特急停車駅を中心とした導入で特急を意識していた。

沿線地域がICOCA導入に積極的だったことも要因だと思う。

特に北陸ではもっとも最初に導入したのは、新幹線開通時にJRから独立した あいの風とやま鉄道 ですからね。

沿線市町村もICOCA利用の補助制度を設けて鉄道利用を促進してるケースがけっこうある。

西日本では、鉄道の導入が先行し、地域のバス・鉄道がICOCAを導入する流れが続いている。


JR東日本のアプローチはどちらかというとJR九州(SUGOCA)に似てるのかもね。

SUGOCAエリアは福岡・佐賀・大分・熊本エリアこそ北部九州の広域が1エリアだが。

宮崎エリア・鹿児島エリア・長崎エリアは各県庁所在地の周辺に限られる。

わりとローカルな利用に特化してる印象だが、宮崎エリアは宮崎空港との往来で使われることも多いかも。

鹿児島・長崎への導入は2012年と比較的早かったんですよね。

そこから、2015年の宮崎エリア導入以降はあまりエリアは変わってないんですけどね。


ところで岩手県内ってすでにSuica導入区間があるんですよね。

それが一ノ関駅・平泉駅で、この両駅はSuica仙台エリアの一部として導入されている。

一関は宮城県に隣接する都市だが、一方で宮城県との往来がそんなに多いのかは疑問がある。

だいたい、一ノ関駅の隣の宮城県の導入駅は60km離れた小牛田駅なんですよね。

今回の盛岡エリアの南端にあたる北上駅までの42kmよりだいぶ遠い。(この間に平泉駅がある)

おそらく一ノ関~平泉を新幹線接続で利用できるようにするための名目として仙台エリアの一部にしたのだろうが、

結果としてはそれゆえに岩手県内の移動に断絶が生じてしまったということだろうと。

仙台エリアへの統合も視野にあるのかもしれないが、一方で八戸・青森方面への拡張も考えられる。

このあたりはどっちがよいかというのは一概には言えないですけどね。


というところで将来的な行方は気になるところはあるが、基本的な考えとしてはいいと思いますね。

導入済みエリアでも導入路線・導入駅の拡大はあるかもしれませんね。

さっきも書いたけど山形県内は仙山線に特化していて、県内移動にはあまり使えないなんていうのもある。

ここは前々からなんでやらないんだろって思ってたところですけどね。