マンジャロとゼップバウンド

突如としてアセンブラを書かないといけない仕事が発生して、ガリガリ書いている。

アセンブラで所望の処理は作れたのだが、コードを見てもさっぱりわからないので、

後でフローチャートとか書かないといけないなとか考えていた。

数命令だけアセンブラで書くとか、そういう話じゃないんですよね。


最近はマンジャロの不適正使用がいろいろ問題となっている。

「マンジャロ」はGLP-1受容体作動薬という薬で糖尿病の治療薬である。

インスリンの効きが悪い、分泌が悪いことにより血糖値が上がるタイプの糖尿病(2型糖尿病)に適用される。

インスリンを分泌させるためのスイッチとしてGLP-1受容体というのがある。

これは小腸から分泌されるホルモンによって作動するわけだが、

GLP-1受容体を活性化することで、十分なインスリンが分泌できるようにすると。

インスリンそのものや、ホルモンそのものを投与する方法に比べて低血糖になりにくく、投与回数も週1回なので便利そうだ。


GLP-1受容体作動薬に共通する話なのだが、食欲を抑制する作用がある。

2型糖尿病の患者は肥満であることも多いので、血糖値のコントロールとともに、肥満の解消による糖尿病の改善も期待しているそう。

マンジャロはこの効果が他の同種の薬より高いそうである。

この効果が強いのがよいか、弱いのがよいかは患者により異なるので、

これがGLP-1受容体作動薬の使い分けの1つになっているそう。


元々のGLP-1受容体作動薬の目的は糖尿病の治療薬なのだが、

この薬は肥満症の治療にも使えますねという話がその前からあった。

低血糖になりにくいので、必ずしも糖尿病の治療でなくても使えると。

その1つが「ゼップバウンド」という薬なのだが、成分はまるっきりマンジャロと一緒らしい。

同じ成分の薬でも使い方が違えば、薬の形態が違うということはある。

でも、この2つの薬は投与量の考え方はほぼ同じで注射薬であることも同じである。


じゃあ、なんで違う薬として売られているのか?

理由の1つは価格の差である。ゼップバウンドの方がだいぶ高い。

同じ薬の値段が違うのは変な気がするが、いろいろ事情はあるそう。

マンジャロは糖尿病治療薬同士の横並びで決められた側面がある。

ゼップバウンドは肥満病治療薬同士の横並びで決めようとしたが、

原価から計算した方が安かったのでそちらが採用になったと。

原価には臨床試験などにかかる費用やそれをわり算する患者数などの要素もあるのでしょうけど。


さて、冒頭の話に戻るわけだが、マンジャロの乱用というのは、

本来、糖尿病の治療の必要ない人の体重を減らす目的で使うことである。

一方で、ゼップバウンドは用法用量の範囲では肥満症の治療に使うことができる。

「ダイエット目的でマンジャロを使う」のはそれだけで不適正とわかるが、

「ダイエット目的でゼップバウンドを使う」だとそれだけでは不適正かはわからない。

でも、後者は全然聞かないわけである。なんでだろうね。


主な理由は2つあるそうで、1つは価格、もう1つは入手性である。

価格はさっき見ての通り、同じ薬なのに効能の違いで値段が違う。

もう1つの入手性なのだが、どうもゼップバウンドは「最適使用推進ガイドライン」というものがあるそう。

これは薬を使用する上での条件を細かく書いたガイドラインなのだが、主な目的はこうである。

また昨今、革新的かつ非常に高額な医薬品が登場しているが、こうした医薬品に対して、国民負担や医療保険財政に与える影響が懸念されており、「経済財政運営と改革の基本方針 2016」においても、革新的医薬品の使用の最適化推進を図ることとされている。

真に患者が必要としている薬は高額でも健康保険制度の下で少ない負担で利用できる必要がある。

でも、他の治療法が適するとか、効果が期待できない患者に使っては金の無駄だということである。

当然、健康被害を防ぐことなども目的にはあるだろうが、主目的はこれである。

ガイドラインは最新の知見により適宜見直されているようである。

このガイドラインにより処方できる医療機関が限られているということらしい。


当たり前だが、薬を投与してまで解消する肥満というのは相当なものである。

肥満により各種の生活習慣病(糖尿病を含む)が生じているようなケースで、

食事療法・運動療法で十分な効果が得られないものに限られる。

ゼップバウンドの効能には対象となるBMIや症状が書かれており、

さらに食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合と、治療の優先順位も定められている。

(食事療法・運動療法が優先することはマンジャロにも記載されている)

これをより明確化しているのが最適使用推進ガイドラインである。


マンジャロの不適正使用には、糖尿病のために処方されたものの横流しもあるが、

自由診療として堂々ダイエット目的で処方されているものもある。

保険診療では用法用量を守って処方しなければならないが、自由診療なら問題ない?

いや、医師・薬剤師が堂々そういうことをやるのは論外では?

ゼップバウンドがあるので肥満に効果があることは立証できているとは言えるが、

それはゼップバウンドの処方でやるというルールなわけですよね。


マンジャロによる健康被害がどれぐらい深刻なのかはわからない部分はあるが、

これは一部の薬で行われている医師・薬局・患者の登録制も必要なのかもしれない。

コンサータは歴史を繰り返している?

覚醒剤に近い性質のあるリタリン、コンサータ、ビバンセもそうだし、

重篤な副作用の懸念があり、患者への指導が必要などの理由で実施されているものもある。

やるならマンジャロとゼップバウンドの両方なんだろうなとか思いますが。

他のGLP-1受容体作動薬にも共通する課題としてやる必要もあるのかもしれない。

そんな話を言い出すと、糖尿病の治療に真っ当に使っている患者が少なからず困るんだけど。


果たしてそうなるのかわからないけど、医師・薬剤師が不適正使用に積極的に関与している状況では、

医師・薬剤師が適正な治療ができるか問わざるを得ないでしょう。

それを実現する手段は登録制しかないと思いますけどね。

そうしない限り収束しそうにはないですが、どうでしょうか?