陸続きで道路もあるのに船があった

びっくりしたというのは、この航路が未だに生き残ってたことだけど。

浜島~御座~賢島定期航路(浜島航路)の廃止について (pdf) (志摩マリンレジャー)

志摩マリンレジャーというのは、英虞湾と鳥羽湾で観光船と定期船を運航している会社。

定期船は英虞湾で2航路あって、1つは賢島~間崎~和具航路、これは離島である間崎島を通ることもあって今後も継続運航される。

もう1つが今年9月で廃止が表明された賢島~御座~浜島航路だが、実はこれは陸続きのところを結んでいるのである。


このあたりは海岸線が入り組んでおり、地形が険しいということで、かつては陸続きのところでも船が重宝された。

僕が知る限りでは、三重県内で離島が関係しない航路としては下記のものが存在した。

  • 鳥羽~浦村~石鏡 (鳥羽市営定期船) 1975年廃止
  • 賢島~御座~浜島 (志摩マリンレジャー) 2021年9月廃止予定
  • 五ヶ所湾巡航船 (志摩マリンレジャー) 2000年廃止
  • 須賀利巡航船 2012年廃止

いずれも廃止理由は道路整備ということである。

特に鳥羽~浦村~石鏡はパールロード(開通当初は有料道路だったが)の開通からまもなく廃止されたという。

須賀利巡航船は尾鷲市の飛び地である須賀利町と他の地域を結ぶ道路がなかったことに由来する。

1982年の道路開通後も須賀利の唯一の公共交通として運航が継続されてきたが、2012年にコミュニティパスに転換された。

長らく航路が維持されたのは、尾鷲市街まで海を行く方が圧倒的に近かったからだろうが、そうはいってもコスト面で不利だしね。


賢島~御座~浜島航路が現在まで残っていた理由はよくわからない。

御座も浜島も道路が通じ、伊勢市や鵜方(志摩市中心部)までバスで結ばれている。

賢島~御座は海を突っ切った方が近いのは事実だが、陸路で鵜方・伊勢方面へ向かったとしても極端に遠回りなわけではない。

バスは1時間に1~2本運行され、鵜方~御座の所要時間はおよそ1時間、

賢島~御座の船が25分と考えると速いのはそうだが、1日3往復ではメリットは乏しいだろう。

賢島~浜島では本数・所要時間どちらを取っても海路のメリットはないだろう。


海路に顕著なメリットがあるとすれば、御座~浜島という英虞湾の入口付近を結ぶ区間で、

実はこの区間は国道260号線の海上区間で1989年まではカーフェリー(奥志摩フェリー)が運航されていたという。

今にしてみればどんなニーズがあったのかと気になってしまうが。

この国道260号線の整備で鵜方~御座の道路や五ヶ所湾を囲む道路ができたわけだ。

海上区間を挟んで使うというよりは、陸の孤島同士を結んだ道路という感じなんだけどね。

実際問題として、御座~浜島だけの利用は少ないはず。


これにより志摩マリンレジャーの定期船は賢島~間崎~和具航路だけになる。

この航路は間崎島が架橋されていない離島であることから、離島航路としての補助金が出ている。

賢島~和具と考えるとここは陸続きだが、和具には三重県立水産高校があるため通学航路としての需要がある。

このことから経営的に恵まれているとは言えずとも、とりあえず廃止の心配はない。

1日9往復運航され、最終便が17時台というのはいささか早いが、十分使える航路だと思う。


以前教えてもらったんだけど、

青森~脇野沢~佐井を結ぶシィラインは陸続きのところを結ぶにもかかわらず離島航路としての補助金が出てるらしい

下北半島の先の方なのだが、このあたりは道路状況が悪く、冬期は閉鎖される区間もあるため、

特に県庁所在地の青森市との往来となると、極端な遠回りを強いられる事情があるようだ。

道路が全く使えないわけではないが、陸続きの生活圏はせいぜい むつ市 ぐらいまでということか。

このような事情から陸つながりの離島航路が認められているということである。

実は函館~大間のフェリーを使って函館へ行くのが一番近いなんて話もあるぐらい。

函館~大間がいくら近くても、本州~北海道の広域移動としては意義が乏しいところ、生活航路としての意義がメインという。


全国的にはこういう地域はいろいろあるのかもしれないけどね。

ただ、三重県の志摩地域ではもう陸の孤島はないと思ってたので、なんで残ってるんだろというのは不思議だった。

以前から廃止を提案してはいたみたいなんですけどね。(調べるとそんなニュースがいくつかひっかかった)

事情からすればもっとあっさり廃止されてもよさそうなもんなんだけどね。