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四国新幹線は何のため

四国に旅行している人が、四国新幹線の早期実現を掲げたポスターを見て、

そこに高知~松山の所要時間が54分になると書いてあって、

ちょうどその区間を移動してたようで、新幹線あったら圧倒的に早く済むなと言っていて、

そういえば四国新幹線の構想ってそうでしたね。


四国の新幹線実現を目指して

ここに「四国の新幹線のイメージ」という図が掲載されているが、

岡山・徳島・松山・高知をX字状に結ぶルートが書かれている。

徳島~大阪、松山~大分は破線で記載されているが、この区間の実現はとりあえず目指していない。

実線でかかれているX字状のルートは総延長302kmで事業費は1.57兆円、費用便益比は1.03と1以上の数字が書かれている。


実は四国新幹線という構想はかなり昔から存在して、

当初の構想では、大阪~淡路島~徳島~高松~松山~大分 というルートで考えられていた。

その計画のために、大鳴門橋には鉄道用のスペースを確保していたという。

(現在はここは徳島県立の渦潮観察施設「渦の道」として暫定的に使用されている)

しかし、明石海峡大橋の建設時には実現性が乏しいという判断がなされ、ここは道路橋のみで建設された。

現在、淡路島経由の高速道路は関西~四国各地を結ぶ高速バスが多く走っている。

鉄道こそないけど、関西~四国を結ぶメインルートとして重宝されているところである。


どうして大鳴門橋を作った後でこの計画が放棄されたのかという話だけど、おそらくは建設費がかかりすぎるということだと思う。

明石海峡大橋は現在に至るまで世界最長の吊り橋、そこに線路を載せるというのは技術的に難しかった。

そこまで頑張ったところで、前後にも線路を引かないと新幹線にならないが、本州側のアプローチが難しそう。

淡路島経由の四国新幹線の構想自体は全くなくなったわけではないが(上で紹介した図でも破線で書かれているとおり)、

本州~淡路島のルートが実現性に乏しかったことが、このルートが放棄された理由と言えそうだ。


四国にはもう1つ、四国横断新幹線という岡山~高知を結ぶルートの構想もあった。

この構想のため、瀬戸大橋には在来線と新幹線の双方の線路が引けるようなスペースが取られている。

この構想が生まれた時点では、四国の新幹線の本命は 大阪~徳島~高松~松山 の四国新幹線だったのかもしれない。

ただ、淡路島経由のルートの実現性が乏しくなってきて、いつしか本命がこちらに移り、

そして2010年代になって、九州新幹線・北陸新幹線・北海道新幹線の次の新幹線構想として、

本州~四国間は瀬戸大橋経由の1ルートに集約し、なおかつ四国4県を結ぶX字状のルートが生み出されたとみられる。

これならば、淡路島経由のルートに比べれば建設費は圧倒的に安く済む上に、四国4県いずれにも恩恵がある。


それにしても、今までの新幹線というのは、複数の都市を一本筋で貫くか、主要都市からだんだん枝分かれしていくルートか、

こんなX字状のルートが果たして実現性があるのかというところが問題である。

北陸新幹線の 敦賀~大阪 のルートを巡って、あれこれと論争があったのは、ルートを1本筋にすることにこだわったからと言える。

当初計画では、敦賀~小浜~亀岡~大阪 というルートだったが、これでは北陸と交流の深い京都を通らないことに問題がある。

敦賀~米原として米原で東海道新幹線に接続すれば、京都・大阪・名古屋いずれへも便利で、建設費も安いので有望視されたこともあった。

でも、米原で東海道新幹線へ乗り入れるのは実現性に課題があるということで問題となった。

結果的には、敦賀~小浜~京都~学研都市(松井山手)~大阪(新大阪) というルートで決着したのだが、

小浜経由という当初計画を生かせること、京都・大阪の双方へ直通できること、滋賀県は建設費負担がないこと、

京都~大阪が東海道新幹線と二重ルートになるが、学研都市経由とすることで差別化できる、

ということで沿線府県いずれにもメリットがある案で決着できたということである。


このX字状のルートで四国新幹線の建設を求めることについては、四国4県で合意できているらしい。

徳島県にとっては、このルートでは関西やそれより東方面へは新幹線は使えない。今後も淡路島経由のバスがメインになるとみられる。

それでもこのルートで合意できているのは、3大都市圏方面への所要時間を短縮することだけが目的ではないということ。

上で紹介したページには東京・大阪への所要時間短縮効果が書かれているが。

(徳島~東京・大阪の現状の所要時間は鉄道(岡山経由)の所要時間で、淡路島経由のバスを使うルートではないから実態に合わない)

その下には四国4県都間の所要時間短縮効果が書かれているが、これも大きなアピールポイントである。

本州~四国は瀬戸大橋経由の1本のルートにして費用を抑えて、それで四国4県いずれにも恩恵があるということで、

他の案に比べれば費用対効果は高く、費用便益比が1をわずかに超えるため新幹線建設は可能ではないかということである。


さらに末端区間を単線で作ることで建設費を節約できるという提案もある。

単線の新幹線なんて、と思うけど現状の在来線はいずれも単線ですからね。

なおかつX字状ということで、岡山方面以外の3方面はどん詰まり。(大阪~徳島、松山~大分がつながるのは現実的な想定ではない)

そのため、将来を見据えて考えても、単線で可能という判断もわからなくはない話である。

将来に複線化する可能性が少しでもあるなら、最初から複線で作った方がよいと思うが。


ただ、気になるのはこんなルートでどうやって運行するのかという話である。

岡山~松山、岡山~高知 の2ルートは堅いかなと思いつつ、それ以外はけっこう複雑。

山陽新幹線への直通運転も可能かよくわからない。

ただ、直通運転は多少犠牲にしても、乗り継ぎ利用が便利なら十分効果があるとも言える。

上の構想は、絵に描いた餅かもしれないが、やりようがまったくないわけではない。


四国新幹線の構想を理解する上では、現状の四国の鉄道網は設備的に難しいところを、

あれこれやりくりして、できるだけ利便性を高めようと努力してきたという経緯も知っておくべきだと思う。

四国内は大半が単線、さらに言えば岡山県内の瀬戸大橋線(宇野線区間)にも単線区間がある。高速運転に適する線路も少ない。

四国特急は本数は多い(ここはJR四国の努力である)が、大概において遅いのが難点である。

高速道路網が整備されていることもあって、淡路島経由となる関西方面を中心に高速バスが強い。マイカーにも対抗しがたい。

そんな中で根本的な改善策としては、新幹線用の新しい線路を引くということにならざるを得ないんですね。

お金はかかりますけどね。ただ、現状が悪すぎるのでメリットは大きいですよ。


Author : Hidemaro
Date : 2020/10/03(Sat) 23:40
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