以前、バイクで小金井市内を走っていると、建物の上部にデカデカと時刻が表示されている建物があって、
その前に表札で気づいたのだけど、ここが情報通信研究機構(NICT)である。
NICTは日本標準時を作っていることで有名な研究所で、そのアピールで標準時を表示していると。
だからどうしたという話なのだが、時々ここに大勢の人が集まることがある。
うるう秒が挿入されると 8:59:60 という通常は存在しない時刻表示が発生する。
厳密な標準時を提供する研究所では、これが表示されるのである。
そんな小金井の名物? なのだが、2017年が最後になりそうである。
「うるう秒」27年に事実上廃止へ 自転とのずれ「1時間」まで容認 10月に国際会議で採決 (ITmedia)
そもそもうるう秒というのは地球の自転と1日の長さのずれを調整するものである。
1日=86400秒は原子時計でズレないが、地球の自転はわずかながら変動がある。
うるう秒を行わないと、日の出・日の入りの時刻がだんだんズレていく。
調整しないまま長い年月が経つと、日の出が午後になり、日の入りが午前になるかもしれないと脅される。
ただ、実は最近は地球の自転と1日の長さはとても近い。
現在の世界協定時(UTC)の運用が始まった1972年は1日より自転が遅く、
毎年のようにうるう秒を挿入して自転に合わせていた。
近年は自転が早くなり、2017年からうるう秒がいらない状態が10年近く続いている。
ところがこの自転が早いというところが心配事のようである。
中でも懸念されているのが、UTCから1秒を差し引く「負のうるう秒」だ。これまで実施例はなく、BIPMの決議案によると、地球の自転に関する専門家らは、35年までに必要となる確率を約30%と推定しているという。BIPMは、実施すれば対応が不十分な重要インフラで障害や混乱を招く恐れがあるとしている。
そもそも、うるう秒はコンピュータシステムにとって問題が多い。
それでも うるう秒の挿入であればこれまでの実績からできるだろうと。
でも、うるう秒の削除(UTCの23:59:59を飛ばして0:00:00にする)はこれまで経験がなく、
果たしてそれを無事に出来るのかという点に心配があると。
今後の地球の自転がどうなるかというのは予測は出来ないため、
地球の自転が早い状態が続き、0.9秒以上の差が蓄積されるかはわからない。
でも、うるう秒の削除もありうるとなって議論が活発化したようである。
60秒差まで許容するという案も言われていたが、最終的には3600秒差まで許容するという結論になったようである。
神戸では春分・秋分付近では朝6時頃に日の出・午後6時頃に日の入りになるけど(厳密には一致しないが)、
札幌では25分ほど早いし、那覇なら30分ほど遅い。
一般的にはタイムゾーンは1時間間隔で切られて、最も近いものを選ぶことが通常である。
さらに言えば一部地域ではサマータイムで1時間ずれたタイムゾーンを使うこともある。
なので1時間差までなら許容できると考えたそうだ。
もっとも1時間差が積みなさなるまでには数千年とかかる。
1時間差を許容するということは、今後はUTCを地球の自転に合わせないということにほぼ等しい。
数千年先にUTCが運用されているかどうかのほうが疑わしいわけだし。
1時間ずれを調整するために通常存在しない1時間挿入したり削除するのは現実的ではなく、
実際に1時間調整するとすればUTCとの時差を調整することになるのだろう。
現在、日本はUTC+9のタイムゾーンだが、それをUTC+8とかUTC+10にするということである。
コンピュータ上ではUTCで時刻を管理していることが多いため、その点では混乱は引き起こしにくい。
実際のところ、うるう秒に対して愚直に対応すると問題が多いので、
UTCの23:59:60を挿入する代わりに、直前2時間の1秒の長さを(7201/7200)倍に伸ばすことで対応するとか、
1秒ずれは後で時刻合わせで吸収するとかいう対応も多いよう。
元々、コンピュータの時間合わせはわずかな時間差であれば、
1秒の長さをわずかに伸び縮みさせて少しずつ吸収する方法が広く使われている。
この方法を事前にやるか、事後にやるかの違いである。
ただ、いずれの方法でも1秒単位の厳密な時刻からの乖離がしばらく生じる。
世界中で揃っているはずのUTCがシステムごとにずれると問題を引き起こしかねないと。
正直、コンピュータの都合だけで決めるのもどうかと思うんだけどね。
ただ、うるう秒を真面目に実施するのは困難なのもその通りで、
そのための代替手段が様々あるのが問題の1つでもある。
統一的な代替手段があれば、あまり不安はなかったのかもしれない。
でも、それを考えるよりは うるう秒 をやらない方が簡単と考えたわけですよね。
少なく見積もっても100年ぐらいは問題は顕在化しないだろうからね。